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5第四ハーデス
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5第四ハーデス
部屋では違う女性が、機械操作の女性と話していた。
その女性が「ここからガイド役を務める高橋理恵と申します。
理恵と呼んで下さい。 宜しくお願いいたします」
「こちらこそよろしくお願いいたします」
「では、これから第四ハーデスに行きますが、ここからは人間の粗雑な密度では入れません。
ですから、先に私達の密度調整を行います。 深く、深呼吸を三回して下さい。
ヘッドホンからパルス音が出ますから集中して下さい。 では調整を開始します」
ヘッドホンからミツバチの羽音のようなブ~という低い音がして、頭が軽く痺れた感じがした。
次の瞬間、目の前が明るく光った。 新見は眩しくて目を開けられずそのままジッとしていた。
理恵の声がした「新見様すぐ馴れますからそのまま力まないでリラックスしててください」
身体の痺れも薄れてきた。 同時に言い知れぬ至福感がこみ上げてきた。
新見は思わず胸が熱くなり急に泣けてきた。 横で理恵がじっとその様子を見ていた。
新見は、心の中で「第三までとは雲泥の差。 もしかして天国っていう世界?」
理恵が「そうですよ、一般的にいう天国とはここからの世界をいいます」
「えっ、私、声を出してないのになんで……?」
「このハーデスは思いが全部伝わるんです。 言葉が必要ない世界です」
「テレパシー?」
「そのようなものです。 人間のいうテレパシーと感度が全然違いますが、紙芝居と
液晶テレビの違いがあります。 このハーデスは言葉を使いません。
そもそも言葉とは誤解を生むからです。 皆さん集団で生活してますが、みんな同じ意識体の
魂が集団を形成してます。 異分子的な存在はひとりもいません。 みんな気の合う中間です。
魂の本来あるべき姿です。 これから順に説明しますが疑問が生じたら心に思って下さい」
ふたりは町並みを見学することにした。 瞬間小高い山にふたりは移動した。
ためらう新見を見て理恵は「ここの移動手段はすべて思いなの、思った瞬間移動してます。
思いは形になる、人間界も同じ仕組みですけど。 違うのは形になるまでのタイムラグです。
人間界は形に表れるまで多少時間が掛かります。 ここハーデス世界は思ったら即形になります。
ハーデスは基本皆そうです。 邪悪なこと考える魂はここにはいませんけど邪悪も即形になります。
そして自分に返ってきます。 ここは完璧に嘘偽りがないのです」
「いい方を変えれば時間がないって事ですか?」
「そうです、学習が早いですね」
「社長さんから説明受けてました。 いま実感しました」
ふたりが見た景色は草木と建物が調和の取れたメルヘンのような町だった。 ひと言でいうなら、
全体的に質素だけど完璧な安らぎと安定感が感じられた。
理恵が「これが本来の姿です。 人間界は無駄が多いの、それが物質文明です。
どこかの集落に行ってみましょうか? 私、お奨めの所があるのですが」
「はい、お任せします」
次の瞬間、集落が目に入った。
理恵が「では、行きます」
そこは小川が町の中心を流れ、一面が花に囲まれた集落。 向こうから女性がやってきた。
「こんにちわ、また見学?」
「はい」理恵が親しみを込めていった。
新見は内心「本当だ、話してないのに思いが鮮明に伝わる」
「段々馴れてきましたね」
「ここはどんな町ですか?」
「物を作る集落」
「物作りの集落?」
「今に解ります」
新見には人が半分透けて見えていた。
理恵はすかさず「今にハッキリ見えてきますから、見えてきたらこのハーデスに馴染んできた証し」
新見が「言葉が要らないって便利」
目が馴れてくると色んなカラフルな服を着た人が作業をしていた。 どの顔も笑顔に見えた。
見ている新見も心の底から楽しさがつたわってきた。
「なんで全員笑顔なの?」新見が思った。
「楽しんでるの、何をやっても楽しいの。 私達の世界ではポジテブだとかネガテブって表現するけど、
ここは完璧なポジテブ世界。 でも本当は、ネガテブが無いからポジテブとい概念も無いけど……」
「ストレスも?」
「当然」
「ここいいなぁ~」
「空を見てください」理恵が指さした。
新見は空を視た? あれれ……何か足りない? あっ、……太陽が無い!
