悪役令嬢は最強を志す! 〜前世の記憶を思い出したので、とりあえず最強目指して冒険者になろうと思います!〜

フウ

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第10章 英雄台頭編

199話 任せなさい

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 まったく汚れのない、光り輝く純白の鱗!
 優雅で美しく、威厳と気品に満ちた堂々とした佇まい!
 そして……この広場を、冒険者ギルド本部全体を支配して覆い尽くすような強大な魔力!  凄まじい力の波動っ!!

「ルミエ様っ!!」

 この私ですら目にするだけで平伏したくなるような、圧倒的なこの存在感!!
 さすがはルミエ様だわっ!  すごい!  すごすぎるっ!!

「ね?  だから言ったでしょ?
 本当ならダンジョン内で食い止める事ができれば一番良かったんだけど……こうなってしまったからには仕方がない。
 ここはルミエ様達に任せよう」

「うん……わかった」

 悔しいけど、私達が加わっても足手まといになるだけだろうし。
 あの少女のことはルミエ様達に任せて、私達は……どさくさに紛れて逃げようとしてる4人を確保しないと!

「それにしても……」

 あの少女を、ただの……咆哮ブレスじゃなくて、魔力を乗せただけの普通の咆哮で上空に吹き飛ばしちゃうなんて……

「むふっ!  どう、フィル!  ちゃんと見た!?
 すごいでしょっ!!」

「……なんで、ソフィーが得意げな顔をしてるのさ?」

「むっ」

 なんでって、そりゃあ……だって、ルミエ様のすごさをフィルにも自慢したかったんだもん……

「こほん、と、とにかく!
 私達は逃げられる前に、あの4人の身柄を確保しないと!!」

 ルミエ様の咆哮によって発生した、魔力の衝撃波によってあの少女を吹き飛ばすのと同時に私が展開してた隔離結界も破られちゃってるし。
 早急にあの人達を捕まえないと!!

「あはは、そうだね」

 フィ、フィルめ~!  後で覚えてなさいよ!!
 転移で逃げられちゃったら……まぁマーキングは付けたから大丈夫だと思うけど、面倒だし万が一ってこともある。

「くそっ……こんなに惨めな気分は久しぶりだ」

「まさか、あの化け物がここまで追ってくるなんて……」

「しかし、これは不幸中の幸いよ!」

「あぁ、どういう状況かは知らないが……竜種が現れたとなれば、撤退するのに十分な名目になる」

 まぁ確かに。
 ルミエ様……竜種ドラゴンが乱入してきたなら、彼らの計画が破綻しても不思議じゃないもんね。
 もっとも……


 パチン!


「「「「っ!!」」」」

「貴方達を逃しはしませんよ」

 さっきはこの広場全域に展開したから、多少強度が低かったけど……今展開した結界は範囲をこの4人を捕らえるだけの範囲で展開したから、その強度はさっきの比じゃない!
 多分この結界ならルミエ様でもそう簡単には破壊できない……はず。

「クソがっ!!」


 ドンッ!!


「無駄です」

 巨漢の男が結界を殴ってるけど……そんなのじゃあこの結界、断魔結界は破れない!

「チクショウがぁっ!!」

 さてと……結界の中で喚き散らしてるけど、とりあえずこれでこの4人の捕縛は完了したことですし!

「ルミエ様!  お気をつけて!!」

『ふふっ、任せなさい』

 ルミエ様が笑みを浮かべた瞬間──

「わっ!」

 突風がっ!

「まったく、何やってるの。
 気をつけないと、転んじゃうところだったよ?」

「フィ、フィル」

 転びそうになったところを、受け止めてくれたのはありがたいけど……さすがにこの体制はちょっと恥ずかしい。

「えっと、ありがとう……」

「どういたしまして。
 ちゃんと気をつけるんだよ?」

「むぅ~」

 フィルは私を何歳だと思ってるの!?
 同い年なのに、この明らかな子供扱い!!  まぁ受け止めてくれたことは感謝するけど……失礼しちゃうわ!
 後でフィルには、淑女として威厳ある私の姿を見せつけてやらないとだけど……

「フィル!  フィル!  今の見た!?」

 ルミエ様が翼をはためかせだけで、あの突風!
 しかもガルドさんとクリスティアさんを背中に乗せた状態で、一瞬で上空に飛び上がっちゃった!!

「ソフィー、キミね……」
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