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第一章 異世界転生!?
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「……どうかしましたか?」
不意にかけられた声に、天音は振り返る。
逆光で何者かは姿がはっきりとは見えない。
少し太めで恰幅の良さそうな体型が影から窺える。言葉の質から男性であまり若そうではないが、優しげで余裕を感じた。
「え? 日本語!?」
思わずそう聞き返す。
「は? 何ですか? ニホンゴ?」
天音はこの世界に来てからまだ人に話しかけられなかった。
雑踏も意識的に聞き流していた。
知らない言葉が飛び交っていたらと思ったら不安で仕方なかったのだ。
明らかに日本とは文化文明が違う世界で日本語が通じると思うわけがない。
「あ、いえ。私の言葉がわかりますか?」
「ええ。わかりますよ」
日本語と言う言葉の意味は知らなくても、その人は日本語をしゃべっていた。
考えてみれば、日本語という言葉は天音の元の世界において意味のある言葉だ。
何語と呼ばれているかはわからないが、ここでは別の呼び方をしているのかも知れない。
ひとまず、会話が成り立つなら聞きたいことは山ほどある。
「あの、すみませんがここは何という国でしょうか?」
「リンデート王国ですが、知らずに来たのですか?」
その答えはもちろん知らない。
だが、この世界において、リンデート王国という国がどれほどの知名度があるのかわからないからあまりにも迂闊な質問だった。
この世界では常識的な情報だった場合、天音がそれすら知らない人間だと言うことが相手に知られる。
言葉が通じたことに舞い上がってしまったが、もっと慎重に言葉を選ばなければダメだ。
「はい……実は遠くの国から来た田舎者なので……」
「そうですか。それは何かとお困りでしょう。よろしければ、私がこの街を案内して差し上げます」
その申し出は嬉しい反面、どうしても警戒してしまう。
幼い頃から両親や学校で教えられてきた。
知らない人には付いていかないようにしましょうって言うあれだ。
おまけにここは日本の常識が通用するのかすらわからない。
ただ……あまり迷っている余裕もなかった。
夜の街を一人で歩くか、見知らぬ男に付いていくか。
どちらにしてもリスクは伴う。
なら、この世界で初めて声をかけてくれた人をちょっとは信じてみても良いんじゃないだろうか。
「……ああ、そういえば忘れていました。私は国から国へ旅をしながら商人をしています。ゲルハルト=D=パラチアと申します」
自己紹介をしながらゲルハルトさんは天音に近づき手を差し出してきた。
どうやら、この世界でも握手をする習慣はあるらしい。
薄明かりの中、ようやく姿が見える。
黒髪のおかっぱで綺麗に切りそろえられている。年は四十くらいだろうか。垂れ目で優しげな瞳。腰まで布の服にベスト。ゆったりとしたズボンに革のブーツはどれも品が良さそうだった。
身なりがよく、それでいて礼儀正しい。疑うような要素は見当たらなかった。
それに、もしこの人が悪者だったとしたら逃げれば良い。
恰幅がいいと言えば聞こえは良いが、悪く言えば太っているので逃げるのは難しくないと思った。
「……私は照日天音といいます」
自己紹介をして差し出された手を握り返した。
「テルヒ=アマネ……さん? 珍しい名前ですね。では、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
「ところで、今日泊まる宿屋はお決まりですか?」
「え? 宿屋」
「まさか、もうすぐ日が落ちるというのに宿屋も決まっていらっしゃらない」
「あ、はい……」
「それは大変だ。この街の主立った宿屋は満室になるのが早いですから。今からではまともな宿屋を探すのは難しいでしょうなぁ」
……はっきり言ってしまえば、宿屋が見つかったところでお金がないのだから泊まることはできないのだが。
何となく、その事を伝えるのは躊躇いがあった。
どうしたら良いのか、あるいはどう答えたら良いのか困っていると、ゲルハルトさんは胸を張って笑った。