「そう、太陽がなくても明るいの」
「どうして?」
「わたしもどうしてか解りません」
「ファッションがみんな似てるけど理由があるの?」
「衣食住は人間の常識ですが、このハーデスはそういうものに重点を置かないの、超越してるのね」
「やっぱり観念?」
「そう、ここも全体が観念で出来てるの」
「観念……」
「では、次の集落に行きます」
ここは大きな建物があり人間社会の都会にどことなく似た感があった。
「そう、似てるでしょ。 この第四ハーデスを似せて人間社会は造られてるからです」
「どうして?」
「このハーデスで考えたことが人間界に投影されるからなの。 そしてここから多くの
カルマを残した魂が、人間界に転生していくのです。 つまり人間界での誕生です」
「人間の魂はもともとここの人なの?」
「全部でないけれどそういうこと」
「一部は?」
「この上のハーデスから人間界に降ります。 色んな役目を持って」
「上手くできてるのね」
「そう、この仕組みは完璧。 神の仕組み」
「誰かと話ししてみたい」新見は思った。
「かしこまりました」
次に移動したのは大きな山の麓にある集落。
「ここは智の集落」
「智の集落?」
「小説や文学や知的なことを好む集落」
そこに女性がひとり歩いてきた。
「こんにちは」
その女性は「今日は、ここに何をしにきました?」
理恵が「会話をしたくて」
「どうぞ。で、なにを話しますか?」
新見が「私は新見です宜しく」
「あなたはこちらに来て間もない方?」
「どうして解る?」
「この世界は名前が無いから、名のる人は人間界の習慣が強いから癖で名のるの」
「あなたは何をやってるのですか?」
「仕事は小説家」
「どんな?」
「ホラー以外なら何でも」
「小説を書いて売るのですか?」
理恵が「ここはお金がないから売るという事はしない。 提供するだけ。 お互いに提供し合うから
不自由はない」
「そのとおり」
新見が「わたし段々思い出してきた。この感覚知ってます」
理恵が「新見さん記憶蘇るの早いほうですよ」
新見が「この町見て回っていいですか」
「どうぞご自由に」
新見は「なんかこの空気感ワクワクしますね。 身体の重さがない感じない」
住人と理恵が笑った。
「何か私、可笑しいこといいました?」
理恵が「もともと身体はありません」
新見が「あっ、そうでしたね」
それから三人は町を丁寧に見学してからこの町を後にした。
「理恵さんこっちの世界は良いですね。 私も死んだらこられますか?」
「新見さんなら来られますよ」
二人の後ろから「すみません」語り掛けてくる意識があった。
二人はその意識に集中した。
新見に「お姉さんはさっき私をここに来させてくれた人ですよね」
新見が「えっ? あの踏切の?」
「そうです、ありがとうございました」
その娘のうれしさが伝わってきた。 本当に喜んでる。 私役に立ったのね、理恵も瞬時に
事情が飲み込めた。
その娘が「わたし、この世界で勉強し直して、また人間界で先生として頑張ってみたいと思ってます」
新見と理恵が「頑張って下さい」
感謝の気持ちを伝え娘は消えていった。
理恵が「もうひとつ見に行きましょう」
瞬間大きいドームが見えた。二人は中に入った。
そこには大勢の人がモニターらしいものを見ながら意識を集中していた。
新見が「これは?」
「人間界に生まれるタイミングを伺ってるの、モニターの手前が生まれる人で、
両脇にいるのがガイド役を務める人」
「こうやって生まれてくるの……」
「人間界は表面意識が優先される世界なの、表面意識で表現して生きるっていうことは結構大変なんです。
だからガイドが必要になるの」
「もしガイドがいなっかったら?」
「考えられないし、そういう例はありません」
「そんなに重要なんだ」
「最重要。 因みに釈迦やキリストにもガイドが護っています」
「私のガイドは?」
「う~ん、チベットの僧侶だった自分自身」
「……」
「後ろにいるでしょ」
新見が後ろを意識した瞬間泣き出した。 しばらく沈黙が続いた。
理恵が「どうでしたか第4ハーデスは? そろそろ時間だから第5にこのまま進みます。
第5ハーデスは人間意識を超越してます。分かりやすく云うと、自然と叡智と調和。
言葉で表現すると制限があるから厄介だけど。とにかく凛として全く揺るぎがない完成された世界です。
