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August
夏の思い出 Side 翠葉 10話
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シャンプーもトリートメントも一応持ってきてはいるのだけど……。
「真白さんが使っているものなら肌に優しいものがチョイスされていそうだし……」
少し考えて、バスルームに備え付けられているものを使うことにした。
だとしたら、あとはパジャマと下着……?
あ、洗顔だけはいつものものを持っていこう。それから髪の毛を留めるクリップと――
そうこうしている間にツカサが寝室までやってきた。
「お湯、溜まった」
「ありがとう」
「どういたしまして」
ツカサは私の膝の上のものをじっと見て、
「……なんで下着にパジャマの用意してるの?」
「え? だって――」
「風呂に入ったあとならいいんだろ?」
「そうだけど……」
「なら、脱がす手間を省くためにバスローブの着用を希望する。下着も、事後にシャワーを浴びたあと、清潔なものを身につけるほうがいいんじゃないの?」
正論だ……正論すぎて反論できない。だけどすべてを呑み込むのはちょっと抵抗があって、
「三十分後っ」
「は……?」
「三十分待ってから入ってきてっ」
「なんで……」
「髪の毛洗ったり身体洗ってるところは見られたくないっ」
「っ――」
「NO! 無理、絶対だめっ。だめったらだめだからねっ!? ちゃんと三十分計ってねっ!?」
私は押せるだけの念を押して、寝室を飛び出した。
いつもならリラックスタイムでのんびりと髪の毛を洗ったり身体を洗ったりするのに、今日は散々だ。
三十分じゃなくて四十分にすればよかったのではないか、と思いながら、髪の毛を洗い身体を隅々まで洗う。
時間内に全部終わったっ!?
シャワーでバスルームの床をザーッと流して鏡の前に立つ。
「うぅぅ……確かに、まだ肉付きが悪い……。でも、努力はしているものっ」
そんな愚痴を零した瞬間、コンコンコン――遠慮気味にノックする音が聞こえた。
直後、ドアのの向こうから、
「三十分経過したんだけど、入っていいの?」
「ちょっと待ってっ」
私は慌てて泡だらけのバスタブに身を沈める。
ここまでただの一度も星空など見ることができなかったのだから、自分がどれほど慌てていたのかがよくわかる。
「だ、大丈夫……」
そう口にすると、裸のツカサが入ってきて――
「ごめんっ」
言いながら視線を逸らし、私は壁際を向いた。
自分は見られたくないと三十分も待たせた挙句、しっかりバスタブへ逃げたくせに何を――
「……俺は見られても別に困らないから、そんな気を使ってくれなくても大丈夫なんだけど……」
「だって、見るのも恥ずかしいものっ」
咄嗟に答えると声が少し大きくなって、バスルームに自分の声が響いてびっくりする羽目になる。
バスタブの中でわたわたしていると、ツカサの大きな手が頭に乗せられた。
「なんなら照明落とすし」
「でもっ――」
「その代わり、ウォーターキャンドル点けてもいい?」
コクリと頷くと、ツカサは一度バスルームから出て、あらかじめ用意してあったロックグラスに水を張り、火を灯して戻ってきた。
それをバスタブの片隅に置いて照明を落としてくれる。
「ありがとう……」
「どういたしまして。翠は深呼吸でもして星でも見てれば?」
「ん……」
背後からシャワーの音が聞こえたあと、ボトルのポンプを押す音が聞こえてきて、髪の毛をワシャワシャと洗う音が聞こえてきた。
ツカサの意識がこちらに向いていないことにほっとして、音に集中していると、あっという間にシャワーで流す音が聞こえてきてびっくりする。
「えっ、頭洗うのもう終わりっ!?」
壁を向いたままたずねると、
「背中向けられたままたずねられるの、違和感……っていうか、音だけで判断するってどれだけマニアックなの?」
「だってっ――」
想像できてしまうのだから仕方がない。
「俺と翠の髪の長さ、どのくらい違うと思ってる? ちなみに、翠は髪をショートにしたことは?」
「……えと、ない……かな。物心ついたころには髪の毛長かったから……」
「なるほど……。俺くらいの長さなら五分もかからない」
「そうなのね……」
またしてもスコスコとポンプを押す音が聞こえてきて、そのあとの音に、身体を洗っているのだと想像する。
