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第15章 舞奈の長い日曜日
神と仏とアメコミヒーロー
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「……にしても、奴は何で屍虫になったんだ? 術者もいないのに」
「マイナスの魔力に長いあいだ晒されていたからではないだろうか?」
「毒犬のか。なるほどな、そんなんでも進行するのか……」
朝の新開発区で毒犬の群や屍虫と一戦交えた舞奈とアーガス氏。
そんな些細なトラブルに対処しつつも、2人は街はずれの検問にたどり着いた。
「おはよう舞奈ちゃん」
「アーガスさんも、お帰りなさいませ」
「おはようさんっす」
「警備ご苦労。あれほどの怪異から人間の街が守られているのは君たちのおかげだ」
新開発区と旧市街地の境には怪異の侵入を阻むべく検問が設置されている。
そこを守る検問に普段通りに挨拶する。
そして廃墟と大差ないゴーストタウンを歩く。
それでも一応、検問のこちら側は人間のテリトリーだ。
もう少し歩けばキナ臭いとはいえ人のいる統零町に辿り着く。だが、
「街に行くのではないのかね? 来た時に通った道と違うのだが……」
「まあな。ちょっと寄りたいところがあるんだ」
舞奈は大通りを外れて歩く。
アーガス氏が訝しむが気にしない。そして、
「スミスー! いるかー?」
無人のビルにはさまれた小さな店に、我が物顔で入っていく。
看板の『画廊・ケリー』のネオン文字の『ケ』の字の横線が消えかけて点滅する。
いつもと同じスミスの店だ。
だが奥からとてとてと出てきたのは水色スーツのマッチョじゃなく、
「はーい。あ、舞奈さんおはようございます」
「奈良坂さんじゃないか。……なかなか似合うな」
「えへへ、照れちゃいますよ」
何故か奈良坂だった。
フレームレスの眼鏡の端が朝日に光る。
粗忽さを隠そうともしない危なげな走りに合わせて野暮ったいセミロングがゆれる。
何のつもりか割烹着など着ている様が、妙に所帯じみて見える。
「しもんだー」
次いでバードテールをひょこひょこ揺らせながらリコもやってきた。
そして舞奈の隣のアーガス氏を見上げ、
「にせスミスだ!」
叫んだ。
「リコ、人を指さしたら駄目だろう」
「hahaha! 元気で可愛らしいお嬢さんだ」
アーガス氏は丸太のような両腕でリコを持ち上げる。
子供にやさしいヒーローらしい振舞い……というより本当に好きなのかもしれない。
丸みを帯びた幼い子供の容姿は美として機能する。
そして美とは、魔道士たちの力の源である魔力のそのまた原点だ。
それは超能力を操る超能力者たち同じ。
だから正常な人間ならば誰でもそうであるようにアーガス氏も幼子を慈しみ――
「――Ouch! Ooooooouch!!」
「あれ? このカミはとれないのか?」
髪の毛を引っこ抜かれそうになっていた。
リコは不思議そうな表情をしながら、くすんだ左右の金髪を容赦なく引っぱる。
カツラだと思ったのだろう。
正直なところ、ムースで固めた左右の髪のせいで作り物感が増していると思う。
そんなリコの指の力は同年代の標準より強い。
どうやら拳銃を使う舞奈が羨ましいらしく、自分なりに鍛えているらしい。
「……人に迷惑をかけるんじゃない」
首をかしげるリコを見やり、舞奈はやれやれと苦笑しつつ、
「本物のスミスは、こんな朝から出かけてるのか?」
隣の奈良坂に問いかける。
実のところ、ひょんなことから出会ったマッチョをスミスに見せびらかしたかったという意図も少しあった。
だが舞奈のしょうもない意図など奈良坂は知る由もない。
なので「あはは」と笑っていた虚を突かれて少しあわてた後に、
「あ、はい、市場に仕入れだそうです」
「そうなんだ。流石はスミス、料理するのも本格的だ」
普段通りに緊張感のない調子で答えた。
舞奈も何食わぬ口調で返す。
いつも何気に作ってくれる彼の料理が、そういう気配りによって作られていたことを知るのは悪い気分じゃない。
たぶんメンテナンスしてくれる銃も、設えてくれるガジェットも。
「その間にわたしがお留守番です」
「なるほどな」
ほえほえと微笑む彼女を見やって納得する。
粗忽な彼女は、暇な古物商の店番にはうってつけだと舞奈は思う。
奈良坂は二重の身体強化を使いこなす仏術士だが、戦闘ではいまいち頼りない。
作戦では失敗続き、たまに一念発起すれば大怪我だ。