「なぁに、お任せください。今日は私が泊まっている宿屋に交渉してみましょう。ちょっと街外れなんですがね」
「はぁ……」
天音はまだ迷ってはいたが、選択の余地がないこともわかっていた。
ゲルハルトさんの少し後ろを歩く。
「あの、ゲルハルトさんはどういった商売をしてるんですか?」
「商品の売買ですな。仕入れるものは日によって違うので、何をと聞かれても困ってしまいますが……。商品の価格は日によって変わるので仕入れるものを考えるのも私の仕事のうちですがね」
「今日はもうお仕事はされないんですか?」
「ええ。一つ売れ残りが出てしまったんですがね。取り敢えず今週の生活費は稼げたので来週に向けて物色中だったんですよ」
話しているうちに、商店街の通りを抜けた。
日が傾き、夕焼けが辺りを赤く染める。
ポツポツと街灯のようなものが明かりを灯すが、日本のものと違って気休め程度の明かりでしかなかった。
「あの街灯。勝手に点きましたけど、この街には電気が通ってるんですか?」
「デンキ? ってなんです? 何か新しい商品なら紹介して欲しいですねぇ」
「あ、いえ。そう言うんじゃないんですけど……」
やはりなとは思ったけど、聞かずにはいられなかった。
「まさかとは思いますが、魔法の明かりが点る街灯すらないほどの田舎からいらしたのですか?」
「魔法! あれは魔法で明るくなってるんですか!?」
何となく予想はしていたけど、実際に魔法という言葉を聞くと心が躍る。やっぱりこういう明らかなファンタジー世界に来たら一度は魔法を見てみたいと思っていた。
こうして見てるとただの薄明かりの街灯だけど、魔法で点いているとなると幻想的にも見えてくるから不思議だ。
「ええ。それほど珍しいものではないんですがね」
「あの、ゲルハルトさんも魔法は使えるんですか?」
「……ま、本職の魔道士ほどではありませんが」
これは、少しだけ希望が見えてきたかも知れない。
「あの、魔法の中にはどこかへ移動するような魔法って存在しますか?」
「移動? 空を飛ぶ魔法はありますが、そういう意味の魔法のことではありませんよね」
「はい。……こうパッと一瞬の内に別の場所に行くような……」
言葉で説明するのは難しかった。日本ならテレポーテーションのような魔法って言うだけで伝わるだろうけど。ここの人たちにとっては理解のできない言葉だらけだろう。
「さぁ、存じ上げませんねぇ。そんなことより、そろそろ私の借りている宿屋に着きます」
話に夢中になっていたせいか、気がつかないうちによくわからない場所に来ていた。
人の気配はなく、外壁がところどころ壊れているぼろ屋ばかり。
どの家からも明かり一つ漏れてこないってことは空き家ばかりなのだろうか。
その一番奥の家の前で、ゲルハルトさんがこちらを向いた。
「さ、どうぞ」
木の扉を開けると明かりが見えたので、天音は案内されるまま家の中に入った。
その中は、とても宿屋と呼べるような場所ではなかった。
部屋は一つしかない。天井から吊り下げられた宝石が街灯と同じ薄明かりを照らすだけ。
木の板でできた簡素なベッドが窓際に一つ。
そして、女の子が一人。
「あの――」
振り返ろうとしたら、天音の手が縛り上げられた。
「――っ!」
突然の出来事に頭がついていかない。
「ほらよっ!」
逃げだそうとしたら蹴り飛ばされて、女の子の横に寝かされた。
「おいおい、あんまり無茶なことはしてくれるなよ。お前も貴重な商品なんだからよぉ」
下卑た笑い声でゲルハルトさん――いや、ゲルハルトは天音を見下ろしていた。
「……商品ってどういうことですか?」
「世間知らずもそこまでいくとたいしたもんだな。着ているものが良いから魔法学校の生徒かと思ったが、どうやらとんだ田舎者らしい。商品ってのはな。もちろんお前らのことだよ」
「私たちが商品? あなた、まさか人身売買が商売だったの?」
腕を後ろ手に縛られているから上手くゲルハルトを見上げることができない。
芋虫のように体を動かしながら、何とか視線の中に入れる。
「……よくわからねえ娘さんだな。魔法も知らない田舎者のくせに、理解力はあるみたいだ」
