116 / 214
変身ヒーローと魔王の息子
ギルドマスター
しおりを挟む
俺たちはキャリーに勧められて遅めの夕食を食べてから飛翔船でギルドの世界本部とやらに向かうことになった。
飛翔船に乗るのは、俺たちに加えてキャリーと近衛隊の中から精鋭の十人が護衛として付いた。
もちろん、ファルナも一緒だ。
ギルドの世界本部はダグルドルドとアイレーリスの国境付近にあるらしい。
距離的には一日もかからないだろうが、飛翔船にはキャリーのための荷物が数日分積み込まれた。
話し合いに何日かかるかわからないからと言っていたが、旅行気分じゃないのかと勘ぐりたくなる量だった。
「それにしても、ヨミ殿とアスラフェル殿が人間ではなかったとはな」
荷物の積み込みを指示していたはずのファルナが、甲板からそれを見ていた俺たちに話しかけてきた。
「……仕事はもう良いのか?」
「必要な指示は与えた。後三十分もしないうちに出発の準備は整うだろう」
ヨミとアスルの正体を明かした場にはファルナとクラースもいたが、二人に対する葛藤は俺の心にはなかった。
「討伐するか? 何しろヨミは以前王国軍に討伐依頼を出されたこともあるからな」
「……そうなのか?」
「その、私は元々番犬の森の入り口辺りを住み処にしてまして……」
ヨミが申し訳なさそうに説明した。
それで何か思い当たったのか、ファルナは手を打った。
「番犬の森の調査に送った王国騎士団のうち何人かが、新種の魔物に襲われて森の外に放り出されたと報告があった気がする」
さすがに近衛隊の隊長ともなると凄い記憶力だ。
その程度のことさえも覚えているなんて。
「すみません。それ、たぶん私です」
「不思議だと思っていたんだ、魔物に襲われたのにたいして怪我はしていなかったから。しかし、ヨミ殿なら理解できる。あなたは人間を決して傷つけようとしないから。むしろ、私の仲間が住み処を荒らすようなマネをして悪かったな」
ファルナは腰を九十度曲げ真っ直ぐに頭を下げた。謝っていても様になるところがいつ見てもずるいと思う。
「い、いえ。そんな……私も逃げればよかったのですが、あのルートを進むとオークデーモンの集団に飛び込んでしまうと思ったので、もっとちゃんと説明するべきでした」
ヨミは恐縮するようにペコペコ頭を下げた。
と言うことは、住み処を荒らされた報復で放り出したわけじゃなく、危ないからだったのか。
つくづく人が良い……魔物が良いとでも言うのか?
「いや、王国騎士団が魔物の話に耳を傾けるなどありえないからな。ヨミ殿の判断は人命救助という意味でも間違いではなかったさ」
ファルナは一つため息をついてから言葉を続けた。
「ヨミ殿やアスル殿のような魔物や魔族も他にいるのか?」
「数は少ないけど、いることはいる」
「私が討伐した魔物の中にも、話の通じるものがいたんだろうか……」
ファルナがいい人だと言うことは信じていたが、ヨミたちを信じるとか信じないとかではなく、さらに他の魔物や魔族のことを気にしていたのか。
「これからは確かめれば良いんじゃないか?」
「そうだな……人間と同じように敵か味方かの判断はするべきなのだろうな」
振り返って後悔することに意味はない。
ファルナは頭が良いからすぐに俺の言葉を理解して切り替えていた。
「だが、お陰でヨミ殿とアスル殿の強さの秘密のようなものにも納得が出来た。と言うことは、アキラ殿も人間ではないのか?」
凄い推測だが、あながち間違ってもいない。
そう言えば、ファルナにはまだ俺のことを話していなかったっけ。
この世界の人たちにとっては、ヨミやアスルほどの驚きではあるまい。
「ある意味、普通の人間ではない。俺は、この世界の人間じゃないんだ」
「何?」
いつも冷静なファルナが目を見開く。
こんなことで一本取って喜んでいる場合ではなかったが、ちょっとだけ楽しかった。
「異世界から追放されてこの世界にやってきた。妹と一緒にな」
「……それで、妹殿を捜しているということか……。しかし、何をしたら世界を追放されるのだ?」
「人類を救ったら、俺の持つ力が逆に人類の脅威になると思われた」
「愚かな……。そのような人類の世界を救う価値があったのか?」