彼女よりキャリアは浅いのに驚異的な戦果を挙げ続ける小夜子や楓とは雲泥の差だ。
ネガティブ思考が長じて危機管理能力の高い小夜子。
狂気に近い芸術的センスにより高度な魔術を次々に習得する楓。
加えて2人ともが永遠の復讐者であり、怪異を撃ち滅ぼすために手段を選ばない。
対して奈良坂には、そんな超人的な戦闘センスも、戦う覚悟もない。
それどころかミスも不注意も人より多い。
だから正直なところ彼女は積極的に戦闘に参加しない方がいいと舞奈は思っている。
そんな短所の反面、彼女は誠実で善良だ。
小夜子や楓がそうじゃないと言う訳ではないが、奈良坂の強さは常人の強さだ。
無意識に、無自覚に、誰かを守るために奮起することができる。
だから滓田の一味にさらわれたチャビーを、狂刃に倒れながらも守ってくれた。
先日も暴走自動車から身を挺して園児たちを守った。
そんな彼女だから、店の金庫と台所、子供の御守りを安心して任せられる。
そうスミスは思ったのだろう。しかも、
「朝ごはんもわたしが作ったんですよ」
「おっ奈良坂さんの手料理かあ」
「台所を借りて、お豆腐と油揚げのお味噌汁を作らせてもらいました」
「おっそりゃ美味そうだ」
「えへへ、リコちゃんも喜んでくれました」
普段から自炊している奈良坂は料理もできる。
肉=殺害対象な楓や小夜子とは格が違う。
「もう片付いちゃいましたけどね」
「……そっか」
ちょっと残りものに期待したのに。
けど、まあ、奈良坂は料理の腕前を自炊で鍛えたらしい。
残りもののない適量を量って作るのも得意なのだろう。だから、
「すまんが折り入って頼みがあるんだが」
「なんでしょう?」
気持ちを切り替え、何食わぬ顔で問いかけてみる。
「奈良坂さん、仏術の【軍荼利明王法】って使えるか?」
「はい、得意ですよ!」
「……そっか、怪我には気をつけてくれよ」
普段から多用しているらしい。
だが好都合なことには違いない。彼女が丁度ここにいたことも含めて。
生命を司る軍荼利明王を奉ずる【軍荼利明王法】は、回復の効果を持つ仏術だ。
身体強化の技術を応用し、対象の自然治癒力を強化することにより傷を癒す。
要するに凄いスピードで怪我が治る術だ。
先日の自動車暴走事件の際に、ソォナムが負傷者の救護に使っていた。
そのような体力強化による回復魔法は、他の手段――代用器官を作ったり怪我にまつわる因果を操る魔術や呪術に比べて難易度が低く、条件や制限も特にない。
半面、治せる怪我は軽傷がせいぜい。
だが今回はそれで問題ない。なぜなら、
「その……なんだ、ドアに思いっきり手を挟んだりとかも治せるのか?」
「はい! 大得意です」
「いや奈良坂さんは、最初から手を挟まないように気をつけてくれ……」
苦笑しながらも、少しばかりほっとする。
出がけにアーガス氏の手を思いっきりプレスしたことを気にはしていたのだ。だが、
「ちょっと手を出してくれ……あれ?」
アーガス氏の大きな手の指は、特に怪我した様子も腫れた様子もなかった。
けっこう本気で閉めたはずなのだが。
あるいは彼の【強化能力】が身体の細い部分を完璧に守れるほど強力なのか?
訝しむ舞奈に、
「心配には及ばない。あの程度の負傷なら【治癒】の能力で治療できる」
アーガス氏は得意げに言いつつ口元に笑みを浮かべてみせる。同時に、
「まほうでなおしたんじゃないのか? にせスミスはまほうつかいだぞ」
肩車されたリコも言う。
次の瞬間、
「何っ!?」
「へへっ!」
2人は上下で顔を見合わせた。
アーガス氏は驚愕に目を見開いて。
リコは得意満面の笑顔で。
正直、舞奈も驚いた。
「お嬢ちゃんは私の超能力に気づいていたのかね?」
「うん。まほうのにおいがするからな。メガネのおねえちゃんとおなじだ」
話題を振られた奈良坂が、何もわかっていない表情で「?」と首をかしげる。だが、
(なるほどな)
舞奈は気づいた。
妖術師は己が身に宿った魔力を、鍛錬により会得した神秘的な技術で術にする。
魔力は異能力として最初から持っている場合もあるが、習練により森羅万象に遍在するものを取りこんだり、魔術師のように生成する流派もある。
仏術士は後者だ。読経と諸仏のイメージを凝固させて魔力と化す。
そして魔力の材料となるイメージの本質は、プラスの感情。
仏術士の場合は諸仏への畏敬の念がそれにあたる。
超能力者たちも訓練の詳細こそ聞いていないが同じようなものなのだろう。
彼が自身の異能力に付け加えた魔力の源は、ヒーローとしての矜持だろうか?