「この世界では、こんなことが許されているの!?」
「いいや、この国では人身売買は禁止されてるさ。だが、欲しい人間がいて売りたい人間がいれば商売は成り立つ。そういうわけで、俺はこれから商談に行くが妙なことは考えないほうがいいぞ。クヴィスタ、そいつをしっかり見張ってないと家には帰れないからな」
「はい、ご主人様」
女の子はそう言うと頭を下げた。ゲルハルトは満足そうに笑い、その家から出て行った。
クヴィスタと呼ばれた女の子は、長い銀髪が特徴的で、黄ばんだみすぼらしいワンピースを着ていた。まるで、というか扱いからしてゲルハルトの奴隷のようだった。
「……あの、クヴィスタ……さん」
天音は恐る恐る女の子の名前を呼ぶ。
「はい、何でしょう」
言葉が通じたことにちょっとホッとして、さらに言葉を続けた。
「この縄を解いてくれませんか? それから、今の内に逃げましょう」
「あー……それはできません。ご主人様があなたを見張ってろと言ってましたし。あたしがご主人様に奉公しないとかーちゃんととーちゃんと妹たちが困っちまいますので」
話し方が妙なのはこの世界独特ってわけじゃなさそう。クヴィスタはまともに教育を受けていないんだと思った。
そもそも自分の立場がよくわかっていない。
彼女に自分の本当の立場を理解させるのは簡単じゃないだろう。
仕方ない。天音は縛られたまま立ち上がって扉に向かった。
「あ! ダメだ!」
クヴィスタが止めるのも聞かずに扉に体当たりしたが、扉はびくともしなかった。
ぼろくて今にも壊れそうなのに、まるで魔法でもかかっているかのよう。
「ご主人様が出かけている間は、扉は開きませんよ」
クヴィスタも仕組みはわかっていないようだが、天音の想像は間違いではなかった。
窓もきっと魔法がかかっていて開けることはできないんだろう。
クヴィスタの目がなくても天音がこの家から逃げ出すことは不可能だった。
「大丈夫か?」
クヴィスタが天音の肩を抱いてベッドに座らせる。
「――っ!」
痛みで声も出せない。クヴィスタは天音の表情から何かに気がついたように言う。
「無茶なことすっから。ちっと待ってな」
そう言って布きれを持って洗面台のようなところへ行く。
この国にも水道のようなものがあるのかと思ったら、水差しから布に水をかけていた。
ぎゅっと水を絞り、天音の前まで戻る。
「服は……そのままじゃ脱げねーか。じゃ、わりーけど失礼して」
「ちょ、ちょっと……」
クヴィスタは天音の制服のボタンを外し、襟を少しだけはだけさせて、水に濡れた布きれを右肩に添えた。
「こういう時は冷やした方が良いんだ。あたしのかーちゃんが昔言ってた」
「……ありがとう」
「いやいや、いーのよ」
クヴィスタはそう言ったきり、後はただじっと天音を見ていた。
また逃げ出さないように警戒していると言うより、ゲルハルトの命令を忠実に実行しているだけのようだった。
じろじろ見られているというのも落ち着かない。堪らず天音は口を開いた。
「ねぇ、あなたはどうしてゲルハルトの言うことを聞いているの?」
「そりゃ、ご主人様ですから」
「あんなやつの奴隷で良いの?」
「……ドレイって言うのはよくわからねな。あたしには妹が二人いるんだ。すんごくめんこいだけど、あたしの家には金がなくてな。とーちゃんとかーちゃんがあたしをお金持ちのところに奉公に出さなきゃ何ねってなって。ほんで今のご主人様が金をくれたんだ。その代わりに、あたしは尽くさなきゃなんね」
嘘だ。あの男は人身売買を仕事にしている。自分の身の回りの世話をさせるためだけにクヴィスタを置いておくわけがない。
彼女だって天音と同じく商品の一人のはず。ゲルハルトが言っていた売れ残りはきっとクヴィスタのことだろう。
……ってことはつまり、クヴィスタの両親は彼女を売ってお金を得たんだ。
「ん? どーした? 肩がいてーのか? でも、止めたのに無茶すっからだしな」
彼女の境遇に思わず涙が零れそうになった。
それをまるで疑うことを知らない無垢な瞳でクヴィスタが覗き込んでくる。
「ううん。そうじゃないの。大丈夫だから」