ツカサはどこから洗うのだろう。私はナイロンのボディウォッシュでモクモクの泡を確保すると、その泡を手に取り、まずは首筋から洗う。そして、次が肩や胸、お腹。そうして腕にたっぷりの泡を伸ばし、背中や太腿、膝下、指の隙間などを洗うのだ。
うーん……さすがに音だけじゃどこから洗うのかはわからないな。
そんなことを考えているうちに、シャワーの音が聞こえてきて一分と経たないうちにカコッ、とコックを動かす音が聞こえた。そして、私の正面にある壁にほのかに影が映る。
「バスタブに入りたいんだけど、少しキャンドルの方に身を寄せて」
「は、はいっ」
慌ててキャンドルのもとまで移動すると、
「移動しすぎ」
と、肩を掴まれ引き寄せられた。
「この広さならふたり並んで入れるだろ」
耳をくすぐる低音ボイスがたまらない……。
腰の辺りからゾクゾクするこの感じは馴染みあるものだけど――
隣のツカサをそっと覗き見ると、
「髪型が……」
オールバック……。
当たり前ながらメガネもかけていない。
「そういう髪型していると、本当に涼先生とそっくり」
クスリと笑って指摘すると、ツカサはすぐにバサバサと髪の毛をぐちゃぐちゃにしてしまった。
「どうして? 似合ってるのに……」
「父さんに似てるって言われるのはちょっと……」
「いやなの? あんなに格好いいお父さんなのだから、似てるって言われてもいい気がするのに。湊先生もそっくりよね? 真白さんもきれいだし、楓先生も格好いいし、ツカサの家族は見ていて目の保養し放題」
そこまで言って前に向き直る。と、
「膝抱えてないで脚伸ばしたら? 俺の脚が全部伸ばせるくらいには広いバスタブなわけだし」
「うん……」
身体を解きほぐすようにゆっくりと脚を伸ばすと、全身の力が抜け、血の巡りが格段によくなった気がした。
そして、隣のツカサが少し沈む。
本当に沈んじゃうんじゃ……と思ったら、ピタリと止まった。
「バスタブのこっち側、程よく傾斜がついてるから翠も背中預けてみれば? この体勢だと空を見るのもつらくない」
促されるままバスタブの傾斜に身を委ねると、
「あ……本当だ」
まるでリクライニングチェアに座っているような体勢になる。
小さなキャンドルは星の光を干渉するほど強くはなく、バスルームをほんのりと照らすのみ。
「まさかバスタブに浸かりながら、星を見られるとは思ってなかった」
「それは私もだよ」
旅行の前日に真白さんから電話があって、
「絶対に喜んでもらえると思うの。楽しんできてね」
とだけ言われていたのだけど、これはもうなんていうか、喜ぶを通り越してしまっている。
「確か、楓先生も星が好きなのよね?」
「あぁ」
「なのに、楓先生も知らないの?」
「いや、兄さんたち授かり婚で新婚旅行どころじゃなかっただろ?」
「うん……」
「だから、煌が生まれて少ししてからここに来てる」
「新婚旅行の代わり?」
「そう」
「なのに、ここのこと何も聞いてなかったの?」
「……いつものあのふたりなら、頼んでもいないのにやれなんだと写真を見せてくる。けどここに関しては肩透かしを食らうくらい何も見せてこなくて、ただ、翠と一度行ってみるといい、ってそれだけ言われてた」
「あ……だから、ここに来たの?」
「それもあるけど、もともと星を見せる約束してたし、納涼床を楽しみにしてただろ?」
「うん」
「ま、結果的に、知らずに来てよかったってところかな」
「そうだね。ね、帰ったら、星見荘での楓先生たちの写真や、真白さんたちの写真も見せてもらおう?」
「別にいいけど……」
「俺にはなんの得もないけど、ってニュアンス……」
「間違ってない」
「もうっ! 少しくらい周りの人に関心持とうよ!」
「申し訳ないけど、翠だけで手一杯だ」
「すぐそういうこと言うっ」
睨むようにツカサの方を向くと、真顔で「本音だけど?」と言われてちょっと困った。
私たちは泡立つお湯の中で手をつなぎ、星を見ながら互いの家族の話や友達の話をしながら過ごした。
ふたりとも裸で場所はバスルームなのに、まるでリビングで雑談するような気楽さで、終始リラックスして過ごせたことがとても不思議だったけれど、あとになって気づく。それがすべてツカサの優しさだったのだと――
「真白さんが使っているものなら肌に優しいものがチョイスされていそうだし……」
少し考えて、バスルームに備え付けられているものを使うことにした。
だとしたら、あとはパジャマと下着……?