つまり、奈良坂にもアーガス氏にも、プラスの感情から生まれた魔力が宿っている。
いわば善意や敬意を形にして身にまとっているようなものだ。
そうした善き心の在り方を、幼い故に純粋なリコは感じ取っていたらしい。
そういった視点を舞奈も持てたらいいなと思った。
そうすれば魔力を感知できなくても妖術師を見抜くことができる気がする。
善き心を力に変えて身にまとう人たちを。
あるいは、人に化けた泥人間のマイナスの感情から生まれた道術を。
「でも、あんしんしろ! リコは、くちがかたいにんげんだからな!」
言って満面の笑みを浮かべる。
「まほうつかいのことは、ひとにいったらダメなんだろ?」
「ああ、その通りだ。リコ君は利発だな」
「リコはりはつなんだ! ……りはつってなんだ?」
アーガス氏は上目遣いにリコを見やって笑う。
そして再び舞奈を見やる。
今度は何処か敬意のこもった表情で。
彼の素性を見抜いたリコの直感。
それが舞奈の影響だと思っているのだ。
ヒーローチームのリーダーだからこそ、コーチングの才を評することができる。
別に舞奈はそういうつもりはないのだが。
そんな3人を見やりつつ、奈良坂は何もわかっていない顔で笑っていた。
そんなこんなで奈良坂と少しばかり世間話などする。
それでもスミスが帰ってくる様子はないので、店を後にすることにした。
リコにも来るかと声をかけてみたが、奈良坂が心配だからと断られた。
まったく利発な幼女である。
なので再びアーガス氏と2人、灰色の街を歩く。
廃墟同然だった街並みが普通に寂れた街のそれに代わるころ、屋根に見なれた十字架を掲げた教会が見えてきた。
「あれが教会だ」
「ああ、教会のようだな」
ドヤ顔で言った舞奈に、アーガス氏は特に感慨もなく答える。
舞奈は「ちぇっ」と口元を歪めてみせる。
外人だから教会を見れば喜ぶだろうと舞奈は勝手に思っていた。
だがまあ馴染んだものを今朝訪れた旅行先で見ても、別に面白くはないだろう。
それでも、まあ、ご無沙汰気味なシスターに挨拶くらいしても罰は当たらん。
そう考えて当初の予定通り、十字架に向かってだらだら歩き、
「……よっ! 朝から精が出るな」
「おはようなのです。志門さんも教会にお参りに来るなんて信心深くて立派なのです」
「いや信心深いわけじゃあ……」
教会の前では委員長が歌っていた。
ギターの音色が聞こえてきたのですぐにわかった。
「素晴らしい演奏だ」
アーガス氏も彫りの深い顔をほころばせ、年若いアーティストを称える。
生え際がロックな勢いで後退した、くすんだ色の金髪が朝日に光る。
「『堕天使のINNOCENT∵WISH』だね。ファイブカードはこの国のロックバンドだったか。世界的にも有名で、私の国でも良く歌われている」
「ありがとうございますなのです」
アーガス氏の賛辞に、委員長は喜びを隠し切れぬ様子で一礼する。
流石の彼も、今のが彼女の両親への賛辞にもなっていたとは気づいていないはずだ。
「舞奈さん、おはようございます。お連れの方も、ようこそ当教会へ」
「アーガスです。お見知りおきを」
聴衆は暇していたらしいシスター。
その側には、
「おはよう舞奈ちゃん。アーガスさんも初めまして」
「2人ともおはよう」
紅葉とサチ。
先日の作戦では姉である楓と共に委員長を救い、死塚不幸三を倒した紅葉。
KASCビル内で舞奈たちの活路を開き、小夜子と共に疣豚潤子を討ち取ったサチ。
そんな2人も今は平和な毎日を取り戻していた。それはいいのだが、
「めずらしい組み合わせだな」
委員長はともかく、この2人が相方抜きで一緒にいるのは珍しい。
そんなことを考えて訝しむ舞奈に、
「まあね。姉さんと支部に来たら、小夜子さんとサチさんと会ってね……」
「ちょうど技術担当官も来てて、小夜子ちゃんったら、楓さんと3人ですることができたから先に帰っててなんて言うのよ」
紅葉が苦笑ぎみに、サチはちょっぴり口を尖らせながら事情を説明する。
「まったく、あの2人は……」
舞奈もやれやれと苦笑する。
こんな平和な日曜に、あの糸目はまたしてもろくでもないことを始めたらしい。
脂虫――悪臭と犯罪をまき散らす喫煙者どもは人に似るが人間ではない。
討ち滅ぼすべき怪異の一種だ。
そんな忌まわしい脂虫に、かつて小夜子は幼馴染を、楓は弟を奪われた。
その後いろいろあって、今の2人は脂虫の駆除を無上の喜びとする永遠の復讐者だ。
なのでニュットは2人を巻きこみ、脂袋をいくつか消費しようと思ったのだろう。
執行人たちが駆り集めた脂虫は、達磨にされ袋に詰められ脂袋として備蓄される。
それを残忍な方法で屠るのが、最近の小夜子と楓のトレンドらしい。
ニュットはそれに乗っかったのだ。まったく……
だが幸いにも教会と【機関】支部は位置的には近い。
手持無沙汰になったサチと紅葉が、とりあえず訪れるには丁度良かったのだろう。
そんな風に小中高生たちが和気あいあいとしている側、
「こちらへはお仕事で?」
「詳細は言えませんが、まあそんなところです」
アーガス氏はシスターと世間話に花を咲かせていた。
痩身巨乳で人の良いシスターは、ハゲと聞くと笑い転げる意外な弱点がある。
だが生え際が際どいだけの金髪はセーフなのか?