「それは結果論なんだよ。俺は妹を幸せを守りたかっただけだ。そしたらついでに人類も救っていたってこと」
「そこまで妹殿のことを思っているならさぞ心配だろう。手がかりはあるのか?」
「ああ、この世界のどこかに……いや、たぶん帝国の中にいるんじゃないかと思ってる」
「根拠は?」
「安全な大きな都市に住んでいると連絡があった。そして、ギルドを通した情報では妹の痕跡は欠片も入ってこない」
俺が確認できていない大都市はもう帝国にしかないと思う。
そして、帝国にはギルドがない。
状況証拠だけは揃ってる。
「その連絡というのは、魔法水晶のことか?」
「いや、違う。俺たちには魔法は使えない」
「では、どうやって連絡を取った?」
「難しい質問だな。妹には魔法とは原理的に違うんだけど、似たような力が使えて、それで連絡を入れてきたんだ」
「具体的にどこの都市にいるのかはわからなかったのか?」
「わかっていれば、飛翔船を手に入れた段階で直行しているよ。妹からの連絡は断片的で上手く声が届かないんだ。だから、未だに詳しい情報のやりとりは出来ていない」
「そう言うことか。このことは、キャリーにも?」
「戦争が終わった後に全て話した」
「ふむ……。それで帝国との会談に向けて躍起になっていると言うことか」
その話、確かジェシカも言っていた。
連合国の代表としてアイレーリスが帝国に会談を申し入れているって。
「実現できそうなのか?」
「いや、相変わらず話がしたければ戦って決着を付けよというのが帝国からのメッセージだ」
「よほど好戦的な国らしいな」
「しかし、私には腑に落ちない点が多いがな」
ファルナは近衛隊の隊長らしく真剣な眼差しで連合国と帝国の分析を説明した。
それによると、大陸の領土はもちろん連合国の方が広く、各国の軍隊を併せれば軍事力は連合国の方に分があるはずだと断定した。
プラスしてアイレーリスには複合戦略魔法という切り札と、この飛翔船がある。
普通、国家間の戦争を仕掛ける側というのは勝算があって始めるはずで、互角ではそんなことをしない。
あの金華国も魔族の協力という力があったから、アイレーリスを超える戦力があると思って戦争を仕掛けたはず。
今の世界情勢で、帝国が連合国と戦争をすることに意味があるとはとても思えないという見解だった。
「それじゃ、金華国にとって魔族が切り札だったように、帝国にも何かあるんじゃないか?」
「それがわかれば苦労はしないのだがな」
苦笑いを隠すように口元を手で押さえていた。
この様子だと近衛隊として諜報活動は行っていそうだ。
「正面以外で帝国に侵入するルートってあるのか?」
「アキラ殿、それは機密情報に当たる。アイレーリスの英雄といえど、おいそれとは話せんよ」
わかっていたが、当然答えてはくれなかった。
「それでは、キャロライン女王陛下の準備が整ったと言うことですので、飛翔船を発進させます!」
操縦桿を握るアーヴィンがそう言った。
「お、おお……。やはり飛翔船というものは心が躍るな」
ファルナは先の戦争で飛翔船は体験済みのはずだが、あの時はそれどころではなかったと言うことか。
年甲斐もなくはしゃいでいた。
「……アキラ殿、今失礼なことを考えなかったか?」
「え? いや、ファルナも飛翔船で飛ぶのが好きなんだと思っただけだ」
こういう時の女の勘って恐ろしいものがあるな。
「空を飛ぶ魔法はまだ人間には扱えないからな。未知の世界を行く気分になる」
頬を赤く染めて昂揚する姿は普段の美しいファルナとは違って可愛らしいと思った。
飛翔船は半日ほど飛び続けてギルドの世界本部へ着いた。
地理的にはアイレーリスとダグルドルドの国境に重なっている。
中心に大きな要塞を構えたような都市にも見える。
規模はアイレーリスの地方都市くらいの広さがあるだろうか。
城塞の回りに建物がくっついて円のように広がっている。
その建物も、一つ一つが防御壁のようになっている気がした。
周りは草原が広がっていて、ギルドの世界本部だけが人工物として目立っていた。
世界本部に横付けするように飛翔船を降ろし、俺たちは徒歩で向かう。
っていうか、どこが入り口なんだ?
