4 / 10
4「私はマリ、進路で悩んでますけどなにか?」
しおりを挟む
4「私はマリ、進路で悩んでますけどなにか?」
マリが店にやってきた「店長、アヤミさんおはようございま~す」
「マリちゃんおはようさん。僕、これから打合せで札幌に行ってくるからアヤミちゃんと店番お願いね」
「はい、わかりました」
アヤミが「マリ、そろそろ進路考えないとね…」
「そうなんですよ、私、やりたいこと無いんです。アヤミさんはどうでした?」
「私の場合はとりあえず旅に出て色んな人と友達になったね。そのうちにアクセサリーとか作って路上で売ったり。東南アジアの安い工芸品を買ってきて販売して今があるのよ。手職は強い味方。マリは何が出来る?」
「中国拳法と書道しかないです」
「書道か、そうだ!この色紙になんか文字書いてみてくんない」
「いいですけど…なんて書きます?」
「そうね…空がいい。空ひと文字」
マリは一気に空を書いた。
「おっ、いいね。バランスがいいよ、いけるよこれ。まだ八枚あるから全部書いてよ」
そう言って結局、道・雲・龍・光・魂・心・宙・喝と一気に書いた。
「よし次は名前だね、何が好い?」
「ピリカが好きです」
「書だから漢字だろうが!」
「これはどうですか?」
比莉花と書いた。
「うん好いかもしれない!決定」そう言いながらガラスケースの中に9枚を飾った。
「一枚3千円ぐらいでどう?」
「良いですけど店長に許可は?」
「な~~に、帰ってくる前に全部売っちゃおうよ」
アヤミはポップに【チャネラー比莉花 直筆】(当店限定)と書いた。
客が訪ねた「すいませんけど、この書はなんですか?」
「これはチャネラーの比莉花先生が、この店限定で書いてくれたんです。独特と味のなにかがあるでしょ。比莉花先生本人は否定してるけど、買った人は特別なバイブレーションが伝わると評判なんですよ。この書には何らかのパワーがあるみたいなんです。私も一枚持ってるの。これはさっき入荷したばっかりなので、たぶん次は来月まで入荷しません。旅の土産にどうですか?」
店長が戻る前に9枚すべて完売した。
「7千円は所場代として店長に、残りは山分けしようか」
マリはアヤミのさばき方に敬服した。
「アヤミさん凄いですね」
「路上で小物販売してたから売るコツを知ってるだけよ。この店に来る女の子は路上の客と比べると案外簡単なんだ」
「アヤミさんそのコツ教えてもらえないですか?」
「教わってどうするのよ。まさかマリも路上販売やろうなんて思ってないでしょうね」
「なんでですか?色んな人と知り合いになれて楽しいと思いますけど」
「そりゃ楽しいけどさ、生活は安定しないよ。雨の日もあるし、変な酔っぱらいだとか極道者の嫌がらせなんて頻繁にあるんだよ」
「私そういうのかまいませんけど」
「とりあえず卒業まで時間あるからじっくり考えな。そうだ今度の土曜日に私と狸小路に行ってみようか?路上販売の連中紹介するよ。面白いのいるんだよ。そうだ、その人もピリカって云うんだ味のある姉さんだよ…」
土曜の夜九時、ここは札幌の狸小路というアーケード商店街。二人の姿があった。
「おや?珍しいね。アヤミじゃないかい。しばらくだね元気してたのかい?」
「ピリカ姉さんご無沙汰です」
マリが「ピリカさんですね。初めまして私マリといいます」
アヤミが「そう、この姉さんはこの辺を仕切ってる占い師のピリカ姉さん。この辺のことはなんでも聞いて」
「マリさんか…あんた好い人相してるね、私の目を視てごらん」
マリはピリカを凝視した。マリは初めて味わう感覚を覚えた。全てを見透かされているような。でも、今までで経験したことのない暖かさも感じられた。心の中でこの人はなに者?疑問と不安が同時に湧いた。
「マリ、マリ、おいマリ…」
「あっ、アヤミさん…なにか?」
「どうした?目が宙に浮いてるよ」
ピリカが「アヤミ、この娘はなにしてるんだい?」
「さすがピリカ姉さん。やっぱり分かるんだ。私もそう思ったから連れてきたの。マリはまだ高校3年生なの」
「そうなんだ、で、卒業したら上の学校に行くのかい?」
「いえ、まだ決まってません」
「そっかい、じっくり決めなよ。折角の自分だけの人生なんだから納得のいく道を歩んでね」
「はい」
それから二人は狸小路を一時間ほどぶらつき小樽に帰った。
「どうだった」