自分のことをまず心配しなければならない状況だというのに、これ以上は考えていられないほど動揺していた。
「……もう寝るね。あ、ベッド……私が使っても良いの?」
「構わねーよ。普段はご主人様しか使ってねーし」
……ここでゲルハルトが寝起きしているのかと思うと、ちょっと聞いて後悔したが、背に腹は代えられない。
仕方なく硬いベッドの上で一夜を明かす。
「おい、いつまで寝てるんだ」
初めて会ったときからは想像もできないほどのドスの利いた声で、天音は起こされた。
「……夢じゃなかったのね」
それはこの状況のことか、それとも異世界へ来たことか。多分その両方なんだろうなと思った。
「喜べ、お前たちに買い手が付いたぞ」
「そーか、よかったなぁ」
状況をよくわかっていないクヴィスタがゲルハルトと一緒に本当に喜んでいるのが可哀想だった。
とはいえ、人のことばかり心配してもいられない。
天音はまだ逃げ出すことを諦めたわけではなかった。
昨日早々に諦めて寝たのはクヴィスタに同情したからだけではない、いざというときに体力がなくて動けなくなったのでは元も子もないからだった。
ゲルハルトを先頭に、天音はクヴィスタに縄を握られている。
「ほら、こっちだ。キリキリ歩け」
辺りは昼間だってのに監禁されていた場所よりもさらに薄暗い路地へと入っていった。
ここで強引にクヴィスタを振り切って逆方向に走るのはどうだろうか。
しかし、問題はゲルハルトが魔法を使えるってことだ。
どういう魔法が使えるのか。そもそもこの世界にはどういう魔法があるのかすらわからない。天音にとってその賭はあまりにもリスクが大きすぎた。
やがてゲルハルトは何やら怪しい雰囲気の店に入った。
クヴィスタに引かれる形で天音も入る。
中は酒の匂いが立ち込めていた。酒場にしてはうらぶれている。
ゲルハルトのような犯罪者が取り引きで使うような酒場だから、きっとそういう連中御用達なのかも。
ゲルハルトがテーブルについて酒を注文し、待つこと五分くらい。
黒いローブで全身を隠した、いかにも怪しげな人物が入ってきた。
体のシルエットから男だろう。
黒いローブの男は懐から金貨の入った袋をドンッとゲルハルトの前に置いた。
「取り引き成立、だな」
その袋に手を伸ばしたゲルハルトの手を、黒いローブの男はなぜかもう一つの手で握っていた。
「……これは、何のつもりだ?」
「人身売買は犯罪だ! 貴様を現行犯で逮捕する!」
黒いローブの男がそう叫んだ。
「騙しやがったなぁ!」
ゲルハルトが手を振り払う。
「『氷の刃』よ!」
ゲルハルトの言葉はいつものしゃべり方と違う。腹の奥から遠くへ叫ぶような声で鳴り響く。
すると店の中の空気が冷たくなり、氷の結晶のようなものが現れた。
それが一斉に黒いローブの男を襲う。
ローブが切り裂かれるや否や、そのローブを投げ捨てて氷の結晶を吹き飛ばす。中から現れたのは天音が今までの人生で一度も見たことがないような美青年。
「『風王弾(ふうおうだん)』!」
その美青年も魔道士だった。同じような声を響かせると、空気の流れがゲルハルトに集中し風が爆発した。
「ぐおぁ!」
逃げる間もなく店の扉ごと外にゲルハルトは吹き飛ばされる。
その時の反動で天音のロープを持っていたクヴィスタも外に吹き飛ばされ、天音は店内に取り残された。
「しまった! 威力の調整を間違えた」
慌てて美青年の魔道士は外へ出る。
天音も後に続くようにノソノソと店の外に出るが、そこには吹き飛ばされた店の扉がバラバラになっているだけでゲルハルトもクヴィスタもいなかった。
「……逃げ足だけは速いようだな……さて……」
美青年の魔道士は一息つくと振り返って天音の肩を抱いた。
「怪我はないようだね。ところで、君は一体どこから誘拐されたのかな?」
「えーと、誘拐って言うか……そもそもここがどこなのかよくわかってないんですけど……」
「……ショックで記憶喪失にでもなっちゃったのかな。まあ、後で魔法医の方に見てもらうか。僕はクルス。クルス=M=アレキサンドラ。王国所属の魔道士です。君にはあの犯罪者について聞きたいことがあるから、申し訳ないけど一時的に僕の保護下に入ってもらうね」