周りを囲む建物はどれも作りが似ているので、俺には見つけられそうになかった。
もちろん、ジェシカが先頭を迷いなく歩いて行くので、俺たちはそれに付いていくだけだ。
入り組んだ町の路地裏のようなところに入ると、ジェシカが振り返った。
「キャロライン女王陛下。ここから先はまず冒険者の方だけしか入る許可を得ていません。申し訳ありませんが、隣の建物でお待ちいただけますか?」
正面にある扉が入り口のようだ。
ジェシカがキャリーたちを案内したのは右の扉の部屋。
開けると広いが簡素な部屋だった。
壁際にいくつもの二段ベッドが並び、窓からは外が窺える。
これは、どう見ても兵舎か何かじゃ……。
「ギルドとしては、世界の政治に関わる方との接触は極力控えたいのです。ですから、もしご気分を悪くされたのならこのままお帰りいただいても構いません」
「別に良いわよ。屋根があるなら上等だわ。アキラなんて私に野宿をさせたんだから」
こんなところで引き合いに出されて火花を散らされても困るんだけどな。
話の流れからキャリーたちも一緒に来ることになったが、ジェシカたちギルド側はあまり歓迎していないようだ。
しかし、女王がそう言いきったらジェシカももう何も言わなかった。
キャリーは連れてきた近衛隊と一緒に部屋に入る。
そうしてようやくジェシカが正面の扉を開けた。
「どうぞ。入って」
扉の向こう側はいきなり階段だった。
建物の三階分か四階分くらい上ると、今度は廊下が六つに分かれている。
忘れもしない。
クィンタスの伯爵の家でハイルフが俺たちに見せたものと同じ感覚を味わった。
つまり、魔法による迷路だ。
「ジェシカ、ギルドの歓迎って言うのは――」
振り返って聞こうとするが、すでにそこにはジェシカの姿だけなかった。
「あれ? つい先ほどまで気配を感じていたんですよ……」
ヨミも目を丸くさせていた。
これは、またAIに頼るしかないか。
マッピングとセンサーを使えば攻略できるはずだ。
AIに呼びかけようとしたらアスルが俺の前に出て指を向けた。
「兄ちゃん、こっちだ」
「わかるのか?」
「さっきのジェシカという人の気配ならもう覚えた。そんなに遠くにはいないよ。たぶん、オレたちが追いつくのを待ってる感じだ」
俺はヨミと目を合わせた。
「ヨミには、わかるか?」
「……言われてみれば、そんなような気も……」
「オレの特性は闇と光だから、こういう目くらましのようなトリックは効果がないんだと思う」
魔法による迷路をそこまでコケにするとは。
そこまで言うならもう任せても良いと思った。
アスルを先頭にして廊下を進む。
さらに、階段を下りたり上ったり、曲がり角の数も進むたびに増えていく。
それでも、アスルは一度も振り返ることはなかった。
そして、さらに階段を上ったところで、一つの扉の前に辿り着いた。
アスルがノックをすると、中から男の声で呼びかけてきた。
「どちら様でしょうか?」
「えーと、中級冒険者のアスルです。それと、上級冒険者の兄ちゃ――アキラさんとヨミさんです」
呼び慣れない言い方にこっちの背中がむずかゆくなるようだったが、アスルはちゃんと答えた。
「どうぞ、入ってくれ」
そう言われて、アスルは扉のノブを捻った。
日の光が正面から俺たちを照らす。
眩しさを抑えるように手で光を遮った。
周りを見ると、そこは謁見の間のように広い部屋だった。天井も高い。
真ん中に真っ直ぐと敷かれた絨毯。
その先にはギルドの代表者の部屋で使われている机と同じものがあった。
壁をよく見ると、それは全て本棚になっていた。
端から端までぎっしりと並べられていて、ハシゴまで用意してある。
正面の壁だけが大きなガラスになっていてそこから光が取り込まれる設計になっている。
だから、この位置だとちょうど机の前に立っている人物が逆光で姿がわからない。
「ジェシカさん、カーテンを閉めてくれ」
