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第1章 夏
「雨上がりと紫陽花と」
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しとしと、雨は降り続いている。
傍らには雨に濡れた紫陽花と線路。
その上を一両編成の小さな電車がガタコトと音を立てて通り過ぎていった。
吹き抜ける風は湿り気を帯び、微かに雨と潮の香が漂う。
もうすぐ夏が来る、僕はふとそう思った。しかし、夏を待たずに彼女はこの街を離れ、遠くへ行ってしまう。僕の知らない、手の届かない、遠くへ。
ふと、道端に目をやる。赤紫色をした紫陽花はとても美しく、花弁に落ちる雨粒がキラキラと光っている。
「紫陽花、綺麗だな。そう言えば、毎年この道を通る度に同じこと言ってる気がする」
「うん」
湿った空気を何とか和ませようと陽気に話かけてみたが、彼女はそう呟いたきり、一言も口を開こうとはしなかった。深く首を垂れ、こちらを見ようともしない。
いつもは艶やかな彼女の長い黒髪が、雨に濡れて微かに湿っていた。彼女の髪や肩が濡れないよう、僕は差していた傘をそっと彼女の方へ寄せる。
僕の右肩に水滴が落ちる。ぽたぽた、と。それはまるで僕の心から滴り落ちる涙のように思えた。
僕と彼女は小さい頃からの幼馴染だ。同じ幼稚園、小学校、中学校に通い、そして同じ高校に通っていた。僕達はとても仲が良かった。時には大喧嘩をすることもあったが、その度に相手のことを知り、好きになった。
僕は彼女のことが好きで、おそらく、彼女も僕に好意を持ってくれていると思う。しかし、お互いに一度も自分の想いを口にしたことはない。今の関係が崩れてしまうことが怖いからだ。
しかし、彼女はもうすぐ僕の前からいなくなってしまう。僕と彼女にとっての最後の帰り道。いつも一緒に歩いた道。明日、僕の隣に彼女はもういない。僕は悩んでいた。焦っていた。
今、僕が繋ぎとめておかなければ、きっと彼女とはもう二度と会えないだろう。
「……あのさ」
意を決してそう言いかけたが、僕は言葉を失ってしまった。
突然、彼女が立ち止まり、顔を両手で覆っていた。その小さな体は微かに震え、肩から流れ落ちる黒髪の隙間から時折、嗚咽を漏らす声が聞こえた。彼女は泣いていたのだ。
「………」
僕はどうしていいのか分からず、ただその場に立ち尽くしていた。いつの間にか雨足が強まっていた。
ぱたぱた、と傘を打ち付ける雨音。
しくしく、と泣く彼女の声が、狭い傘の中でただただ響いている。
沈黙はほんの一瞬だったが、僕にとっては酷く長い時間に感じられた。
「……泣くなよ、どうしていいのか、分かんないよ」
「……なんでそんなこと言うの」
「優しい言葉なんかかけたら、余計に辛くなる」
口ではそう言いながらも、彼女を放っておけなかった僕は、持っていた傘を右手に持ち替え、自身の左手で彼女の肩をそっと抱き寄せ、頭を撫でた。
「……やめてよ、余計に辛くなっちゃう」
「嫌だ、やめない」
気持ちはもう既に分かりきっているのに、決してお互いの想いを口に出すことはない。僕はまだ躊躇い、迷っている。
「……向こうへ行っても、元気で」
違う。こんな無難なことを言いたいんじゃない。僕の言葉に、彼女は顔を上げた。大きな目を真っ赤に腫らしながら、口を尖らせている。彼女が怒る時のいつもの癖だ。
「なによそれ」
「だって、他に何を言えばいい?」
「酷い」
「なんだよそれ…」
と、僕が言いかけたその時だった。
彼女が咄嗟に僕に抱きついてきたのだ。その細い腕を僕の腰へ回し、胸へ顔を埋めている。
あまりの突然の行動に驚いた僕は、思わず持っていた傘を落としてしまった。ザーっという雨音と共に、まるで滝のような雨水が僕の全身を打つ。瞬く間に頭の先から足の先までずぶ濡れになった。
ガタンゴトン、と乾いた音を立てて、電車が僕と彼女の脇を通り過ぎていく。吹き抜ける風があっという間に僕の傘を遠くへ飛ばしていってしまった。
