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6第五ハーデス
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6第五ハーデス
次に向かったのは第五ハーデス。
青い空に小鳥の声が聞こえ、何処までも広い草原が視界一杯に広がり、そして空気は澄み渡り
一点の曇りも感じられない。 というか輝いていて眩しくさえ感じた。
理恵が「今は景色しか感じられないけど徐々に視界が鮮明になってくるからまって下さい」
新見は景色だけ見ても、第四ハーデスとは格段の違いが見て取れた。
徐々に景色の中に町並みのような輪郭が感じられた。 二つの大きなドームの輪郭が現われてきた。
次の瞬間どちらか解らないけどひとつの建物の中に吸い込まれるように入っていた。
理恵が「すぐ目が馴れますから」
新見は「馴れるのは目じゃなくて意識ですね」
「さすが新見さん、やはり同調が早いです。 今までもそうですけど目でなく全て意識で視てるの。
ハーデス全部を」
「なんで?」
「肉体がないからです」
「なるほどそうですよね……愚問でした」
みえて来たのは石造りの白い集会場のような場所。
新見が「集会場ですか?]
「そうです、このハーデスでもコンサートや講演など行われます。
基本ここのハーデスの魂は、人間界では神と呼ばれる存在ですが、それは人格神でまだ個性があります。
音楽もありますし、演劇や美術芸術も存在します。 仏教いうならば菩薩界のようなところです。
菩薩像を見ても解るように、綺麗な衣を着て綺麗な装飾品を身にまとってます。 肉体意識のある魂が
到達できる最高位のレベル。 それがここ第5五ハーデス。
如来像はそれらを脱ぎ棄て質素になった状態を指します。 それがこの上の第六ハーデスになるんです」
「解りやすい説明ありがとうございます。 理恵さんは詳しいですね」
「ツアーガイドですから。 ここは何度も訪問して教わりました。 こちらの建物が仏教系でさっき
見たあちらがキリスト系です。 いまの地球系にはその二つの系列があると説明を受けました。
因みに第6ハーデスに行くとそれすら存在しません。」
二人は前に進み始めた、意識体が楽しそうな雰囲気でお互いに同調し合ってるのが解った。
理恵が「あれがこの世界での会話っていうかコンタクトしてる最中。 人間の会話とは全然違うでしょ」
新見が「私には男女の区別がつかないけど?」
「説明し忘れてました。 性別はありません。 便宜上使う場合はあるけど基本雌雄はありません。
今までも肉体がないから本来は性別は無いはずなんだけど、意識が人間の時の記憶が強いからそういう
表現になってるだけ」
突然、ひとりの意識体が接触してきた。
「どうでした? 今まで見てこられた世界は?」
突然、新見は恍惚状態になってしまった。
単純にその至福感が全身に感じられ呆然となって何も考えられなかった。
先程の意識体が「刺激が強すぎたみたいです、すぐ馴れます失礼しました」そういい残し消えた。
新見さんは感性が豊かな人。 こういうタイプはチャネラーに向いてるのに…… 理恵は思った。
新見が「すみませんでした。 突然で心構えが無かったから失礼しました」
「私も初めの頃はそうでした」
「凄い至福感でした」
「解ります」
「正面に視える意識体に、波長を合わせてください」
「何が感じられますか?」
「何かを念じている? 指導中?」
「そうです。ここの意識体は指導を主にしてます。 人間界や今まで観てきたハーデスの指導。
私達人間は目で見たり聞こえたりしませんが、こうやって必要に応じ適材適所で指導しています。
人間的に言うと二十四時間体制です。
人間って 百パーセント自分で考え行動してると思ってますが、こういう意識体がちゃんと
かげで支えてるの。 例え、現世主義者で無神論で強欲な利己主義者であってもです。
自分で描いたシナリオに沿った人生になるように、いつも最後まで見守っています。
だって自分のことだから」
「ありがたくて胸が熱くなります」新見は思った。
「それとこの存在は見返りを求めません。 見返りとは人間界だけの話しだと思って下さい。
人間が意に添わなくても罰を与えません。 昔から天罰が当たると云いますが、あれは自分が
自分に与えてるのです。 天罰とは人間が考えた戒めです。
このハーデスの存在は罰を与えるなど人間的思考は持ち合わせておりません。
もし罰を与えるなら人間の八十パーセント以上は天罰が下ります。 今まで生きてきて天罰で死んだ人
見た事ありますか?