男の声が聞こえると、ガラスの上から滑り落ちるようにしてカーテンが下がった。
そして、部屋に明かりが点る。
ランプのように見えるが、魔法の光であることは明白なほど明るかった。
「初めまして。ギルドマスターのクランス=ルタルスと言います」
拍子抜けするほど普通の人だった。
顔に特徴はない。ありふれた容姿で、いわゆるモブ顔。髪は坊ちゃん刈りで清潔そう。
年は二十代くらいに見えるが、ギルドマスターと呼ばれる存在がそんなに若いわけはない。たぶん三十代なんだと思う。童顔であることが特徴と言えば特徴か。
背は百七十はある。
魔道士のようなゆったりとした服装にマントを羽織っているが太っているようには見えなかった。
「初めまして。俺はアキラ=ダイチだ」
俺に習ってヨミとアスルも挨拶をする。
「正直なことを言えば、君たちのことは初めてとは思えないんだ。何しろ、君は世界中のギルドを巻き込んで面白い魔法水晶の使い方を見せてもらったから」
「……勝手なことにギルドを使ったことは……」
「ああいや、謝る必要はないよ。大変勉強になった」
クランスは手を出して俺の言葉を遮った。
「さて、それじゃあ本題に入ろうじゃないか」
腕を組みながら品定めでもするような目をヨミとアスルに向けていた。
「君たちが無限回廊を攻略している間に、ジェシカさんから話は聞いている。ヨミさんは魔物でアスラフェルくんは魔族だそうだね」
「はい」「ああ」
ヨミとアスルは揃えたように神妙な顔つきで頷いた。
「結論から言おう。俺は人類の平和を守ろうとするものは歓迎する。たとえ、魔物であろうと魔族であろうと。特に、君たちの行動と功績には目を見張るものがある」
あっさりとクランスはそう言いきった。
緊張していたのが嘘みたいだ。
魔物の討伐を仕事として確立させているギルドのトップがそんな柔軟な考え方を持っていることは純粋に驚いた。
「だが、このことはあまり声高には叫ばない方が良いと思う」
喜んでいたのが表情に出ていたのか、水を差すように真面目な顔で釘を刺してきた。
「ギルドマスターが認めてくれたというのはダメなのか?」
「悪いが、世の中には信用のできない人間も少なからずいる。俺は、そいつらに隙を突かれるようなことはしたくない。だから、君たちのことは認めるが、このことは信用できる者にだけ情報を共有したい」
「信用できない人間がいるのに、それでもヨミとアスルのことは信じてくれるってのか?」
「行動に勝る言葉はないと言うことだ。君たちは人類を守るために良い仕事をしてくれている」
そこまで言われたら、ギルドマスターという立場を利用するようなマネはできないな。
彼の言う通り、ヨミとアスルの正体は今まで通り信頼できる者にだけ明かすことにするべきだろう。
元々、俺の考えもそれに近かった。
「それじゃ、次の話に移りたいんだが、ここにキャリーたちを呼んでもいいか? 今度は魔法の迷路は無しですぐに話をしたい」
「……魔王の処分について、か。わかった。話し合いには応じよう。ただし、俺が政治を行うものと直接話をするのは例外中の例外だと思ってくれ。アキラさんの頼みだから、と言うことにして欲しい」
「どうしてそこまで嫌っているのかはわからないけど、キャリーはそんな嫌な奴じゃないぜ」
「人柄の問題ではない。権力者層に関わるとろくなことにならないと知っているからだ」
それは俺の方が身にしみてよく理解していると思うが。
クランスにも何かあったんだろうか。
それを知ることよりも、話しを進めることの方が先か。
俺はヨミとアスルに頼んでここにキャリーたち一行を連れて来てもらうことにした。
飛翔船に乗るのは、俺たちに加えてキャリーと近衛隊の中から精鋭の十人が護衛として付いた。
もちろん、ファルナも一緒だ。
ギルドの世界本部はダグルドルドとアイレーリスの国境付近にあるらしい。
距離的には一日もかからないだろうが、飛翔船にはキャリーのための荷物が数日分積み込まれた。
