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第三話 それでも、俺は間違っていない
七
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年かさの武士は座敷に入ると、五郎たちの前に座り、丁寧に頭を下げた。緑の小袖と品のよい羽織を見れば、家中で重きを成す人物であることがわかる。さすがに、大名の用人といったところか。
「改めて名乗らせていただく」
男は静かに話をはじめる。
「手前は、保科家家中、飯盛忠左衛門である。よろしく頼む」
「丁寧なご挨拶、痛み入ります。手前が井ノ瀬五郎で、こちらに控えるのは、我が家の客分で、流拓之進。今後ともよろしくお願いいたします」
五郎と拓之進はそろって頭を下げた。
その間、かたわらに控える怡与蔵は平伏したまま動かなかった。
武家に囲まれて、緊張しているのがわかる。やむをえないことであったが、いささか気の毒である。
四人が顔をあわせているのは、相模屋の奥座敷である。人目につかない場所にあり、内密の話をするときに使うとのことだった。
今回の話し合いを望んだのは、忠左衛門だった。怡与蔵と話をしているうちに、五郎と拓之進の話が出て、ぜひ会ってみたいと言い出したようだ。
なぜ、忠左衛門がそのようなことを言い出したのか、さっぱりわからない。
彼は、上総飯野一万七千石を領する保科弾正忠正貞の用人だった。勝手方を一手に取り仕切っており、商人の知り合いも多かった。怡与蔵もその名は知っていたが、面識はなかったという。
それが突然、忠左衛門からの申し出で、保科家に納める小間物について話しあうことになった。保科家は四年前、大名になってから、出入りの商人が競って高価だが、あまり役にたたない小間物を勧めるようになってしまい、日々の生活に支障が出ていた。いらだった忠左衛門は、これまでの商人を出入り禁止にして、新しい小間物問屋を探していたのだが、その時、紹介されたのが相模屋だった。
最初の交渉で、忠左衛門は怡与蔵に好印象を持ったようで、早々に商いの話がはじまった。
うまくいっていたのだが、その最終段階で、どういうわけか、五郎と拓之進が立ち合うことを望んだのである。
理由はわからなかったが、怡与蔵に頼み込まれては断ることはできない。口ははさまないことを条件に、五郎は了承した。
「さて、相模屋。そうして頭を下げていては、話ができぬ。顔をあげてくれ」
忠左衛門にうながされて、怡与蔵は顔をあげた。
「よい。では、話をするか」
「よろしくお願いします」
忠左衛門は、保科家の内情を改めて語り、京と深い付き合いのある小間物屋がどうしても必要であると述べた。
「手はじめに、返礼品の手配を頼みたい。武家の奥方に贈る品だ。上方のものがよかろう」
「でしたら、このようなものがよいかと」
怡与蔵の説明には、ためらいがない。
五郎には、何のことかさっぱりわからなかったが、忠左衛門の表情を見れば、満足していることがわかった。
「よくわかった。目録は用意してくれるのだな」
「手許にございます。よろしければ、お持ちください」
怡与蔵が目録を渡すと、怡与蔵は一瞥してから懐に収めた。
「手際がよくて、ありがたい。おぬしはできる男だな」
「ありがとうございます」
「さて、ここまで話が進んだので、今日は代金の話をしておきたい。細かいことは後にして、大枠だけでもな」
五郎は驚いた。そこまで踏みこむのか。部外者がいる前で。
拓之進も目を丸くしていた。
「以前、話してもらったが、あの値は変わりないか」
「はい。よろしくお願いします」
「ざっと見たが、いささか高い。三割は引いてもらいたいと思うが、どうか」
怡与蔵が息を呑んだ。返事はしない。
「我が家も、何かと物入りで苦しいので、ここは話を聞いてほしい。先々のことを考えると、悪くないと思うがな」
忠左衛門は淡々と語った。
「実入りが少なくなるのは、申し訳ないと思うが、話がまとまれば、そちらも助かるのではないか。ここのところ、商いが細くなって、大変なのであろう。三割、減らしても、商いがまとまれば、後が楽になろう。なにせ、額が大きいからな。一息つくことができて、店にとってもよいはずだ」
忠左衛門は笑った。表情から真意を読み取るのは、むずかしい。
値引きに応じなければ、どうなるか。忠左衛門が本音を語っているのであれば、商いを進めるのはむずかしいだろう。ここで最悪物別れということもありえる。
しかし、値引きすれば、儲けは……。
五郎が横目で見たとき、怡与蔵は頭を下げた。
「申しわけありませんが、値引きはできませぬ」
忠左衛門が応じるまで、わずかに時がかかった。
「どうあってもか」