「……」
「……」
長い沈黙だった。僕はそっと彼女の身体に腕を回した。降り続く雨から庇うように彼女の頭を両手で優しく包み込む。彼女の心臓の音が聞こえる。心なしか、少し早い。僕の心臓も早鐘のようだ。
昔、彼女が道で転んで足を怪我した時、まだ小さかった彼女を背負って家まで送り届けたことを、僕はふと思い出した。あの時、幼かった僕達はいつの間にかこんなにも大きくなっていたのか……ああ、今なら言えるかもしれない。
「あのさ」
しかし、そう言いかけた時だった。彼女は顔を上げて、首を大きく横に振った。
「言わないで、お願い」
彼女の瞳から大粒の涙が零れた。彼女は嗚咽を漏らして泣いていた。僕が何を言おうとしたのか分かったのだ。それっきり、何も言わずにただただ泣き続けていた。
僕はその時、悟った。彼女はこれから、新しい街で、新しい学校で、新しい友達を作り、新しい生活を始めるのだ。その為に、自分の気持ちを断ち切ろうとしているのだと。僕は彼女の気持ちを尊重しようと思った。
もうこれ以上、何も言わない。言えない。堪えきれない。苦しい。辛い。
電車の音と共に、潮風が吹き抜けていく。夏はすぐそこまでやってきているのに、僕と彼女の心は通わないまま。
時が止まってしまった。まるでそれは、青紫色をした紫陽花のようで。酷く切ない。
気がつくと、雨は止んでいた。先ほどまでザーザーと降り続いていたのが嘘のように、見上げた雲の切れ間からは初夏の熱い陽の光が差し込んでいる。
眩しさに目を細めながら、辺りを見回した僕は、突如現れた目の前に広がる光景に思わず驚きの声を上げた。
「うわ……すごい」
「え? なに?」
それまで僕の胸に顔を埋めていた彼女が不安そうに顔を上げた。身体を離すと、僕が見ている方向へ視線を移し、声を上げた。
「虹……!虹が出てる……!」
線路の向こうには海が見える。雲間から差し込む初夏の太陽に照らされ、海面はキラキラと輝き、その上には大きな虹が美しく弧を描いていた。
線路の脇に咲いた色鮮やかな紫陽花は透明な雨粒をキラキラと輝かせており、初夏の雨上がりのとても美しい情景だった。
あまりの美しさに見惚れていると、彼女がそっと僕の手を握ってきた。雨で濡れた彼女の小さな手を、僕もぎゅっと握り返す。
「綺麗だな」
「うん、そうだね」
いつか僕の中で、そして、彼女の中でこの瞬間が色褪せてしまう日がくるのだろうか。大人になったら忘れてしまうのだろうか……
「私、今日のことも、この光景も……あなたのことも、ずっと忘れないから」
まるで僕の心を読んでいるかのようだ。彼女はそう言って、微笑んだ。僕は彼女の優しい笑顔が大好きだった。涙が込み上げそうだったが、堪えた。
「僕も、絶対に忘れないよ」
そう言って、彼女の手をぎゅっと握った。
「ありがとう、じゃあ、またね」
「ああ、また」
繋いだ手をそっと離して、彼女は僕の前から去っていった。
線路の脇には青紫色をした紫陽花。その花弁からは透明な滴が初夏の陽の光を浴びて美しく輝き、やがてぽたり、と落ちる。僕と彼女の悲しみを、まるで洗い流してくれるかのように。
立ち尽くす僕の目の前をガタコト、と電車が通り過ぎていく。吹き抜ける潮風が、雨に濡れた身体にとても心地よかった。
彼女に想いを伝えられなかった。これで本当に良かったのか。今の僕にはまだ分からない。
僕はきっと、来年も、再来年も、この道を通る度に、色とりどりの紫陽花を見る度に、彼女のことを鮮明に思い出すだろう。そして、きっとその度に彼女の小さな手の温もりや優しい笑顔を思い出してしまうだろう。
どうしようもない切なさに駆られるかもしれない。でも、いつかきっと、心から彼女の幸せを願える時がくるはずだ。
線路の向こうに見える海。
脇に咲いた紫陽花。
大きな弧を描いた虹。
ガタゴト、と通り過ぎる電車と、夏の香り。
彼女と共に見たこの美しい光景はずっと僕の心の中で、大切な思い出として色褪せぬまま輝き続けるだろう。