話し合いに何日かかるかわからないからと言っていたが、旅行気分じゃないのかと勘ぐりたくなる量だった。
「それにしても、ヨミ殿とアスラフェル殿が人間ではなかったとはな」
荷物の積み込みを指示していたはずのファルナが、甲板からそれを見ていた俺たちに話しかけてきた。
「……仕事はもう良いのか?」
「必要な指示は与えた。後三十分もしないうちに出発の準備は整うだろう」
ヨミとアスルの正体を明かした場にはファルナとクラースもいたが、二人に対する葛藤は俺の心にはなかった。
「討伐するか? 何しろヨミは以前王国軍に討伐依頼を出されたこともあるからな」
「……そうなのか?」
「その、私は元々番犬の森の入り口辺りを住み処にしてまして……」
ヨミが申し訳なさそうに説明した。
それで何か思い当たったのか、ファルナは手を打った。
「番犬の森の調査に送った王国騎士団のうち何人かが、新種の魔物に襲われて森の外に放り出されたと報告があった気がする」
さすがに近衛隊の隊長ともなると凄い記憶力だ。
その程度のことさえも覚えているなんて。
「すみません。それ、たぶん私です」
「不思議だと思っていたんだ、魔物に襲われたのにたいして怪我はしていなかったから。しかし、ヨミ殿なら理解できる。あなたは人間を決して傷つけようとしないから。むしろ、私の仲間が住み処を荒らすようなマネをして悪かったな」
ファルナは腰を九十度曲げ真っ直ぐに頭を下げた。謝っていても様になるところがいつ見てもずるいと思う。
「い、いえ。そんな……私も逃げればよかったのですが、あのルートを進むとオークデーモンの集団に飛び込んでしまうと思ったので、もっとちゃんと説明するべきでした」
ヨミは恐縮するようにペコペコ頭を下げた。
と言うことは、住み処を荒らされた報復で放り出したわけじゃなく、危ないからだったのか。
つくづく人が良い……魔物が良いとでも言うのか?
「いや、王国騎士団が魔物の話に耳を傾けるなどありえないからな。ヨミ殿の判断は人命救助という意味でも間違いではなかったさ」
ファルナは一つため息をついてから言葉を続けた。
「ヨミ殿やアスル殿のような魔物や魔族も他にいるのか?」
「数は少ないけど、いることはいる」
「私が討伐した魔物の中にも、話の通じるものがいたんだろうか……」
ファルナがいい人だと言うことは信じていたが、ヨミたちを信じるとか信じないとかではなく、さらに他の魔物や魔族のことを気にしていたのか。
「これからは確かめれば良いんじゃないか?」
「そうだな……人間と同じように敵か味方かの判断はするべきなのだろうな」
振り返って後悔することに意味はない。
ファルナは頭が良いからすぐに俺の言葉を理解して切り替えていた。
「だが、お陰でヨミ殿とアスル殿の強さの秘密のようなものにも納得が出来た。と言うことは、アキラ殿も人間ではないのか?」
凄い推測だが、あながち間違ってもいない。
そう言えば、ファルナにはまだ俺のことを話していなかったっけ。
この世界の人たちにとっては、ヨミやアスルほどの驚きではあるまい。
「ある意味、普通の人間ではない。俺は、この世界の人間じゃないんだ」
「何?」
いつも冷静なファルナが目を見開く。
こんなことで一本取って喜んでいる場合ではなかったが、ちょっとだけ楽しかった。
「異世界から追放されてこの世界にやってきた。妹と一緒にな」
「……それで、妹殿を捜しているということか……。しかし、何をしたら世界を追放されるのだ?」
「人類を救ったら、俺の持つ力が逆に人類の脅威になると思われた」
「愚かな……。そのような人類の世界を救う価値があったのか?」
「それは結果論なんだよ。俺は妹を幸せを守りたかっただけだ。そしたらついでに人類も救っていたってこと」
「そこまで妹殿のことを思っているならさぞ心配だろう。手がかりはあるのか?」