「は、はい」
白馬の王子さまって言うのはこういう人のことを言うんだろうな、と思った。
不意にかけられた声に、天音は振り返る。
逆光で何者かは姿がはっきりとは見えない。
少し太めで恰幅の良さそうな体型が影から窺える。言葉の質から男性であまり若そうではないが、優しげで余裕を感じた。
「え? 日本語!?」
思わずそう聞き返す。
「は? 何ですか? ニホンゴ?」
天音はこの世界に来てからまだ人に話しかけられなかった。
雑踏も意識的に聞き流していた。
知らない言葉が飛び交っていたらと思ったら不安で仕方なかったのだ。
明らかに日本とは文化文明が違う世界で日本語が通じると思うわけがない。
「あ、いえ。私の言葉がわかりますか?」
「ええ。わかりますよ」
日本語と言う言葉の意味は知らなくても、その人は日本語をしゃべっていた。
考えてみれば、日本語という言葉は天音の元の世界において意味のある言葉だ。
何語と呼ばれているかはわからないが、ここでは別の呼び方をしているのかも知れない。
ひとまず、会話が成り立つなら聞きたいことは山ほどある。
「あの、すみませんがここは何という国でしょうか?」
「リンデート王国ですが、知らずに来たのですか?」
その答えはもちろん知らない。
だが、この世界において、リンデート王国という国がどれほどの知名度があるのかわからないからあまりにも迂闊な質問だった。
この世界では常識的な情報だった場合、天音がそれすら知らない人間だと言うことが相手に知られる。
言葉が通じたことに舞い上がってしまったが、もっと慎重に言葉を選ばなければダメだ。
「はい……実は遠くの国から来た田舎者なので……」
「そうですか。それは何かとお困りでしょう。よろしければ、私がこの街を案内して差し上げます」
その申し出は嬉しい反面、どうしても警戒してしまう。
幼い頃から両親や学校で教えられてきた。
知らない人には付いていかないようにしましょうって言うあれだ。
おまけにここは日本の常識が通用するのかすらわからない。
ただ……あまり迷っている余裕もなかった。
夜の街を一人で歩くか、見知らぬ男に付いていくか。
どちらにしてもリスクは伴う。
なら、この世界で初めて声をかけてくれた人をちょっとは信じてみても良いんじゃないだろうか。
「……ああ、そういえば忘れていました。私は国から国へ旅をしながら商人をしています。ゲルハルト=D=パラチアと申します」
自己紹介をしながらゲルハルトさんは天音に近づき手を差し出してきた。
どうやら、この世界でも握手をする習慣はあるらしい。
薄明かりの中、ようやく姿が見える。
黒髪のおかっぱで綺麗に切りそろえられている。年は四十くらいだろうか。垂れ目で優しげな瞳。腰まで布の服にベスト。ゆったりとしたズボンに革のブーツはどれも品が良さそうだった。
身なりがよく、それでいて礼儀正しい。疑うような要素は見当たらなかった。
それに、もしこの人が悪者だったとしたら逃げれば良い。
恰幅がいいと言えば聞こえは良いが、悪く言えば太っているので逃げるのは難しくないと思った。
「……私は照日天音といいます」
自己紹介をして差し出された手を握り返した。
「テルヒ=アマネ……さん? 珍しい名前ですね。では、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
「ところで、今日泊まる宿屋はお決まりですか?」
「え? 宿屋」
「まさか、もうすぐ日が落ちるというのに宿屋も決まっていらっしゃらない」
「あ、はい……」
「それは大変だ。この街の主立った宿屋は満室になるのが早いですから。今からではまともな宿屋を探すのは難しいでしょうなぁ」
……はっきり言ってしまえば、宿屋が見つかったところでお金がないのだから泊まることはできないのだが。
何となく、その事を伝えるのは躊躇いがあった。
どうしたら良いのか、あるいはどう答えたら良いのか困っていると、ゲルハルトさんは胸を張って笑った。
「なぁに、お任せください。今日は私が泊まっている宿屋に交渉してみましょう。ちょっと街外れなんですがね」
「はぁ……」