人間は神の名を借りて制裁をしたり、時には脅してきたの。 最終的には自分の地位を守るため。
でも、私がここで指導をうけた時に全く違うことを習いました。
また、世界は今、変わり目にあるって教えてもらったの」
「具体的に?」
「バージョンアップ」
「本屋さんでもよく見ます。 二千十二年問題だとか、最近はアセンションなど多く見かけます。
あれですか?」
「まんざら嘘でもないけど、そうでもないみたい」
「やっぱりですか……」
そこに別の意識体が接触してきた。
「この世界はどうですか?」
新見が「レベルが高すぎて戸惑ってます」
「そうですか……本当はレベルって無いのです意識は宇宙のように自由なんです。
無限です。 自分で制限を設けているただそれだけで神の元では皆平等で共に同じ、
強いて言うなら経験値でしょう」
新見は「どうやったら制限を外せるのですか?」
「まず、はじめから制限がないことを悟ることです」
「私に出来ますか?」
「当然。 但し、行動も伴わないといけません。 その為に人間をしてるのです」
「そうですね」また新見は胸が熱くなってきた。
理恵が「新見さんは本当に素直です。 スピリチュアルな世界向いてます」
「今日のような体験したら、段々霊性を思い出してきたんです」
「私は何度か来てやっとわかり始めたんです。 新見さんは凄いです。 解り出すと
次から次とわかりだします」
「はい、いい経験しました」
「まだ第五ハーデスと第6六が残ってますから期待して下さい」
「このハーデスは何かを作る作業ってしないのですか?」
「基本、創造するのは、どのハーデスもやっていること。 作り方も幾通りもあります。
直接的なものから間接的なものまで」
新見が「音楽なんて聞いてみたいですね」
次の瞬間、空に音楽が流れ出した。 胸に響く音の感覚は人間界の耳で聞く音と全く違い、
楽器一つ一つの音色がリアルに伝わってきた。 楽器奏者の意識まで伝わるのが不思議に思えた。
全体に完璧な調和が感じられた。
理恵が「これは音楽だけど絵も見てみますか?」
次の瞬間ドーム内の一角に移動していた。
「ここが絵や芸術と呼ばれる場所です」
ここは、人間世界でも普通にあるような絵の展示のしかただった。
新見が「人間界のギャラリーと似てますね」
「人間世界がこちらと似てるのです。 今に面白いことがあります。 絵の前に立ってみて下さい」
新見は無作為に選んだ作品の前に立った。
「その絵を見て何かを感じてみて下さい」
いわれるままに従った。次の瞬間、その絵からなにかが伝わってきた。
この絵を描いた意識体がどんな感覚で書いたかわかってきた。
そしてこの一枚の絵に込めたメッセージのようなものまで感じ取れた。
理恵が「どんな作品にも作者の意識が絵に反映されます。 人間界でもそうですけど」
「この世界って軽い空気感でワクワクしてるけど、でも全てに意識が反映されてそういう
意味では重く感じられます」
理恵が「本当に無駄って無いのよね…… 完璧。
そろそろ最後のハーデスに案内いたします」
「はい、お願いいたします」
次に向かったのは第五ハーデス。
青い空に小鳥の声が聞こえ、何処までも広い草原が視界一杯に広がり、そして空気は澄み渡り
一点の曇りも感じられない。 というか輝いていて眩しくさえ感じた。
理恵が「今は景色しか感じられないけど徐々に視界が鮮明になってくるからまって下さい」
新見は景色だけ見ても、第四ハーデスとは格段の違いが見て取れた。
徐々に景色の中に町並みのような輪郭が感じられた。 二つの大きなドームの輪郭が現われてきた。
次の瞬間どちらか解らないけどひとつの建物の中に吸い込まれるように入っていた。
理恵が「すぐ目が馴れますから」
新見は「馴れるのは目じゃなくて意識ですね」
「さすが新見さん、やはり同調が早いです。 今までもそうですけど目でなく全て意識で視てるの。
ハーデス全部を」
「なんで?」
「肉体がないからです」
「なるほどそうですよね……愚問でした」
みえて来たのは石造りの白い集会場のような場所。
新見が「集会場ですか?]
