悪役令嬢は最強を志す! 〜前世の記憶を思い出したので、とりあえず最強目指して冒険者になろうと思います!〜

フウ

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第24章 世界会議編

420話 返り討ちにしてやります!!

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「お嬢様、ココアが入りましたよ」

「ありがとう」

 ファナからココアが入ったマグカップを受け取り、美しい所作で優雅に一口。
 ふっ、我ながら完璧な所作と気品。
 さすがは私!  社交界で月の女神と称されているのは、伊達じゃないのだ!!

「しかし……昨日は大変でしたね。
 まったく、レオン陛下も困った方です」

「はぁ……ごめんね、ソフィー。
 お父様が迷惑をかけたわね」

 あぁっ!  カリンさんがしゅんと!
 耳が!  ネコ耳がぺたんって力なく倒れちゃった!!

「べ、別にカリンさんが気にする事はありませんよ?」

 お、おおお落ち着け私!
 これは試練っ!  そう、これは私の精神力を見るための!!
 私の名誉と威厳を保つための、避けては通れない試練なのだっ!!

「悪いのはレオン陛下ですから」

 努めて冷静に。
 絶対にモフりたいこの衝動を抑え込むのだ!
 私はイストワール王国がルスキューレ公爵家の公女、ソフィア・ルスキューレ!!

 社交界で月の女神と称され、大陸中にその名を轟かせる天才なのだ!
 そんな私が!  才媛として、完璧な淑女として名高い私が……カリンさんをモフり倒したい衝動から、手をわきわきさせちゃうなんて言語道断!!

「レオン陛下が今回の世界会議に参加するのは知ってましたが、まさかあんな大軍を引き連れてくるなんて思ってなかったからですからね」

 昨日ここレフィア神聖王国の王都レ・フィーアの外に布陣した魔王の軍勢こと、獣王国ビスバロニスが誇るレオン陛下麾下の獣王戦士団。
 その数、総勢約1万名!

 まぁ、八魔王が一角であるレオン陛下が現れたら、大騒ぎになる事は目に見えてたし。
 なんとか事前の予定通りに、私が前に出て騒ぎを鎮める事ができたからよかったものの。

「わざわざ王都近郊で転移魔法を使って呼び寄せたって……」

 レオン陛下とカリンさん。
 私もビスバロニスで手合わせをした事がある、獣王戦士団の精鋭が4人と、身の回りのお世話をする使用人が10人。

 全員で16人を王宮に案内した後、フィルのお父様であるレフィア神聖王国国王、マリア先生、ショウ陛下、アルバ様。
 四大国の王達も加えてレオン陛下を尋も……げふん!  げふん!  にこやかな話し合いが行われたわけだけど。

 その結果、王都のすぐそばまでは、私が王宮まで案内した16人。
 つまりは事前に聞いていた15人に加えて、カリンさんを含めたメンバーで移動して来てたけど……

 王都の姿前で、レオン陛下が転移魔法を用いて獣王戦士団を呼び寄せた事が発覚した。
 まぁ1万もの大軍を、転移魔法で一瞬にして呼び寄せるっていうレオン陛下の規格外っぷりはいいとして。

「しかも、その理由が……」

 あの軍勢について問いただした私達に向かって、レオン陛下は平然とこう言った……


『まぁちょっとしたサプライズみたいなもんだよ。
 それに、俺は魔王だぜ?
 あのくらいはやらなきゃ、魔王として格好がつかねぇだろ?』


 と!!

「魔王としての格好って……いやまぁ、言いたい事はわかりますけど!
 子供ですかっ!  せめて事前に一言、伝えてくれたらよかったのに!!」

「ごめんね。
 やめるように何度も止めたんだけど……お父様にはもう一度、私からキツく言っておくわ」

「お願いします」

 とまぁ、そんなこんなで昨日は色々と大変だったわけだけど……

「いよいよ、ですね」

「ふふっ、そうね」

「ついに今日から世界会議が始まり、そして……」

 ヤツらもこの間にかならず動く。

「無事に終わったらいいわね」

「あっ!  カリンさん、それってフラグっていうんですよ?」

「あら、そうなの?」

 まったく~、カリンさんったら。

「でも、問題はありませんよっ!
 この1年ほどで、しっかりと準備をして来ましたからね!
 ふふふ、教団の連中はこの私が返り討ちにしてやります!!」
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