あ、洗顔だけはいつものものを持っていこう。それから髪の毛を留めるクリップと――
そうこうしている間にツカサが寝室までやってきた。
「お湯、溜まった」
「ありがとう」
「どういたしまして」
ツカサは私の膝の上のものをじっと見て、
「……なんで下着にパジャマの用意してるの?」
「え? だって――」
「風呂に入ったあとならいいんだろ?」
「そうだけど……」
「なら、脱がす手間を省くためにバスローブの着用を希望する。下着も、事後にシャワーを浴びたあと、清潔なものを身につけるほうがいいんじゃないの?」
正論だ……正論すぎて反論できない。だけどすべてを呑み込むのはちょっと抵抗があって、
「三十分後っ」
「は……?」
「三十分待ってから入ってきてっ」
「なんで……」
「髪の毛洗ったり身体洗ってるところは見られたくないっ」
「っ――」
「NO! 無理、絶対だめっ。だめったらだめだからねっ!? ちゃんと三十分計ってねっ!?」
私は押せるだけの念を押して、寝室を飛び出した。
いつもならリラックスタイムでのんびりと髪の毛を洗ったり身体を洗ったりするのに、今日は散々だ。
三十分じゃなくて四十分にすればよかったのではないか、と思いながら、髪の毛を洗い身体を隅々まで洗う。
時間内に全部終わったっ!?
シャワーでバスルームの床をザーッと流して鏡の前に立つ。
「うぅぅ……確かに、まだ肉付きが悪い……。でも、努力はしているものっ」
そんな愚痴を零した瞬間、コンコンコン――遠慮気味にノックする音が聞こえた。
直後、ドアのの向こうから、
「三十分経過したんだけど、入っていいの?」
「ちょっと待ってっ」
私は慌てて泡だらけのバスタブに身を沈める。
ここまでただの一度も星空など見ることができなかったのだから、自分がどれほど慌てていたのかがよくわかる。
「だ、大丈夫……」
そう口にすると、裸のツカサが入ってきて――
「ごめんっ」
言いながら視線を逸らし、私は壁際を向いた。
自分は見られたくないと三十分も待たせた挙句、しっかりバスタブへ逃げたくせに何を――
「……俺は見られても別に困らないから、そんな気を使ってくれなくても大丈夫なんだけど……」
「だって、見るのも恥ずかしいものっ」
咄嗟に答えると声が少し大きくなって、バスルームに自分の声が響いてびっくりする羽目になる。
バスタブの中でわたわたしていると、ツカサの大きな手が頭に乗せられた。
「なんなら照明落とすし」
「でもっ――」
「その代わり、ウォーターキャンドル点けてもいい?」
コクリと頷くと、ツカサは一度バスルームから出て、あらかじめ用意してあったロックグラスに水を張り、火を灯して戻ってきた。
それをバスタブの片隅に置いて照明を落としてくれる。
「ありがとう……」
「どういたしまして。翠は深呼吸でもして星でも見てれば?」
「ん……」
背後からシャワーの音が聞こえたあと、ボトルのポンプを押す音が聞こえてきて、髪の毛をワシャワシャと洗う音が聞こえてきた。
ツカサの意識がこちらに向いていないことにほっとして、音に集中していると、あっという間にシャワーで流す音が聞こえてきてびっくりする。
「えっ、頭洗うのもう終わりっ!?」
壁を向いたままたずねると、
「背中向けられたままたずねられるの、違和感……っていうか、音だけで判断するってどれだけマニアックなの?」
「だってっ――」
想像できてしまうのだから仕方がない。
「俺と翠の髪の長さ、どのくらい違うと思ってる? ちなみに、翠は髪をショートにしたことは?」
「……えと、ない……かな。物心ついたころには髪の毛長かったから……」
「なるほど……。俺くらいの長さなら五分もかからない」
「そうなのね……」
またしてもスコスコとポンプを押す音が聞こえてきて、そのあとの音に、身体を洗っているのだと想像する。
ツカサはどこから洗うのだろう。私はナイロンのボディウォッシュでモクモクの泡を確保すると、その泡を手に取り、まずは首筋から洗う。そして、次が肩や胸、お腹。そうして腕にたっぷりの泡を伸ばし、背中や太腿、膝下、指の隙間などを洗うのだ。