ここから又波動が変わります先程と同じく呼吸を整えて下さい」
部屋では違う女性が、機械操作の女性と話していた。
その女性が「ここからガイド役を務める高橋理恵と申します。
理恵と呼んで下さい。 宜しくお願いいたします」
「こちらこそよろしくお願いいたします」
「では、これから第四ハーデスに行きますが、ここからは人間の粗雑な密度では入れません。
ですから、先に私達の密度調整を行います。 深く、深呼吸を三回して下さい。
ヘッドホンからパルス音が出ますから集中して下さい。 では調整を開始します」
ヘッドホンからミツバチの羽音のようなブ~という低い音がして、頭が軽く痺れた感じがした。
次の瞬間、目の前が明るく光った。 新見は眩しくて目を開けられずそのままジッとしていた。
理恵の声がした「新見様すぐ馴れますからそのまま力まないでリラックスしててください」
身体の痺れも薄れてきた。 同時に言い知れぬ至福感がこみ上げてきた。
新見は思わず胸が熱くなり急に泣けてきた。 横で理恵がじっとその様子を見ていた。
新見は、心の中で「第三までとは雲泥の差。 もしかして天国っていう世界?」
理恵が「そうですよ、一般的にいう天国とはここからの世界をいいます」
「えっ、私、声を出してないのになんで……?」
「このハーデスは思いが全部伝わるんです。 言葉が必要ない世界です」
「テレパシー?」
「そのようなものです。 人間のいうテレパシーと感度が全然違いますが、紙芝居と
液晶テレビの違いがあります。 このハーデスは言葉を使いません。
そもそも言葉とは誤解を生むからです。 皆さん集団で生活してますが、みんな同じ意識体の
魂が集団を形成してます。 異分子的な存在はひとりもいません。 みんな気の合う中間です。
魂の本来あるべき姿です。 これから順に説明しますが疑問が生じたら心に思って下さい」
ふたりは町並みを見学することにした。 瞬間小高い山にふたりは移動した。
ためらう新見を見て理恵は「ここの移動手段はすべて思いなの、思った瞬間移動してます。
思いは形になる、人間界も同じ仕組みですけど。 違うのは形になるまでのタイムラグです。
人間界は形に表れるまで多少時間が掛かります。 ここハーデス世界は思ったら即形になります。
ハーデスは基本皆そうです。 邪悪なこと考える魂はここにはいませんけど邪悪も即形になります。
そして自分に返ってきます。 ここは完璧に嘘偽りがないのです」
「いい方を変えれば時間がないって事ですか?」
「そうです、学習が早いですね」
「社長さんから説明受けてました。 いま実感しました」
ふたりが見た景色は草木と建物が調和の取れたメルヘンのような町だった。 ひと言でいうなら、
全体的に質素だけど完璧な安らぎと安定感が感じられた。
理恵が「これが本来の姿です。 人間界は無駄が多いの、それが物質文明です。
どこかの集落に行ってみましょうか? 私、お奨めの所があるのですが」
「はい、お任せします」
次の瞬間、集落が目に入った。
理恵が「では、行きます」
そこは小川が町の中心を流れ、一面が花に囲まれた集落。 向こうから女性がやってきた。
「こんにちわ、また見学?」
「はい」理恵が親しみを込めていった。
新見は内心「本当だ、話してないのに思いが鮮明に伝わる」
「段々馴れてきましたね」
「ここはどんな町ですか?」
「物を作る集落」
「物作りの集落?」
「今に解ります」
新見には人が半分透けて見えていた。
理恵はすかさず「今にハッキリ見えてきますから、見えてきたらこのハーデスに馴染んできた証し」
新見が「言葉が要らないって便利」
目が馴れてくると色んなカラフルな服を着た人が作業をしていた。 どの顔も笑顔に見えた。
見ている新見も心の底から楽しさがつたわってきた。
「なんで全員笑顔なの?」新見が思った。
「楽しんでるの、何をやっても楽しいの。 私達の世界ではポジテブだとかネガテブって表現するけど、
ここは完璧なポジテブ世界。 でも本当は、ネガテブが無いからポジテブとい概念も無いけど……」
「ストレスも?」
「当然」
「ここいいなぁ~」
「空を見てください」理恵が指さした。
新見は空を視た? あれれ……何か足りない? あっ、……太陽が無い!