まるで紫陽花の色鮮やかな花びらのように。
傍らには雨に濡れた紫陽花と線路。
その上を一両編成の小さな電車がガタコトと音を立てて通り過ぎていった。
吹き抜ける風は湿り気を帯び、微かに雨と潮の香が漂う。
もうすぐ夏が来る、僕はふとそう思った。しかし、夏を待たずに彼女はこの街を離れ、遠くへ行ってしまう。僕の知らない、手の届かない、遠くへ。
ふと、道端に目をやる。赤紫色をした紫陽花はとても美しく、花弁に落ちる雨粒がキラキラと光っている。
「紫陽花、綺麗だな。そう言えば、毎年この道を通る度に同じこと言ってる気がする」
「うん」
湿った空気を何とか和ませようと陽気に話かけてみたが、彼女はそう呟いたきり、一言も口を開こうとはしなかった。深く首を垂れ、こちらを見ようともしない。
いつもは艶やかな彼女の長い黒髪が、雨に濡れて微かに湿っていた。彼女の髪や肩が濡れないよう、僕は差していた傘をそっと彼女の方へ寄せる。
僕の右肩に水滴が落ちる。ぽたぽた、と。それはまるで僕の心から滴り落ちる涙のように思えた。
僕と彼女は小さい頃からの幼馴染だ。同じ幼稚園、小学校、中学校に通い、そして同じ高校に通っていた。僕達はとても仲が良かった。時には大喧嘩をすることもあったが、その度に相手のことを知り、好きになった。
僕は彼女のことが好きで、おそらく、彼女も僕に好意を持ってくれていると思う。しかし、お互いに一度も自分の想いを口にしたことはない。今の関係が崩れてしまうことが怖いからだ。
しかし、彼女はもうすぐ僕の前からいなくなってしまう。僕と彼女にとっての最後の帰り道。いつも一緒に歩いた道。明日、僕の隣に彼女はもういない。僕は悩んでいた。焦っていた。
今、僕が繋ぎとめておかなければ、きっと彼女とはもう二度と会えないだろう。
「……あのさ」
意を決してそう言いかけたが、僕は言葉を失ってしまった。
突然、彼女が立ち止まり、顔を両手で覆っていた。その小さな体は微かに震え、肩から流れ落ちる黒髪の隙間から時折、嗚咽を漏らす声が聞こえた。彼女は泣いていたのだ。
「………」
僕はどうしていいのか分からず、ただその場に立ち尽くしていた。いつの間にか雨足が強まっていた。
ぱたぱた、と傘を打ち付ける雨音。
しくしく、と泣く彼女の声が、狭い傘の中でただただ響いている。
沈黙はほんの一瞬だったが、僕にとっては酷く長い時間に感じられた。
「……泣くなよ、どうしていいのか、分かんないよ」
「……なんでそんなこと言うの」
「優しい言葉なんかかけたら、余計に辛くなる」
口ではそう言いながらも、彼女を放っておけなかった僕は、持っていた傘を右手に持ち替え、自身の左手で彼女の肩をそっと抱き寄せ、頭を撫でた。
「……やめてよ、余計に辛くなっちゃう」
「嫌だ、やめない」
気持ちはもう既に分かりきっているのに、決してお互いの想いを口に出すことはない。僕はまだ躊躇い、迷っている。
「……向こうへ行っても、元気で」
違う。こんな無難なことを言いたいんじゃない。僕の言葉に、彼女は顔を上げた。大きな目を真っ赤に腫らしながら、口を尖らせている。彼女が怒る時のいつもの癖だ。
「なによそれ」
「だって、他に何を言えばいい?」
「酷い」
「なんだよそれ…」
と、僕が言いかけたその時だった。
彼女が咄嗟に僕に抱きついてきたのだ。その細い腕を僕の腰へ回し、胸へ顔を埋めている。
あまりの突然の行動に驚いた僕は、思わず持っていた傘を落としてしまった。ザーっという雨音と共に、まるで滝のような雨水が僕の全身を打つ。瞬く間に頭の先から足の先までずぶ濡れになった。
ガタンゴトン、と乾いた音を立てて、電車が僕と彼女の脇を通り過ぎていく。吹き抜ける風があっという間に僕の傘を遠くへ飛ばしていってしまった。
「……」
「……」
長い沈黙だった。僕はそっと彼女の身体に腕を回した。降り続く雨から庇うように彼女の頭を両手で優しく包み込む。彼女の心臓の音が聞こえる。心なしか、少し早い。僕の心臓も早鐘のようだ。
