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6-1.妖精卿と羽化編1【R-15:受けの強引なフェラ】
しおりを挟むヴァルネラや竜の魔力を取り込んでしばらく経つと、俺は空腹を感じなくなった。
常に体の中で魔力が巡って、食事をしなくても生命維持が可能になる。
「魔力で補えるようになると、本当に食事がいらなくなるんだね」
遂に訪れた変化をヴァルネラに報告すると、彼は嬉しそうに耳を傾けていた。
ずっと彼は同類を欲しがっていたから、俺の変質をすごく歓迎している。
「えぇ。通常食は体内の魔力が薄まるので、むしろ妖精化には邪魔なんですよ」
「じゃあ俺、だいぶ魔力に馴染んできたんだ」
最近はヴァルネラと性的接触を重ねても、気絶することが少なくなってきた。
彼の方も加減を覚え、俺の様子を見ながら魔力を与えてくれている。
「ただ魔力は貯められるようになってきてますが、生産力が弱いんですよね。貴方」
「そうなると他の魔力を食べるか、ヴァルネラに貰い続ける感じになるのか」
俺自身の魔力は放っておけば尽きてしまうから、外部からの摂取は必須になる。
今の変化だって自分以外の魔力を取り込んだ結果だから、これは決定事項だ。
「でも魔力供給は過剰になると、魔力拒絶を起こす可能性があるんですよねぇ……」
(確かに初日以降、挿入はしていないな。似たようなことは散々したけど)
最も効率的な魔力摂取は挿入を伴う性行為だが、俺はそれで体調不良に陥った。
だがその一方で、魔法を使えるようになりたい気持ちもちゃんとある。
「じゃあ俺から、ヴァルネラに貰うのは? 自分で調節できるなら大丈夫でしょ」
「それは構いませんが、本格的に抵抗がなくなってきましたね貴方」
初めて抱かれた夜の酷さを考えると、俺の適応は驚くべきことなんだろう。
けれど俺はもう性行為が嫌ではないし、彼にもちゃんと向き合うつもりだった。
「恥ずかしいのはもう諦めた。それに俺が保護されてるのは、ヴァネルラに同類になれる魔法使いとして求められているからだし」
「それは、そうですけど」
出会いは偶然だったが、彼の手元に置かれている理由は明確に存在していた。
だから俺はその期待に応えたいし、できないなら見限られることも分かっている。
「俺も、積極的に協力しようと思ってて。……すぐに結果は出ないだろうけど」
連日ヴァルネラと行為を重ね、それでも変化の兆しが見えてきたのは最近だ。
魔力には慣れてはきたが魔法は未だ遠く、俺自身が苛立ちを感じ始めていた。
「ゆっくりでいいんですよ。無茶をして、壊れる方が問題です」
「俺は大丈夫だよ、それより早く出して」
話を最後まで聞かずに俺は身を屈めて、彼のものを取り出そうと試みる。
けれどそれを拒むように彼は俺を優しく押し留め、首を横に振った。
「なにか焦っているんですか? ここに貴方を脅かすものは存在しませんよ」
「いいから。それとも、俺が嫌になっちゃった?」
拒まれたことに不安を覚えていると、ヴァルネラは困ったように眉尻を下げた。
じっと見つめ返すと彼の瞳が揺れ、けれど俺は視線を逸らさずに返事を待つ。
「まさか。貴方から誘ってくれるのは、嬉しい限りですけど」
「じゃあ早く出して、俺が舐めるからさ」
焦れた俺は掴まれていた手を振り払い、服の上から彼のものを挑発する。
すると大人しくしていたそれが形を持ち始め、窮屈そうに下履きを押し上げた。
「……分かりました、でも無理はしないでください」
ヴァルネラが観念して衣服を緩めると、雄の匂いと共に猛ったものが現れる。
俺はそれを愛でるように撫で上げ、親指で押し込んで刺激した。
(ちゃんとヴァルネラのを見ると、俺のとは全然違うって分かる。正直大きい)
先走りを利用して幹を扱くと、ヴァルネラは熱い息を吐きながら俺の髪を梳く。
脈を打ちながら硬くなっていく陰茎を見ていると、体の奥が切なく疼いた。
「っグレイシス、触られるだけだと、もどかしいんですが」
「あは、悶えてる。可愛いとこあるじゃんヴァルネラ」
澄ました顔でいることが多い男が、刺激を乞う姿に優越感を感じる。
先端に口づけると大きく震え、俺まで興奮を覚えてしまった。
(でも本当に大きいし、筋が浮き出てる。俺、全部咥えられるかな)
俺の白くて細いものと比べると、彼のものは雄々しくて凶悪な見た目をしている。
口内に収まりきるとは到底思えなかったが、俺は意を決して顔を寄せた。
(いや、とりあえず舐めてみよう。必要なのは体液に交じった魔力だ、咥えるのは絶対じゃない)
想像以上の大きさに怯んでしまったが、俺は唾液を絡めて舌を這わせる。
すると口の中に苦みが広がるが、今更やめるわけにもいかない。
「じゃあ、舐めるから大人しくしててね。ん、んぐ……!」
「っあ、これ、他人にされるとこんなに……!」
俺はヴァルネラのものに唾液を塗りつけながら、ゆっくり口の中へと収めていく。
けれど半分もいかない内に喉奥が圧迫され、苦しさに涙が溢れそうになった。
(舌が触れた部分が、痺れるみたいに熱い。匂いも濃くて、頭がじんじんする……)
唾液と混ざり合った精から魔力を受け取ると、体の中で熱と疼きが高まっていく。
だから奉仕を繰り返し、飲み込む深さを徐々に増やしていく。
「ん、んぅう、はむ、っんんぅ」
「っあ゛ぁ、そんな一気に! それでは貴方だって辛いでしょう、ぐっ……!」
ヴァルネラは切羽詰まった声を上げているが、刺激に負けて腰が揺れている。
その動きに俺まで触発され、もっと欲しいと喉奥に迎え入れていく。
「っは、あ゛! グレイ、シス! そんなに激しくされると、もうっ」
「んっ、も、諦めて出しちゃいなよ!」
咥え切れなかった分は手で愛撫し、俺はヴァルネラを絶頂へと導く。
やがて彼は俺の頭を捕まえ、ぐっと腰を押し付けた。
「っあ、あぁ! も、出る、出ますよ!」
「んむ、ふぁ、っんぅ! ……ぷぁっ」
喉の奥に叩きつけられた熱い奔流を、俺は必死に飲み干していく。
しかし飲みきれなかった精が喉を伝って、俺の体を滑り落ちていった。
「っグレイシス、ごめんなさい! そんな、全部飲まなくていいんですよ」
「違う、俺が飲みたいの。邪魔しないで」
ヴァルネラが慌てて俺を引き離そうとするが、俺は濡れた陰茎に口づける。
すると吐精したはずのそこが硬く脈打ち始め、再び膨らんでいった。
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