「はい」
「わけを聞こうか」
「手前どもの品は、どれも職人が手塩にかけて仕上げております。大げさに申せば、彼らの人生を賭けた一品。先様の好みを我らが職人に伝え、彼らはそれを生かして仕上げて、見事に仕上げる。そうして、できあがった品は、この世にふたつとない貴重なものです。それを値引きで売ることはできませぬ。それが手前どもの誇りです」
「これで、商いが駄目になってもか」
「はい。残念ですが」
「ここで我が家が付き合いを断れば、相模屋は厳しいことになろう」
「それも覚悟の上です。店の者には頭を下げるよりありません」
怡与蔵はひるまなかった。自分の思いを語る姿は、覚悟を決めた者だけが持つ力強さがある。
彼は本気で、前に踏み出した。それは確かだ。
「無礼な。ここで、首を刎ねてもよいのであるぞ」
「やむを得ませぬ。どうぞご自由に」
「飯盛様、それは……」
五郎が口をはさもうとしたところで、高らかな笑い声が響いた。
「そうか。そうか。首を刎ねても値は下げぬか。よいな。実によい」
忠左衛門は、怡与蔵を見つめた。
「つまらぬ話をして悪かった。値はおぬしの示したとおりでよい。きっちり払わせてもらおう」
「飯盛様……」
「悪いが、おぬしを試させてもらった」
忠左衛門は頭をかいた。
「己が売り物に誇りを持てぬような商人など、何の役にもたたぬ。よいと思うのであれば、堂々と胸を張って、売り込めばよい。それだけの手間はかけているのだろう」
「そ、それは、もちろん」
「ならば、それでよい。むしろ、値引きに応じるなのら、ここで話を打ち切って、立ち去るつもりだった」
「さ、さようで」
「まあ、儂は、ある男の口車に乗っただけだ。商いの話が出たら、思い切って値切れ、そこで性根が見えると言っていた。馬鹿なふるまいをするならば、早々に見切れと。正直、驚いたな」
「い、いったい、どなたがそのようなことを……」
「隠しておくように言われたが、教えてやろう。意趣返しだ」
忠左衛門は、思わぬ人物の名前を語った。怡与蔵ではなく、五郎も驚いた。
平然としていたのは、拓之進だけだった。
「おぬしたちに会うように言ってきたのも、その男よ。おもしろい侍がいるから、見ていくといいとのことでな」
忠左衛門は、五郎と拓之進を見た。
「いい面構えをしている。先が楽しみだ」
「あ、ありがとうございます」
五郎は頭を下げた。
「まだ危ないところはあるが、先々が楽しみだ。皆の者、よろしく頼む」
怡与蔵が平伏したので、五郎も改めて頭を下げる。
横目で拓之進を見ると、視線があった。口元には笑みがある。
これで一つ、片付いた。あとは、自分たちの仕事だ。
「改めて名乗らせていただく」
男は静かに話をはじめる。
「手前は、保科家家中、飯盛忠左衛門である。よろしく頼む」
「丁寧なご挨拶、痛み入ります。手前が井ノ瀬五郎で、こちらに控えるのは、我が家の客分で、流拓之進。今後ともよろしくお願いいたします」
五郎と拓之進はそろって頭を下げた。
その間、かたわらに控える怡与蔵は平伏したまま動かなかった。
武家に囲まれて、緊張しているのがわかる。やむをえないことであったが、いささか気の毒である。
四人が顔をあわせているのは、相模屋の奥座敷である。人目につかない場所にあり、内密の話をするときに使うとのことだった。
今回の話し合いを望んだのは、忠左衛門だった。怡与蔵と話をしているうちに、五郎と拓之進の話が出て、ぜひ会ってみたいと言い出したようだ。
なぜ、忠左衛門がそのようなことを言い出したのか、さっぱりわからない。
彼は、上総飯野一万七千石を領する保科弾正忠正貞の用人だった。勝手方を一手に取り仕切っており、商人の知り合いも多かった。怡与蔵もその名は知っていたが、面識はなかったという。
それが突然、忠左衛門からの申し出で、保科家に納める小間物について話しあうことになった。保科家は四年前、大名になってから、出入りの商人が競って高価だが、あまり役にたたない小間物を勧めるようになってしまい、日々の生活に支障が出ていた。いらだった忠左衛門は、これまでの商人を出入り禁止にして、新しい小間物問屋を探していたのだが、その時、紹介されたのが相模屋だった。
最初の交渉で、忠左衛門は怡与蔵に好印象を持ったようで、早々に商いの話がはじまった。
うまくいっていたのだが、その最終段階で、どういうわけか、五郎と拓之進が立ち合うことを望んだのである。
理由はわからなかったが、怡与蔵に頼み込まれては断ることはできない。口ははさまないことを条件に、五郎は了承した。
「さて、相模屋。そうして頭を下げていては、話ができぬ。顔をあげてくれ」
忠左衛門にうながされて、怡与蔵は顔をあげた。
「よい。では、話をするか」
