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第一章 英雄の序曲
第12話「配下たちの暴走5」
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カルマ、アザレア、フェンリスの3人はユウたちが出発するより少し早く、オラクル・ラビリンスから出ていた。余りにも近付き過ぎると感付かれるため、認知不可能な距離を置いて魔法で監視している。。
「魔王様が一歩踏み出された。カルマ、やってくれるかい?」
「いくのじゃ、ファントム・シーカー」
カルマが放った5体の偵察兵が駆け出して行く。ユウの使役するものとは違い、最初からオプションとして五感では捉えられない迷彩能力、更に魔力探知キャンセラーが備わっている。
「いやはや、本当に君は素晴らしいねぇ。多芸かつそのどれもが高いレベルでまとまっている。なぜこちら側にいるのか理解に苦しむところだ」
アザレアの呟きにカルマは苦々しげな顔をした。諸々の能力を考慮すれば護衛は自身の方が適任。散々に言われて疲弊しきっている。
「……言うでない。それでもワシはウロボロスを信頼しておる」
そう言いながらも乗せられて監視役を任されている訳だが、流石にアザレアもそこまでは言わないでいた。
「……これは、まさか! アザレア、マズイのじゃ。魔王様に感付かれたようじゃぞ!」
カルマのファントム・シーカー自体は見付かっていなかったが、召喚魔法の発動が感知されたのだ。アザレア、カルマの想像を遥かに超えたユウの認識領域の広さに2人はただただ恐れを抱いた。
「流石は魔王様……まさか出鼻から挫かれるとはね。フェンリス君、やれるかい?」
振られたフェンリスは元気良く頷き、駆け出した。
「ごめんなさい、魔王様! 狩らせて貰いますよ!」
フェンリスは直ちにファントム・シーカーを目視、姿を見られる前に瞬殺していく。その速さは神速の域で、防犯カメラでも1コマ姿が写っていれば幸運だろう。
「ふぅ、これで……って、あれ?」
平原にいたはずなのに、フェンリスは見知らぬ小屋に入っていた。カルマ、アザレアもいる。
ここはアザレアが用意した急ごしらえの指令室だ。見た目はボロ小屋だが、魔法対策が万全に施されており、例えユウであっても容易に発見、破壊といったことができない。
「お疲れ様、フェンリス君。それにしても、魔王様の御力をいささか過小評価していたのかもしれないね」
ユウが得意とする空間支配の魔法が次々と発動していくため、カルマのスキルで逃げたのだ。スキル発動が間に合ったのはまさに間一髪。特殊能力、アイテム、スキル、魔法と封じるのがユウの常套手段であるのだが、もしアイテムよりスキルを先に封じられていたら捕まっただろう。
「我が愛しき魔王様はやはり偉大なる御方じゃったのう。しかし、これではもう手出しができぬ」
放たれたファントム・シーカーは全て補足され、更にデス・グラビティによって身動きが取れなくなっていた。
「まだだ……この程度で諦める訳にはいかないね。そもそも、私たちの目的は魔王様の護衛だ。魔王様が魔法を放った領域はもう問題ないだろうから、その周囲を警戒すれば良いのだよ」
「確かにその通りじゃな。うむ、ではファントム・シーカーたちを再び放つ……ん?」
カルマの脳に声が響く。その主はウロボロスだった。カルマの顔が見る見る青冷めていく。任せると言ったのにも関わらず手を出してしまい、バツが悪過ぎて合わせる顔が無いのだ。
「どうしたんだい、カルマ?」
初めはわからずにいたアザレアだったが、おおよそ事態を把握し溜め息を吐いた。
「チェックメイトされたようだね……フェンリス君、一緒に怒られようか」
「え、え? どうして怒られるの?」
最後まで理解できないフェンリスが涙目になるのも時間の問題である。
「魔王様が一歩踏み出された。カルマ、やってくれるかい?」
「いくのじゃ、ファントム・シーカー」
カルマが放った5体の偵察兵が駆け出して行く。ユウの使役するものとは違い、最初からオプションとして五感では捉えられない迷彩能力、更に魔力探知キャンセラーが備わっている。
「いやはや、本当に君は素晴らしいねぇ。多芸かつそのどれもが高いレベルでまとまっている。なぜこちら側にいるのか理解に苦しむところだ」
アザレアの呟きにカルマは苦々しげな顔をした。諸々の能力を考慮すれば護衛は自身の方が適任。散々に言われて疲弊しきっている。
「……言うでない。それでもワシはウロボロスを信頼しておる」
そう言いながらも乗せられて監視役を任されている訳だが、流石にアザレアもそこまでは言わないでいた。
「……これは、まさか! アザレア、マズイのじゃ。魔王様に感付かれたようじゃぞ!」
カルマのファントム・シーカー自体は見付かっていなかったが、召喚魔法の発動が感知されたのだ。アザレア、カルマの想像を遥かに超えたユウの認識領域の広さに2人はただただ恐れを抱いた。
「流石は魔王様……まさか出鼻から挫かれるとはね。フェンリス君、やれるかい?」
振られたフェンリスは元気良く頷き、駆け出した。
「ごめんなさい、魔王様! 狩らせて貰いますよ!」
フェンリスは直ちにファントム・シーカーを目視、姿を見られる前に瞬殺していく。その速さは神速の域で、防犯カメラでも1コマ姿が写っていれば幸運だろう。
「ふぅ、これで……って、あれ?」
平原にいたはずなのに、フェンリスは見知らぬ小屋に入っていた。カルマ、アザレアもいる。
ここはアザレアが用意した急ごしらえの指令室だ。見た目はボロ小屋だが、魔法対策が万全に施されており、例えユウであっても容易に発見、破壊といったことができない。
「お疲れ様、フェンリス君。それにしても、魔王様の御力をいささか過小評価していたのかもしれないね」
ユウが得意とする空間支配の魔法が次々と発動していくため、カルマのスキルで逃げたのだ。スキル発動が間に合ったのはまさに間一髪。特殊能力、アイテム、スキル、魔法と封じるのがユウの常套手段であるのだが、もしアイテムよりスキルを先に封じられていたら捕まっただろう。
「我が愛しき魔王様はやはり偉大なる御方じゃったのう。しかし、これではもう手出しができぬ」
放たれたファントム・シーカーは全て補足され、更にデス・グラビティによって身動きが取れなくなっていた。
「まだだ……この程度で諦める訳にはいかないね。そもそも、私たちの目的は魔王様の護衛だ。魔王様が魔法を放った領域はもう問題ないだろうから、その周囲を警戒すれば良いのだよ」
「確かにその通りじゃな。うむ、ではファントム・シーカーたちを再び放つ……ん?」
カルマの脳に声が響く。その主はウロボロスだった。カルマの顔が見る見る青冷めていく。任せると言ったのにも関わらず手を出してしまい、バツが悪過ぎて合わせる顔が無いのだ。
「どうしたんだい、カルマ?」
初めはわからずにいたアザレアだったが、おおよそ事態を把握し溜め息を吐いた。
「チェックメイトされたようだね……フェンリス君、一緒に怒られようか」
「え、え? どうして怒られるの?」
最後まで理解できないフェンリスが涙目になるのも時間の問題である。
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