「そう、太陽がなくても明るいの」
「どうして?」
「わたしもどうしてか解りません」
「ファッションがみんな似てるけど理由があるの?」
「衣食住は人間の常識ですが、このハーデスはそういうものに重点を置かないの、超越してるのね」
「やっぱり観念?」
「そう、ここも全体が観念で出来てるの」
「観念……」
「では、次の集落に行きます」
ここは大きな建物があり人間社会の都会にどことなく似た感があった。
「そう、似てるでしょ。 この第四ハーデスを似せて人間社会は造られてるからです」
「どうして?」
「このハーデスで考えたことが人間界に投影されるからなの。 そしてここから多くの
カルマを残した魂が、人間界に転生していくのです。 つまり人間界での誕生です」
「人間の魂はもともとここの人なの?」
「全部でないけれどそういうこと」
「一部は?」
「この上のハーデスから人間界に降ります。 色んな役目を持って」
「上手くできてるのね」
「そう、この仕組みは完璧。 神の仕組み」
「誰かと話ししてみたい」新見は思った。
「かしこまりました」
次に移動したのは大きな山の麓にある集落。
「ここは智の集落」
「智の集落?」
「小説や文学や知的なことを好む集落」
そこに女性がひとり歩いてきた。
「こんにちは」
その女性は「今日は、ここに何をしにきました?」
理恵が「会話をしたくて」
「どうぞ。で、なにを話しますか?」
新見が「私は新見です宜しく」
「あなたはこちらに来て間もない方?」
「どうして解る?」
「この世界は名前が無いから、名のる人は人間界の習慣が強いから癖で名のるの」
「あなたは何をやってるのですか?」
「仕事は小説家」
「どんな?」
「ホラー以外なら何でも」
「小説を書いて売るのですか?」
理恵が「ここはお金がないから売るという事はしない。 提供するだけ。 お互いに提供し合うから
不自由はない」
「そのとおり」
新見が「わたし段々思い出してきた。この感覚知ってます」
理恵が「新見さん記憶蘇るの早いほうですよ」
新見が「この町見て回っていいですか」
「どうぞご自由に」
新見は「なんかこの空気感ワクワクしますね。 身体の重さがない感じない」
住人と理恵が笑った。
「何か私、可笑しいこといいました?」
理恵が「もともと身体はありません」
新見が「あっ、そうでしたね」
それから三人は町を丁寧に見学してからこの町を後にした。
「理恵さんこっちの世界は良いですね。 私も死んだらこられますか?」
「新見さんなら来られますよ」
二人の後ろから「すみません」語り掛けてくる意識があった。
二人はその意識に集中した。
新見に「お姉さんはさっき私をここに来させてくれた人ですよね」
新見が「えっ? あの踏切の?」
「そうです、ありがとうございました」
その娘のうれしさが伝わってきた。 本当に喜んでる。 私役に立ったのね、理恵も瞬時に
事情が飲み込めた。
その娘が「わたし、この世界で勉強し直して、また人間界で先生として頑張ってみたいと思ってます」
新見と理恵が「頑張って下さい」
感謝の気持ちを伝え娘は消えていった。
理恵が「もうひとつ見に行きましょう」
瞬間大きいドームが見えた。二人は中に入った。
そこには大勢の人がモニターらしいものを見ながら意識を集中していた。
新見が「これは?」
「人間界に生まれるタイミングを伺ってるの、モニターの手前が生まれる人で、
両脇にいるのがガイド役を務める人」
「こうやって生まれてくるの……」
「人間界は表面意識が優先される世界なの、表面意識で表現して生きるっていうことは結構大変なんです。
だからガイドが必要になるの」
「もしガイドがいなっかったら?」
「考えられないし、そういう例はありません」
「そんなに重要なんだ」
「最重要。 因みに釈迦やキリストにもガイドが護っています」
「私のガイドは?」
「う~ん、チベットの僧侶だった自分自身」
「……」
「後ろにいるでしょ」
新見が後ろを意識した瞬間泣き出した。 しばらく沈黙が続いた。
理恵が「どうでしたか第4ハーデスは? そろそろ時間だから第5にこのまま進みます。
第5ハーデスは人間意識を超越してます。分かりやすく云うと、自然と叡智と調和。
言葉で表現すると制限があるから厄介だけど。とにかく凛として全く揺るぎがない完成された世界です。
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