「よろしくお願いします」
忠左衛門は、保科家の内情を改めて語り、京と深い付き合いのある小間物屋がどうしても必要であると述べた。
「手はじめに、返礼品の手配を頼みたい。武家の奥方に贈る品だ。上方のものがよかろう」
「でしたら、このようなものがよいかと」
怡与蔵の説明には、ためらいがない。
五郎には、何のことかさっぱりわからなかったが、忠左衛門の表情を見れば、満足していることがわかった。
「よくわかった。目録は用意してくれるのだな」
「手許にございます。よろしければ、お持ちください」
怡与蔵が目録を渡すと、怡与蔵は一瞥してから懐に収めた。
「手際がよくて、ありがたい。おぬしはできる男だな」
「ありがとうございます」
「さて、ここまで話が進んだので、今日は代金の話をしておきたい。細かいことは後にして、大枠だけでもな」
五郎は驚いた。そこまで踏みこむのか。部外者がいる前で。
拓之進も目を丸くしていた。
「以前、話してもらったが、あの値は変わりないか」
「はい。よろしくお願いします」
「ざっと見たが、いささか高い。三割は引いてもらいたいと思うが、どうか」
怡与蔵が息を呑んだ。返事はしない。
「我が家も、何かと物入りで苦しいので、ここは話を聞いてほしい。先々のことを考えると、悪くないと思うがな」
忠左衛門は淡々と語った。
「実入りが少なくなるのは、申し訳ないと思うが、話がまとまれば、そちらも助かるのではないか。ここのところ、商いが細くなって、大変なのであろう。三割、減らしても、商いがまとまれば、後が楽になろう。なにせ、額が大きいからな。一息つくことができて、店にとってもよいはずだ」
忠左衛門は笑った。表情から真意を読み取るのは、むずかしい。
値引きに応じなければ、どうなるか。忠左衛門が本音を語っているのであれば、商いを進めるのはむずかしいだろう。ここで最悪物別れということもありえる。
しかし、値引きすれば、儲けは……。
五郎が横目で見たとき、怡与蔵は頭を下げた。
「申しわけありませんが、値引きはできませぬ」
忠左衛門が応じるまで、わずかに時がかかった。
「どうあってもか」
「はい」
「わけを聞こうか」
「手前どもの品は、どれも職人が手塩にかけて仕上げております。大げさに申せば、彼らの人生を賭けた一品。先様の好みを我らが職人に伝え、彼らはそれを生かして仕上げて、見事に仕上げる。そうして、できあがった品は、この世にふたつとない貴重なものです。それを値引きで売ることはできませぬ。それが手前どもの誇りです」
「これで、商いが駄目になってもか」
「はい。残念ですが」
「ここで我が家が付き合いを断れば、相模屋は厳しいことになろう」
「それも覚悟の上です。店の者には頭を下げるよりありません」
怡与蔵はひるまなかった。自分の思いを語る姿は、覚悟を決めた者だけが持つ力強さがある。
彼は本気で、前に踏み出した。それは確かだ。
「無礼な。ここで、首を刎ねてもよいのであるぞ」
「やむを得ませぬ。どうぞご自由に」
「飯盛様、それは……」
五郎が口をはさもうとしたところで、高らかな笑い声が響いた。
「そうか。そうか。首を刎ねても値は下げぬか。よいな。実によい」
忠左衛門は、怡与蔵を見つめた。
「つまらぬ話をして悪かった。値はおぬしの示したとおりでよい。きっちり払わせてもらおう」
「飯盛様……」
「悪いが、おぬしを試させてもらった」
忠左衛門は頭をかいた。
「己が売り物に誇りを持てぬような商人など、何の役にもたたぬ。よいと思うのであれば、堂々と胸を張って、売り込めばよい。それだけの手間はかけているのだろう」
「そ、それは、もちろん」
「ならば、それでよい。むしろ、値引きに応じるなのら、ここで話を打ち切って、立ち去るつもりだった」
「さ、さようで」
「まあ、儂は、ある男の口車に乗っただけだ。商いの話が出たら、思い切って値切れ、そこで性根が見えると言っていた。馬鹿なふるまいをするならば、早々に見切れと。正直、驚いたな」
「い、いったい、どなたがそのようなことを……」
「隠しておくように言われたが、教えてやろう。意趣返しだ」
忠左衛門は、思わぬ人物の名前を語った。怡与蔵ではなく、五郎も驚いた。
平然としていたのは、拓之進だけだった。
「おぬしたちに会うように言ってきたのも、その男よ。おもしろい侍がいるから、見ていくといいとのことでな」
忠左衛門は、五郎と拓之進を見た。
「いい面構えをしている。先が楽しみだ」
「あ、ありがとうございます」
五郎は頭を下げた。
「まだ危ないところはあるが、先々が楽しみだ。皆の者、よろしく頼む」
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