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第5話
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僕が通っていた難聴者が行くための学校。そこでは同じ境遇の子達と一緒だったので楽しく過ごしていた。が、村に住む同級生達からいじめられるようになってしまったのだ。いじめっ子は3人だった。大将と子分のような子が2人。村という小さなコミュニティの中、僕という遊び道具を見つけた3人は学校が終わってヤヨイ様の元へ向かおうとする僕を毎日待ち構えていた。
耳が聞こえないのをいいことに後ろから物を投げられたり、突然突き飛ばされたりした。走って来た車の前に突き飛ばされた時には肝が冷えたものだ。運転手が咄嗟に急ブレーキを掛けたおかげで無傷で済んだが、正直なところ死ぬかと思った。運転手がたまたま僕のことをよく知っている人だったので、車から降りるやいなや突き飛ばした彼らを叱ってくれたようで、その後、車の前に突き飛ばされることはなくなった。
僕は病気をしたせいで体が弱かった。ランドセルを背中から無理矢理剝ぎ取られ、川に捨てられるということが頻繁にあった。耳が全く聞こえず、自分達より一回りも小さくて力で抵抗できない僕を、彼らは標的にしたのだ。当時の僕は手話もまだ覚え切れていなかったし、口の動きから言葉を読み取ることもできなかった。だから、音もない意思の疎通もできない世界で自分より一回りも大きな3人にいじめられることがとても怖かった。
そんな時に僕を励ましてくれたのは他でもないヤヨイ様だった。耳の聞こえない僕が唯一会話をすることができる相手。いじめられると、僕は必ずヤヨイ様の元へ通った。ランドセルや持ち物を奪われ、突き飛ばされたり物を投げられたりしてボロボロになった体を引きずって山の上に辿り着くと、ヤヨイ様は心配そうな声で尋ねる。
『咲人!またやられたのかい⁈』
『うん、またやられちゃった。でもいつものことだから』
どうして自分がいじめられなければならないのか、悔しさや怒り、悲しさで心はいっぱいだった。だからこそ僕はその思いを誰かに聞いて欲しくてヤヨイ様に会いに行っていった。しかし、どうしても強がってしまう。今でこそ素直に自分の気持ちを話せるようになったものの当時の僕は驚くほど引っ込み思案だったのだ。ヤヨイ様はそんな僕の心を見抜いていた。
『咲人、あんたのためにはっきりと言うけどね、いじめは、いつものこと、で済ましていいもんじゃないんだよ。咲人は何も悪くない。いじめる奴らが全部悪いんだ。だから、またやられちゃった、なんてヘラヘラしながら言うもんじゃないよ』
『ヤヨイ様……』
僕はヤヨイ様のその力強い言葉に涙した。
『辛いことがあったら必ず言うんだよ。自分一人で抱え込んでちゃいけないよ』
『……はい!』
それ以来、僕は何かあると全てヤヨイ様に打ち明けた。彼女は親身になって話を聞いてくれた。ヤヨイ様に打ち明けるようになってからは幾分か心が軽くなったが、それでもいじめを受け続けるのは苦しかった。
僕はいじめられていることをヤヨイ様以外誰にも言わなかった。いや、言わなかったのではない。言えなかったのだ。もちろん施設や学校の人にも。単純に言い出しにくいということもあるが、何よりも耳の聞こえない自分自身をコンプレックスに感じていたからだ。自分は耳が聞こえないから、他の人と違うから、だからいじめられるんだ。そう思っていた。
僕がいじめられているところを村の誰かが目撃していないのか、という意見もあるだろう。しかし、いじめをしている3人はそこまで馬鹿ではない。彼らは大人のいないところを見計らって僕を標的にしているのだ。当然、いじめが明るみに出ることはない。突き飛ばされて車に轢かれかけた時のように、たまに大人が目撃することもある。その時はもちろんいじめる彼らを叱ってくれる。しかし、それだけだ。別にその後、進展がある訳ではない。だから、僕がいじめられていることを知っているのは、僕といじめっこ達の他にはヤヨイ様だけなのだ。
ある日、僕はヤヨイ様に言った。
『いじめをやめさせるにはどうしたらいいの?』
来る日も来る日も繰り返されるいじめに僕の我慢は限界に達していた。その思いを僕はヤヨイ様に訴えたのだ。