うーん……さすがに音だけじゃどこから洗うのかはわからないな。
そんなことを考えているうちに、シャワーの音が聞こえてきて一分と経たないうちにカコッ、とコックを動かす音が聞こえた。そして、私の正面にある壁にほのかに影が映る。
「バスタブに入りたいんだけど、少しキャンドルの方に身を寄せて」
「は、はいっ」
慌ててキャンドルのもとまで移動すると、
「移動しすぎ」
と、肩を掴まれ引き寄せられた。
「この広さならふたり並んで入れるだろ」
耳をくすぐる低音ボイスがたまらない……。
腰の辺りからゾクゾクするこの感じは馴染みあるものだけど――
隣のツカサをそっと覗き見ると、
「髪型が……」
オールバック……。
当たり前ながらメガネもかけていない。
「そういう髪型していると、本当に涼先生とそっくり」
クスリと笑って指摘すると、ツカサはすぐにバサバサと髪の毛をぐちゃぐちゃにしてしまった。
「どうして? 似合ってるのに……」
「父さんに似てるって言われるのはちょっと……」
「いやなの? あんなに格好いいお父さんなのだから、似てるって言われてもいい気がするのに。湊先生もそっくりよね? 真白さんもきれいだし、楓先生も格好いいし、ツカサの家族は見ていて目の保養し放題」
そこまで言って前に向き直る。と、
「膝抱えてないで脚伸ばしたら? 俺の脚が全部伸ばせるくらいには広いバスタブなわけだし」
「うん……」
身体を解きほぐすようにゆっくりと脚を伸ばすと、全身の力が抜け、血の巡りが格段によくなった気がした。
そして、隣のツカサが少し沈む。
本当に沈んじゃうんじゃ……と思ったら、ピタリと止まった。
「バスタブのこっち側、程よく傾斜がついてるから翠も背中預けてみれば? この体勢だと空を見るのもつらくない」
促されるままバスタブの傾斜に身を委ねると、
「あ……本当だ」
まるでリクライニングチェアに座っているような体勢になる。
小さなキャンドルは星の光を干渉するほど強くはなく、バスルームをほんのりと照らすのみ。
「まさかバスタブに浸かりながら、星を見られるとは思ってなかった」
「それは私もだよ」
旅行の前日に真白さんから電話があって、
「絶対に喜んでもらえると思うの。楽しんできてね」
とだけ言われていたのだけど、これはもうなんていうか、喜ぶを通り越してしまっている。
「確か、楓先生も星が好きなのよね?」
「あぁ」
「なのに、楓先生も知らないの?」
「いや、兄さんたち授かり婚で新婚旅行どころじゃなかっただろ?」
「うん……」
「だから、煌が生まれて少ししてからここに来てる」
「新婚旅行の代わり?」
「そう」
「なのに、ここのこと何も聞いてなかったの?」
「……いつものあのふたりなら、頼んでもいないのにやれなんだと写真を見せてくる。けどここに関しては肩透かしを食らうくらい何も見せてこなくて、ただ、翠と一度行ってみるといい、ってそれだけ言われてた」
「あ……だから、ここに来たの?」
「それもあるけど、もともと星を見せる約束してたし、納涼床を楽しみにしてただろ?」
「うん」
「ま、結果的に、知らずに来てよかったってところかな」
「そうだね。ね、帰ったら、星見荘での楓先生たちの写真や、真白さんたちの写真も見せてもらおう?」
「別にいいけど……」
「俺にはなんの得もないけど、ってニュアンス……」
「間違ってない」
「もうっ! 少しくらい周りの人に関心持とうよ!」
「申し訳ないけど、翠だけで手一杯だ」
「すぐそういうこと言うっ」
睨むようにツカサの方を向くと、真顔で「本音だけど?」と言われてちょっと困った。
私たちは泡立つお湯の中で手をつなぎ、星を見ながら互いの家族の話や友達の話をしながら過ごした。
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