はーい、ダンジョン経営代理人です!

るちぇ。

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第6話「アスカ山脈防衛戦・中編」

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 余程慌てているのだろう。チーフは電話の受話器を本体からもぎ取り、しかもそれを握り潰していた。

「ルーちゃん! 緊急出動お願い!」
「え? どうしたんですかチーフ?」
「ルーちゃんが請け負っているダンジョンが攻撃を受けているらしいの。規模は連隊。もう半分近くやられちゃったらしいのよ! 私も手伝うから、早く出るわよ!」
「わ、わかりました!」

 二人が慌てて出払った後、後日また改めてと話されたアルはこっそりと店に戻る。そして迷わず給湯室へ歩き、ステラの枕元に立ち溜め息を吐いた。

「まったく……一体、誰にやられたのやら」

 そう言って、アルは魔法陣を展開。ステラの状態を確認し、最適な魔法を発動する。

「ふむ……瀕死の状態じゃのう。どれ、叩き起こしてやろうかの」

 アルは復活の魔法を唱える。ステラの顔色が戻り、ゆっくりと目が開いた。

「……あ、アルさん。おはようございます」
「まずは挨拶とはな。不法侵入した我も相当な者じゃが、やはりお主も神経が太いのう」

 ステラは起床時と同じように目を擦り、伸びをして椅子から立ち上がる。

「えっと……チーフとルーを知りませんか?」
「緊急出動したぞ。何でもアスカ山脈のダンジョンが襲撃を受けているとかで」
「アスカ山脈ですか。そこは確か……」

 ステラは壁に貼ってある地図を指でなぞる。

「アルさんのダンジョンはアスカ山脈の魔界寄りの麓ですよね?」
「その通りじゃ。して、何を言いたい?」
「前線基地……そう、ここを取られたら魔界侵攻の足がかりになります。当然、付近の捜索も行われてアルさんのダンジョンが見つかる」
「まるで、落ちることを前提として話しておるのう。アスカ山脈のダンジョンは堅牢じゃぞ?」

 魔界は平和ボケしているが、だからといってウィークポイントを見過ごしたりしない。その一つのアスカ山脈は数々の罠とダンジョンがいくつも併設されている。代理人だって相当数を雇っている。
 半分も攻略されたと聞けば話は別かもしれないが、まだアルは緊急出動したとしか話していない。それでもステラは言い切る。

「恐らく落ちます。当たり前じゃないですか。こんな堅い所を攻めるんですから、勝算があるに違いありません。そう考えて動かないと、手遅れになった時に対応が遅れます」
「じゃが、だからと言ってどうもできぬ。相手は連隊規模らしいからの」
「ですが、何もしないで見ているなんてできません。ちょっと大変ですが、試したいことがあります」
「面白そうじゃの。我も行こう。どの道、我もダンジョンを守らねばならぬ」

 ステラは頷き、二人でアスカ山脈へと向けて出発した。
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