『私が奴らを直接叱ることができたらそれが一番いいんだがねぇ。私は桜だ。人間じゃない。だからそれはできない』
『そ、そうだよね……』
『やはりあんたが勇気を出して周りの大人に打ち明けるのが一番なんじゃないかね?』
ヤヨイ様の言葉に僕は思い切り首を横に振った。
『絶対いやだ。しせつの人や先生には絶対にいわない』
頑なに首を横に振り続ける僕を目の当たりにし、ヤヨイ様は困惑して、ため息を吐いた。
『はぁ、あんたもなかなか頑固だねえ』
そして、一息吐くと僕に言い聞かせるように言った。
『いいかい、咲人。誰の手も借りないならあんたが一人で立ち向かうしかない。自分達の愚かな振舞に気づかない限り奴らが変わることはまずない。だったらあんたが変わるしかない。強くなるんだよ、咲人』
『……強くなるってどういうこと?』
『何があっても絶対に負けない心が大事ってことさ。たとえ物を投げられても突き飛ばされても、ランドセルを川に捨てられても、毅然としてるんだ。弱い心を見せちゃいけない。獅子の心を持つのさ』
『ししってなに?』
『ライオンのことだよ。私は実際に見た事はないけどね。百獣の王っていうだろ? あいつらは強いんだよ。あいつらと同じ強い心で奴らに接するんだ。そうすればいずれ勇気が湧いてきて面と向かって、いじめはやめろ、と言えるようになるかもしれない』
『……ほんとに?』
『ああ、本当だ。凄く辛いかもしれない。でもあんたは強い。病気に勝ったじゃないか。今だって耳が聞こえなくてもこうして頑張ってるじゃないか。咲人、あんたは十分、強いよ』
ヤヨイ様の声と言葉は確信に満ち溢れていた。僕は自身の胸に勇気がみなぎってくるのが分かった。
『わかった。ボクは絶対に負けないよ!』
『ああ、頑張るんだよ、咲人』
それ以来、僕は彼らに何かをされても怯んだり、涙目になったり、動揺したりしないように努めた。もちろん最初は上手くいかなかった。絶対に負けない、と思っていてもいざその時になると苦しくて悔しくて心が折れそうになってしまうのだ。その度に僕は涙を堪えて必死に耐えた。ヤヨイ様は言った。
『咲人、あんたが変われば奴らも必ず変わる。諦めるんじゃないよ』
『……はい!』
僕はヤヨイ様の言葉を信じて来る日も来る日もいじめに耐えた。耐性がついてきたのかその内、何とも思わなくなってきた。最初はあまりにもいじめを受けすぎて心が麻痺してしまったのかと思った。しかし、それは違った。いじめを受ける度に心が鍛えられていくのが分かったのだ。
そんなある日のこと。彼らはいつものように僕の動きを封じ込めるとランドセルを背中から剥ぎ取った。ニヤニヤした顔で見下ろしてくる敵の大将。いつもの僕ならここでうなだれてしまい、涙目になってしまう。そんな弱気な僕を見て彼らはますます面白がるのだ。しかし、その日は違った。ニヤニヤと見下ろしてくる大将の目を僕は思い切り睨みつけてやった。真っ直ぐに見つめ、僕は絶対に負けないぞ、とありったけの思いを込めて。
すると、大将は酷く驚き口を大きく開けた。僕から剥ぎ取ったランドセルを地面に落とし、後ずさりした。様子がおかしい大将の姿を見た他の2人が僕の顔を覗き込む。一斉に驚き、後ずさりをした。身動き取れないように押さえつけられていた手が離れた。僕はその隙に地面に落ちたランドセルを拾うと、呆気に取られている彼らを見渡した。1人1人の目を真っ直ぐに見つめ、思い切り睨む。そして、声にならない声で僕は叫んだのだ。
「おまえらなんかにボクは絶対に負けない!」
自分の声が聞こえないので、自分が今発した言葉が彼らにどう伝わったのかは分からない。しかし、僕の叫びは彼らを撃退するのに十分だったようだ。1人が腰を抜かして地面に倒れ込んだ。
わなわなと全身を震わせながら大将が何かを叫んだ。もちろん僕には声は聞こえない。彼らは一目散に逃げだした。尻尾を巻いて逃げ出した彼らの無様な後ろ姿を見ながら僕は思い切りガッツポーズをしたのだった。
嬉しくて早くヤヨイ様に報告がしたい。僕はいつもよりも駆け足で山の上へ向かった。ヤヨイ様はいつもとは様子が違う僕の姿を見て察したのか、嬉しそうに声を上げた。
『咲人……!もしかして遂に勝ったのかい?』
『うん、勝った! 勝ったよ、ヤヨイ様!』
『それは良かったねぇ。やはりあんたは強かったね。偉いよ』
僕は一部始終をヤヨイ様に身振り手振りを加えて細かく説明した。一通り聞き終わると、ヤヨイ様は感動した様子で言った。