あるいはハゲネタがツボなだけで、ハゲそのものは平気なのだろうか?
まあそれもそうか。
懺悔の途中で爆笑などされたらハゲには神も救いもないことになる。
そんな2人を……というか濃い顔立ちの金髪マッチョを見やり、
「あの人、ディフェンダーズのミスター・イアソンにちょっと似てるね」
紅葉がこぼした。
「知ってるのか?」
「そりゃまあ、シリーズで映画を何作もやってるからね」
舞奈が問うと、紅葉は少し浮かれた調子で語る。
するとサチと委員長もいっしょになって、
「ミスター・イアソンは超能力を使うヒーローなのよ」
「空を飛んだり、すごい力で悪者と戦ったり、市民を救ったりするのです」
「その中でも最高に活躍したのは『ディフェンダーズ/ラグナロク・ウォー』のラストかな。バチカン上空で伝説の破壊兵器と化したサン・ピエトロ大聖堂を倒して、市街地に落ちる寸前のところをスーパーパワーで受け止めるんだ」
「……その映画に対して、イタリア人は何も言わなかったのか?」
生返事を返しつつ、紅葉の熱意にちょっと引く。
けど、まあ気持ちはわからなくもない。
彼女もウアブ呪術を操る仕事人だ。
異能の力をもって人知れず戦う者として、映画の中のヒーローに憧れているのだ。
いつか自分も、同じように誰かを救えるように。
それは永遠の復讐者である姉とは真逆な紅葉の強さだ。
そして、それこそがアーガス氏が己が生き様によって異能力者や術者に伝えたかった気持ちなのだろう。
そんなことを考えながら、舞奈はちらりとアーガス氏を見やる。
噂話が聞こえていたか、マッチョもこちらを見やって笑いかける。
その表情を見やって紅葉が「あっ」みたいな表情をする。
隣で舞奈は苦笑する。
まったく、積極的に正体をばらそうとしてどうする。
だが彼の不敵な笑みを見やって舞奈は確信した。
その映画とやらの内容もまた、本当にあったことなのだろう。
ヒーローたちが何らかの脅威を跳ね除け市民を守る様子を、フィクションの体で脚色して公開しているのだ。
自分たちが市民の味方であると周知させるため。
そして目覚めたばかりの異能力者たちに、ヒーローとしての善き道を示すため。
そんなミスター・イアソンは、どうやら我が国でも皆が知ってるヒーローらしい。
中でも紅葉は特に詳しいらしい。
音楽にも詳しいし、こう見えて案外ミーハーなのかもしれない。
「それにしても舞奈ちゃんって、ときどき凄い知り合いがいるわよね」
「今朝会ったばかりだがね」
サチの言葉に苦笑する。
紅葉とサチは、彼と超能力者について何処までを知り、そして気づいているのか?
少なくとも海外からの客人について、2人とも話を聞いていた様子はない。
ニュットは本当に道楽で彼を舞奈に押しつけたらしい。
あ、の、糸、目!
だが舞奈は訝しむ。
そんな彼が身分を偽ってまで小さな島国くんだりまでやってきた理由は何だろう?
