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第3話「狡猾な電撃作戦・後編」
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兵士たちは気が緩んでいた。道中に罠や交戦はほぼ皆無。加えてこの進軍は、真偽が定かでない不確定情報によるもの。緊張を保てと言う方が難しいだろう。
「あーあ、さっさと終わらせて帰りたいな」
「まったくだ。無駄足っぽいし、さっさと切り上げたいもんだ」
兵士たちの数は約百人しかおらず、魔王の捜索に手間取りかなりの時間を浪費している。兵士たちの指揮が下がってくるのは当然で、隊長も渋い表情を隠せないでいた。
「……そんなだから、あなたの負けなんです。なーんてね!」
ステラは罠を仕掛け終え、スイッチを押す。すると兵士たちの行く手を完全に包囲する大きさの網が動き出す。網の反対側は、兵士たちが通って来た道のすぐ後ろにある大木に括りつけられていた。まるでバネが元に戻るかのように、網は急速に兵士たちを絡め捕り、そのまま後ろへ放り投げた。
「な……何だ!?」
「わからん! 敵か!?」
「どう考えても敵だろう! 隊長、指示を!」
兵士たちの大半は木々や地面にたたきつけられ、せき込みながらも交戦の意思を見せる。
「待て! くそ……荷車がやられた!」
隊長の言葉に一同は惨状を見て愕然とした。荷車は半壊し、食料や水を辺りにぶちまけしまっている。そして運の悪いことに虫や動物たちが集まり始めていた。
「お前ら、食料の確保に移れ! 残りの手の空いている奴は前進! 必ず何かあるぞ!」
その様子を上空から見ていたステラはやれやれと首を振る。
「あわわ、そう来るんだ。なら、もう一回やっちゃおうか」
ステラはもう一度スイッチを押す。すると兵士たちの目の前で再び網が出現、同じ要領で更に後方へと吹き飛ばした。実は二重で網を張っていたのだ。ただし、二度目はこれで終わらない。
「これはおまけだよ! サービス満点!」
兵士たちの上から大量の虫が降り注ぐ。網で葉に生息する虫も絡め取っていたのだ。辺りは地獄絵図と化して、兵士たちは鎧の中に入り込んだ虫と格闘する。ある者は飛び跳ね、ある者は体を揺する。しかしそんなことで鎧の下の衣類にくっついた虫が取れるはずがない。遂には皆、鎧、そして服脱ぎ捨て虫をはたき落とす。
その大混乱の果てから数十分後、そこには疲労困憊の兵士たちがうずくまるようにして座りこんでいた。その視線の先には虫や動物に食われる自分たちの食料や水。
「……撤退だ」
呟きにも近い隊長の命令に反対する者は誰一人としていなかった。
「またのご来店をお待ちしております。次は、更なる地獄をご賞味下さい……なんてね!」
ステラは満面の笑みを浮かべて拳を振り上げた。
「あーあ、さっさと終わらせて帰りたいな」
「まったくだ。無駄足っぽいし、さっさと切り上げたいもんだ」
兵士たちの数は約百人しかおらず、魔王の捜索に手間取りかなりの時間を浪費している。兵士たちの指揮が下がってくるのは当然で、隊長も渋い表情を隠せないでいた。
「……そんなだから、あなたの負けなんです。なーんてね!」
ステラは罠を仕掛け終え、スイッチを押す。すると兵士たちの行く手を完全に包囲する大きさの網が動き出す。網の反対側は、兵士たちが通って来た道のすぐ後ろにある大木に括りつけられていた。まるでバネが元に戻るかのように、網は急速に兵士たちを絡め捕り、そのまま後ろへ放り投げた。
「な……何だ!?」
「わからん! 敵か!?」
「どう考えても敵だろう! 隊長、指示を!」
兵士たちの大半は木々や地面にたたきつけられ、せき込みながらも交戦の意思を見せる。
「待て! くそ……荷車がやられた!」
隊長の言葉に一同は惨状を見て愕然とした。荷車は半壊し、食料や水を辺りにぶちまけしまっている。そして運の悪いことに虫や動物たちが集まり始めていた。
「お前ら、食料の確保に移れ! 残りの手の空いている奴は前進! 必ず何かあるぞ!」
その様子を上空から見ていたステラはやれやれと首を振る。
「あわわ、そう来るんだ。なら、もう一回やっちゃおうか」
ステラはもう一度スイッチを押す。すると兵士たちの目の前で再び網が出現、同じ要領で更に後方へと吹き飛ばした。実は二重で網を張っていたのだ。ただし、二度目はこれで終わらない。
「これはおまけだよ! サービス満点!」
兵士たちの上から大量の虫が降り注ぐ。網で葉に生息する虫も絡め取っていたのだ。辺りは地獄絵図と化して、兵士たちは鎧の中に入り込んだ虫と格闘する。ある者は飛び跳ね、ある者は体を揺する。しかしそんなことで鎧の下の衣類にくっついた虫が取れるはずがない。遂には皆、鎧、そして服脱ぎ捨て虫をはたき落とす。
その大混乱の果てから数十分後、そこには疲労困憊の兵士たちがうずくまるようにして座りこんでいた。その視線の先には虫や動物に食われる自分たちの食料や水。
「……撤退だ」
呟きにも近い隊長の命令に反対する者は誰一人としていなかった。
「またのご来店をお待ちしております。次は、更なる地獄をご賞味下さい……なんてね!」
ステラは満面の笑みを浮かべて拳を振り上げた。
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