「ああ、この世界のどこかに……いや、たぶん帝国の中にいるんじゃないかと思ってる」
「根拠は?」
「安全な大きな都市に住んでいると連絡があった。そして、ギルドを通した情報では妹の痕跡は欠片も入ってこない」
俺が確認できていない大都市はもう帝国にしかないと思う。
そして、帝国にはギルドがない。
状況証拠だけは揃ってる。
「その連絡というのは、魔法水晶のことか?」
「いや、違う。俺たちには魔法は使えない」
「では、どうやって連絡を取った?」
「難しい質問だな。妹には魔法とは原理的に違うんだけど、似たような力が使えて、それで連絡を入れてきたんだ」
「具体的にどこの都市にいるのかはわからなかったのか?」
「わかっていれば、飛翔船を手に入れた段階で直行しているよ。妹からの連絡は断片的で上手く声が届かないんだ。だから、未だに詳しい情報のやりとりは出来ていない」
「そう言うことか。このことは、キャリーにも?」
「戦争が終わった後に全て話した」
「ふむ……。それで帝国との会談に向けて躍起になっていると言うことか」
その話、確かジェシカも言っていた。
連合国の代表としてアイレーリスが帝国に会談を申し入れているって。
「実現できそうなのか?」
「いや、相変わらず話がしたければ戦って決着を付けよというのが帝国からのメッセージだ」
「よほど好戦的な国らしいな」
「しかし、私には腑に落ちない点が多いがな」
ファルナは近衛隊の隊長らしく真剣な眼差しで連合国と帝国の分析を説明した。
それによると、大陸の領土はもちろん連合国の方が広く、各国の軍隊を併せれば軍事力は連合国の方に分があるはずだと断定した。
プラスしてアイレーリスには複合戦略魔法という切り札と、この飛翔船がある。
普通、国家間の戦争を仕掛ける側というのは勝算があって始めるはずで、互角ではそんなことをしない。
あの金華国も魔族の協力という力があったから、アイレーリスを超える戦力があると思って戦争を仕掛けたはず。
今の世界情勢で、帝国が連合国と戦争をすることに意味があるとはとても思えないという見解だった。
「それじゃ、金華国にとって魔族が切り札だったように、帝国にも何かあるんじゃないか?」
「それがわかれば苦労はしないのだがな」
苦笑いを隠すように口元を手で押さえていた。
この様子だと近衛隊として諜報活動は行っていそうだ。
「正面以外で帝国に侵入するルートってあるのか?」
「アキラ殿、それは機密情報に当たる。アイレーリスの英雄といえど、おいそれとは話せんよ」
わかっていたが、当然答えてはくれなかった。
「それでは、キャロライン女王陛下の準備が整ったと言うことですので、飛翔船を発進させます!」
操縦桿を握るアーヴィンがそう言った。
「お、おお……。やはり飛翔船というものは心が躍るな」
ファルナは先の戦争で飛翔船は体験済みのはずだが、あの時はそれどころではなかったと言うことか。
年甲斐もなくはしゃいでいた。
「……アキラ殿、今失礼なことを考えなかったか?」
「え? いや、ファルナも飛翔船で飛ぶのが好きなんだと思っただけだ」
こういう時の女の勘って恐ろしいものがあるな。
「空を飛ぶ魔法はまだ人間には扱えないからな。未知の世界を行く気分になる」
頬を赤く染めて昂揚する姿は普段の美しいファルナとは違って可愛らしいと思った。
飛翔船は半日ほど飛び続けてギルドの世界本部へ着いた。
地理的にはアイレーリスとダグルドルドの国境に重なっている。
中心に大きな要塞を構えたような都市にも見える。
規模はアイレーリスの地方都市くらいの広さがあるだろうか。
城塞の回りに建物がくっついて円のように広がっている。
その建物も、一つ一つが防御壁のようになっている気がした。
周りは草原が広がっていて、ギルドの世界本部だけが人工物として目立っていた。
世界本部に横付けするように飛翔船を降ろし、俺たちは徒歩で向かう。
っていうか、どこが入り口なんだ?