単に観光という理由も考えられなくはない。
ヒーローだって人の子だ。
激務の最中、息抜きをしたいときもあるだろう。
その行き先として、極東の小国はある意味で魅力的だ。
アニメやアイドルといった独自の文化を誇り、治安も他国に比べて安定していて、おそらく彼の知人も少ない。
それでも舞奈の勘が、楽観すべきではないと告げている。
今はこんなに平和だが……否、平和だからこそ、油断すべきではないと。
何故なら舞奈の周囲はいつもトラブルでいっぱいだ。
今日だけがその例外だと断ずる材料は残念ながら、ない。
だが大っぴらに警戒するような事件がまだ起こっていないのも事実だ。
だから今は何食わぬ顔で、シスターたちと世間話に興じる。
そして、その後、教会を後にした。
「マイナスの魔力に長いあいだ晒されていたからではないだろうか?」
「毒犬のか。なるほどな、そんなんでも進行するのか……」
朝の新開発区で毒犬の群や屍虫と一戦交えた舞奈とアーガス氏。
そんな些細なトラブルに対処しつつも、2人は街はずれの検問にたどり着いた。
「おはよう舞奈ちゃん」
「アーガスさんも、お帰りなさいませ」
「おはようさんっす」
「警備ご苦労。あれほどの怪異から人間の街が守られているのは君たちのおかげだ」
新開発区と旧市街地の境には怪異の侵入を阻むべく検問が設置されている。
そこを守る検問に普段通りに挨拶する。
そして廃墟と大差ないゴーストタウンを歩く。
それでも一応、検問のこちら側は人間のテリトリーだ。
もう少し歩けばキナ臭いとはいえ人のいる統零町に辿り着く。だが、
「街に行くのではないのかね? 来た時に通った道と違うのだが……」
「まあな。ちょっと寄りたいところがあるんだ」
舞奈は大通りを外れて歩く。
アーガス氏が訝しむが気にしない。そして、
「スミスー! いるかー?」
無人のビルにはさまれた小さな店に、我が物顔で入っていく。
看板の『画廊・ケリー』のネオン文字の『ケ』の字の横線が消えかけて点滅する。
いつもと同じスミスの店だ。
だが奥からとてとてと出てきたのは水色スーツのマッチョじゃなく、
「はーい。あ、舞奈さんおはようございます」
「奈良坂さんじゃないか。……なかなか似合うな」
「えへへ、照れちゃいますよ」
何故か奈良坂だった。
フレームレスの眼鏡の端が朝日に光る。
粗忽さを隠そうともしない危なげな走りに合わせて野暮ったいセミロングがゆれる。
何のつもりか割烹着など着ている様が、妙に所帯じみて見える。
「しもんだー」
次いでバードテールをひょこひょこ揺らせながらリコもやってきた。
そして舞奈の隣のアーガス氏を見上げ、
「にせスミスだ!」
叫んだ。
「リコ、人を指さしたら駄目だろう」
「hahaha! 元気で可愛らしいお嬢さんだ」
アーガス氏は丸太のような両腕でリコを持ち上げる。
子供にやさしいヒーローらしい振舞い……というより本当に好きなのかもしれない。
丸みを帯びた幼い子供の容姿は美として機能する。
そして美とは、魔道士たちの力の源である魔力のそのまた原点だ。
それは超能力を操る超能力者たち同じ。
だから正常な人間ならば誰でもそうであるようにアーガス氏も幼子を慈しみ――
「――Ouch! Ooooooouch!!」
「あれ? このカミはとれないのか?」
髪の毛を引っこ抜かれそうになっていた。
リコは不思議そうな表情をしながら、くすんだ左右の金髪を容赦なく引っぱる。
カツラだと思ったのだろう。
正直なところ、ムースで固めた左右の髪のせいで作り物感が増していると思う。
そんなリコの指の力は同年代の標準より強い。
どうやら拳銃を使う舞奈が羨ましいらしく、自分なりに鍛えているらしい。
「……人に迷惑をかけるんじゃない」
首をかしげるリコを見やり、舞奈はやれやれと苦笑しつつ、
「本物のスミスは、こんな朝から出かけてるのか?」
隣の奈良坂に問いかける。
実のところ、ひょんなことから出会ったマッチョをスミスに見せびらかしたかったという意図も少しあった。
だが舞奈のしょうもない意図など奈良坂は知る由もない。
なので「あはは」と笑っていた虚を突かれて少しあわてた後に、
「あ、はい、市場に仕入れだそうです」
「そうなんだ。流石はスミス、料理するのも本格的だ」
普段通りに緊張感のない調子で答えた。
舞奈も何食わぬ口調で返す。
いつも何気に作ってくれる彼の料理が、そういう気配りによって作られていたことを知るのは悪い気分じゃない。
たぶんメンテナンスしてくれる銃も、設えてくれるガジェットも。
「その間にわたしがお留守番です」
「なるほどな」
ほえほえと微笑む彼女を見やって納得する。
粗忽な彼女は、暇な古物商の店番にはうってつけだと舞奈は思う。
