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3第二ハーデス
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3第二ハーデス
さっきと同様にビルの一室からはじまった。
「はい着きました。ここは第一ハーデスと違い個人意識優先の世界です。
欲の世界とでも言いましょうか、自分の欲望のためには手段を選びません。
ただ他人に危害を加えないところが、先程の世界との大きな違いです。
それを頭に入れてまた表に出てみましょう」
二人は大通りを歩き始めた。 さっきの世界と違いここは異臭も少なく空気感も違っていた。
「さっきの街と違いますね」
「はい、違いに気付きましたか? ここにはさっきのように危害を加えようとする人間はおりませんので、
少しは安全ですがここもハーデスでは下に位置する世界。 油断しないで下さい。
他人に危害を加えることはなくても間接的に危害が加わることは当たり前にあります。
それと精神患者さんや自殺願望者もこの世界に多いですから」
二人が歩いていると、ブツブツ言いながら歩いてくる青年が目に入った。
その青年の顔は青白くやせ細り視線は宙を見ていた。
そこをセダンの黒い車が横切ろうとしたその瞬間だった。 青年は急に車の前に飛びだし、
フロント部分に激突した。 一瞬の出来事だった。
車の運転手は出て来て「わ~どうしよう、俺、悪くねえから。
こいつが、こいつが勝手に飛び出してきやがった。 悪いのはこいつ」
そう言い終えると運転手はそのまま車で立ち去った。 その様子を見ていた新見が、倒れた青年の
元に歩み寄ろうとした瞬間後ろから腕を捕まれた。 高橋の手だった。
「チョット待って、みててごらんなさい……」
その青年はしばらくすると起き上がり、またなにやらブツブツ言いながら歩き出した。
「……? どういう事ですか?」
「肉体が無いから当然なの。 私達の世界は死は肉体の死を意味するけど、ハーデスでは肉体が
無いから死も存在しない。 あの青年はそのことを知らないから、何度でも死を繰り返すの。
でも結局は死ねない。ず~っとあの調子。あの逃げた運転手は生前も人をひき殺しています。
でも、ひいたのは自分のせいじゃないと思い込んでるの。今見たようにね。
ひとつの事だけで頭がいっぱいなのよこの第2ハーデスの人間は。
二人は足を進めた。
「ここはデパートみたいだけど、中がどうなってるか見てみたいです」
「はい、わかりました。 入ってみましょうね」
二人は星雷百貨店というデパートに入った。 入口を入ってすぐに化粧品と高級バックと思われる
コーナーが目に入った。 新見は陳列しているバックを手にとって眺め思わず小声で叫んだ。
「何これ? レザーって表示なのにこれビニールじゃない……これ有りなの?」
高橋が「さっきの話し思い出して」
新見はさっき? そういえばこのハーデスは自分さえよければ……なるほど、こういうこと……
「にしても星雲百貨店でもこんなことするんだ」新見は呟いた。
「星雲百貨店って書いてませんよ」
「そんなこと無いですよ、私ちゃんと看板確認したんですから」新見は少し語気を強くいった。
「じゃぁチョット表に出てみましょうか?」
そう言った瞬間二人はさっき来たところに立って上を見上げた。
高橋が「ようくみて下さいね」
新見は看板をよくみた「あっ? 星雷百貨店って書いてる。 曇っていう字と、雷っていう字と
読み違いなの? これじゃぁ詐欺みたいなものでしょ」
「わかっていただけました? 第二ハーデスの自分さえ良ければという意味が」
「わかりました。まさか建物ごとこんな手の込んだことをするとは、第二ハーデスも恐るべし……」
「もう少し売り場を覗いてみましょうか?」
「ええ、面白そう。 お願いします」
続いて寄ったのが婦人服売り場。 新見が見る限り若干流行というかデザインが古くさい感じがするけど、
自分の世界でもそれは当たり前にありえることだからと思った。
「ここは当たり前に売ってますね」
「フフ、そう見えますか? チョット私の後ろについてきて下さい」
高橋は店員を呼びつけた。
「すみませ~ん。このブラウスおいくらですか?」
「はい」
高橋の姿を上から下までじっくり見て店員が「これは二十万円です」
「あっ、そう。ずいぶん高いのね?」
すかさず「昨日までは二十五万円だったのよ。 今日はセールだから五万円引きなの」
「う~ん、やっぱり止めます」
「オバサン! いったい、いくらなら買うの?」態度と声が豹変した。
「五千円ってとこね」
「オバサンもしかして、私に喧嘩売ってるのかい?」
