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4-2.妖精卿と魔法の練習編2【R-18:素股】

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「……ヴァルネラとしては、見ててどうだったの。今の」

 一応目標は達成したが、今のが十分な成果だったとは到底思えない。
 俺が懐疑的な視線を向けると、ヴァルネラは気まずそうに視線を逸らした。

「貴方の必死に耐えている姿、すごくかわいかったですね」
「なに言ってんの、馬鹿。魔法のことだよ」

 下手な言い訳をするなとヴァルネラを軽く叩きながら、俺は彼に詰め寄る。
 するとヴァルネラは誤魔化すのをやめて、言葉を選びながら口を開いた。

「魔力の道筋が細すぎます。何度も魔力を通して、拡張していきましょう」
「それ、今できない? さっきのでコツが分かったから、頑張りたいんだけど」

 目標に手が掛かると意欲が湧いてきて、俺は続きがしたいとせがんでみる。
 だが彼は視線を彷徨わせ、言いにくそうに抵抗してきた。

「察してると思いますけど、これ以上は脱いでもらうことになりますよ」
「分かってる。性的興奮で、魔力を引き上げるってことでしょ」

 覚えたばかりのやり方に未だ抵抗はあるものの、成果は確実に上がっている。
 この恥が無駄にならないのなら、俺は身を委ねる覚悟もできていた。

「ここまで魔力の馴染みがないと、それしか手段はありませんからね。でも貴方は」
「今は俺がやりたいから大丈夫。……いいよ、恥ずかしいのも辛いのも我慢する」

 俺の羞恥心を捨てた言葉を聞くが、ヴァルネラはまだ踏ん切りがつかない。
 けれど俺が魔法を得るのであれば、ここを避けて通ることはできないはずだ。

「それでも、負担はできる限り軽くしましょう。今は陰茎だけ弄りますね」
「うん。……あっ、ん、んぁ……っ」

 ようやく迷いを振り切ったヴァルネラは、俺の下肢に手を伸ばして刺激する。
 俺は服越しの愛撫にも関わらず、早くも余裕を失くして嬌声を漏らしていた。

(やっぱり気持ちいいと、魔力が引き出される。最悪だけどこれが正攻法だ)

 才能のない人間はなにかを捨てなければならず、俺はそれが羞恥心だった。
 不慣れな雌のように喘ぎがらも、魔力を引き出すことに集中する。

「ちゃんと快楽を拾えていますか? グレイシス、教えて」
「っうん、……下が膨らんでるけど、ヴァルネラは大丈夫なの? っあ、やっ」

 先程の行為の時点で、ヴァルネラの固くなったものが何度も太腿に当たっていた。
 けれど彼も辛いだろうに、自身の欲望に構う様子は少しもない。

「私は後で処理しますから、気にしないでください」

 そう言いながら俺の下履きを寛げ、ヴァルネラは直接陰茎に刺激を与えていく。
 再び床へ崩れ落ちそうになったが、後ろから抱き留められて続行される。

(嫌いって言ったの、思ったより堪えてるな。でも俺、我慢させたいわけじゃない)

 魔法の対価としてヴァルネラは快楽を求めたのに、俺が泣いて拒否してしまった。
 ならば今からでも、埋め合わせをするべきなのだろう。

「なら俺が足を閉じるから、その間に挟めばいいんじゃない? それだと二人とも、気持ちよくなるでしょ。……っあ!」
「……貴方が言いだしたんですからね。後で怒らないでくださいよ?」

 俺が提案を持ちかけると、ヴァルネラはようやく自身の下履きを緩めた。
 そして俺の両足を閉じさせ、その間に熱く硬いものを差し込んでいく。

「分かってる。……あん、あっ、あ、はぁ……っ」

 直接擦りつけられた感覚が思ったより生々しく、俺はすぐに理性を溶かされる。
 それが嫌で口を閉じても、律動するヴァルネラのものが擦れて声が上ずった。

「あっ、ん! はぁ、んぅ……! これ、本当に後ろから突かれてるみたい……!」
「グレイシス、グレイシス……ッ」

 体を前後させるうちにヴァルネラの呼吸が荒くなり、動きも激しくなってきた。
 本当に犯す勢いでぶつかられ、耳元で熱のこもった囁きが繰り返される。

「あぁ、ん……! んぁ、はぅ」

 ヴァルネラが腰を打ち付ける間隔が短くなって、俺は床に爪を立てて背を丸める。
 絶頂が近づいているのが嫌でも分かり、体内の魔力も熱を持ちながら蠢いていた。

「ひっ! あ、あ゛ぁっん!」
「くっ、……っ!」

 俺の項に顔を埋めながら、ヴァルネラは押し殺した呻き声と共に精を吐き出した。
 生温かいものが俺のと混じって床を汚し、二人分の荒い息が室内に木霊する。

「はぁ……。グレイシス、うまく魔力経路が拡張できたようですね」
「……うん、さっきよりは魔力が通ってる感じがする」

 挿入を伴わない行為だったのもあるが、魔力の馴染みが早くて体に余裕がある。
 変に熱が残っていないから、まだ意識を失う心配はなさそうだ。

「というか下、まだ萎えてないの? 腹にくっついてきたんだけど」
「その、まだ発散し切れていなくて。後で処理しますよ」

 芯を失った俺のものとは対照的に、ヴァルネラは硬さと大きさが保たれていた。
 俺が煽るようになぞり上げると、彼の遠慮に反してそれは膨れ上がる。

「……挿れないなら、足くらい貸すけど。これなら負担、そんなにないし」
「ほ、本当ですか? じゃあもう少し、経路拡張のお手伝いもしますね!」

 俺の提案にヴァルネラは足を外側から抱えて、太腿への挿入の体勢を取った。
 だが俺は既に発散できているので、自分まで快楽を得るつもりはなかったのに。

「て、手伝ってもらってるお礼だから、そっちは今しなくて、――あ、あ゛ぁん!」

 けれど止める間もなく律動が始まって、俺の言葉は色めいた喘ぎに変わる。
 結局俺は意識を失い、寝台に逆戻りする羽目になってしまった。
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