「うん、あのシリパさんが印象的で後のことはハッキリいってあまり憶えてません」
「分かるよ。私もピリカ姉さんと初めて会った時は衝撃的だった。シリパ姉さん独特のバイブレーションだからね」
「やっぱり大人の世界って面白いですね」
「黙っててもすぐなるよ」
「マリ先輩おはようございます」書道部二年生の長尾だった。
「はい、おはよう」
「先輩、最近部活に来ないですね、どうかしました?」
「うん、子供の頃から書道やってると飽きる時もあるかもね」
「たまには顔出して下さい。マリ先輩がいないと作業に集中できるんだけど。面白さが半減しますから」
「あたしゃ、あんたらの何なのさ?」
「書道部のムードメーカーですけど…」
「お前も何でも思ったこと正直に云うね…分かった。今日顔出すから。しっかり私の分の墨をすっておきなね!中途半端にすらないでよ」
「お疲れ~久々の書道部。やっぱ墨の香りは落ち着くね」
「マリ先輩お久しぶりです」
「おつ、花江元気してたかい?」
「はい」
「さ~て?墨は?」
「出来てま~す」
「ありがとう」
マリは一気に10枚を書き上げた。
「先輩相変らず大胆ですね・・・どうしたらこんなの
書けるのかな?」
相変らず紙からはみ出しても気にせず、書き殴った字だけれど、訂正する箇所が無いスキのない字だった。顧問の花岡はマリのそこを入部した当初から認めていた。そこに花岡が入ってきた。
「おっ、マリ部活に来てたのか、ご無沙汰だな」
マリの書いた作品を見て「うん、前にも増して大胆になった。でも、字に迷いが感じられるけど…なんかあったか?」
マリが「ジッタ凄いよ、結構眼力あるじゃん。そう、迷いがあるんだよね。進路のことで」
「ほ~う、マリでも人並みに迷いがあるんだ…」
「おい、ジッタ人並みってどういう事さ?人並みって…」
「いや、先生の失言…謝る」
「もう遅い、私、しっかり聞いたけど!」
そのやり取りを見ていた他の部員は「これだよな、書道部名物、先生とマリ先輩のボケとツッコミ…」
マリが「おい、多田なんか言ったか?」
「いえ、何にも言ってません」
「そっかい・・・ならいいけど」
こうしてマリの久しぶりの部活は半分以上が二人のボケとツッコミ、そして笑いで終った。
「今日はこれで帰るから、また来るよ。じゃあ、お疲れさん」
久々に部活を楽しんだ。やっぱ墨の匂いって心落ち着くと改めて実感していた。
帰宅途中「マリさ~ん」後ろから声がした。
振り向くと後輩の新見直子だった。
「おっ、直子久しぶりだね」
「はい、お久しぶりです。わたし見ましたよ」
「なんだい唐突に、で、なに見た?」
「スピリチュアルショップでバイトしてるマリ先輩を」
「えっ、通ったなら声を掛けてくれたらよかったのに」
「うん、かけようと思ったら、急にマリ先輩大きな声で呼び込みを始めたから声かけにくくて…」
「そっか、直子に見られてたか」
「あれってどんなお店なんですか?」
「若い女子を騙して商品を売りつけるインチキな店」
「えっ?インチキなんですか?受けるんですけど…」
「ば~~か、うっそ。いろんなスピリチュアルな商品あるんだ。水晶だとかタロットカードなんかも売ってるし、詳しくは解らないけどね、今度きなよ」
「はい、今度顔出します。じゃぁ私こっちの道行きます」
「おう、遊びにおいで。直子に合った水晶探しておくからね、好い男性と出会える効力ある水晶を、どう?」
「マリ先輩きたいしてま~す」
放課後の職員室花岡が「マリは進路どうするんだ?」
「先生… 私……やりたいです」
「…なに?…もう一度聞いていいかな?」
「だから…私……やりたいです」
「なにを?」
「おい、ジッタしっかり聞けよ!」
「うん、ごめん」
「私は卒業したらファッションモデルになりたい」
「…だから…なんで?」
「なんで?って…なんで?そんなこと聞くの?」
「だって、どういう発想からモデルなのよ。先生をからかってるわけ?」
「うん、からかってる、ハハ、ばっかじゃないの…なんで私がモデルなの、もういい加減解れよな…私と何年付き合ってるんだ…たく」
「お前冗談きつい…先生マリについていけないよ」
「ごめん、まだ進路どうしようかなって考えてま~す。
やっぱ、ジッタの嫁さんになろうかな…私もらってくれる?どう?」
「先生、お前さえ良ければあれ?マリ?何処行った?」
既にマリは走りだし遠くから「ジッタのバ~カ」