天音はまだ迷ってはいたが、選択の余地がないこともわかっていた。
ゲルハルトさんの少し後ろを歩く。
「あの、ゲルハルトさんはどういった商売をしてるんですか?」
「商品の売買ですな。仕入れるものは日によって違うので、何をと聞かれても困ってしまいますが……。商品の価格は日によって変わるので仕入れるものを考えるのも私の仕事のうちですがね」
「今日はもうお仕事はされないんですか?」
「ええ。一つ売れ残りが出てしまったんですがね。取り敢えず今週の生活費は稼げたので来週に向けて物色中だったんですよ」
話しているうちに、商店街の通りを抜けた。
日が傾き、夕焼けが辺りを赤く染める。
ポツポツと街灯のようなものが明かりを灯すが、日本のものと違って気休め程度の明かりでしかなかった。
「あの街灯。勝手に点きましたけど、この街には電気が通ってるんですか?」
「デンキ? ってなんです? 何か新しい商品なら紹介して欲しいですねぇ」
「あ、いえ。そう言うんじゃないんですけど……」
やはりなとは思ったけど、聞かずにはいられなかった。
「まさかとは思いますが、魔法の明かりが点る街灯すらないほどの田舎からいらしたのですか?」
「魔法! あれは魔法で明るくなってるんですか!?」
何となく予想はしていたけど、実際に魔法という言葉を聞くと心が躍る。やっぱりこういう明らかなファンタジー世界に来たら一度は魔法を見てみたいと思っていた。
こうして見てるとただの薄明かりの街灯だけど、魔法で点いているとなると幻想的にも見えてくるから不思議だ。
「ええ。それほど珍しいものではないんですがね」
「あの、ゲルハルトさんも魔法は使えるんですか?」
「……ま、本職の魔道士ほどではありませんが」
これは、少しだけ希望が見えてきたかも知れない。
「あの、魔法の中にはどこかへ移動するような魔法って存在しますか?」
「移動? 空を飛ぶ魔法はありますが、そういう意味の魔法のことではありませんよね」
「はい。……こうパッと一瞬の内に別の場所に行くような……」
言葉で説明するのは難しかった。日本ならテレポーテーションのような魔法って言うだけで伝わるだろうけど。ここの人たちにとっては理解のできない言葉だらけだろう。
「さぁ、存じ上げませんねぇ。そんなことより、そろそろ私の借りている宿屋に着きます」
話に夢中になっていたせいか、気がつかないうちによくわからない場所に来ていた。
人の気配はなく、外壁がところどころ壊れているぼろ屋ばかり。
どの家からも明かり一つ漏れてこないってことは空き家ばかりなのだろうか。
その一番奥の家の前で、ゲルハルトさんがこちらを向いた。
「さ、どうぞ」
木の扉を開けると明かりが見えたので、天音は案内されるまま家の中に入った。
その中は、とても宿屋と呼べるような場所ではなかった。
部屋は一つしかない。天井から吊り下げられた宝石が街灯と同じ薄明かりを照らすだけ。
木の板でできた簡素なベッドが窓際に一つ。
そして、女の子が一人。
「あの――」
振り返ろうとしたら、天音の手が縛り上げられた。
「――っ!」
突然の出来事に頭がついていかない。
「ほらよっ!」
逃げだそうとしたら蹴り飛ばされて、女の子の横に寝かされた。
「おいおい、あんまり無茶なことはしてくれるなよ。お前も貴重な商品なんだからよぉ」
下卑た笑い声でゲルハルトさん――いや、ゲルハルトは天音を見下ろしていた。
「……商品ってどういうことですか?」
「世間知らずもそこまでいくとたいしたもんだな。着ているものが良いから魔法学校の生徒かと思ったが、どうやらとんだ田舎者らしい。商品ってのはな。もちろんお前らのことだよ」
「私たちが商品? あなた、まさか人身売買が商売だったの?」
腕を後ろ手に縛られているから上手くゲルハルトを見上げることができない。
芋虫のように体を動かしながら、何とか視線の中に入れる。
「……よくわからねえ娘さんだな。魔法も知らない田舎者のくせに、理解力はあるみたいだ」
「この世界では、こんなことが許されているの!?」