周りを囲む建物はどれも作りが似ているので、俺には見つけられそうになかった。
もちろん、ジェシカが先頭を迷いなく歩いて行くので、俺たちはそれに付いていくだけだ。
入り組んだ町の路地裏のようなところに入ると、ジェシカが振り返った。
「キャロライン女王陛下。ここから先はまず冒険者の方だけしか入る許可を得ていません。申し訳ありませんが、隣の建物でお待ちいただけますか?」
正面にある扉が入り口のようだ。
ジェシカがキャリーたちを案内したのは右の扉の部屋。
開けると広いが簡素な部屋だった。
壁際にいくつもの二段ベッドが並び、窓からは外が窺える。
これは、どう見ても兵舎か何かじゃ……。
「ギルドとしては、世界の政治に関わる方との接触は極力控えたいのです。ですから、もしご気分を悪くされたのならこのままお帰りいただいても構いません」
「別に良いわよ。屋根があるなら上等だわ。アキラなんて私に野宿をさせたんだから」
こんなところで引き合いに出されて火花を散らされても困るんだけどな。
話の流れからキャリーたちも一緒に来ることになったが、ジェシカたちギルド側はあまり歓迎していないようだ。
しかし、女王がそう言いきったらジェシカももう何も言わなかった。
キャリーは連れてきた近衛隊と一緒に部屋に入る。
そうしてようやくジェシカが正面の扉を開けた。
「どうぞ。入って」
扉の向こう側はいきなり階段だった。
建物の三階分か四階分くらい上ると、今度は廊下が六つに分かれている。
忘れもしない。
クィンタスの伯爵の家でハイルフが俺たちに見せたものと同じ感覚を味わった。
つまり、魔法による迷路だ。
「ジェシカ、ギルドの歓迎って言うのは――」
振り返って聞こうとするが、すでにそこにはジェシカの姿だけなかった。
「あれ? つい先ほどまで気配を感じていたんですよ……」
ヨミも目を丸くさせていた。
これは、またAIに頼るしかないか。
マッピングとセンサーを使えば攻略できるはずだ。
AIに呼びかけようとしたらアスルが俺の前に出て指を向けた。
「兄ちゃん、こっちだ」
「わかるのか?」
「さっきのジェシカという人の気配ならもう覚えた。そんなに遠くにはいないよ。たぶん、オレたちが追いつくのを待ってる感じだ」
俺はヨミと目を合わせた。
「ヨミには、わかるか?」
「……言われてみれば、そんなような気も……」
「オレの特性は闇と光だから、こういう目くらましのようなトリックは効果がないんだと思う」
魔法による迷路をそこまでコケにするとは。
そこまで言うならもう任せても良いと思った。
アスルを先頭にして廊下を進む。
さらに、階段を下りたり上ったり、曲がり角の数も進むたびに増えていく。
それでも、アスルは一度も振り返ることはなかった。
そして、さらに階段を上ったところで、一つの扉の前に辿り着いた。
アスルがノックをすると、中から男の声で呼びかけてきた。
「どちら様でしょうか?」
「えーと、中級冒険者のアスルです。それと、上級冒険者の兄ちゃ――アキラさんとヨミさんです」
呼び慣れない言い方にこっちの背中がむずかゆくなるようだったが、アスルはちゃんと答えた。
「どうぞ、入ってくれ」
そう言われて、アスルは扉のノブを捻った。
日の光が正面から俺たちを照らす。
眩しさを抑えるように手で光を遮った。
周りを見ると、そこは謁見の間のように広い部屋だった。天井も高い。
真ん中に真っ直ぐと敷かれた絨毯。
その先にはギルドの代表者の部屋で使われている机と同じものがあった。
壁をよく見ると、それは全て本棚になっていた。
端から端までぎっしりと並べられていて、ハシゴまで用意してある。
正面の壁だけが大きなガラスになっていてそこから光が取り込まれる設計になっている。
だから、この位置だとちょうど机の前に立っている人物が逆光で姿がわからない。
「ジェシカさん、カーテンを閉めてくれ」
男の声が聞こえると、ガラスの上から滑り落ちるようにしてカーテンが下がった。
そして、部屋に明かりが点る。
ランプのように見えるが、魔法の光であることは明白なほど明るかった。
「初めまして。ギルドマスターのクランス=ルタルスと言います」
拍子抜けするほど普通の人だった。
顔に特徴はない。ありふれた容姿で、いわゆるモブ顔。髪は坊ちゃん刈りで清潔そう。