「いえ、この位の物なら五千円が妥当って思ったのよ」
「そっかい、オバサンは目が肥えてるね。 わかった、じゃあ五千円でいいよ持ってきな」
「やっぱり、いらない」
「なに~。 オバサンひやかしか?」
「違うけど、あなたが客に向ってオバサンといったその態度が気にいらないのよ」
店員は急に態度をひるがえし「お姉様、すいませんでした。 私、これ売らないとクビになるのよね。
買ってよ」
「もう、結構です」高橋は歩き出した。
「なんだい、糞ババァ!」店員は捨て台詞を吐いた。
「この世界も凄いですね」
「あの人達はあれで必死なんですよ。 売らないと上司から小言言われるの、私達は広い視野で
視てるからお見通しだけど、あの人達には死活問題なのよ。 ちょっと悪いことしたかしらね?」
二人はまた歩き出した。
「他に何処か興味のある場所ありませんか?」
「雑誌社に興味あるけど、入室許可書ないし……」
「わかりました。 ついてきて下さい」
二人はミルキー出版と書いたビルの下に着いた。
高橋が「付いてきて下さい」
「ごめん下さい」
受付にいる年齢不詳の女性に「すみません、こちらの編集部に用事があって来たんですが」
「はい、なんの編集部ですか?」
咄嗟に新見が「服飾関係です」
「はい、あなた達の名前は?」
「高橋と新見です」
「で、用件は何に?」
高橋が、この受付私達をからかってる、どうもこのままでは通したくないみたいだけど、
高橋は財布から紙を出し受付に握らせた。
受付は「少々お待ち下さい」
その後、受話器を上げ何か小声で話していた。
「高橋様、この交通証をお持ち下さい。 何か聞かれても、受付の村田から聞いたといわないでよ!
エレベーターを四階で降りて正面にあります」
「やっぱりここもお金なんですね」
「だから、考えようによっては単純で便利なの」
案内されたのは小さな応接間。
「いらっしゃい。あんた達かい? 用事って。 いったい何が聞きたいわけ?」
高飛車な態度だった。
新見が「今年の冬、どういうファッションが流行るのか、お聞きしたいのですが」
「なんで僕が君達にレクチャーしないといけないわけ? なんの義務があるわけ?」
高橋が「これ気持ちですけど……受けとってやって下さい」
例のごとくそっと手渡した。
「まっ、教えないわけではないけど、僕から聞いたっていわないでよ。 企業秘密なんだから。
僕は独り言をいうからね聞こえたらゴメン」
1時間ほどでその独り言は終わり二人はビルを出た。
さっきの受付は「またいつでもどうぞ。 待ってま~す」と妙にハイテンション。
「社長さん、さっきの独り言、全部嘘ですよ。 たぶん二~三年前の流行だと思います。
ハーデスには時間感覚がないから、ハッキリしませんけど」
「同じ第二ハーデスでも、ここはまだマシな方なのよ。 チョット面白いもの見せてあげるから
私の手を握って」
次に訪れたのは体育館のように大きな仏教寺院風の建物だった。
正面には「大日教」という大きな看板が掲げられていた。 中に入ると千人近くの人間がいた。
いくつかのグループに分かれ、それぞれ講師らしき人間がホワイトボードに何かを書きながら、
五十名ほどの集団に話しかけている。
二人は、その中でひとつの集団を無作為に選び講義を受けた。
その講師は「我が宗派が唯一絶対の真理を説いています。 馬で言うならば他宗は馬の足だったり、
シッポだったりともっともらしい教義を唱えますが、我が『大日教』は馬全体の教えです。
だから完成度が違います。
いいですか、一般の人にはここを強調するんですよ……! そしてこの『大日教』と書いた掛け軸は
尊師様直筆で魂が籠っておられます。 疎かにすると天罰が下ります。 いいですか、天罰です天罰。
そこも強調して下さい。 最低でもひとり百名の会員を集めましょう。 達成された方は、
私のように人の上に立ち講義をやってもらいます。
そしてそれを聞いた人達が、またどんどん入会者を増やす。 それが功徳です。
幸せが何倍にもなって我が身に返ってくるのです。 こんな尊い宗教は他にありません。
どうぞ、みなさんも精進して会員を増やし、良いところに生まれ変わり、また一緒に『大日教』
で頑張りましょう。 ご静聴感謝します」
大勢の拍手が響き渡った。
「これがかの有名な大日教の信者が、亡くなってから来る世界なの。 当然、信者全員がここに来る
わけではないけど、私の知る限りここに来る信者さん結構多いの。
そして、その事に全然気付いていないのよ、宗教って怖いでしょ? ここも視界の狭い世界だから、
他のこと考える余裕がないの」
「変な宗教に偏らなくって良かった」新見は思った。
「この世界はこんな感じです。他は気になるところはありませんか?」
「もう、ここも結構です」
「承知いたしました。私の手を握って下さい」
さっきと同様にビルの一室からはじまった。
「はい着きました。ここは第一ハーデスと違い個人意識優先の世界です。
欲の世界とでも言いましょうか、自分の欲望のためには手段を選びません。
ただ他人に危害を加えないところが、先程の世界との大きな違いです。
それを頭に入れてまた表に出てみましょう」
二人は大通りを歩き始めた。 さっきの世界と違いここは異臭も少なく空気感も違っていた。
「さっきの街と違いますね」
「はい、違いに気付きましたか? ここにはさっきのように危害を加えようとする人間はおりませんので、
少しは安全ですがここもハーデスでは下に位置する世界。 油断しないで下さい。
他人に危害を加えることはなくても間接的に危害が加わることは当たり前にあります。
それと精神患者さんや自殺願望者もこの世界に多いですから」
二人が歩いていると、ブツブツ言いながら歩いてくる青年が目に入った。
その青年の顔は青白くやせ細り視線は宙を見ていた。
そこをセダンの黒い車が横切ろうとしたその瞬間だった。 青年は急に車の前に飛びだし、
フロント部分に激突した。 一瞬の出来事だった。
車の運転手は出て来て「わ~どうしよう、俺、悪くねえから。
こいつが、こいつが勝手に飛び出してきやがった。 悪いのはこいつ」
そう言い終えると運転手はそのまま車で立ち去った。 その様子を見ていた新見が、倒れた青年の
元に歩み寄ろうとした瞬間後ろから腕を捕まれた。 高橋の手だった。
「チョット待って、みててごらんなさい……」
その青年はしばらくすると起き上がり、またなにやらブツブツ言いながら歩き出した。
「……? どういう事ですか?」
「肉体が無いから当然なの。 私達の世界は死は肉体の死を意味するけど、ハーデスでは肉体が
無いから死も存在しない。 あの青年はそのことを知らないから、何度でも死を繰り返すの。
でも結局は死ねない。ず~っとあの調子。あの逃げた運転手は生前も人をひき殺しています。
でも、ひいたのは自分のせいじゃないと思い込んでるの。今見たようにね。
ひとつの事だけで頭がいっぱいなのよこの第2ハーデスの人間は。
二人は足を進めた。
「ここはデパートみたいだけど、中がどうなってるか見てみたいです」
「はい、わかりました。 入ってみましょうね」
二人は星雷百貨店というデパートに入った。 入口を入ってすぐに化粧品と高級バックと思われる
コーナーが目に入った。 新見は陳列しているバックを手にとって眺め思わず小声で叫んだ。
「何これ? レザーって表示なのにこれビニールじゃない……これ有りなの?」
高橋が「さっきの話し思い出して」
新見はさっき? そういえばこのハーデスは自分さえよければ……なるほど、こういうこと……
「にしても星雲百貨店でもこんなことするんだ」新見は呟いた。
「星雲百貨店って書いてませんよ」
「そんなこと無いですよ、私ちゃんと看板確認したんですから」新見は少し語気を強くいった。
「じゃぁチョット表に出てみましょうか?」
そう言った瞬間二人はさっき来たところに立って上を見上げた。
高橋が「ようくみて下さいね」
新見は看板をよくみた「あっ? 星雷百貨店って書いてる。 曇っていう字と、雷っていう字と
読み違いなの? これじゃぁ詐欺みたいなものでしょ」
「わかっていただけました? 第二ハーデスの自分さえ良ければという意味が」
「わかりました。まさか建物ごとこんな手の込んだことをするとは、第二ハーデスも恐るべし……」
「もう少し売り場を覗いてみましょうか?」
「ええ、面白そう。 お願いします」
続いて寄ったのが婦人服売り場。 新見が見る限り若干流行というかデザインが古くさい感じがするけど、
自分の世界でもそれは当たり前にありえることだからと思った。
「ここは当たり前に売ってますね」
「フフ、そう見えますか? チョット私の後ろについてきて下さい」
高橋は店員を呼びつけた。
「すみませ~ん。このブラウスおいくらですか?」
「はい」
高橋の姿を上から下までじっくり見て店員が「これは二十万円です」
「あっ、そう。ずいぶん高いのね?」
すかさず「昨日までは二十五万円だったのよ。 今日はセールだから五万円引きなの」
「う~ん、やっぱり止めます」
「オバサン! いったい、いくらなら買うの?」態度と声が豹変した。
「五千円ってとこね」
「オバサンもしかして、私に喧嘩売ってるのかい?」
「いえ、この位の物なら五千円が妥当って思ったのよ」
