私の隣は、イケメン幼なじみと毒舌美少年

涼華

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第一章

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私は校門に向かって歩きながら、心の中で小さな喜びを感じていた。私の足取りも軽く、少し鼻歌を歌いたい気分だった。いつもより気分が良いのは、澄み切った空気と優しい朝日のおかげだけではない。

「せーんぱい!偶然ですね❤︎」

この声は…ぞくっと背筋が凍り、振り返ると
そこにはキラキラと瞳を輝かせるしおんくんが立っていた。彼の柔らかな黒髪が朝日の中でふわりと揺れている。純真無垢な笑顔でこちらに駆け寄ってくる彼の姿は、まるで絵本の中の王子様のようだ。

「しおんくん、こんなに早く…」

動揺が走る。彼が現れたということは、この後すぐにあの2人が…

「おう!京香!なんで先に行っちまうんだよ、翔と家まで迎えに行ったんだぞ」

続けざまに聞こえたのは、誠の声だった。彼はすでに私の目の前に立っていて、後ろには翔も控えている。誠は額にかかる前髪を無造作にかき上げながら、不満げに私を見つめている。その背の高さと整った顔立ちが、何もしていないのに周囲の注目を集めていた。

「ごめん、今日はちょっと早く出たくて…」私は申し訳なさそうに言い訳したが、二人の視線が鋭く突き刺さる。

「…また今日も平穏な朝は一瞬で終わったな…」内心でため息をついた。

すると、すれ違う生徒たちのひそひそとした声が耳に入ってきた。

「あの子、また学園のアイドルたちを引き連れてるよ…」
「ビッチめ…」

心ない言葉が私の背中に刺さる。周囲の視線が一気に冷たくなったような気がして、思わず肩をすぼめる。これが「イケメン幼なじみ」を持つ私の宿命なのか…。私は密かに運命を恨む。

――一体私が何をしたっていうのだろうか。
いつもの日常ながら軽くへこんでいると、

そんな私の思考を遮るように、再びしおんくんの声が聞こえてきた。

「せーんぱい?どうしたの、難しい顔して」

しおんくんが軽く私のおでこを指でこつんとつついてくる。その仕草があまりにも可愛らしくて、周りの女子たちからはきゃーっと一斉に黄色い歓声が上がった。

だが、その無邪気な笑顔の裏で、しおんくんはそっと耳元で囁く。

「不細工な顔が余計に醜いよ?」

その声は甘く、しかし確実に私の心に冷たく突き刺さる。さっきまでの可愛らしいしおんくんとはまるで別人のようだ。瞬時に表情を切り替えるその様子は、彼の私だけに見せる二重人格を垣間見せる。

足に力が入らずにふらっと倒れようとしたその瞬間、誠と翔は私を持ち上げ、姫抱っこの体勢にしてしまった。

「おい、大丈夫か。」誠が心配そうに私の肩に手を置き、翔も「京香、無理すんなよ」と優しく声をかける。

慌てて抵抗しようとしたが、二人の腕は強く、まるで逃げられない。

「や…やめて!」私は小声で叫ぶが、周りの視線が一層鋭くなるのを感じた。もはや、私の言葉は届かない。2人がそれぞれの腕に私を抱え込み、まるで大事な宝物のように扱いながら、堂々と歩いていく。

「誠先輩と翔先輩!お二人は朝練があるでしょう?僕が京香先輩を運びますよ」としおんくんが提案した。

しかし誠は、しおんくんの提案をやんわりと拒絶し、「京香のことは俺たちに任せておけ。」と言いながら、真剣な表情で私を見つめ、優しく微笑んだ。

そのやり取りを見ていたしおんくんの瞳に、明らかな嫉妬の色が浮かんだ。しかし彼は何も言わず、ただ静かに微笑んでいた。その笑顔の奥には、隠しきれない苛立ちが滲んでいるように見える。

校庭の生徒たちは一瞬にして固まり、私たちを見つめる。その視線は羨望と嫉妬に満ちていて、さらに大勢の人が注目しているのがわかる。目立ちたくないと願う私の気持ちとは裏腹に、ますます目立ってしまう状況に追い込まれていた。

保健室に着くまでの道のりが、まるで永遠に続くかのように感じられる。

「ああ、、、透明人間になりたい…」

これは私の学園生活、イケメン幼なじみたちと美少年しおんくんに囲まれた、波乱の日常の始まりにすぎない。
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