「そうです、このハーデスでもコンサートや講演など行われます。
基本ここのハーデスの魂は、人間界では神と呼ばれる存在ですが、それは人格神でまだ個性があります。
音楽もありますし、演劇や美術芸術も存在します。 仏教いうならば菩薩界のようなところです。
菩薩像を見ても解るように、綺麗な衣を着て綺麗な装飾品を身にまとってます。 肉体意識のある魂が
到達できる最高位のレベル。 それがここ第5五ハーデス。
如来像はそれらを脱ぎ棄て質素になった状態を指します。 それがこの上の第六ハーデスになるんです」
「解りやすい説明ありがとうございます。 理恵さんは詳しいですね」
「ツアーガイドですから。 ここは何度も訪問して教わりました。 こちらの建物が仏教系でさっき
見たあちらがキリスト系です。 いまの地球系にはその二つの系列があると説明を受けました。
因みに第6ハーデスに行くとそれすら存在しません。」
二人は前に進み始めた、意識体が楽しそうな雰囲気でお互いに同調し合ってるのが解った。
理恵が「あれがこの世界での会話っていうかコンタクトしてる最中。 人間の会話とは全然違うでしょ」
新見が「私には男女の区別がつかないけど?」
「説明し忘れてました。 性別はありません。 便宜上使う場合はあるけど基本雌雄はありません。
今までも肉体がないから本来は性別は無いはずなんだけど、意識が人間の時の記憶が強いからそういう
表現になってるだけ」
突然、ひとりの意識体が接触してきた。
「どうでした? 今まで見てこられた世界は?」
突然、新見は恍惚状態になってしまった。
単純にその至福感が全身に感じられ呆然となって何も考えられなかった。
先程の意識体が「刺激が強すぎたみたいです、すぐ馴れます失礼しました」そういい残し消えた。
新見さんは感性が豊かな人。 こういうタイプはチャネラーに向いてるのに…… 理恵は思った。
新見が「すみませんでした。 突然で心構えが無かったから失礼しました」
「私も初めの頃はそうでした」
「凄い至福感でした」
「解ります」
「正面に視える意識体に、波長を合わせてください」
「何が感じられますか?」
「何かを念じている? 指導中?」
「そうです。ここの意識体は指導を主にしてます。 人間界や今まで観てきたハーデスの指導。
私達人間は目で見たり聞こえたりしませんが、こうやって必要に応じ適材適所で指導しています。
人間的に言うと二十四時間体制です。
人間って 百パーセント自分で考え行動してると思ってますが、こういう意識体がちゃんと
かげで支えてるの。 例え、現世主義者で無神論で強欲な利己主義者であってもです。
自分で描いたシナリオに沿った人生になるように、いつも最後まで見守っています。
だって自分のことだから」
「ありがたくて胸が熱くなります」新見は思った。
「それとこの存在は見返りを求めません。 見返りとは人間界だけの話しだと思って下さい。
人間が意に添わなくても罰を与えません。 昔から天罰が当たると云いますが、あれは自分が
自分に与えてるのです。 天罰とは人間が考えた戒めです。
このハーデスの存在は罰を与えるなど人間的思考は持ち合わせておりません。
もし罰を与えるなら人間の八十パーセント以上は天罰が下ります。 今まで生きてきて天罰で死んだ人
見た事ありますか?
人間は神の名を借りて制裁をしたり、時には脅してきたの。 最終的には自分の地位を守るため。
でも、私がここで指導をうけた時に全く違うことを習いました。
また、世界は今、変わり目にあるって教えてもらったの」
「具体的に?」
「バージョンアップ」
「本屋さんでもよく見ます。 二千十二年問題だとか、最近はアセンションなど多く見かけます。
あれですか?」
「まんざら嘘でもないけど、そうでもないみたい」
「やっぱりですか……」
そこに別の意識体が接触してきた。
「この世界はどうですか?」
新見が「レベルが高すぎて戸惑ってます」
「そうですか……本当はレベルって無いのです意識は宇宙のように自由なんです。
無限です。 自分で制限を設けているただそれだけで神の元では皆平等で共に同じ、
強いて言うなら経験値でしょう」
新見は「どうやったら制限を外せるのですか?」
「まず、はじめから制限がないことを悟ることです」
「私に出来ますか?」
「当然。 但し、行動も伴わないといけません。 その為に人間をしてるのです」
「そうですね」また新見は胸が熱くなってきた。
理恵が「新見さんは本当に素直です。 スピリチュアルな世界向いてます」
「今日のような体験したら、段々霊性を思い出してきたんです」
「私は何度か来てやっとわかり始めたんです。 新見さんは凄いです。 解り出すと
次から次とわかりだします」
「はい、いい経験しました」
「まだ第五ハーデスと第6六が残ってますから期待して下さい」
「このハーデスは何かを作る作業ってしないのですか?」
「基本、創造するのは、どのハーデスもやっていること。 作り方も幾通りもあります。
直接的なものから間接的なものまで」
新見が「音楽なんて聞いてみたいですね」
次の瞬間、空に音楽が流れ出した。 胸に響く音の感覚は人間界の耳で聞く音と全く違い、
楽器一つ一つの音色がリアルに伝わってきた。 楽器奏者の意識まで伝わるのが不思議に思えた。
全体に完璧な調和が感じられた。
理恵が「これは音楽だけど絵も見てみますか?」
次の瞬間ドーム内の一角に移動していた。
「ここが絵や芸術と呼ばれる場所です」
ここは、人間世界でも普通にあるような絵の展示のしかただった。
新見が「人間界のギャラリーと似てますね」
「人間世界がこちらと似てるのです。 今に面白いことがあります。 絵の前に立ってみて下さい」
新見は無作為に選んだ作品の前に立った。
「その絵を見て何かを感じてみて下さい」
いわれるままに従った。次の瞬間、その絵からなにかが伝わってきた。
この絵を描いた意識体がどんな感覚で書いたかわかってきた。
そしてこの一枚の絵に込めたメッセージのようなものまで感じ取れた。
理恵が「どんな作品にも作者の意識が絵に反映されます。 人間界でもそうですけど」
「この世界って軽い空気感でワクワクしてるけど、でも全てに意識が反映されてそういう
意味では重く感じられます」
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