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第1章 幼少期編
03話 前世の記憶
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「いゃぁぁぁっ!!」
胸を貫かれた激痛に思わず飛び上がる……あれ? 飛び上がる?? それに胸も痛くない。
無残に地面に散乱したお布団、そして私が立っているのはふかふかなベッド。
「ここは……私の部屋?」
ということは……
「今のは夢?」
バンっ!!
「お嬢様っ!!」
「うぐっ!?」
視界がっ! 息がっ!!
お、落ち着け私っ! この匂いは知ってる。
私の専属侍女であるファナの匂い……つまり、今私はファナに抱きしめられてファナの胸に埋まってる状況と言うわけだ。
となると、まずすべきは……
「んん~! ぷはっ」
よしっ! 顔を逸らして呼吸と視界を確保っ!
ふふん! お父様やお母様、お兄様達にも内緒の秘密の特訓で鍛えている私にとってこの程度の窮地など取るに足らないのだ!!
「あぁっ! お嬢様! お目覚めになられてよかったっ!!」
「ファ、ファナ? いったいどうしたの?」
確かに悲鳴を上げちゃったわけだし、部屋に飛び込んで来るのはわかる。
けど、どうしていきなり抱きしめられてるんだろ?
「お嬢様! 覚えていらっしゃらないのですかっ!?」
「覚えてないって……なにを?」
「お嬢様はセドリック第一王子殿下との顔合わせで倒れてしまわれたのです」
「セドリック、第一王子……あっ」
そうだ……そうだった。
だんだんと思い出してきた……確か、お父様と一緒に5歳で同い年の第一王子殿下の婚約者候補の1人として第一王子であるセドリック殿下と顔合わせをするために王城に行って……
「思い出されましたか?」
「うん、思い出した。
ファナ、私は……」
「ソフィーちゃん!」
「むへっ!?」
ま、またしても視界と呼吸がっ!!
「あぁっ! ソフィーちゃん、目が覚めてよかったっ!」
この匂いと声は……
「お母様!」
「もう大丈夫なの? 熱は? 痛いところはない?」
私の顔を覗き込んで優しく微笑む美女。
滑らかで艶やかな金髪にルビーのような赤い瞳、スラリとしたスレンダーな体型ながらも出るところは出ている身体。
10人中10人が振り返って見惚れる超絶美形なお母様は心配そうな顔も非常に絵になる。
流石は私の大好きなお母様っ!
「まだちょっと頭がぼーってするけど、もう大丈夫」
「あら、それはいけないわ。
熱は無いようだけど、まだ病み上がりなんだからゆっくりと身体を休めないと」
そう言って私を抱き上げたお母様にベッドに寝かされ、ファナがお布団をかけてくれる。
「心配かけてごめんなさい……」
「ふふふ、無事ならいいのよ。
でもソフィーちゃんの悲鳴を聞いてビックリしたのよ? 怖い夢でも見たの?」
「それは……」
う~ん、なんて説明すればいいんだろ?
「ふふ、眉間に皺が寄っているわよ?
詳しい話はまた後で聞くから、今は呼んだお医者様が来てくださるまでもう少し寝ていなさい」
「うん」
「私の可愛いソフィーちゃん、おやすみなさい」
「おやすみなさい、お母様、ファナ……」
私の頭を優しく撫でて、おでこにキスしたお母様と、一礼したファナが部屋を出て行ったけど……私自身まだ何が起こったのか整理しきれてないし。
あんな夢? 凄まじく生々しい夢を見たあとじゃあ、とてもじゃないけど寝付けそうにない!
っと、いうわけで……ベッドでゆっくり休みつつ頭の中を整理しよう!
「よし!」
まず、顔合わせでセドリック殿下の顔を見た瞬間に頭の中に溢れ出した……思い出した記憶。
前にアルトお兄様やエレンお兄様のお部屋に忍び込んで、こっそりと借りた冒険小説の主人公達が同じようなことにあってたけど……
「これはいわゆる前世の記憶というやつなのかな?」
まぁ、前世の記憶を思い出したっていっても、わかるのはどんな生活をしてたのかとかだけ。
前世の私の名前も顔も、家族もわからないけど……どうやら前世の私は魔法やスキルが存在しない世界にある日本という国に住んでいたらしい。
見上げるほどに高い高層ビルという建物に、道路を凄いスピードで走る車、空を飛ぶ飛行機。
そして数々のゲーム機やスマートフォン! 魔法やスキルがない代わりに科学というものが発展した世界。
その世界で前世の私はOL? というもので、仕事の合間に色々なゲームをしたり。
マンガやライトノベルというものを読んだり、アニメとか映画とかいうのを観たりして悠々自適な独身ライフを送っていたと。
「う~ん」
他にも面白そうなモノがいっぱいあるけど、今は一旦置いておくとして……問題はさっき見た夢!
「婚約破棄された公爵令嬢が胸を剣で貫かれたと思ったら……」
それまでは全体を俯瞰して見てるような感じだったのに!
いきなり視点が変わったせいで剣で胸を貫かれて、首を刎ねられる恐怖を体験させられたのはちょっと納得いかないけど……
まぁ夢だし、そういう夢だったって納得するしかないんだけども。
とにかく! あの悪夢を見た原因は、セドリック殿下との顔合わせで思い出したこの前世の記憶にある!!
