ただ自殺がしたかった

十月の兎

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また行きたい

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「ここではイメージで大抵のことはなんとかなる、万人に襲われた時は壁をイメージしろ、全体を囲んでいるように」

「卵みたいな感じ?」

「そんな感じだ、万人が近づきすぎると、僕は実体が消える、食べられたくないしね」

「だから自分で守ってろってことね、メイデンさいてー」

「万人には歯向かうな」

「分かった、それで、帰る方法は?」

「自分の名前を思い出す、仮の、メーデーじゃない、本当の名前を、それに加えて、好きな人の名前を思い出せ、」

「どうやって?」

「自分が歩んだ人生をもう一度歩き治せ」

「どうやって、」

「道をイメージしろ、お前の記憶を辿る、そんなイメージだ」

「私の記憶、」

「そのまま歩き続けろ、止まるな、嫌な記憶も全て思い出せ」

「分かった」

「歩き続けろ、歯向かうな、名前を2つ思い出せ、これだけだ」


わかった、わかったと心の中で言いながら、道をイメージ
して、ただ歩き続ける








飛び降り自殺したんだよね、死んだ気がしない、あの音はこの世界に落ちた音なのか








落ちてるのは気持ちよかった気がするな、もし無事に戻れたらバンジージャンプしてみたいかも








屋上に行きたいって言った時お父さんなんも言わなかったな、私の事もしかしたら好きじゃないのかも








研究所に中学生来てもいいなんて、あそこ変わってるよね、お父さんが凄いからその権限なんだろうけどなぁ
 







今日学校サボって食べたソフトクリーム美味しかったな、今度、あの人と食べに行きたいな、あの人、あの人って誰









夏休みに入るからって話を聞きに学校に行くなんてほんとアホらしい、朝から絡んできて、めんどくさいけど、あの人が助けてくれたから、思い出せない、








2人で帰ってる時に食べたアイス、コンビニのだけど、あの人と食べたからよけい美味しく感じた、うん、私はあの人が好きなんだ、








小学校ではいじめなんて受けなかったのに、中学に入ってから髪の色を弄られたり、高身長なのを弄られたり、「髪染めてんの?気持ち悪いよ」「こんな気持ち悪い髪は切っちゃおうね」「キャハハ、ブスにはお似合いの髪型になったろ、」「身長高すぎ、巨人かよ、」「女子でこの身長はないよねぇ~」













「、、、うるさい!!!」
 
「おい、騒ぐ」

「うるさい!!うるさい!!うるさい!!お前らに何がわかる、あの人が、綺麗な髪だと言ってくれた!!!あの人が、身長高くてかっこいいと言ってくれた!!!訳の分からないお前らなんかに、私の何がわかる!!!だまれだまれだまれ!!!」

「チッ、やつが来た、お前も隠れろよ!!」

遠くから黒い電球に短い手足が生えたような生物がものすごい勢いで走ってくる、万人だ、

「あああああ!!!!」

少女は暗闇から歪な鉄の棒を掴み取り、万人に殴り掛かる、巨体に当たり、ぐぉんと鈍い音がなる、少女は叫びながら鉄の棒をひたすらに振り回す、万人はそんな攻撃をものともせず、少女を弾き飛ばす

「私は、小学校から!!死ぬ直前まで!!好きだった!!今も好きだ!!おしゃれして!もっと見てもらえるように!!髪だって!!なのに!!なのになのになのに!!!」


「、、、ダカラ?」


「、、、、、、え???」


黒い巨体から聞き覚えのある声が聞こえる、その声は好きだったあの人ではなく、いじめてた女子達の声のようだった


「ダカラナニ?アンタハシンダ、ユウキモナイ、ブスハダマッテ、シネヨ、」


短い足の付け根から、周りよりも暗い闇が覗く、


「食べ、られる、、?」


ばくん、と音がし、少女は姿を消した















ここはどこ?

「大丈夫?」



わかんない、わたしは

「酷いことするなーほんと、ーーーだいじょうぶ?」



なに、きこえない

「ーーーは足も速いし勉強もできていいよなぁ」



懐かしい感じがする、でも私にはわかんないよ

「アイツらに一言言ってくる、腹たった、俺はもう止まんねぇぞ、ーーー!!お前も行くぞ!!」



待って、私は

「大丈夫、今度は俺が守るから」


ありがとう、私何もできてない

「いいんだよ、ほら」






ありがとう、ほんとうに、最期まで助けられて






「ありがとう、海ちゃん」

「お互い様だろ!行くぞ珠璃」















私の名前は不和ふわ 珠璃たまる





私の、私の好きな人は!




「七星 海!!」








そう少女が叫んだ時、世界が、暗闇だったものが全て、白く、晴れていった








「おめでと、あとおつかれ」

「ん、メイデン、なにしてたのさ」

「お前それはこっちのセリフだよ、なんで万人に食われて無事なんだよ」

「それは、愛の力は無限大だからさ」

「あー、はいはい、それじゃ戻るか」

「え?もう戻れるの?」

「暗闇だったから見えなかっただけさ、お前も晴れたろ」

「あー気持ちは軽くなった気がする」

「その程度で大丈夫だ、じゃぁ」

「待って、名前、本名!聞いてない!」

「ああ、僕、じゃなくて私の名前は、まぁなんでもいいさ」

「は?なにそれ、ずるくない?セコい!」

「うるさい、じゃあまた、」

「あっちょ、待って!!」
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