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Chapter 6
大地と「田中さん」⑨ ♡
しおりを挟む——今、人生に関するパワーワード言いませんでしたか?
——でも、こんなシチュエーションで、これが「プロポーズ」の言葉だ、って言われてもなんだか微妙なんだけど……
「……亜湖……ベッドへ行こう……もう我慢できない」
大地が今度は甘く焦れた声で、亜湖の耳元で囁く。
亜湖はその声に、ぞくり、と肌が泡立つのを感じる。たちまち大地がソソられる、うるんだ瞳になる。
確実に……昨日までとは違うカラダになっていた。
「……だから、今日は……もう……無理……」
大地は亜湖の甘い抵抗を遮るように、彼女のくちびるをキスで塞いだ。
亜湖は自分が一日に何度も、男の人を受け入れられるカラダになるとは、思ってもみなかった。
でも、実際には、大地にベッドまでお姫さま抱っこで運ばれてきて、また彼を受け入れようとしている。ポロシャツをまくりあげられたら、下着を着けていない無防備な素肌しかない。
すでに昨夜から、全身いたるところに、彼のくちびるで赤い花を咲かされている。これでは当分、蓉子と大好きな溶岩浴のあるスパに行けないではないか。身体の内部から浸み出るような汗をかけば美肌&ストレス解消の一石二鳥なので、週一回は行ってるのに。下手にエステへ行くよりずっといいからだ。
——そういえば、先週は蓉子から誘いがなかったな。今週はわたしが誘えないや。
「……亜湖、おれに集中しろ」
大地に舌と指で全身くまなく愛撫されながら、意識をぼんやりさせていたら、突然脚を大きく左右に割られてしまった。すかさず、ぱっくりと開いた狭間に大地の熱い滾りが挿し込まれ、一気に膣内深くまで貫かれた。
「……ぁああああぁ……っ!?」
とたんに、パァーンパァーンと鞭を打つみたいな乾いた音とともに、大地の豪快な腰の動きが始まる。
彼は、中高一貫の名門男子校ではサッカー部に所属し、今でも時間があればスポーツジムで鍛えていて、鋼のような筋肉質の身体をしている。
——わたしが「初心者」なのに、ほんと手加減がないんだから。
だけど、亜湖だって、大地に強引に求められれば求められるほど、カラダが熱くなっていく。仕事をしているときの「日本人形」のような冷静で淡々とした彼女は見る影もない。
人が変わったように喘ぎ声をあげながら、大地の激しい腰の動きに合わせてちいさな身体に似合わぬ豊かなおっぱいを大きく揺らす。市松人形のように清楚な黒髪を振り乱しつつ、膣内をこれでもかというほど、ぎゅーっと搾って「大地」を締めつけ、淫らに善がり狂う。
大地の腰の動きがますます加速してしまうのは、当然の結果だ。
何度も意識が遠のく快感の中、少し彼の動きが緩んだところで——亜湖は昨夜から気になっていたことを訊いてみる。
「……ぅん……ねぇ、大地……はぁ……わたし……ぅんぅ……あなたを……満足させられてる?」
「……はぁ!?」
大地は亜湖の上で呆気にとられた。腰の動きも止まる。
——このオンナは、どこまでおれの理性をぶっ壊す気だ!? 昨夜から何回ヤってると思ってるんだ!? そろそろゴムを使い切って「強制終了」だぞ!? おれを腹上死させる気か!?
大地はたまらず、亜湖をぎゅーっと抱きしめた。
「なに言ってんだ。満足してなかったら、こんなに盛りのついたサルみたいに何回もするかよ」
「……そんなに……何回もなんて……きっと……わたしのこと……すぐに……飽きちゃう……よ?」
新たに生まれた不安で、亜湖の顔が曇る。
——まだ、そんなめんどくさいこと言うか。
イライラさせるそのかわいい口を、大地は深いキスで閉じ込める。
——絶対に、一生、放すもんか。かわいくて、愛しくてたまらない。
おれのたった一人の「どストライク」の女。
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