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【第一部 きみいろ ~君と僕がみている世界の色は~】

第十三話 吃驚仰天

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「え? 空中に浮いている?」
「のんびりな娘だね。危ないから大人しくしてなよ」
 彩は髪も肌も服装も全身真っ白な女の妖モノに抱きかかえられ連れ去られてしまう。

「にゃ!」
「彩!」

 葉は真剣な面持ちで「あれは……バニラアイス」と叫ぶ。
「はいはいはいはい! シリアスな場面で葉のその微妙な呼び方はやめてくれ」とすかさずワンタンが突っ込みを入れる。

 金平糖は「あいつは雪女か!」と言ったと同時に大きな狐の妖モノに変化へんげする。

「やはりあの野郎の封印は適当だったんだな」
 ワンタンは激高し壁に拳を叩きつける。
「それはわかってはいたけれど……今の僕にはどうすることも出来なくて……ごめん」と葉は申し訳なさそうに下を向く。

「葉が謝ることはない。大人たちは家名がどうとかでくだらない無駄なプライドで適当な仕事をしやがる。そして後始末もしない。葉がなんとかするという前提でこんなことしやがる。それが許せねぇ」
「まさかこんなにも早く封印が解けるなんて……」

「あのクソ野郎、今度同じようなことをしたら噛み千切って喰ってやる」
「それより、彼女を助けに行かないと」


 ピー。葉は指笛を吹く。
 すると紫色の蝶々が現れ、紫髪の女妖怪に姿を変える。
「リン、彩がバニラアイスに攫われた。どこにいるか探してくれるか」
「承知」

 ブチ。リンは無口無表情で大福の毛を毟り取る。
「ってえにゃ」
「あら、ごめんなさいね。今はあなたの毛が必要ですの。少しわけていただけるかしら」とリンはうふふと笑いながら大福の背中を撫でる。

「それなら仕方がないにゃ」と大福は尻尾で体を擦る。

 リンは大福の毛を手の上に乗せ、ふーっと息を吹きかける。
 大福の毛は彩がいる場所へとフワリと飛んでいく。

 彩には暮らす大福の毛が彩についていると考え、大福の毛の居場所を探す力を使い彩の連れ去られた場所を辿っていく。

「ほらよ。みんなのった、のった」
 金平糖は葉たちをのせて大福の毛を追いかける。

 葉は指笛を二回吹く。
「念のために……。命我来天邪鬼めいがらい・あまのじゃく
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