Blue history ~蒼の歴史~

春夏冬 秋

文字の大きさ
2 / 7

面倒な相手

しおりを挟む
第2話
蒼党の書庫に向かう道を歩く。

「ねぇ、そろそろお昼の時間よね。どこかでお昼食べましょう?」

「それもそうですね。何にいたしましょうか。」
「ん~サラダサンドがいいわ」

「それではあそこのお店にしましょう。とても美味しいと評判ですから。」

クロイの勧めるお店に足を向けると、

「おやおや、これは蒼貴族の子犬ではないか」

嫌な声が聞こえてくる。

「あら、これはこれは紅貴族の能無しのジヘルさんではありませんか?」

「相変わらず、無愛想な女だな。」

「あら、私より長生きなのに低脳な輩には言われたくないわ。」

蒼貴族と紅貴族は昔から王を支えるため、様々な権力と地位を持っていた。
あるものは戦士、あるものは科学者と。
フランの父は蒼党の政治家であり、蒼党の中でも三賢者に抜擢されていた。

蒼党と紅党とは王と政治を取り組むものたちを分けたものである。
それぞれ特色があり蒼党は一般人から成り上がった貴族が多く、市民を思う気持ちが高い。よって、市民の意思を持った者たちの党である。
反対に紅党は生粋の貴族であり、王の意見を第1として考えることが多い。貴族の中にも3大貴族、オーク、ナイトレイ、グングニルがある。紅党の三賢者はこの三大貴族から出ていた。

「ふん、どうせお前の父親は三賢者の資格などただ単に継承という名のもとに受けただけだろう。」

「それは、名前だけの三賢者と言いたいの?」

「そういったつもりだが?」

「そう、この場で言ったことを後悔するのね。」

1瞬の間だった。クロイの2本の剣は青年の首すれすれに置かれていた。

「マスターのことを侮辱されて黙っていると思っていたのか。今この場で首と胴体を切り離すこともできるんだぞ。」

「ひっ、や、辞めてくれ。」

「はぁ、だから言ったのに。クロイそのオークの少年を離して。クロイの手を汚すまでもないからね。」

「…はい」

クロイはしぶしぶといった感じで剣を下す。
腰を抜かしていたオークの青年は

「ふ、ふん!奴隷ごときがこの私に触るなど言語道断だ。」

と服についた砂を払いながら立ち上がった。

「今日のところはこのままで許してやる。覚えてろよ!」

「はいはい、明日になったら忘れとくわ。」

青年は馬車に乗ってそのまま走り去った。

「お嬢様、ご飯にいたしましょう。」

「そうだね。お腹すいた」

2人は何事をなかったかのようにお店に向けてまた足を運んだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうぞ添い遂げてください

あんど もあ
ファンタジー
スカーレット・クリムゾン侯爵令嬢は、王立学園の卒業パーティーで婚約もしていない王子から婚約破棄を宣言される。さらには、火山の噴火の生贄になるように命じられ……。 ちょっと残酷な要素があるのでR 15です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

とある令嬢の断罪劇

古堂 素央
ファンタジー
本当に裁かれるべきだったのは誰? 時を超え、役どころを変え、それぞれの因果は巡りゆく。 とある令嬢の断罪にまつわる、嘘と真実の物語。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

ある辺境伯の後悔

だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。 父親似だが目元が妻によく似た長女と 目元は自分譲りだが母親似の長男。 愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。 愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

処理中です...