奈良坂は二重の身体強化を使いこなす仏術士だが、戦闘ではいまいち頼りない。
作戦では失敗続き、たまに一念発起すれば大怪我だ。
彼女よりキャリアは浅いのに驚異的な戦果を挙げ続ける小夜子や楓とは雲泥の差だ。
ネガティブ思考が長じて危機管理能力の高い小夜子。
狂気に近い芸術的センスにより高度な魔術を次々に習得する楓。
加えて2人ともが永遠の復讐者であり、怪異を撃ち滅ぼすために手段を選ばない。
対して奈良坂には、そんな超人的な戦闘センスも、戦う覚悟もない。
それどころかミスも不注意も人より多い。
だから正直なところ彼女は積極的に戦闘に参加しない方がいいと舞奈は思っている。
そんな短所の反面、彼女は誠実で善良だ。
小夜子や楓がそうじゃないと言う訳ではないが、奈良坂の強さは常人の強さだ。
無意識に、無自覚に、誰かを守るために奮起することができる。
だから滓田の一味にさらわれたチャビーを、狂刃に倒れながらも守ってくれた。
先日も暴走自動車から身を挺して園児たちを守った。
そんな彼女だから、店の金庫と台所、子供の御守りを安心して任せられる。
そうスミスは思ったのだろう。しかも、
「朝ごはんもわたしが作ったんですよ」
「おっ奈良坂さんの手料理かあ」
「台所を借りて、お豆腐と油揚げのお味噌汁を作らせてもらいました」
「おっそりゃ美味そうだ」
「えへへ、リコちゃんも喜んでくれました」
普段から自炊している奈良坂は料理もできる。
肉=殺害対象な楓や小夜子とは格が違う。
「もう片付いちゃいましたけどね」
「……そっか」
ちょっと残りものに期待したのに。
けど、まあ、奈良坂は料理の腕前を自炊で鍛えたらしい。
残りもののない適量を量って作るのも得意なのだろう。だから、
「すまんが折り入って頼みがあるんだが」
「なんでしょう?」
気持ちを切り替え、何食わぬ顔で問いかけてみる。
「奈良坂さん、仏術の【軍荼利明王法】って使えるか?」
「はい、得意ですよ!」
「……そっか、怪我には気をつけてくれよ」
普段から多用しているらしい。
だが好都合なことには違いない。彼女が丁度ここにいたことも含めて。
生命を司る軍荼利明王を奉ずる【軍荼利明王法】は、回復の効果を持つ仏術だ。
身体強化の技術を応用し、対象の自然治癒力を強化することにより傷を癒す。
要するに凄いスピードで怪我が治る術だ。
先日の自動車暴走事件の際に、ソォナムが負傷者の救護に使っていた。
そのような体力強化による回復魔法は、他の手段――代用器官を作ったり怪我にまつわる因果を操る魔術や呪術に比べて難易度が低く、条件や制限も特にない。
半面、治せる怪我は軽傷がせいぜい。
だが今回はそれで問題ない。なぜなら、
「その……なんだ、ドアに思いっきり手を挟んだりとかも治せるのか?」
「はい! 大得意です」
「いや奈良坂さんは、最初から手を挟まないように気をつけてくれ……」
苦笑しながらも、少しばかりほっとする。
出がけにアーガス氏の手を思いっきりプレスしたことを気にはしていたのだ。だが、
「ちょっと手を出してくれ……あれ?」
アーガス氏の大きな手の指は、特に怪我した様子も腫れた様子もなかった。
けっこう本気で閉めたはずなのだが。
あるいは彼の【強化能力】が身体の細い部分を完璧に守れるほど強力なのか?
訝しむ舞奈に、
「心配には及ばない。あの程度の負傷なら【治癒】の能力で治療できる」
アーガス氏は得意げに言いつつ口元に笑みを浮かべてみせる。同時に、
「まほうでなおしたんじゃないのか? にせスミスはまほうつかいだぞ」
肩車されたリコも言う。
次の瞬間、
「何っ!?」
「へへっ!」
2人は上下で顔を見合わせた。
アーガス氏は驚愕に目を見開いて。
リコは得意満面の笑顔で。
正直、舞奈も驚いた。
「お嬢ちゃんは私の超能力に気づいていたのかね?」
「うん。まほうのにおいがするからな。メガネのおねえちゃんとおなじだ」
話題を振られた奈良坂が、何もわかっていない表情で「?」と首をかしげる。だが、
(なるほどな)
舞奈は気づいた。
妖術師は己が身に宿った魔力を、鍛錬により会得した神秘的な技術で術にする。
魔力は異能力として最初から持っている場合もあるが、習練により森羅万象に遍在するものを取りこんだり、魔術師のように生成する流派もある。
仏術士は後者だ。読経と諸仏のイメージを凝固させて魔力と化す。
そして魔力の材料となるイメージの本質は、プラスの感情。
仏術士の場合は諸仏への畏敬の念がそれにあたる。
超能力者たちも訓練の詳細こそ聞いていないが同じようなものなのだろう。
彼が自身の異能力に付け加えた魔力の源は、ヒーローとしての矜持だろうか?