年は二十代くらいに見えるが、ギルドマスターと呼ばれる存在がそんなに若いわけはない。たぶん三十代なんだと思う。童顔であることが特徴と言えば特徴か。
背は百七十はある。
魔道士のようなゆったりとした服装にマントを羽織っているが太っているようには見えなかった。
「初めまして。俺はアキラ=ダイチだ」
俺に習ってヨミとアスルも挨拶をする。
「正直なことを言えば、君たちのことは初めてとは思えないんだ。何しろ、君は世界中のギルドを巻き込んで面白い魔法水晶の使い方を見せてもらったから」
「……勝手なことにギルドを使ったことは……」
「ああいや、謝る必要はないよ。大変勉強になった」
クランスは手を出して俺の言葉を遮った。
「さて、それじゃあ本題に入ろうじゃないか」
腕を組みながら品定めでもするような目をヨミとアスルに向けていた。
「君たちが無限回廊を攻略している間に、ジェシカさんから話は聞いている。ヨミさんは魔物でアスラフェルくんは魔族だそうだね」
「はい」「ああ」
ヨミとアスルは揃えたように神妙な顔つきで頷いた。
「結論から言おう。俺は人類の平和を守ろうとするものは歓迎する。たとえ、魔物であろうと魔族であろうと。特に、君たちの行動と功績には目を見張るものがある」
あっさりとクランスはそう言いきった。
緊張していたのが嘘みたいだ。
魔物の討伐を仕事として確立させているギルドのトップがそんな柔軟な考え方を持っていることは純粋に驚いた。
「だが、このことはあまり声高には叫ばない方が良いと思う」
喜んでいたのが表情に出ていたのか、水を差すように真面目な顔で釘を刺してきた。
「ギルドマスターが認めてくれたというのはダメなのか?」
「悪いが、世の中には信用のできない人間も少なからずいる。俺は、そいつらに隙を突かれるようなことはしたくない。だから、君たちのことは認めるが、このことは信用できる者にだけ情報を共有したい」
「信用できない人間がいるのに、それでもヨミとアスルのことは信じてくれるってのか?」
「行動に勝る言葉はないと言うことだ。君たちは人類を守るために良い仕事をしてくれている」
そこまで言われたら、ギルドマスターという立場を利用するようなマネはできないな。
彼の言う通り、ヨミとアスルの正体は今まで通り信頼できる者にだけ明かすことにするべきだろう。
元々、俺の考えもそれに近かった。
「それじゃ、次の話に移りたいんだが、ここにキャリーたちを呼んでもいいか? 今度は魔法の迷路は無しですぐに話をしたい」
「……魔王の処分について、か。わかった。話し合いには応じよう。ただし、俺が政治を行うものと直接話をするのは例外中の例外だと思ってくれ。アキラさんの頼みだから、と言うことにして欲しい」
「どうしてそこまで嫌っているのかはわからないけど、キャリーはそんな嫌な奴じゃないぜ」
「人柄の問題ではない。権力者層に関わるとろくなことにならないと知っているからだ」
それは俺の方が身にしみてよく理解していると思うが。
クランスにも何かあったんだろうか。
それを知ることよりも、話しを進めることの方が先か。
俺はヨミとアスルに頼んでここにキャリーたち一行を連れて来てもらうことにした。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る
夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」
チャチャ
ファンタジー
突然、蒼牙の刃から追放された冒険者・ハルト。
だが、彼にはS級スキル【幸運】があった――。
魔物がレアアイテムを落とすのも、偶然宝箱が見つかるのも、すべて彼のスキルのおかげ。
だが、仲間は誰一人そのことに気づかず、無能呼ばわりしていた。
追放されたハルトは、肩の荷が下りたとばかりに、自分のためだけの旅を始める。
訪れる村で出会う人々。偶然拾う伝説級の装備。
そして助けた少女は、実は王国の姫!?
「もう面倒ごとはごめんだ」
そう思っていたハルトだったが、幸運のスキルが運命を引き寄せていく――。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる