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March
未来の約束 Side 翠葉 02話
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会食当日、女性陣は和服を着ていた。
お母さんと真白さんの話し合いで、女性陣は和装ということになったからだ。
今回は結納というわけではないことから、お母さんや真白さん、湊先生は色留袖。果歩さんは煌くんがまだ小さいことを考慮して、色留袖をワンピースにリメイクしたもの。私はこの日のためにと城井のおばあちゃんたちが揃えてくれた、淡いピンク地に花々の模様が美しい振袖を着ていた。
振袖なら朗元さんからいただいた紫のがあるからいいと断ったのだけど、「実の祖父母からのプレゼントは受け取れないというの?」と詰め寄られ、結局はもう一枚振袖を持つこととなった。けれど、ピンクのそれはとても華やかで、婚約と銘打った会食には相応しいお着物に思えた。
事実、真白さんや湊先生、果歩さんの評判がとても良かったのだ。
男性陣は皆スーツで、なんだかかしこまった服装で顔を合わせると、それだけで緊張してしまう。
澤村さんに案内された個室へ入ると、一番最後に遅れて静さんがやってきた。
「静、遅刻よっ。遅れないでってあれほど言っておいたのにっ」
文句を言う湊先生に、
「すまない。部屋を出る前に電話が鳴ってね」
静さんはそう言うと、涼先生と真白さんへ向かって、
「お義父さん、お義母さん、遅れてしまい大変申し訳ございません」
そして、私たちに向かっても腰を折って謝罪する。
一連のやり取りを見て、湊先生と静さんは夫婦なのだな、と改めて思う。
結婚式にも出席したし、藤の会でふたりが一緒にいるところも見ているのだけど、普段あまり一緒にいるところを見ることがないからか、なんだかとても新鮮な気分だった。
あまりにもじっと見つめすぎただろうか。静さんに気づかれ声をかけられた。
「何かな? 未来の妹君」
未来の、妹……? ――あっ……そっか……そういうことになるんだ……。
もし私とツカサが結婚したら、湊先生と静さん、楓先生と果歩さんは義兄、義姉といった関係になるのだし、煌くんは甥になるのだろう。
うわぁ……。
現実味が一気に増して、頭の中がてんやわんやになる。
「零樹、まさかおまえと親戚関係になるとは思いもしなかったぞ」
「それを言うならこっちもだ」
そんな皮肉を言い合ったのち、両家の家族紹介が始まった。
すでに面識があり、面識がある以上のお付き合いをしてきている人たちと、家族の紹介から始めるのはなんだか奇妙な気分だ。
そう思ったのは私だけではなかったようで、紹介が終えると皆口々に「変な感じ」と零していた。そんな中、涼先生によって場の雰囲気が変えられる。
「会食を始める前に、御園生さん――いえ、翠葉さん。ご確認したいことがございます」
「……なんでしょう?」
「私たち家族はこの婚約を望むと同時にとても喜んでおりますが、翠葉さんは本当に司でよろしいのですか? うちの愚息のことです、婚約などしようものなら、それが破談になった暁には、精神的損害を理由に損害賠償を起こすとか言い出しかねませんよ?」
その物言いに、やっぱり涼先生はツカサのお父さんだな、と思う。
「えぇと……そのことなら、プロポーズされた際にそう言われました」
それが冗談か本気なのかは定かではないけれど……。
「おや、そうでしたか。では、それも承知で司と婚約していただけると解釈してもよろしいのでしょうか」
「……はい」
こんな大勢の前で答えるのは少し恥ずかしくて声が小さくなってしまった。けれど、きちんと自己主張はしたくて、最後に「ツカサが、いいんです」と付け足した。
涼先生は一瞬目を見開き、すぐに目を細めて優しそうな笑顔になる。
「翠葉さんのお気持ちはわかりました。あとは翠葉さんのご家族へご確認させてください。うちの司は人間としてまだまだ未熟です。それでも、この婚約をお認めいただけるのでしょうか。もし、まだ早い、そうおっしゃるのでしたら数年後に出直させます」
それは厳しくも誠実な申し出だった。
両親がなんと答えるのか固唾を呑んで見守っていると、お母さんがにこりと笑って口を開く。
「私たちは娘を信じております。娘が選んだ人ならば、きっと娘は幸せになれるでしょう」
「……それがお答えですか?」
次はお父さんが口を開いた。
「はい、私たちは娘の幸せしか望んでおりませんので。ですが、うちの娘は体調に問題を抱えています。結婚すれば、司くんは間違いなく苦労することになるでしょう。それでも、うちの娘を迎えていただけるのでしょうか」
涼先生はにこりと笑って、
「ご心配なく。それは取り立てて問題視することではありませんし、うちは医者が多い家です。翠葉さんに何かあれば私どもで対応させていただきます。そういう意味でもご心配なさらないでください」
「ありがとうございます。とても心強いです」
両親との会話が済むと、涼先生は唯兄と蒼兄に視線を向ける。
「蒼樹さんと唯芹さん、おふたりはいかがでしょう」
「自分は、翠葉が納得して婚約するのならば反対はしません」
ハキハキと答える蒼兄に対し、唯兄は「俺もです……」と言葉少なに小さく答えたのみだった。
「では、合意を得られたところで婚約成立とさせていただいてもよろしいでしょうか。よろしければ拍手をお願いいたします」
涼先生の仕切りに、皆が拍手を始めた。
それが合図となったかのように、食事が運ばれてきて会食がスタートした。
親は親同士で話を進めており、子どもたちは子どもたちで会話している。その子どもサイドに静さんがいることがとっても奇妙に思えた。
残すところはデザートという終盤になって、
「司、翠葉ちゃんを散歩に連れて行ってあげたらどうかな? もうお腹がいっぱいで食べられない、そんな顔をしているよ」
静さんの一言に、すぐツカサが席を立った。そして、私側へ回ってきて椅子を引いてくれる。
「温室には花が咲いているし、庭園を見て回るのもいい。それからホテルのチャペルを見学するのもいいんじゃないかな? 将来、式を挙げる際にはうちの系列を使ってくれるんだろう? 必要とあらば、パレスのパンフレットも一式揃えさせよう」
「せーい、まだ早いわよ。婚約期間は六年間よ? 六年後に最新のパンフレットをよこしてちょうだい」
静さんとお母さんのやり取りに場が沸き、私とツカサはそんな中会食の場をあとにした。
ホテルの通路に出てほっと胸を撫で下ろす。と、
「何をそんなに緊張してるんだか。会食なんて試験のたびにやってるんだから慣れてるだろ?」
そんな、「いつもと変わらない」みたいな言い方しないでほしい……。
「今日はいつもの会食とは意味合いが違うでしょう? 婚約を取り交わすためのものだし、みんなかしこまった格好だったし……」
そんな状況にただでさえ緊張していたというのに、まさか気持ちを確認するような質問をされるとは思ってもみなかったのだ。
決して試されるようなことを問われたわけではないのに、瞬時に緊張に包まれた私は、会食が始まってもその緊張が解けることはなく、部屋を出るまでずっと緊張し通しだった。
それはこういう改まった場が苦手な唯兄も同じだったと思う。その唯兄は今も、静さんの前で身体を縮こめている気がする。
そんな唯兄を気の毒に思って個室を振り返る。と、
「静さんはああ言ってたけど、翠、あまり食べられてなかっただろ?」
「なんかものが喉を通らなくて……」
今日だってきっと、須藤さんが作ってくれた料理だっただろう。なのに、少ししか手をつけられず、味すらわからなかったなんて、申し訳なさすぎる……。
うな垂れながら歩いていると、
「温室へ行って軽食をオーダーしよう。それとも、デザートのほうが食べやすい?」
気遣ってくれるツカサに、
「メニューを見てから決めようかな」
そんな話をしながらエレベーターホールへ向かうと、澤村さんがエレベーター前に控えていた。
「会食はお済みになられたのですか?」
「あとはデザートのみです」
ツカサが答えると澤村さんは佇まいを直し、
「本日は、ご婚約おめでとうございます」
と腰を折った。
私は恥ずかしさに何も答えることができず、代わりにツカサが「ありがとうございます」と返礼する。
「おふたりはこれからホテル内を散策されるとうかがいしましたが、行き先はお決まりですか?」
「翠が緊張で料理にあまり手をつけられなかったので、温室で軽食でも、と思っています」
「さようでしたか。それでは、のちほど園田にメニューを持って行かせましょう」
エレベーターが来ると澤村さんはエレベーターの階数ボタンを押し、扉が閉まるまでずっと腰を折っていた。
エレベーターの中でふたりきりになると、私は背後のツカサの胸に背を預ける。
私的にはちょっと甘える要領だったのだけど、ツカサはそうは受け取らなかったようだ。
「疲れた? それとも、帯が苦しくなってきたとか?」
私は肩越しに振り返り、
「ううん、体調は大丈夫。ただ、少し気が抜けただけ」
さすがに甘えたかったとは言えずに代わりの言葉を伝えると、ツカサは「ふーん」と言いながら、私の肩を両手で引き寄せ、
「今日の振袖、よく似合ってる」
耳に息がかかるほどの距離で囁かれて一気に身体が熱を持つ。でも、一番褒めてもらいたかった人に褒められて、表情が緩むほどに嬉しかった。
一階に着くまでの十数秒の出来事だったけど、背中を預けていた時間がなんだかとても幸せな時間に思えた。
お母さんと真白さんの話し合いで、女性陣は和装ということになったからだ。
今回は結納というわけではないことから、お母さんや真白さん、湊先生は色留袖。果歩さんは煌くんがまだ小さいことを考慮して、色留袖をワンピースにリメイクしたもの。私はこの日のためにと城井のおばあちゃんたちが揃えてくれた、淡いピンク地に花々の模様が美しい振袖を着ていた。
振袖なら朗元さんからいただいた紫のがあるからいいと断ったのだけど、「実の祖父母からのプレゼントは受け取れないというの?」と詰め寄られ、結局はもう一枚振袖を持つこととなった。けれど、ピンクのそれはとても華やかで、婚約と銘打った会食には相応しいお着物に思えた。
事実、真白さんや湊先生、果歩さんの評判がとても良かったのだ。
男性陣は皆スーツで、なんだかかしこまった服装で顔を合わせると、それだけで緊張してしまう。
澤村さんに案内された個室へ入ると、一番最後に遅れて静さんがやってきた。
「静、遅刻よっ。遅れないでってあれほど言っておいたのにっ」
文句を言う湊先生に、
「すまない。部屋を出る前に電話が鳴ってね」
静さんはそう言うと、涼先生と真白さんへ向かって、
「お義父さん、お義母さん、遅れてしまい大変申し訳ございません」
そして、私たちに向かっても腰を折って謝罪する。
一連のやり取りを見て、湊先生と静さんは夫婦なのだな、と改めて思う。
結婚式にも出席したし、藤の会でふたりが一緒にいるところも見ているのだけど、普段あまり一緒にいるところを見ることがないからか、なんだかとても新鮮な気分だった。
あまりにもじっと見つめすぎただろうか。静さんに気づかれ声をかけられた。
「何かな? 未来の妹君」
未来の、妹……? ――あっ……そっか……そういうことになるんだ……。
もし私とツカサが結婚したら、湊先生と静さん、楓先生と果歩さんは義兄、義姉といった関係になるのだし、煌くんは甥になるのだろう。
うわぁ……。
現実味が一気に増して、頭の中がてんやわんやになる。
「零樹、まさかおまえと親戚関係になるとは思いもしなかったぞ」
「それを言うならこっちもだ」
そんな皮肉を言い合ったのち、両家の家族紹介が始まった。
すでに面識があり、面識がある以上のお付き合いをしてきている人たちと、家族の紹介から始めるのはなんだか奇妙な気分だ。
そう思ったのは私だけではなかったようで、紹介が終えると皆口々に「変な感じ」と零していた。そんな中、涼先生によって場の雰囲気が変えられる。
「会食を始める前に、御園生さん――いえ、翠葉さん。ご確認したいことがございます」
「……なんでしょう?」
「私たち家族はこの婚約を望むと同時にとても喜んでおりますが、翠葉さんは本当に司でよろしいのですか? うちの愚息のことです、婚約などしようものなら、それが破談になった暁には、精神的損害を理由に損害賠償を起こすとか言い出しかねませんよ?」
その物言いに、やっぱり涼先生はツカサのお父さんだな、と思う。
「えぇと……そのことなら、プロポーズされた際にそう言われました」
それが冗談か本気なのかは定かではないけれど……。
「おや、そうでしたか。では、それも承知で司と婚約していただけると解釈してもよろしいのでしょうか」
「……はい」
こんな大勢の前で答えるのは少し恥ずかしくて声が小さくなってしまった。けれど、きちんと自己主張はしたくて、最後に「ツカサが、いいんです」と付け足した。
涼先生は一瞬目を見開き、すぐに目を細めて優しそうな笑顔になる。
「翠葉さんのお気持ちはわかりました。あとは翠葉さんのご家族へご確認させてください。うちの司は人間としてまだまだ未熟です。それでも、この婚約をお認めいただけるのでしょうか。もし、まだ早い、そうおっしゃるのでしたら数年後に出直させます」
それは厳しくも誠実な申し出だった。
両親がなんと答えるのか固唾を呑んで見守っていると、お母さんがにこりと笑って口を開く。
「私たちは娘を信じております。娘が選んだ人ならば、きっと娘は幸せになれるでしょう」
「……それがお答えですか?」
次はお父さんが口を開いた。
「はい、私たちは娘の幸せしか望んでおりませんので。ですが、うちの娘は体調に問題を抱えています。結婚すれば、司くんは間違いなく苦労することになるでしょう。それでも、うちの娘を迎えていただけるのでしょうか」
涼先生はにこりと笑って、
「ご心配なく。それは取り立てて問題視することではありませんし、うちは医者が多い家です。翠葉さんに何かあれば私どもで対応させていただきます。そういう意味でもご心配なさらないでください」