『咲人の絶対に負けない強い心が奴らを撃退したんだ、凄いじゃないか』
『ヤヨイ様のおかげだよ、ありがとう』
『いいや、私は何もしてない。あんたが頑張ったんだよ』
ヤヨイ様はそう言うと咲き始めたばかりの桜の花びらを僕の上から優しく散らしてくれた。ヤヨイ様からの祝福だった。
耳が聞こえないのをいいことに後ろから物を投げられたり、突然突き飛ばされたりした。走って来た車の前に突き飛ばされた時には肝が冷えたものだ。運転手が咄嗟に急ブレーキを掛けたおかげで無傷で済んだが、正直なところ死ぬかと思った。運転手がたまたま僕のことをよく知っている人だったので、車から降りるやいなや突き飛ばした彼らを叱ってくれたようで、その後、車の前に突き飛ばされることはなくなった。
僕は病気をしたせいで体が弱かった。ランドセルを背中から無理矢理剝ぎ取られ、川に捨てられるということが頻繁にあった。耳が全く聞こえず、自分達より一回りも小さくて力で抵抗できない僕を、彼らは標的にしたのだ。当時の僕は手話もまだ覚え切れていなかったし、口の動きから言葉を読み取ることもできなかった。だから、音もない意思の疎通もできない世界で自分より一回りも大きな3人にいじめられることがとても怖かった。
そんな時に僕を励ましてくれたのは他でもないヤヨイ様だった。耳の聞こえない僕が唯一会話をすることができる相手。いじめられると、僕は必ずヤヨイ様の元へ通った。ランドセルや持ち物を奪われ、突き飛ばされたり物を投げられたりしてボロボロになった体を引きずって山の上に辿り着くと、ヤヨイ様は心配そうな声で尋ねる。
『咲人!またやられたのかい⁈』
『うん、またやられちゃった。でもいつものことだから』
どうして自分がいじめられなければならないのか、悔しさや怒り、悲しさで心はいっぱいだった。だからこそ僕はその思いを誰かに聞いて欲しくてヤヨイ様に会いに行っていった。しかし、どうしても強がってしまう。今でこそ素直に自分の気持ちを話せるようになったものの当時の僕は驚くほど引っ込み思案だったのだ。ヤヨイ様はそんな僕の心を見抜いていた。
『咲人、あんたのためにはっきりと言うけどね、いじめは、いつものこと、で済ましていいもんじゃないんだよ。咲人は何も悪くない。いじめる奴らが全部悪いんだ。だから、またやられちゃった、なんてヘラヘラしながら言うもんじゃないよ』
『ヤヨイ様……』
僕はヤヨイ様のその力強い言葉に涙した。
『辛いことがあったら必ず言うんだよ。自分一人で抱え込んでちゃいけないよ』
『……はい!』
それ以来、僕は何かあると全てヤヨイ様に打ち明けた。彼女は親身になって話を聞いてくれた。ヤヨイ様に打ち明けるようになってからは幾分か心が軽くなったが、それでもいじめを受け続けるのは苦しかった。
僕はいじめられていることをヤヨイ様以外誰にも言わなかった。いや、言わなかったのではない。言えなかったのだ。もちろん施設や学校の人にも。単純に言い出しにくいということもあるが、何よりも耳の聞こえない自分自身をコンプレックスに感じていたからだ。自分は耳が聞こえないから、他の人と違うから、だからいじめられるんだ。そう思っていた。
僕がいじめられているところを村の誰かが目撃していないのか、という意見もあるだろう。しかし、いじめをしている3人はそこまで馬鹿ではない。彼らは大人のいないところを見計らって僕を標的にしているのだ。当然、いじめが明るみに出ることはない。突き飛ばされて車に轢かれかけた時のように、たまに大人が目撃することもある。その時はもちろんいじめる彼らを叱ってくれる。しかし、それだけだ。別にその後、進展がある訳ではない。だから、僕がいじめられていることを知っているのは、僕といじめっこ達の他にはヤヨイ様だけなのだ。
ある日、僕はヤヨイ様に言った。
『いじめをやめさせるにはどうしたらいいの?』
来る日も来る日も繰り返されるいじめに僕の我慢は限界に達していた。その思いを僕はヤヨイ様に訴えたのだ。
『私が奴らを直接叱ることができたらそれが一番いいんだがねぇ。私は桜だ。人間じゃない。だからそれはできない』
『そ、そうだよね……』
『やはりあんたが勇気を出して周りの大人に打ち明けるのが一番なんじゃないかね?』
ヤヨイ様の言葉に僕は思い切り首を横に振った。
『絶対いやだ。しせつの人や先生には絶対にいわない』