「いいや、この国では人身売買は禁止されてるさ。だが、欲しい人間がいて売りたい人間がいれば商売は成り立つ。そういうわけで、俺はこれから商談に行くが妙なことは考えないほうがいいぞ。クヴィスタ、そいつをしっかり見張ってないと家には帰れないからな」
「はい、ご主人様」
女の子はそう言うと頭を下げた。ゲルハルトは満足そうに笑い、その家から出て行った。
クヴィスタと呼ばれた女の子は、長い銀髪が特徴的で、黄ばんだみすぼらしいワンピースを着ていた。まるで、というか扱いからしてゲルハルトの奴隷のようだった。
「……あの、クヴィスタ……さん」
天音は恐る恐る女の子の名前を呼ぶ。
「はい、何でしょう」
言葉が通じたことにちょっとホッとして、さらに言葉を続けた。
「この縄を解いてくれませんか? それから、今の内に逃げましょう」
「あー……それはできません。ご主人様があなたを見張ってろと言ってましたし。あたしがご主人様に奉公しないとかーちゃんととーちゃんと妹たちが困っちまいますので」
話し方が妙なのはこの世界独特ってわけじゃなさそう。クヴィスタはまともに教育を受けていないんだと思った。
そもそも自分の立場がよくわかっていない。
彼女に自分の本当の立場を理解させるのは簡単じゃないだろう。
仕方ない。天音は縛られたまま立ち上がって扉に向かった。
「あ! ダメだ!」
クヴィスタが止めるのも聞かずに扉に体当たりしたが、扉はびくともしなかった。
ぼろくて今にも壊れそうなのに、まるで魔法でもかかっているかのよう。
「ご主人様が出かけている間は、扉は開きませんよ」
クヴィスタも仕組みはわかっていないようだが、天音の想像は間違いではなかった。
窓もきっと魔法がかかっていて開けることはできないんだろう。
クヴィスタの目がなくても天音がこの家から逃げ出すことは不可能だった。
「大丈夫か?」
クヴィスタが天音の肩を抱いてベッドに座らせる。
「――っ!」
痛みで声も出せない。クヴィスタは天音の表情から何かに気がついたように言う。
「無茶なことすっから。ちっと待ってな」
そう言って布きれを持って洗面台のようなところへ行く。
この国にも水道のようなものがあるのかと思ったら、水差しから布に水をかけていた。
ぎゅっと水を絞り、天音の前まで戻る。
「服は……そのままじゃ脱げねーか。じゃ、わりーけど失礼して」
「ちょ、ちょっと……」
クヴィスタは天音の制服のボタンを外し、襟を少しだけはだけさせて、水に濡れた布きれを右肩に添えた。
「こういう時は冷やした方が良いんだ。あたしのかーちゃんが昔言ってた」
「……ありがとう」
「いやいや、いーのよ」
クヴィスタはそう言ったきり、後はただじっと天音を見ていた。
また逃げ出さないように警戒していると言うより、ゲルハルトの命令を忠実に実行しているだけのようだった。
じろじろ見られているというのも落ち着かない。堪らず天音は口を開いた。
「ねぇ、あなたはどうしてゲルハルトの言うことを聞いているの?」
「そりゃ、ご主人様ですから」
「あんなやつの奴隷で良いの?」
「……ドレイって言うのはよくわからねな。あたしには妹が二人いるんだ。すんごくめんこいだけど、あたしの家には金がなくてな。とーちゃんとかーちゃんがあたしをお金持ちのところに奉公に出さなきゃ何ねってなって。ほんで今のご主人様が金をくれたんだ。その代わりに、あたしは尽くさなきゃなんね」
嘘だ。あの男は人身売買を仕事にしている。自分の身の回りの世話をさせるためだけにクヴィスタを置いておくわけがない。
彼女だって天音と同じく商品の一人のはず。ゲルハルトが言っていた売れ残りはきっとクヴィスタのことだろう。
……ってことはつまり、クヴィスタの両親は彼女を売ってお金を得たんだ。
「ん? どーした? 肩がいてーのか? でも、止めたのに無茶すっからだしな」
彼女の境遇に思わず涙が零れそうになった。
それをまるで疑うことを知らない無垢な瞳でクヴィスタが覗き込んでくる。
「ううん。そうじゃないの。大丈夫だから」
自分のことをまず心配しなければならない状況だというのに、これ以上は考えていられないほど動揺していた。
「……もう寝るね。あ、ベッド……私が使っても良いの?」
「構わねーよ。普段はご主人様しか使ってねーし」