「ありがとうございます。とても心強いです」
両親との会話が済むと、涼先生は唯兄と蒼兄に視線を向ける。
「蒼樹さんと唯芹さん、おふたりはいかがでしょう」
「自分は、翠葉が納得して婚約するのならば反対はしません」
ハキハキと答える蒼兄に対し、唯兄は「俺もです……」と言葉少なに小さく答えたのみだった。
「では、合意を得られたところで婚約成立とさせていただいてもよろしいでしょうか。よろしければ拍手をお願いいたします」
涼先生の仕切りに、皆が拍手を始めた。
それが合図となったかのように、食事が運ばれてきて会食がスタートした。
親は親同士で話を進めており、子どもたちは子どもたちで会話している。その子どもサイドに静さんがいることがとっても奇妙に思えた。
残すところはデザートという終盤になって、
「司、翠葉ちゃんを散歩に連れて行ってあげたらどうかな? もうお腹がいっぱいで食べられない、そんな顔をしているよ」
静さんの一言に、すぐツカサが席を立った。そして、私側へ回ってきて椅子を引いてくれる。
「温室には花が咲いているし、庭園を見て回るのもいい。それからホテルのチャペルを見学するのもいいんじゃないかな? 将来、式を挙げる際にはうちの系列を使ってくれるんだろう? 必要とあらば、パレスのパンフレットも一式揃えさせよう」
「せーい、まだ早いわよ。婚約期間は六年間よ? 六年後に最新のパンフレットをよこしてちょうだい」
静さんとお母さんのやり取りに場が沸き、私とツカサはそんな中会食の場をあとにした。
ホテルの通路に出てほっと胸を撫で下ろす。と、
「何をそんなに緊張してるんだか。会食なんて試験のたびにやってるんだから慣れてるだろ?」
そんな、「いつもと変わらない」みたいな言い方しないでほしい……。
「今日はいつもの会食とは意味合いが違うでしょう? 婚約を取り交わすためのものだし、みんなかしこまった格好だったし……」
そんな状況にただでさえ緊張していたというのに、まさか気持ちを確認するような質問をされるとは思ってもみなかったのだ。
決して試されるようなことを問われたわけではないのに、瞬時に緊張に包まれた私は、会食が始まってもその緊張が解けることはなく、部屋を出るまでずっと緊張し通しだった。
それはこういう改まった場が苦手な唯兄も同じだったと思う。その唯兄は今も、静さんの前で身体を縮こめている気がする。
そんな唯兄を気の毒に思って個室を振り返る。と、
「静さんはああ言ってたけど、翠、あまり食べられてなかっただろ?」
「なんかものが喉を通らなくて……」
今日だってきっと、須藤さんが作ってくれた料理だっただろう。なのに、少ししか手をつけられず、味すらわからなかったなんて、申し訳なさすぎる……。
うな垂れながら歩いていると、
「温室へ行って軽食をオーダーしよう。それとも、デザートのほうが食べやすい?」
気遣ってくれるツカサに、
「メニューを見てから決めようかな」
そんな話をしながらエレベーターホールへ向かうと、澤村さんがエレベーター前に控えていた。
「会食はお済みになられたのですか?」
「あとはデザートのみです」
ツカサが答えると澤村さんは佇まいを直し、
「本日は、ご婚約おめでとうございます」
と腰を折った。
私は恥ずかしさに何も答えることができず、代わりにツカサが「ありがとうございます」と返礼する。
「おふたりはこれからホテル内を散策されるとうかがいしましたが、行き先はお決まりですか?」
「翠が緊張で料理にあまり手をつけられなかったので、温室で軽食でも、と思っています」
「さようでしたか。それでは、のちほど園田にメニューを持って行かせましょう」
エレベーターが来ると澤村さんはエレベーターの階数ボタンを押し、扉が閉まるまでずっと腰を折っていた。
エレベーターの中でふたりきりになると、私は背後のツカサの胸に背を預ける。
私的にはちょっと甘える要領だったのだけど、ツカサはそうは受け取らなかったようだ。
「疲れた? それとも、帯が苦しくなってきたとか?」
私は肩越しに振り返り、
「ううん、体調は大丈夫。ただ、少し気が抜けただけ」
さすがに甘えたかったとは言えずに代わりの言葉を伝えると、ツカサは「ふーん」と言いながら、私の肩を両手で引き寄せ、
「今日の振袖、よく似合ってる」
耳に息がかかるほどの距離で囁かれて一気に身体が熱を持つ。でも、一番褒めてもらいたかった人に褒められて、表情が緩むほどに嬉しかった。
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