END
マリが店にやってきた「店長、アヤミさんおはようございま~す」
「マリちゃんおはようさん。僕、これから打合せで札幌に行ってくるからアヤミちゃんと店番お願いね」
「はい、わかりました」
アヤミが「マリ、そろそろ進路考えないとね…」
「そうなんですよ、私、やりたいこと無いんです。アヤミさんはどうでした?」
「私の場合はとりあえず旅に出て色んな人と友達になったね。そのうちにアクセサリーとか作って路上で売ったり。東南アジアの安い工芸品を買ってきて販売して今があるのよ。手職は強い味方。マリは何が出来る?」
「中国拳法と書道しかないです」
「書道か、そうだ!この色紙になんか文字書いてみてくんない」
「いいですけど…なんて書きます?」
「そうね…空がいい。空ひと文字」
マリは一気に空を書いた。
「おっ、いいね。バランスがいいよ、いけるよこれ。まだ八枚あるから全部書いてよ」
そう言って結局、道・雲・龍・光・魂・心・宙・喝と一気に書いた。
「よし次は名前だね、何が好い?」
「ピリカが好きです」
「書だから漢字だろうが!」
「これはどうですか?」
比莉花と書いた。
「うん好いかもしれない!決定」そう言いながらガラスケースの中に9枚を飾った。
「一枚3千円ぐらいでどう?」
「良いですけど店長に許可は?」
「な~~に、帰ってくる前に全部売っちゃおうよ」
アヤミはポップに【チャネラー比莉花 直筆】(当店限定)と書いた。
客が訪ねた「すいませんけど、この書はなんですか?」
「これはチャネラーの比莉花先生が、この店限定で書いてくれたんです。独特と味のなにかがあるでしょ。比莉花先生本人は否定してるけど、買った人は特別なバイブレーションが伝わると評判なんですよ。この書には何らかのパワーがあるみたいなんです。私も一枚持ってるの。これはさっき入荷したばっかりなので、たぶん次は来月まで入荷しません。旅の土産にどうですか?」
店長が戻る前に9枚すべて完売した。
「7千円は所場代として店長に、残りは山分けしようか」
マリはアヤミのさばき方に敬服した。
「アヤミさん凄いですね」
「路上で小物販売してたから売るコツを知ってるだけよ。この店に来る女の子は路上の客と比べると案外簡単なんだ」
「アヤミさんそのコツ教えてもらえないですか?」
「教わってどうするのよ。まさかマリも路上販売やろうなんて思ってないでしょうね」
「なんでですか?色んな人と知り合いになれて楽しいと思いますけど」
「そりゃ楽しいけどさ、生活は安定しないよ。雨の日もあるし、変な酔っぱらいだとか極道者の嫌がらせなんて頻繁にあるんだよ」
「私そういうのかまいませんけど」
「とりあえず卒業まで時間あるからじっくり考えな。そうだ今度の土曜日に私と狸小路に行ってみようか?路上販売の連中紹介するよ。面白いのいるんだよ。そうだ、その人もピリカって云うんだ味のある姉さんだよ…」
土曜の夜九時、ここは札幌の狸小路というアーケード商店街。二人の姿があった。
「おや?珍しいね。アヤミじゃないかい。しばらくだね元気してたのかい?」
「ピリカ姉さんご無沙汰です」
マリが「ピリカさんですね。初めまして私マリといいます」
アヤミが「そう、この姉さんはこの辺を仕切ってる占い師のピリカ姉さん。この辺のことはなんでも聞いて」
「マリさんか…あんた好い人相してるね、私の目を視てごらん」
マリはピリカを凝視した。マリは初めて味わう感覚を覚えた。全てを見透かされているような。でも、今までで経験したことのない暖かさも感じられた。心の中でこの人はなに者?疑問と不安が同時に湧いた。
「マリ、マリ、おいマリ…」
「あっ、アヤミさん…なにか?」
「どうした?目が宙に浮いてるよ」
ピリカが「アヤミ、この娘はなにしてるんだい?」
「さすがピリカ姉さん。やっぱり分かるんだ。私もそう思ったから連れてきたの。マリはまだ高校3年生なの」
「そうなんだ、で、卒業したら上の学校に行くのかい?」
「いえ、まだ決まってません」
「そっかい、じっくり決めなよ。折角の自分だけの人生なんだから納得のいく道を歩んでね」
「はい」
それから二人は狸小路を一時間ほどぶらつき小樽に帰った。
「どうだった」
「うん、あのシリパさんが印象的で後のことはハッキリいってあまり憶えてません」
「分かるよ。私もピリカ姉さんと初めて会った時は衝撃的だった。シリパ姉さん独特のバイブレーションだからね」
