政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

佐倉 蘭

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Chapter 17

雨降って、地固まってます ⑦ ♡

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 将吾にカラダの隅々までキレイに洗われて、この前買っておいたバスタオルでくるまれるように拭かれて、長い髪も丁寧に乾かしてもらった。

 まるで、家ネコみたいに扱われるのがおかしくて——ちょっと手つきがイヤラしかったけど——わたしはずっと、くすくす笑っていた。

 酔いが覚めてないのかな?
 なんだか、とても楽しくて……しあわせだ。


 それから、お姫さま抱っこでベッドルームに運ばれて、キングサイズのベッドにそっと下ろされた。

   なぜか、ごろんとうつ伏せにされる。

「……今日は、彩乃の顔を見てしないからな」

 将吾の手で、背中まである長いオリーブブラウンの髪を、半分に分けて、左右に散らされる。
 そして、首の後ろから背中へと、そしてその下へと、丹念にくちびるを這わせていく。

 いつもとはまた違う感覚に、お風呂で温まったはずの素肌が泡立つ。

 思わず腰が浮いてしまうと、すかさず将吾の右手が前に回る。
   左手はすでに、後ろからわたしの両方のおっぱいを大きな手のひらで揉みしだき、先端の乳首をその親指でぐりぐりぐり…と押しつぶす。

「……ぅん……はあぁ……っ……」

 ——わたし、やっぱり、将吾でないと……ダメだ。

 四つん這いになって……腰を高く持ち上げられる。

 将吾のたぎった熱い熱い怒張が、わたしのすでに濡れそぼった膣口に押しつけられて、膨らんで張りつめた粒を何度もしつこく転がす。

「あぁ……将吾……は、はやく……っ!」

 わたしは背中を反らせて懇願した。

 すると、次の瞬間、彼の屹立した怒張がわたしの膣内なかに一気に押し込まれた。

「ぁあああああーーーっ‼︎」

 将吾に掴まれた手で、わたしの腰はさらに持ち上げられ、お尻を突き出す格好になる。
 そして、激しい打擲ちょうちゃくが始まった。


 今夜の将吾は乱暴だった。

 ただただ、わたしの膣道をガツガツガツ…と貪るようにハイスピードで抜き差ししていた。

 ——まるで、犯されてるみたいだ……

 なのに、わたしのカラダはこれまでにない快感をとらえていた。

「ぁああっ、はあぁっ……将吾……将吾……」

 声を限りにかされて……
 彼の名前を呼び続けて……

 最後はムスリムでもないのに、アラーの神にひれ伏すような格好で、果ててしまった。


 初めてつながったとき、わたし史上「最早」だった将吾であるが、そんな「黒歴史」を彼は、すっかり記憶から抹消しているであろう。
   「最長記録」を日々、更新中だからだ。

 ——「あれ」が「最初で最期の一回」にならなくて、本当によかった。

 わたしはまだ「お仕置き」の最中で、うつ伏せのままだ。せめてもの「対抗」で将吾がいる反対側に顔を向けておく。

 結局彼は、あんなに激しかったセックスにもかかわらず、一度もわたしの顔を見ることはなかった。

 ——いいもん。……わたしだって、将吾の顔なんて見ないもん。


゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜


「……わたし、ファーストキスは、あいつじゃないのよ?」

 終わったあとのピロートークで、ほかの男の人のことを言うのはいけないことかな?

 だけど、あれだけ「初モノ尽くし」の海洋だったにもかかわらず、ファーストキスだけは違ったのだ。

 なんとなく……「弁明」したくなった。

 将吾は絶対、ぜーんぶ海洋がかっさらって行ったと思ってるはずだから……


「わたしのファーストキスは名前も知らない……初対面の外国人の……金髪の男の子なの」

 がっつりとしたディープなキスはその後、海洋と深めていったが、記念すべきかわいらしい「初めてのチュウ」は彼とではない。

「小学校の三年生のときなんだけどね……」

 そう言いかけて、突然ごろんとひっくり返されて仰向けになった。

 将吾の目が、瞳孔が開いてるんじゃないかってくらい、見開いている。

 ——あっ、また地雷踏んじゃった。

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