……ここでゲルハルトが寝起きしているのかと思うと、ちょっと聞いて後悔したが、背に腹は代えられない。
仕方なく硬いベッドの上で一夜を明かす。
「おい、いつまで寝てるんだ」
初めて会ったときからは想像もできないほどのドスの利いた声で、天音は起こされた。
「……夢じゃなかったのね」
それはこの状況のことか、それとも異世界へ来たことか。多分その両方なんだろうなと思った。
「喜べ、お前たちに買い手が付いたぞ」
「そーか、よかったなぁ」
状況をよくわかっていないクヴィスタがゲルハルトと一緒に本当に喜んでいるのが可哀想だった。
とはいえ、人のことばかり心配してもいられない。
天音はまだ逃げ出すことを諦めたわけではなかった。
昨日早々に諦めて寝たのはクヴィスタに同情したからだけではない、いざというときに体力がなくて動けなくなったのでは元も子もないからだった。
ゲルハルトを先頭に、天音はクヴィスタに縄を握られている。
「ほら、こっちだ。キリキリ歩け」
辺りは昼間だってのに監禁されていた場所よりもさらに薄暗い路地へと入っていった。
ここで強引にクヴィスタを振り切って逆方向に走るのはどうだろうか。
しかし、問題はゲルハルトが魔法を使えるってことだ。
どういう魔法が使えるのか。そもそもこの世界にはどういう魔法があるのかすらわからない。天音にとってその賭はあまりにもリスクが大きすぎた。
やがてゲルハルトは何やら怪しい雰囲気の店に入った。
クヴィスタに引かれる形で天音も入る。
中は酒の匂いが立ち込めていた。酒場にしてはうらぶれている。
ゲルハルトのような犯罪者が取り引きで使うような酒場だから、きっとそういう連中御用達なのかも。
ゲルハルトがテーブルについて酒を注文し、待つこと五分くらい。
黒いローブで全身を隠した、いかにも怪しげな人物が入ってきた。
体のシルエットから男だろう。
黒いローブの男は懐から金貨の入った袋をドンッとゲルハルトの前に置いた。
「取り引き成立、だな」
その袋に手を伸ばしたゲルハルトの手を、黒いローブの男はなぜかもう一つの手で握っていた。
「……これは、何のつもりだ?」
「人身売買は犯罪だ! 貴様を現行犯で逮捕する!」
黒いローブの男がそう叫んだ。
「騙しやがったなぁ!」
ゲルハルトが手を振り払う。
「『氷の刃』よ!」
ゲルハルトの言葉はいつものしゃべり方と違う。腹の奥から遠くへ叫ぶような声で鳴り響く。
すると店の中の空気が冷たくなり、氷の結晶のようなものが現れた。
それが一斉に黒いローブの男を襲う。
ローブが切り裂かれるや否や、そのローブを投げ捨てて氷の結晶を吹き飛ばす。中から現れたのは天音が今までの人生で一度も見たことがないような美青年。
「『風王弾(ふうおうだん)』!」
その美青年も魔道士だった。同じような声を響かせると、空気の流れがゲルハルトに集中し風が爆発した。
「ぐおぁ!」
逃げる間もなく店の扉ごと外にゲルハルトは吹き飛ばされる。
その時の反動で天音のロープを持っていたクヴィスタも外に吹き飛ばされ、天音は店内に取り残された。
「しまった! 威力の調整を間違えた」
慌てて美青年の魔道士は外へ出る。
天音も後に続くようにノソノソと店の外に出るが、そこには吹き飛ばされた店の扉がバラバラになっているだけでゲルハルトもクヴィスタもいなかった。
「……逃げ足だけは速いようだな……さて……」
美青年の魔道士は一息つくと振り返って天音の肩を抱いた。
「怪我はないようだね。ところで、君は一体どこから誘拐されたのかな?」
「えーと、誘拐って言うか……そもそもここがどこなのかよくわかってないんですけど……」
「……ショックで記憶喪失にでもなっちゃったのかな。まあ、後で魔法医の方に見てもらうか。僕はクルス。クルス=M=アレキサンドラ。王国所属の魔道士です。君にはあの犯罪者について聞きたいことがあるから、申し訳ないけど一時的に僕の保護下に入ってもらうね」
「は、はい」
白馬の王子さまって言うのはこういう人のことを言うんだろうな、と思った。
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