胸を貫かれた激痛に思わず飛び上がる……あれ? 飛び上がる?? それに胸も痛くない。
無残に地面に散乱したお布団、そして私が立っているのはふかふかなベッド。
「ここは……私の部屋?」
ということは……
「今のは夢?」
バンっ!!
「お嬢様っ!!」
「うぐっ!?」
視界がっ! 息がっ!!
お、落ち着け私っ! この匂いは知ってる。
私の専属侍女であるファナの匂い……つまり、今私はファナに抱きしめられてファナの胸に埋まってる状況と言うわけだ。
となると、まずすべきは……
「んん~! ぷはっ」
よしっ! 顔を逸らして呼吸と視界を確保っ!
ふふん! お父様やお母様、お兄様達にも内緒の秘密の特訓で鍛えている私にとってこの程度の窮地など取るに足らないのだ!!
「あぁっ! お嬢様! お目覚めになられてよかったっ!!」
「ファ、ファナ? いったいどうしたの?」
確かに悲鳴を上げちゃったわけだし、部屋に飛び込んで来るのはわかる。
けど、どうしていきなり抱きしめられてるんだろ?
「お嬢様! 覚えていらっしゃらないのですかっ!?」
「覚えてないって……なにを?」
「お嬢様はセドリック第一王子殿下との顔合わせで倒れてしまわれたのです」
「セドリック、第一王子……あっ」
そうだ……そうだった。
だんだんと思い出してきた……確か、お父様と一緒に5歳で同い年の第一王子殿下の婚約者候補の1人として第一王子であるセドリック殿下と顔合わせをするために王城に行って……
「思い出されましたか?」
「うん、思い出した。
ファナ、私は……」
「ソフィーちゃん!」
「むへっ!?」
ま、またしても視界と呼吸がっ!!
「あぁっ! ソフィーちゃん、目が覚めてよかったっ!」
この匂いと声は……
「お母様!」
「もう大丈夫なの? 熱は? 痛いところはない?」
私の顔を覗き込んで優しく微笑む美女。
滑らかで艶やかな金髪にルビーのような赤い瞳、スラリとしたスレンダーな体型ながらも出るところは出ている身体。
10人中10人が振り返って見惚れる超絶美形なお母様は心配そうな顔も非常に絵になる。
流石は私の大好きなお母様っ!
「まだちょっと頭がぼーってするけど、もう大丈夫」
「あら、それはいけないわ。
熱は無いようだけど、まだ病み上がりなんだからゆっくりと身体を休めないと」
そう言って私を抱き上げたお母様にベッドに寝かされ、ファナがお布団をかけてくれる。
「心配かけてごめんなさい……」
「ふふふ、無事ならいいのよ。
でもソフィーちゃんの悲鳴を聞いてビックリしたのよ? 怖い夢でも見たの?」
「それは……」
う~ん、なんて説明すればいいんだろ?
「ふふ、眉間に皺が寄っているわよ?
詳しい話はまた後で聞くから、今は呼んだお医者様が来てくださるまでもう少し寝ていなさい」
「うん」
「私の可愛いソフィーちゃん、おやすみなさい」
「おやすみなさい、お母様、ファナ……」
私の頭を優しく撫でて、おでこにキスしたお母様と、一礼したファナが部屋を出て行ったけど……私自身まだ何が起こったのか整理しきれてないし。
あんな夢? 凄まじく生々しい夢を見たあとじゃあ、とてもじゃないけど寝付けそうにない!
っと、いうわけで……ベッドでゆっくり休みつつ頭の中を整理しよう!
「よし!」
まず、顔合わせでセドリック殿下の顔を見た瞬間に頭の中に溢れ出した……思い出した記憶。
前にアルトお兄様やエレンお兄様のお部屋に忍び込んで、こっそりと借りた冒険小説の主人公達が同じようなことにあってたけど……
「これはいわゆる前世の記憶というやつなのかな?」
まぁ、前世の記憶を思い出したっていっても、わかるのはどんな生活をしてたのかとかだけ。
前世の私の名前も顔も、家族もわからないけど……どうやら前世の私は魔法やスキルが存在しない世界にある日本という国に住んでいたらしい。
見上げるほどに高い高層ビルという建物に、道路を凄いスピードで走る車、空を飛ぶ飛行機。
そして数々のゲーム機やスマートフォン! 魔法やスキルがない代わりに科学というものが発展した世界。
その世界で前世の私はOL? というもので、仕事の合間に色々なゲームをしたり。
マンガやライトノベルというものを読んだり、アニメとか映画とかいうのを観たりして悠々自適な独身ライフを送っていたと。
「う~ん」
他にも面白そうなモノがいっぱいあるけど、今は一旦置いておくとして……問題はさっき見た夢!
「婚約破棄された公爵令嬢が胸を剣で貫かれたと思ったら……」
それまでは全体を俯瞰して見てるような感じだったのに!
いきなり視点が変わったせいで剣で胸を貫かれて、首を刎ねられる恐怖を体験させられたのはちょっと納得いかないけど……
まぁ夢だし、そういう夢だったって納得するしかないんだけども。
とにかく! あの悪夢を見た原因は、セドリック殿下との顔合わせで思い出したこの前世の記憶にある!!
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