頑なに首を横に振り続ける僕を目の当たりにし、ヤヨイ様は困惑して、ため息を吐いた。
『はぁ、あんたもなかなか頑固だねえ』
そして、一息吐くと僕に言い聞かせるように言った。
『いいかい、咲人。誰の手も借りないならあんたが一人で立ち向かうしかない。自分達の愚かな振舞に気づかない限り奴らが変わることはまずない。だったらあんたが変わるしかない。強くなるんだよ、咲人』
『……強くなるってどういうこと?』
『何があっても絶対に負けない心が大事ってことさ。たとえ物を投げられても突き飛ばされても、ランドセルを川に捨てられても、毅然としてるんだ。弱い心を見せちゃいけない。獅子の心を持つのさ』
『ししってなに?』
『ライオンのことだよ。私は実際に見た事はないけどね。百獣の王っていうだろ? あいつらは強いんだよ。あいつらと同じ強い心で奴らに接するんだ。そうすればいずれ勇気が湧いてきて面と向かって、いじめはやめろ、と言えるようになるかもしれない』
『……ほんとに?』
『ああ、本当だ。凄く辛いかもしれない。でもあんたは強い。病気に勝ったじゃないか。今だって耳が聞こえなくてもこうして頑張ってるじゃないか。咲人、あんたは十分、強いよ』
ヤヨイ様の声と言葉は確信に満ち溢れていた。僕は自身の胸に勇気がみなぎってくるのが分かった。
『わかった。ボクは絶対に負けないよ!』
『ああ、頑張るんだよ、咲人』
それ以来、僕は彼らに何かをされても怯んだり、涙目になったり、動揺したりしないように努めた。もちろん最初は上手くいかなかった。絶対に負けない、と思っていてもいざその時になると苦しくて悔しくて心が折れそうになってしまうのだ。その度に僕は涙を堪えて必死に耐えた。ヤヨイ様は言った。
『咲人、あんたが変われば奴らも必ず変わる。諦めるんじゃないよ』
『……はい!』
僕はヤヨイ様の言葉を信じて来る日も来る日もいじめに耐えた。耐性がついてきたのかその内、何とも思わなくなってきた。最初はあまりにもいじめを受けすぎて心が麻痺してしまったのかと思った。しかし、それは違った。いじめを受ける度に心が鍛えられていくのが分かったのだ。
そんなある日のこと。彼らはいつものように僕の動きを封じ込めるとランドセルを背中から剥ぎ取った。ニヤニヤした顔で見下ろしてくる敵の大将。いつもの僕ならここでうなだれてしまい、涙目になってしまう。そんな弱気な僕を見て彼らはますます面白がるのだ。しかし、その日は違った。ニヤニヤと見下ろしてくる大将の目を僕は思い切り睨みつけてやった。真っ直ぐに見つめ、僕は絶対に負けないぞ、とありったけの思いを込めて。
すると、大将は酷く驚き口を大きく開けた。僕から剥ぎ取ったランドセルを地面に落とし、後ずさりした。様子がおかしい大将の姿を見た他の2人が僕の顔を覗き込む。一斉に驚き、後ずさりをした。身動き取れないように押さえつけられていた手が離れた。僕はその隙に地面に落ちたランドセルを拾うと、呆気に取られている彼らを見渡した。1人1人の目を真っ直ぐに見つめ、思い切り睨む。そして、声にならない声で僕は叫んだのだ。
「おまえらなんかにボクは絶対に負けない!」
自分の声が聞こえないので、自分が今発した言葉が彼らにどう伝わったのかは分からない。しかし、僕の叫びは彼らを撃退するのに十分だったようだ。1人が腰を抜かして地面に倒れ込んだ。
わなわなと全身を震わせながら大将が何かを叫んだ。もちろん僕には声は聞こえない。彼らは一目散に逃げだした。尻尾を巻いて逃げ出した彼らの無様な後ろ姿を見ながら僕は思い切りガッツポーズをしたのだった。
嬉しくて早くヤヨイ様に報告がしたい。僕はいつもよりも駆け足で山の上へ向かった。ヤヨイ様はいつもとは様子が違う僕の姿を見て察したのか、嬉しそうに声を上げた。
『咲人……!もしかして遂に勝ったのかい?』
『うん、勝った! 勝ったよ、ヤヨイ様!』
『それは良かったねぇ。やはりあんたは強かったね。偉いよ』
僕は一部始終をヤヨイ様に身振り手振りを加えて細かく説明した。一通り聞き終わると、ヤヨイ様は感動した様子で言った。
『咲人の絶対に負けない強い心が奴らを撃退したんだ、凄いじゃないか』
『ヤヨイ様のおかげだよ、ありがとう』
『いいや、私は何もしてない。あんたが頑張ったんだよ』
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