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8.売られる為に召喚された後天性サキュバスの俺は、魔物嫌いな溺愛調教師への姿を選択する
8-4.売られる為に召喚された後天性サキュバスの俺は、魔物嫌いな溺愛調教師への姿を選択する
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(もう爪も、牙もいらない。この蜜みたいな力があれば、邪魔者すら傅くから)
染み渡るような甘美な感覚が心地よく、思わず身を震わせる。
すると溢れた魔力を得ようと、周囲の魔物が寄ってきた。
そして淫魔の力は大地にも侵食し、地形に変化を及ぼしていく。
「どこに行くんだ、リベラ!? ……くそ、植物が壁を作って邪魔をする!」
「翼もねぇ種族は不便だなぁ! っ退けテメェら、主人の邪魔すんのか!?」
それは呼吸をするだけで理性を奪い取り、自ら服従させる毒だった。
石畳の隙間から植物が芽吹き、茨となって道を埋め尽くしていく。
(あの二人も操りたいけど、今は力不足だ。一度仕切り直さないと)
そして迷路のように入り組んだ蔦が、俺を守る檻を形成し始める。
すると二人から隔離され、追い縋る姿も見えなくなった。
だが今度は別方向から複数の魔力が現れ、生垣に侵入するのを察知する。
「甘く見てると、巻き込まれるぞ! 相手は淫魔だが、危険度は竜と変わりない!」
「本部より、討伐許可が降りました! 準備ができている者から、作戦決行を」
茨の隙間から覗くと教師が集結し、俺に立ち向かおうとしているのが見えた。
大人は経験が豊富な分、才覚頼りの若者より厄介かもしれない。
(殺す気はないけど、目障りだ。いや、小さな魔物たちが動いてる)
だが判断に迷っていると小型の魔物達が現れ、教師の前に立ち塞がる。
愛玩用である彼等に戦闘力はないが、代わりに特殊な加護を身につけていた。
(そっか。生徒の魔物が相手だと、先生は下手に傷つけられないんだ)
野良であれば責められないが、飼われた魔物に手を出せば問題となる。
愛玩用であれば尚更、面倒な事になるのは目に見えていた。
(これなら良い時間稼ぎになるな。ん、さっき隊長格を下した魔物だ)
そして戦況が停滞し始めた隙を狙って、一体の魔物が足元に縋り付いてくる。
情欲に燃える瞳で褒美を要求し、俺の太腿に舌を這わせようとしていた。
けど体を捧げる気なんてないから、これも媚びた声で軽く躱してやる。
「ありがとう、良い子だね。また俺の為に、頑張ってくれるかな?」
フェロモンを纏わせた手で魔物に触れると、低く唸りながら擦り寄ってくる。
それ以上をねだる事はなかったが、暗い期待を込めた眼差しで俺を見つめてきた。
(下心が原動力なのに手も出せず、喜んで戦う下僕。これが俺の望んでた存在だ)
中毒性のある魔力に囚われ、力を持っていても振るえない哀れな存在。
いつか組み敷く事を夢見るも、その機会は永遠に訪れないのに。
(とはいえ野放しのヴァントスが厄介だ、誘惑が全く効いていない)
潜在能力が目覚めた彼には、漂っている程度の魔力など弾かれてしまう。
かといって俺には接近戦で戦う手立てがなく、手詰まりに陥っていた。
「色狂いの雑魚共が! 群れた程度で、相手になると本気で思ってんのか!?」
(群がる魔物が、次々に蹴散らされていく。っ、目の前まで来た)
そして業を煮やしたヴァントスが、茨の迷路を翼で乗り越えてくる。
当然避ける事など出来ず、俺は仰向けに引き倒されてしまった。
「だが雑魚共でも、オレ以外に媚び売ってんのは気に入らねぇな。潰しとくか」
(盾になってくれる魔物は、近くにいない。終わりだ)
盾になろうとした魔物は、ヴァントスに蹂躙されて動けなくなっていた。
他の魔物も恐怖で我に返り、俺を守ろうとする者は残っていない。
「淫魔如きが調子に乗ったな、八つ裂きに処してや「待て、ヴァントス」」
だが茨の壁を破ったカリタスが、血塗れの姿で強引に割り込んでくる。
過度の興奮で痛覚が鈍っているのか、動きに枷がなくなっていた。
「カリタス、テメェまだ生きてやがったのか。とんでもねぇ執着だな」
ヴァントスも顔を顰める程の重傷を負いながらも、カリタスは俺を諦めない。
しかしそのひたむきさこそが、彼の加虐心に火を付けてしまう。
「……気が変わった。単純に殺すより、コイツで遊んだ方が楽しそうだ」
ヴァントスは嗜虐的な笑みを浮かべ、不意に俺を抱き寄せた。
そして飛べないカリタスを嘲笑うように、黒い翼で俺を連れ出していく。
(また体を掴まれて、誘拐される。――向かってるのは、時計塔か!)
時計塔の窓を粉々に割って、ヴァントスは侵入した部屋に俺を放り込む。
文字盤の裏部屋には埃が積もり、簡単には助けに来れない場所だと告げていた。
染み渡るような甘美な感覚が心地よく、思わず身を震わせる。
すると溢れた魔力を得ようと、周囲の魔物が寄ってきた。
そして淫魔の力は大地にも侵食し、地形に変化を及ぼしていく。
「どこに行くんだ、リベラ!? ……くそ、植物が壁を作って邪魔をする!」
「翼もねぇ種族は不便だなぁ! っ退けテメェら、主人の邪魔すんのか!?」
それは呼吸をするだけで理性を奪い取り、自ら服従させる毒だった。
石畳の隙間から植物が芽吹き、茨となって道を埋め尽くしていく。
(あの二人も操りたいけど、今は力不足だ。一度仕切り直さないと)
そして迷路のように入り組んだ蔦が、俺を守る檻を形成し始める。
すると二人から隔離され、追い縋る姿も見えなくなった。
だが今度は別方向から複数の魔力が現れ、生垣に侵入するのを察知する。
「甘く見てると、巻き込まれるぞ! 相手は淫魔だが、危険度は竜と変わりない!」
「本部より、討伐許可が降りました! 準備ができている者から、作戦決行を」
茨の隙間から覗くと教師が集結し、俺に立ち向かおうとしているのが見えた。
大人は経験が豊富な分、才覚頼りの若者より厄介かもしれない。
(殺す気はないけど、目障りだ。いや、小さな魔物たちが動いてる)
だが判断に迷っていると小型の魔物達が現れ、教師の前に立ち塞がる。
愛玩用である彼等に戦闘力はないが、代わりに特殊な加護を身につけていた。
(そっか。生徒の魔物が相手だと、先生は下手に傷つけられないんだ)
野良であれば責められないが、飼われた魔物に手を出せば問題となる。
愛玩用であれば尚更、面倒な事になるのは目に見えていた。
(これなら良い時間稼ぎになるな。ん、さっき隊長格を下した魔物だ)
そして戦況が停滞し始めた隙を狙って、一体の魔物が足元に縋り付いてくる。
情欲に燃える瞳で褒美を要求し、俺の太腿に舌を這わせようとしていた。
けど体を捧げる気なんてないから、これも媚びた声で軽く躱してやる。
「ありがとう、良い子だね。また俺の為に、頑張ってくれるかな?」
フェロモンを纏わせた手で魔物に触れると、低く唸りながら擦り寄ってくる。
それ以上をねだる事はなかったが、暗い期待を込めた眼差しで俺を見つめてきた。
(下心が原動力なのに手も出せず、喜んで戦う下僕。これが俺の望んでた存在だ)
中毒性のある魔力に囚われ、力を持っていても振るえない哀れな存在。
いつか組み敷く事を夢見るも、その機会は永遠に訪れないのに。
(とはいえ野放しのヴァントスが厄介だ、誘惑が全く効いていない)
潜在能力が目覚めた彼には、漂っている程度の魔力など弾かれてしまう。
かといって俺には接近戦で戦う手立てがなく、手詰まりに陥っていた。
「色狂いの雑魚共が! 群れた程度で、相手になると本気で思ってんのか!?」
(群がる魔物が、次々に蹴散らされていく。っ、目の前まで来た)
そして業を煮やしたヴァントスが、茨の迷路を翼で乗り越えてくる。
当然避ける事など出来ず、俺は仰向けに引き倒されてしまった。
「だが雑魚共でも、オレ以外に媚び売ってんのは気に入らねぇな。潰しとくか」
(盾になってくれる魔物は、近くにいない。終わりだ)
盾になろうとした魔物は、ヴァントスに蹂躙されて動けなくなっていた。
他の魔物も恐怖で我に返り、俺を守ろうとする者は残っていない。
「淫魔如きが調子に乗ったな、八つ裂きに処してや「待て、ヴァントス」」
だが茨の壁を破ったカリタスが、血塗れの姿で強引に割り込んでくる。
過度の興奮で痛覚が鈍っているのか、動きに枷がなくなっていた。
「カリタス、テメェまだ生きてやがったのか。とんでもねぇ執着だな」
ヴァントスも顔を顰める程の重傷を負いながらも、カリタスは俺を諦めない。
しかしそのひたむきさこそが、彼の加虐心に火を付けてしまう。
「……気が変わった。単純に殺すより、コイツで遊んだ方が楽しそうだ」
ヴァントスは嗜虐的な笑みを浮かべ、不意に俺を抱き寄せた。
そして飛べないカリタスを嘲笑うように、黒い翼で俺を連れ出していく。
(また体を掴まれて、誘拐される。――向かってるのは、時計塔か!)
時計塔の窓を粉々に割って、ヴァントスは侵入した部屋に俺を放り込む。
文字盤の裏部屋には埃が積もり、簡単には助けに来れない場所だと告げていた。
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