「やっぱり大人の世界って面白いですね」
「黙っててもすぐなるよ」
「マリ先輩おはようございます」書道部二年生の長尾だった。
「はい、おはよう」
「先輩、最近部活に来ないですね、どうかしました?」
「うん、子供の頃から書道やってると飽きる時もあるかもね」
「たまには顔出して下さい。マリ先輩がいないと作業に集中できるんだけど。面白さが半減しますから」
「あたしゃ、あんたらの何なのさ?」
「書道部のムードメーカーですけど…」
「お前も何でも思ったこと正直に云うね…分かった。今日顔出すから。しっかり私の分の墨をすっておきなね!中途半端にすらないでよ」
「お疲れ~久々の書道部。やっぱ墨の香りは落ち着くね」
「マリ先輩お久しぶりです」
「おつ、花江元気してたかい?」
「はい」
「さ~て?墨は?」
「出来てま~す」
「ありがとう」
マリは一気に10枚を書き上げた。
「先輩相変らず大胆ですね・・・どうしたらこんなの
書けるのかな?」
相変らず紙からはみ出しても気にせず、書き殴った字だけれど、訂正する箇所が無いスキのない字だった。顧問の花岡はマリのそこを入部した当初から認めていた。そこに花岡が入ってきた。
「おっ、マリ部活に来てたのか、ご無沙汰だな」
マリの書いた作品を見て「うん、前にも増して大胆になった。でも、字に迷いが感じられるけど…なんかあったか?」
マリが「ジッタ凄いよ、結構眼力あるじゃん。そう、迷いがあるんだよね。進路のことで」
「ほ~う、マリでも人並みに迷いがあるんだ…」
「おい、ジッタ人並みってどういう事さ?人並みって…」
「いや、先生の失言…謝る」
「もう遅い、私、しっかり聞いたけど!」
そのやり取りを見ていた他の部員は「これだよな、書道部名物、先生とマリ先輩のボケとツッコミ…」
マリが「おい、多田なんか言ったか?」
「いえ、何にも言ってません」
「そっかい・・・ならいいけど」
こうしてマリの久しぶりの部活は半分以上が二人のボケとツッコミ、そして笑いで終った。
「今日はこれで帰るから、また来るよ。じゃあ、お疲れさん」
久々に部活を楽しんだ。やっぱ墨の匂いって心落ち着くと改めて実感していた。
帰宅途中「マリさ~ん」後ろから声がした。
振り向くと後輩の新見直子だった。
「おっ、直子久しぶりだね」
「はい、お久しぶりです。わたし見ましたよ」
「なんだい唐突に、で、なに見た?」
「スピリチュアルショップでバイトしてるマリ先輩を」
「えっ、通ったなら声を掛けてくれたらよかったのに」
「うん、かけようと思ったら、急にマリ先輩大きな声で呼び込みを始めたから声かけにくくて…」
「そっか、直子に見られてたか」
「あれってどんなお店なんですか?」
「若い女子を騙して商品を売りつけるインチキな店」
「えっ?インチキなんですか?受けるんですけど…」
「ば~~か、うっそ。いろんなスピリチュアルな商品あるんだ。水晶だとかタロットカードなんかも売ってるし、詳しくは解らないけどね、今度きなよ」
「はい、今度顔出します。じゃぁ私こっちの道行きます」
「おう、遊びにおいで。直子に合った水晶探しておくからね、好い男性と出会える効力ある水晶を、どう?」
「マリ先輩きたいしてま~す」
放課後の職員室花岡が「マリは進路どうするんだ?」
「先生… 私……やりたいです」
「…なに?…もう一度聞いていいかな?」
「だから…私……やりたいです」
「なにを?」
「おい、ジッタしっかり聞けよ!」
「うん、ごめん」
「私は卒業したらファッションモデルになりたい」
「…だから…なんで?」
「なんで?って…なんで?そんなこと聞くの?」
「だって、どういう発想からモデルなのよ。先生をからかってるわけ?」
「うん、からかってる、ハハ、ばっかじゃないの…なんで私がモデルなの、もういい加減解れよな…私と何年付き合ってるんだ…たく」
「お前冗談きつい…先生マリについていけないよ」
「ごめん、まだ進路どうしようかなって考えてま~す。
やっぱ、ジッタの嫁さんになろうかな…私もらってくれる?どう?」
「先生、お前さえ良ければあれ?マリ?何処行った?」
既にマリは走りだし遠くから「ジッタのバ~カ」
END
0
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる