不倫相手は妻の弟

すりこぎ

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トイレ

キスと手コキ

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「……会いたかったよ……修ちゃん……」
「……だ、だめだよ、千紘くん、こんなところで……」
「修ちゃんは俺と会いたくなかったの?」
「そういうわけじゃ……そんなわけない、けど……でも、今は」
「寂しかった、修ちゃん……」

 千紘が喋るたびに、触れ合ったままの唇から甘い吐息が入り込んでくる。それは麻酔のように、修一の脳を弛緩させた。
 しかし、妻に対する罪の意識が、流されそうになる自分をなんとか食い止めようとする。

 修一は密着した千紘の体を引きはがし、薄いドアの向こうの小百合に聞こえぬよう、声を潜めた。

「いや、だめだって。小百合がいるんだぞ」
「それがいいんじゃん。すぐ傍におねえちゃんがいるところで浮気エッチ……シチュエーションとしては最高でしょ。AVみたいで」
「……もしかして、狙ってたの? さっきまでのは演技ってことか……心配して損した」
「良い感じに酔ってイイ気分なのはホントだよ。ね、修ちゃんも気持ちよくなろ」

 千紘は流れるような動きで修一を便座に座らせ、膝の上にまたがった。成人男性二人分の重みで便座がぎしりと軋みを立て、それが嫌に目立って狭い室内に響く。
 下手に身じろぎすれば、物音が妻の耳にも届いてしまうかもしれない。そんな緊張感が、修一の動きを固くする。

 千紘は修一を翻弄すべく、首に腕を巻き付かせて猫のように体を擦り付ける。修一の唇に自らのそれを覆い被せ、ちゅっ、ちゅっと音を立てて吸い付いた。
 唇を窄ませて派手に音を鳴らそうとするのは、意図的に違いない。明らかにこの危うい状況を愉しんでいた。千紘は背徳的な行為に興奮を覚える質なのだ。

 白肌がほんのり赤らむ千紘の体は、アルコールの作用と興奮で体温が上がっているのか、触れ合う部分がやけに熱い。

「んっ……ちゅぅっ、ちゅっ……ふっ、ぅ♡」
「んむっ、ンッ、ぷっ」

 小鳥がエサを啄むように修一の唇粘膜を堪能した千紘は、今度は舌を侵入させようと隙間をつついてきた。修一の中に残る一抹の自制心が、それを阻もうと躍起になる。
 唇をぎゅっと閉ざした修一に、気を悪くした千紘が眉を寄せる。

「……修ちゃんだって興奮してるくせに」
「ぅっ、あっ……ちょっと!」

 スウェット越しに股間を揉まれ、思わず開いた口にすかさず千紘の舌が入り込んできた。
 口腔をかき回す侵入者は、縦横無尽に上顎や頬裏、歯列を這いまわり、奥に縮こまっていた修一の舌をじゅるじゅると吸い上げる。触れ合った互いの舌がねっとり絡まり合い、熟れた唾液の甘さと鼻に抜けるアルコールの香りに、ふわふわと酔いが回っていく。

 その間にも千紘の指は、兆しを見せ始めた修一の股間を撫でまわした。上下から責め立てられる修一は、眩暈にも似た恍惚感に襲われ、なけなしの理性をも奪われていく。

「んっ、……ちゅぷっ、くちゅっ、ぁむっ……ふふっ、修ちゃんのここ、おっきくなってきたよ? 直接触って欲しい?」
「……んっ、ん」
「ちゃんとおねだり、して?」
「……触って、ほしい」
「……素直な修ちゃん、かわいい」

 下着の中に滑り込んできた千紘の指が、半勃ちのペニスに絡みついた。そのまま優しく揉み込まれると、みるみる充血度が高まり、硬度が増していく。
 膨張しきった一物は、下着が下ろされるとバネのように弾け、下腹を叩く勢いで反り返った。

「ぁっ、修ちゃんのちんぽ……♡ 相変わらずおっきい……♡」

 千紘はうっとりと目を細めながら太茎を握り込み、修一の勃起をしこしこと扱く。

「あぅ、ちひろ、くんっ」
「修ちゃん、イイ? きもちい?」
「ん、いいよ、すごく、いいよ……っ、あうぅ♡」

 溢れ出す我慢汁が、ぬちょ、くちゅ、と湿った音を立てる。
 指で作った輪でカリ首を刺激され、修一の口から喘ぎ声が漏れた。そのままスコスコと小刻みに敏感部分を擦られ、強い快感に翻弄される。先走りで湿った指先で亀頭を撫でまわされると、勝手に腰が揺れた。

 はふはふと息を荒くする修一の舌を、千紘が口に含む。唇に挟み込んだそれを、ぬぷぬぷと出し入れし始めた。
 修一は欲に飢えた犬のように舌を長く突き出し、奉仕を受け入れる。フェラチオのような口唇愛撫と手コキの連動が、修一をさらなる高みへと昇らせた。

 狭い室内には、汗や体臭が入り混じった濃い性の匂いが立ち込めていた。泡立つふたりの唾液が糸を引いて修一のペニスに垂れ落ち、先走りと混じり合う。

 もう少しでイケそうだというところで、唐突に千紘が身を引いた。寸止めを食らった修一は、呆けた顔で瞬きを繰り返す。

「なんで……」
「泣きそうな顔しないでよ。そんな顔もかわいいけどさ」

 情けなく眉尻を下げた修一に千紘は小さく噴き出して、あやすように頭を撫でた。8歳も年上の男に対する振る舞いではない。
 修一は子どものように口を尖らせ、その手を受け入れた。昔は泣き虫だった千紘の面倒をよく見ていた修一だが、時を経て関係性が逆転してしまったようだ。
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