つまり、奈良坂にもアーガス氏にも、プラスの感情から生まれた魔力が宿っている。
いわば善意や敬意を形にして身にまとっているようなものだ。
そうした善き心の在り方を、幼い故に純粋なリコは感じ取っていたらしい。
そういった視点を舞奈も持てたらいいなと思った。
そうすれば魔力を感知できなくても妖術師を見抜くことができる気がする。
善き心を力に変えて身にまとう人たちを。
あるいは、人に化けた泥人間のマイナスの感情から生まれた道術を。
「でも、あんしんしろ! リコは、くちがかたいにんげんだからな!」
言って満面の笑みを浮かべる。
「まほうつかいのことは、ひとにいったらダメなんだろ?」
「ああ、その通りだ。リコ君は利発だな」
「リコはりはつなんだ! ……りはつってなんだ?」
アーガス氏は上目遣いにリコを見やって笑う。
そして再び舞奈を見やる。
今度は何処か敬意のこもった表情で。
彼の素性を見抜いたリコの直感。
それが舞奈の影響だと思っているのだ。
ヒーローチームのリーダーだからこそ、コーチングの才を評することができる。
別に舞奈はそういうつもりはないのだが。
そんな3人を見やりつつ、奈良坂は何もわかっていない顔で笑っていた。
そんなこんなで奈良坂と少しばかり世間話などする。
それでもスミスが帰ってくる様子はないので、店を後にすることにした。
リコにも来るかと声をかけてみたが、奈良坂が心配だからと断られた。
まったく利発な幼女である。
なので再びアーガス氏と2人、灰色の街を歩く。
廃墟同然だった街並みが普通に寂れた街のそれに代わるころ、屋根に見なれた十字架を掲げた教会が見えてきた。
「あれが教会だ」
「ああ、教会のようだな」
ドヤ顔で言った舞奈に、アーガス氏は特に感慨もなく答える。
舞奈は「ちぇっ」と口元を歪めてみせる。
外人だから教会を見れば喜ぶだろうと舞奈は勝手に思っていた。
だがまあ馴染んだものを今朝訪れた旅行先で見ても、別に面白くはないだろう。
それでも、まあ、ご無沙汰気味なシスターに挨拶くらいしても罰は当たらん。
そう考えて当初の予定通り、十字架に向かってだらだら歩き、
「……よっ! 朝から精が出るな」
「おはようなのです。志門さんも教会にお参りに来るなんて信心深くて立派なのです」
「いや信心深いわけじゃあ……」
教会の前では委員長が歌っていた。
ギターの音色が聞こえてきたのですぐにわかった。
「素晴らしい演奏だ」
アーガス氏も彫りの深い顔をほころばせ、年若いアーティストを称える。
生え際がロックな勢いで後退した、くすんだ色の金髪が朝日に光る。
「『堕天使のINNOCENT∵WISH』だね。ファイブカードはこの国のロックバンドだったか。世界的にも有名で、私の国でも良く歌われている」
「ありがとうございますなのです」
アーガス氏の賛辞に、委員長は喜びを隠し切れぬ様子で一礼する。
流石の彼も、今のが彼女の両親への賛辞にもなっていたとは気づいていないはずだ。
「舞奈さん、おはようございます。お連れの方も、ようこそ当教会へ」
「アーガスです。お見知りおきを」
聴衆は暇していたらしいシスター。
その側には、
「おはよう舞奈ちゃん。アーガスさんも初めまして」
「2人ともおはよう」
紅葉とサチ。
先日の作戦では姉である楓と共に委員長を救い、死塚不幸三を倒した紅葉。
KASCビル内で舞奈たちの活路を開き、小夜子と共に疣豚潤子を討ち取ったサチ。
そんな2人も今は平和な毎日を取り戻していた。それはいいのだが、
「めずらしい組み合わせだな」
委員長はともかく、この2人が相方抜きで一緒にいるのは珍しい。
そんなことを考えて訝しむ舞奈に、
「まあね。姉さんと支部に来たら、小夜子さんとサチさんと会ってね……」
「ちょうど技術担当官も来てて、小夜子ちゃんったら、楓さんと3人ですることができたから先に帰っててなんて言うのよ」
紅葉が苦笑ぎみに、サチはちょっぴり口を尖らせながら事情を説明する。
「まったく、あの2人は……」
舞奈もやれやれと苦笑する。
こんな平和な日曜に、あの糸目はまたしてもろくでもないことを始めたらしい。
脂虫――悪臭と犯罪をまき散らす喫煙者どもは人に似るが人間ではない。
討ち滅ぼすべき怪異の一種だ。
そんな忌まわしい脂虫に、かつて小夜子は幼馴染を、楓は弟を奪われた。
その後いろいろあって、今の2人は脂虫の駆除を無上の喜びとする永遠の復讐者だ。
なのでニュットは2人を巻きこみ、脂袋をいくつか消費しようと思ったのだろう。
執行人たちが駆り集めた脂虫は、達磨にされ袋に詰められ脂袋として備蓄される。
それを残忍な方法で屠るのが、最近の小夜子と楓のトレンドらしい。
ニュットはそれに乗っかったのだ。まったく……
だが幸いにも教会と【機関】支部は位置的には近い。
手持無沙汰になったサチと紅葉が、とりあえず訪れるには丁度良かったのだろう。
そんな風に小中高生たちが和気あいあいとしている側、
「こちらへはお仕事で?」
「詳細は言えませんが、まあそんなところです」
アーガス氏はシスターと世間話に花を咲かせていた。
痩身巨乳で人の良いシスターは、ハゲと聞くと笑い転げる意外な弱点がある。
だが生え際が際どいだけの金髪はセーフなのか?
