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港町 フロディアへ
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フランが13歳の夏だった。
ウィスタリア邸に火が放たれた。
「お嬢様!!ご無事ですか。」
クロイがフランの部屋のドアを開けると
「何が起きてるの?!」
寝ていた最中に起きた出来事にいつも大人のように振舞っているフランも今回ばかりは慌ただしくなっていた。
「火が放たれました。ひとまず逃げましょう。こちらへ」
クロイはフランの返事も聞かず手を握り1階へと降りた。
「まって、玄関はこっちよ!」
「だめです。隠し通路から逃げましょう」
フランは少し戸惑いつつ何かあった時のために父が作っておいた隠し通路に入った。
隠し通路の中は埃っぽく、ジメジメしていた。しかし、足場だけはしっかりしていたためクロイに引き摺られるように走っていたフランには幸いした。
隠し通路は森まで繋がっており所々分かれ道があった。森に出るとクロイは荷物を確認し始めた
「ねぇ、なんでここで立ち止まるの?帝都に戻ってお父様を探さないと」
「いえ、これからフロディアに向かいます。」
「なぜ、お父様の故郷に?」
「それは私からは申せません」
「そう。お父様には何か考えがあるのよね」
フランは納得はいかないもののこれ以外には進む道はなかった。
2日かけて森を抜けフロディアに着いた。2日の間に2人はそれぞれに気づいたことがあった
クロイは戦闘用奴隷と聞いていたけどものすごく強いのではと、フランは狩りをしていたクロイを見てそう思った。狩りはもちろん釣りもでき、食事に関しては困ることはなかった。
一方クロイは毎日本ばかりを読んでいる温室育ちのフランに驚くことばかりであった。本で読んだと言い、火おこしから食べられるものか食べられないものかを区別することが自然とできていた。さも当たりまえのように…
フロディアにつくとクロイは茶色い外套をフランに渡した。
「そのような格好で街を歩くのは些か問題がありましょう」
たしかにそうだった。2日間森を歩いていたのだから裾が汚れているのは当たり前として、木々に引っかかったのか所々切れていた。
フランは文句も言わずありがとう、と言って外套を被り頭まで隠した。
「これから旦那様の御実家に行きます。ですがそんなにすんなりいくとは思えません。ちゃんとついてきてください」
「わかった」
実家の周りには一変何もないように見えるがよく見ると監視の目があることがわかった。
クロイは相手が武器を持っている可能性も考えて、正面から行くことは諦めた。
「こうなったらまたですが隠し通路から行きましょう」
私でさえ知らないことをなぜ知っているのだろうとフランは思った。
ここはお父様の実家。私だって片手で数えられるくらいしか来たことがないのにクロイはどうしてここまで知っているの、それにこんな事態なのに対処が早すぎるわ
フラン疑問を胸にクロイの後をついていった
隠し通路は一本道で帝都の隠し通路とは全く違う作りだった。
隠した通路を抜けると同時に聞こえたのは
「フラン!!」
焦りのこもった父の声だった。
ウィスタリア邸に火が放たれた。
「お嬢様!!ご無事ですか。」
クロイがフランの部屋のドアを開けると
「何が起きてるの?!」
寝ていた最中に起きた出来事にいつも大人のように振舞っているフランも今回ばかりは慌ただしくなっていた。
「火が放たれました。ひとまず逃げましょう。こちらへ」
クロイはフランの返事も聞かず手を握り1階へと降りた。
「まって、玄関はこっちよ!」
「だめです。隠し通路から逃げましょう」
フランは少し戸惑いつつ何かあった時のために父が作っておいた隠し通路に入った。
隠し通路の中は埃っぽく、ジメジメしていた。しかし、足場だけはしっかりしていたためクロイに引き摺られるように走っていたフランには幸いした。
隠し通路は森まで繋がっており所々分かれ道があった。森に出るとクロイは荷物を確認し始めた
「ねぇ、なんでここで立ち止まるの?帝都に戻ってお父様を探さないと」
「いえ、これからフロディアに向かいます。」
「なぜ、お父様の故郷に?」
「それは私からは申せません」
「そう。お父様には何か考えがあるのよね」
フランは納得はいかないもののこれ以外には進む道はなかった。
2日かけて森を抜けフロディアに着いた。2日の間に2人はそれぞれに気づいたことがあった
クロイは戦闘用奴隷と聞いていたけどものすごく強いのではと、フランは狩りをしていたクロイを見てそう思った。狩りはもちろん釣りもでき、食事に関しては困ることはなかった。
一方クロイは毎日本ばかりを読んでいる温室育ちのフランに驚くことばかりであった。本で読んだと言い、火おこしから食べられるものか食べられないものかを区別することが自然とできていた。さも当たりまえのように…
フロディアにつくとクロイは茶色い外套をフランに渡した。
「そのような格好で街を歩くのは些か問題がありましょう」
たしかにそうだった。2日間森を歩いていたのだから裾が汚れているのは当たり前として、木々に引っかかったのか所々切れていた。
フランは文句も言わずありがとう、と言って外套を被り頭まで隠した。
「これから旦那様の御実家に行きます。ですがそんなにすんなりいくとは思えません。ちゃんとついてきてください」
「わかった」
実家の周りには一変何もないように見えるがよく見ると監視の目があることがわかった。
クロイは相手が武器を持っている可能性も考えて、正面から行くことは諦めた。
「こうなったらまたですが隠し通路から行きましょう」
私でさえ知らないことをなぜ知っているのだろうとフランは思った。
ここはお父様の実家。私だって片手で数えられるくらいしか来たことがないのにクロイはどうしてここまで知っているの、それにこんな事態なのに対処が早すぎるわ
フラン疑問を胸にクロイの後をついていった
隠し通路は一本道で帝都の隠し通路とは全く違う作りだった。
隠した通路を抜けると同時に聞こえたのは
「フラン!!」
焦りのこもった父の声だった。
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