昔、彼女が道で転んで足を怪我した時、まだ小さかった彼女を背負って家まで送り届けたことを、僕はふと思い出した。あの時、幼かった僕達はいつの間にかこんなにも大きくなっていたのか……ああ、今なら言えるかもしれない。
「あのさ」
しかし、そう言いかけた時だった。彼女は顔を上げて、首を大きく横に振った。
「言わないで、お願い」
彼女の瞳から大粒の涙が零れた。彼女は嗚咽を漏らして泣いていた。僕が何を言おうとしたのか分かったのだ。それっきり、何も言わずにただただ泣き続けていた。
僕はその時、悟った。彼女はこれから、新しい街で、新しい学校で、新しい友達を作り、新しい生活を始めるのだ。その為に、自分の気持ちを断ち切ろうとしているのだと。僕は彼女の気持ちを尊重しようと思った。
もうこれ以上、何も言わない。言えない。堪えきれない。苦しい。辛い。
電車の音と共に、潮風が吹き抜けていく。夏はすぐそこまでやってきているのに、僕と彼女の心は通わないまま。
時が止まってしまった。まるでそれは、青紫色をした紫陽花のようで。酷く切ない。
気がつくと、雨は止んでいた。先ほどまでザーザーと降り続いていたのが嘘のように、見上げた雲の切れ間からは初夏の熱い陽の光が差し込んでいる。
眩しさに目を細めながら、辺りを見回した僕は、突如現れた目の前に広がる光景に思わず驚きの声を上げた。
「うわ……すごい」
「え? なに?」
それまで僕の胸に顔を埋めていた彼女が不安そうに顔を上げた。身体を離すと、僕が見ている方向へ視線を移し、声を上げた。
「虹……!虹が出てる……!」
線路の向こうには海が見える。雲間から差し込む初夏の太陽に照らされ、海面はキラキラと輝き、その上には大きな虹が美しく弧を描いていた。
線路の脇に咲いた色鮮やかな紫陽花は透明な雨粒をキラキラと輝かせており、初夏の雨上がりのとても美しい情景だった。
あまりの美しさに見惚れていると、彼女がそっと僕の手を握ってきた。雨で濡れた彼女の小さな手を、僕もぎゅっと握り返す。
「綺麗だな」
「うん、そうだね」
いつか僕の中で、そして、彼女の中でこの瞬間が色褪せてしまう日がくるのだろうか。大人になったら忘れてしまうのだろうか……
「私、今日のことも、この光景も……あなたのことも、ずっと忘れないから」
まるで僕の心を読んでいるかのようだ。彼女はそう言って、微笑んだ。僕は彼女の優しい笑顔が大好きだった。涙が込み上げそうだったが、堪えた。
「僕も、絶対に忘れないよ」
そう言って、彼女の手をぎゅっと握った。
「ありがとう、じゃあ、またね」
「ああ、また」
繋いだ手をそっと離して、彼女は僕の前から去っていった。
線路の脇には青紫色をした紫陽花。その花弁からは透明な滴が初夏の陽の光を浴びて美しく輝き、やがてぽたり、と落ちる。僕と彼女の悲しみを、まるで洗い流してくれるかのように。
立ち尽くす僕の目の前をガタコト、と電車が通り過ぎていく。吹き抜ける潮風が、雨に濡れた身体にとても心地よかった。
彼女に想いを伝えられなかった。これで本当に良かったのか。今の僕にはまだ分からない。
僕はきっと、来年も、再来年も、この道を通る度に、色とりどりの紫陽花を見る度に、彼女のことを鮮明に思い出すだろう。そして、きっとその度に彼女の小さな手の温もりや優しい笑顔を思い出してしまうだろう。
どうしようもない切なさに駆られるかもしれない。でも、いつかきっと、心から彼女の幸せを願える時がくるはずだ。
線路の向こうに見える海。
脇に咲いた紫陽花。
大きな弧を描いた虹。
ガタゴト、と通り過ぎる電車と、夏の香り。
彼女と共に見たこの美しい光景はずっと僕の心の中で、大切な思い出として色褪せぬまま輝き続けるだろう。
まるで紫陽花の色鮮やかな花びらのように。
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