あるいはハゲネタがツボなだけで、ハゲそのものは平気なのだろうか?
まあそれもそうか。
懺悔の途中で爆笑などされたらハゲには神も救いもないことになる。
そんな2人を……というか濃い顔立ちの金髪マッチョを見やり、
「あの人、ディフェンダーズのミスター・イアソンにちょっと似てるね」
紅葉がこぼした。
「知ってるのか?」
「そりゃまあ、シリーズで映画を何作もやってるからね」
舞奈が問うと、紅葉は少し浮かれた調子で語る。
するとサチと委員長もいっしょになって、
「ミスター・イアソンは超能力を使うヒーローなのよ」
「空を飛んだり、すごい力で悪者と戦ったり、市民を救ったりするのです」
「その中でも最高に活躍したのは『ディフェンダーズ/ラグナロク・ウォー』のラストかな。バチカン上空で伝説の破壊兵器と化したサン・ピエトロ大聖堂を倒して、市街地に落ちる寸前のところをスーパーパワーで受け止めるんだ」
「……その映画に対して、イタリア人は何も言わなかったのか?」
生返事を返しつつ、紅葉の熱意にちょっと引く。
けど、まあ気持ちはわからなくもない。
彼女もウアブ呪術を操る仕事人だ。
異能の力をもって人知れず戦う者として、映画の中のヒーローに憧れているのだ。
いつか自分も、同じように誰かを救えるように。
それは永遠の復讐者である姉とは真逆な紅葉の強さだ。
そして、それこそがアーガス氏が己が生き様によって異能力者や術者に伝えたかった気持ちなのだろう。
そんなことを考えながら、舞奈はちらりとアーガス氏を見やる。
噂話が聞こえていたか、マッチョもこちらを見やって笑いかける。
その表情を見やって紅葉が「あっ」みたいな表情をする。
隣で舞奈は苦笑する。
まったく、積極的に正体をばらそうとしてどうする。
だが彼の不敵な笑みを見やって舞奈は確信した。
その映画とやらの内容もまた、本当にあったことなのだろう。
ヒーローたちが何らかの脅威を跳ね除け市民を守る様子を、フィクションの体で脚色して公開しているのだ。
自分たちが市民の味方であると周知させるため。
そして目覚めたばかりの異能力者たちに、ヒーローとしての善き道を示すため。
そんなミスター・イアソンは、どうやら我が国でも皆が知ってるヒーローらしい。
中でも紅葉は特に詳しいらしい。
音楽にも詳しいし、こう見えて案外ミーハーなのかもしれない。
「それにしても舞奈ちゃんって、ときどき凄い知り合いがいるわよね」
「今朝会ったばかりだがね」
サチの言葉に苦笑する。
紅葉とサチは、彼と超能力者について何処までを知り、そして気づいているのか?
少なくとも海外からの客人について、2人とも話を聞いていた様子はない。
ニュットは本当に道楽で彼を舞奈に押しつけたらしい。
あ、の、糸、目!
だが舞奈は訝しむ。
そんな彼が身分を偽ってまで小さな島国くんだりまでやってきた理由は何だろう?
単に観光という理由も考えられなくはない。
ヒーローだって人の子だ。
激務の最中、息抜きをしたいときもあるだろう。
その行き先として、極東の小国はある意味で魅力的だ。
アニメやアイドルといった独自の文化を誇り、治安も他国に比べて安定していて、おそらく彼の知人も少ない。
それでも舞奈の勘が、楽観すべきではないと告げている。
今はこんなに平和だが……否、平和だからこそ、油断すべきではないと。
何故なら舞奈の周囲はいつもトラブルでいっぱいだ。
今日だけがその例外だと断ずる材料は残念ながら、ない。
だが大っぴらに警戒するような事件がまだ起こっていないのも事実だ。
だから今は何食わぬ顔で、シスターたちと世間話に興じる。
そして、その後、教会を後にした。
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