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防御力ゼロなのに、評価SSS
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「……あの。それ、本気ですか?」
目の前にいる金髪の騎士様は、俺を見ていた。
白銀の鎧。マントは赤。胸には“王国聖騎士団”の紋章。 どう見ても、ファンタジー世界のエリートオブエリートだ。
対して俺は──
ダンボールを着ている。
ガチで。
胸にガムテープで貼られた紙には、黒マジックでこう書いてある。
【防具:ダンボール】
いや、俺だって本当は違うの着たかったよ? でもこの世界、転移してきた瞬間に装備ガチャ回されたんだ。
結果。
・武器:なし
・防具:ダンボール
・スキル:なし
・所持金:0
──詰みかけ。
俺は内心ビビりながらも、今日も冒険者ギルドの前に立っていた。
理由は簡単。
仕事がない。
モンスター討伐は即お断り。 護衛? 無理。矢が飛んできたらダンボール貫通する。 荷運び? 体力がない。
結果、俺はこの世界で“最弱冒険者”として有名になってしまった。
──なのに。
「……本当に、貴方でいいんです」
騎士様が、妙に真剣な目で言う。
「え?」
「聖騎士団への“特別推薦枠”に、あなたの名前が挙がっています」
「いやいやいや」
俺は自分の胸のダンボールをポンポン叩く。
「これですよ?
段ボールですよ?」
「ええ。そこが問題で、そこが評価されています」
意味がわからなかった。
「……どういうこと?」
騎士様は一度、周囲を見回してから、声を落とす。
「あなた、先週の《黒牙の狼》事件のとき、現場にいましたよね?」
「いましたけど」
あの時、俺はただの通行人だった。
むしろ逃げ遅れて、木の影で震えてただけ。
「あなたの背後にいた三人の冒険者。 彼ら、全員“致死級の呪い”を受けていました」
「はあ」
「……ですが、あなたの後ろに立っていた間だけ、症状が止まった」
「……は?」
騎士様は、はっきり言った。
「あなたのダンボール装備は、“呪い遮断率100%”を記録しています」
世界が、止まった。
俺は、自分の胸の段ボールを見る。
ガムテープの剥がれた端。 潰れた角。 宅配伝票の跡。
これが……?
「ちょ、ちょっと待って」
俺は声を震わせた。
「俺、これ……ただの箱だと思ってたんですけど……」
「聖騎士団では、こう呼ばれています」
騎士様は、はっきりと言った。
「――“聖なる方舟装甲”と」
……ネーミング、急に強すぎん?
俺のダンボール、いつの間に伝説装備になってんの?
こうして俺は、
“最弱の冒険者”から
“聖騎士団の機密兵器”へ
意味不明な転職ルートに突入することになった。
ダンボールのままで。
目の前にいる金髪の騎士様は、俺を見ていた。
白銀の鎧。マントは赤。胸には“王国聖騎士団”の紋章。 どう見ても、ファンタジー世界のエリートオブエリートだ。
対して俺は──
ダンボールを着ている。
ガチで。
胸にガムテープで貼られた紙には、黒マジックでこう書いてある。
【防具:ダンボール】
いや、俺だって本当は違うの着たかったよ? でもこの世界、転移してきた瞬間に装備ガチャ回されたんだ。
結果。
・武器:なし
・防具:ダンボール
・スキル:なし
・所持金:0
──詰みかけ。
俺は内心ビビりながらも、今日も冒険者ギルドの前に立っていた。
理由は簡単。
仕事がない。
モンスター討伐は即お断り。 護衛? 無理。矢が飛んできたらダンボール貫通する。 荷運び? 体力がない。
結果、俺はこの世界で“最弱冒険者”として有名になってしまった。
──なのに。
「……本当に、貴方でいいんです」
騎士様が、妙に真剣な目で言う。
「え?」
「聖騎士団への“特別推薦枠”に、あなたの名前が挙がっています」
「いやいやいや」
俺は自分の胸のダンボールをポンポン叩く。
「これですよ?
段ボールですよ?」
「ええ。そこが問題で、そこが評価されています」
意味がわからなかった。
「……どういうこと?」
騎士様は一度、周囲を見回してから、声を落とす。
「あなた、先週の《黒牙の狼》事件のとき、現場にいましたよね?」
「いましたけど」
あの時、俺はただの通行人だった。
むしろ逃げ遅れて、木の影で震えてただけ。
「あなたの背後にいた三人の冒険者。 彼ら、全員“致死級の呪い”を受けていました」
「はあ」
「……ですが、あなたの後ろに立っていた間だけ、症状が止まった」
「……は?」
騎士様は、はっきり言った。
「あなたのダンボール装備は、“呪い遮断率100%”を記録しています」
世界が、止まった。
俺は、自分の胸の段ボールを見る。
ガムテープの剥がれた端。 潰れた角。 宅配伝票の跡。
これが……?
「ちょ、ちょっと待って」
俺は声を震わせた。
「俺、これ……ただの箱だと思ってたんですけど……」
「聖騎士団では、こう呼ばれています」
騎士様は、はっきりと言った。
「――“聖なる方舟装甲”と」
……ネーミング、急に強すぎん?
俺のダンボール、いつの間に伝説装備になってんの?
こうして俺は、
“最弱の冒険者”から
“聖騎士団の機密兵器”へ
意味不明な転職ルートに突入することになった。
ダンボールのままで。
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