魔王と配下の英雄譚(修正版)

るちぇ。

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第一章 英雄の序曲

第6話「魔王ユウ誕生6」

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 全員のステータスを再度確認する。この場にいない面子も含めて、特に改変された所は無さそうだ。世界が変わっても補正がかからないなら、素直に能力に合わせた役割分担をしていくとしよう。

「神無月。フェンリス、睦月、如月、弥生を動員して周辺の状況をより細かく把握してくれ」
「わかりました、魔王様!」

 フェンリス1人だと暴走するだろうからな。今も責任者より先に返事したし。神無月には迷惑をかけそうだ。

「神無月には特に苦労をかけることになると思う。メイドたち共々、これから頼むぞ」
「いえ、魔王様にお仕えすることが至上の喜びで御座います」

 こんな人が彼女なら寿命が半分になってもいい。
さて、次は防衛面か。このダンジョンは昨日造ったばかりで、まだ配下たちの配置や罠の設置といったものは完全には済んでいない。本当は俺がやればいいんだろうが、この世界の情報にも目を通したいんだよな。

「アザレア。お前をダンジョン防衛の責任者に任命する。団長のウロボロスと連携し、オラクル・ラビリンスの防衛力の強化を頼む」
「おぉ、私を評価して下さるのですね。ありがたき幸せ。必ずや、難攻不落のダンジョンに仕上げて見せましょう」
「畏まりました。ただちに防衛計画を作成します」

 オラクル・ナイツで一番の頭脳を持つ設定のアザレアに任せておけば大丈夫だ。二番に賢いウロボロスが補佐すれば、俺以上の成果を見せてくれるだろう。ついでにアザレアの性格も矯正してくれると嬉しいけど、それは求め過ぎか。

「ムラクモはダンジョンの守護者として、玉座の前の部屋を改装してくれ」
「承知」

 全身甲冑の外見上ボス面ができるから、どっしりと座っていて貰うとしよう。こんな格好でうろつかれたら補導されるだろうし。
 最後に、実働部隊も決めるとするか。最終的には全員にこなして貰えると助かるけど、この世界の戦力がわからない以上、軽率な行動は控えるべきだ。

「カルマは侵略最高責任者にする。出撃準備を整え、いつでも出立できるようにしてくれ」
「わかったのじゃ、魔王様。ご期待に添えるよう全身全霊を以って臨ませて貰おうぞ」

 カルマを選抜した理由はいくつもある。アビリティで不死、つまりMPを消費すれば蘇生可能なこと、各種魔法に精通していること、眷属を放って情報収集や罠の探知もできること、それでいて物理面でも優れていること。最後に、異形揃いのオラクル・ナイツの中で比較的人間に見えること。ぶっちゃけ最後のこれが一番重要だったりする。
 さて、最初の命令としてはこんなところか。後付け足すことがあるとすれば、おっと、大切なことを忘れていた。

「最後に、これは全員に命じる。お前たちは俺の命と同等……いや、それ以上に大切だ。死ぬことは断じて許さない。敵の素性が判明するまでは極力戦闘は避けろ」
「我が君の命と……!? ただ散れと命じて下さればそれで!」
「ふざけるな!!」

 確かに俺だって死にたくない。でもな、心血注いで育てたお前たちが死ぬところなんて見たくないんだよ。

「これは厳命だ。決して、何があっても生き残れ。捕虜になってもいい。必ず助け出すから死ぬな。俺を魔王ユウと思うならこの命令を絶対に遵守してくれ、良いな?」
「……畏まりました。しかし、これだけは譲れません。我が君の御身に万が一のことがあれば、我らは喜んでこの命を投げ出します」

 言い返そうと思ったが、配下たちの目を見て思わず言葉に詰まる。恐ろしいほど真剣な目だ。絶対にここだけは譲れないと言っているようだ。

「……わかった。だが、断言しよう。最悪の事態は訪れない」

 ならば、そういった状況をことごとく回避してみせる。そうすれば全員でいつまでも過ごせるじゃないか。

「ご安心ください。我らオラクル・ナイツの前に劣勢、ましてや敗北などあり得ません」

 そうだな。元の世界でも俺たちは最強だった。臆する必要なんてない。

「だが油断は禁物。今、俺たちは未曽有の危機に陥っているんだ。全員で必ず生き延びるぞ。以上、解散」

 奥の手はまだ隠しておくとして、皆の力はどの程度解放させて良いものか。その見極めもしつつ情報を待つとするか。
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