「そっかい、オバサンは目が肥えてるね。 わかった、じゃあ五千円でいいよ持ってきな」
「やっぱり、いらない」
「なに~。 オバサンひやかしか?」
「違うけど、あなたが客に向ってオバサンといったその態度が気にいらないのよ」
店員は急に態度をひるがえし「お姉様、すいませんでした。 私、これ売らないとクビになるのよね。
買ってよ」
「もう、結構です」高橋は歩き出した。
「なんだい、糞ババァ!」店員は捨て台詞を吐いた。
「この世界も凄いですね」
「あの人達はあれで必死なんですよ。 売らないと上司から小言言われるの、私達は広い視野で
視てるからお見通しだけど、あの人達には死活問題なのよ。 ちょっと悪いことしたかしらね?」
二人はまた歩き出した。
「他に何処か興味のある場所ありませんか?」
「雑誌社に興味あるけど、入室許可書ないし……」
「わかりました。 ついてきて下さい」
二人はミルキー出版と書いたビルの下に着いた。
高橋が「付いてきて下さい」
「ごめん下さい」
受付にいる年齢不詳の女性に「すみません、こちらの編集部に用事があって来たんですが」
「はい、なんの編集部ですか?」
咄嗟に新見が「服飾関係です」
「はい、あなた達の名前は?」
「高橋と新見です」
「で、用件は何に?」
高橋が、この受付私達をからかってる、どうもこのままでは通したくないみたいだけど、
高橋は財布から紙を出し受付に握らせた。
受付は「少々お待ち下さい」
その後、受話器を上げ何か小声で話していた。
「高橋様、この交通証をお持ち下さい。 何か聞かれても、受付の村田から聞いたといわないでよ!
エレベーターを四階で降りて正面にあります」
「やっぱりここもお金なんですね」
「だから、考えようによっては単純で便利なの」
案内されたのは小さな応接間。
「いらっしゃい。あんた達かい? 用事って。 いったい何が聞きたいわけ?」
高飛車な態度だった。
新見が「今年の冬、どういうファッションが流行るのか、お聞きしたいのですが」
「なんで僕が君達にレクチャーしないといけないわけ? なんの義務があるわけ?」
高橋が「これ気持ちですけど……受けとってやって下さい」
例のごとくそっと手渡した。
「まっ、教えないわけではないけど、僕から聞いたっていわないでよ。 企業秘密なんだから。
僕は独り言をいうからね聞こえたらゴメン」
1時間ほどでその独り言は終わり二人はビルを出た。
さっきの受付は「またいつでもどうぞ。 待ってま~す」と妙にハイテンション。
「社長さん、さっきの独り言、全部嘘ですよ。 たぶん二~三年前の流行だと思います。
ハーデスには時間感覚がないから、ハッキリしませんけど」
「同じ第二ハーデスでも、ここはまだマシな方なのよ。 チョット面白いもの見せてあげるから
私の手を握って」
次に訪れたのは体育館のように大きな仏教寺院風の建物だった。
正面には「大日教」という大きな看板が掲げられていた。 中に入ると千人近くの人間がいた。
いくつかのグループに分かれ、それぞれ講師らしき人間がホワイトボードに何かを書きながら、
五十名ほどの集団に話しかけている。
二人は、その中でひとつの集団を無作為に選び講義を受けた。
その講師は「我が宗派が唯一絶対の真理を説いています。 馬で言うならば他宗は馬の足だったり、
シッポだったりともっともらしい教義を唱えますが、我が『大日教』は馬全体の教えです。
だから完成度が違います。
いいですか、一般の人にはここを強調するんですよ……! そしてこの『大日教』と書いた掛け軸は
尊師様直筆で魂が籠っておられます。 疎かにすると天罰が下ります。 いいですか、天罰です天罰。
そこも強調して下さい。 最低でもひとり百名の会員を集めましょう。 達成された方は、
私のように人の上に立ち講義をやってもらいます。
そしてそれを聞いた人達が、またどんどん入会者を増やす。 それが功徳です。
幸せが何倍にもなって我が身に返ってくるのです。 こんな尊い宗教は他にありません。
どうぞ、みなさんも精進して会員を増やし、良いところに生まれ変わり、また一緒に『大日教』
で頑張りましょう。 ご静聴感謝します」
大勢の拍手が響き渡った。
「これがかの有名な大日教の信者が、亡くなってから来る世界なの。 当然、信者全員がここに来る
わけではないけど、私の知る限りここに来る信者さん結構多いの。
そして、その事に全然気付いていないのよ、宗教って怖いでしょ? ここも視界の狭い世界だから、
他のこと考える余裕がないの」
「変な宗教に偏らなくって良かった」新見は思った。
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