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聖騎士団、パニックになる
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聖騎士団の本部は、城の奥にあった。
白い石の回廊。 天井の高い大聖堂みたいな建物。 そこを、俺は――
ダンボール姿のまま、歩いていた。
ガムテープ、ペタペタ。 箱の角、ちょっと凹み。 側面には、まだ“精密機器”って書いてある。
「……すごい、浮いてるな俺」
周囲の騎士たちは、全員フルプレート装備。 剣も盾も槍も、ピカピカ。
俺だけが、
“引っ越し途中で迷い込んだ人”みたいな格好だった。
なのに。
視線が、異様に熱い。
「……あれが」 「……例の」 「……本当に、あの箱が……」
ヒソヒソ、ざわざわ。
怖い。
ダンボールで入れる空気じゃない。
案内してくれている金髪騎士―― 昨日の人、名前はルシア。
「……緊張します?」
「はい。あと、帰りたいです」
「もう遅いです」
こわ。
◇
通されたのは、円卓のある会議室だった。
重厚な扉が閉まる。
中には――
・白髭の団長
・魔術師長
・治癒騎士の代表
・なぜか、神官までいる
“国家の中枢”みたいなメンバーが揃っていた。
俺のダンボールを見るなり、
魔術師長が。
「本当に箱じゃないか」
失礼すぎるだろ。
団長が咳払いする。
「……では確認する。 君が“呪い遮断個体”かどうか、実験させてもらう」
「個体!?」
もう人間扱いしてない。
◇
部屋の中央に、黒い水晶が置かれた。
ドロドロとした霧が中に渦巻いている。
魔術師長が言う。
「これは《第七級呪核》。 触れた者は、三秒で精神崩壊する」
「いや危なくない?」
「だから、あなたに触れてもらいます」
「だから危なくない?」
団長が頷く。
「……頼む」
逃げ道、なかった。
俺は、恐る恐る―― ダンボールの胸を、水晶に近づけた。
“コツン”
軽く当たる。
その瞬間。
ジュワアアアッ!!
黒い霧が、悲鳴みたいな音を立てて霧散した。
水晶は、白くなって、
ひび割れ、
粉々に砕けた。
……え?
部屋が、凍りつく。
魔術師長が、震える声で言った。
「……第七級が、無効化……?」
神官が、床に膝をついた。
「……神話級だ……」
団長が、静かに言う。
「……君の箱は、国家レベルの聖遺物だ」
俺、箱だぞ?
その時だった。
ピキ……ピキ……
俺の胸元から、音がした。
「……あれ?」
ダンボールの角が、淡く光る。
ガムテープの隙間から、白い文様が浮かび上がる。
【進化条件達成】
【“聖なる方舟装甲・改”に進化します】
「ちょ、待って、進化とか聞いてない!」
だが止まらない。
ダンボールは―― 勝手に、進化を始めた。
その場にいた全員が、確信した。
“こいつは、もう兵器だ”と。
そして俺は、
最弱冒険者 →
国家機密 →
歩く聖遺物
という、よくわからない進化ルートに入った。
ダンボールのままで。
白い石の回廊。 天井の高い大聖堂みたいな建物。 そこを、俺は――
ダンボール姿のまま、歩いていた。
ガムテープ、ペタペタ。 箱の角、ちょっと凹み。 側面には、まだ“精密機器”って書いてある。
「……すごい、浮いてるな俺」
周囲の騎士たちは、全員フルプレート装備。 剣も盾も槍も、ピカピカ。
俺だけが、
“引っ越し途中で迷い込んだ人”みたいな格好だった。
なのに。
視線が、異様に熱い。
「……あれが」 「……例の」 「……本当に、あの箱が……」
ヒソヒソ、ざわざわ。
怖い。
ダンボールで入れる空気じゃない。
案内してくれている金髪騎士―― 昨日の人、名前はルシア。
「……緊張します?」
「はい。あと、帰りたいです」
「もう遅いです」
こわ。
◇
通されたのは、円卓のある会議室だった。
重厚な扉が閉まる。
中には――
・白髭の団長
・魔術師長
・治癒騎士の代表
・なぜか、神官までいる
“国家の中枢”みたいなメンバーが揃っていた。
俺のダンボールを見るなり、
魔術師長が。
「本当に箱じゃないか」
失礼すぎるだろ。
団長が咳払いする。
「……では確認する。 君が“呪い遮断個体”かどうか、実験させてもらう」
「個体!?」
もう人間扱いしてない。
◇
部屋の中央に、黒い水晶が置かれた。
ドロドロとした霧が中に渦巻いている。
魔術師長が言う。
「これは《第七級呪核》。 触れた者は、三秒で精神崩壊する」
「いや危なくない?」
「だから、あなたに触れてもらいます」
「だから危なくない?」
団長が頷く。
「……頼む」
逃げ道、なかった。
俺は、恐る恐る―― ダンボールの胸を、水晶に近づけた。
“コツン”
軽く当たる。
その瞬間。
ジュワアアアッ!!
黒い霧が、悲鳴みたいな音を立てて霧散した。
水晶は、白くなって、
ひび割れ、
粉々に砕けた。
……え?
部屋が、凍りつく。
魔術師長が、震える声で言った。
「……第七級が、無効化……?」
神官が、床に膝をついた。
「……神話級だ……」
団長が、静かに言う。
「……君の箱は、国家レベルの聖遺物だ」
俺、箱だぞ?
その時だった。
ピキ……ピキ……
俺の胸元から、音がした。
「……あれ?」
ダンボールの角が、淡く光る。
ガムテープの隙間から、白い文様が浮かび上がる。
【進化条件達成】
【“聖なる方舟装甲・改”に進化します】
「ちょ、待って、進化とか聞いてない!」
だが止まらない。
ダンボールは―― 勝手に、進化を始めた。
その場にいた全員が、確信した。
“こいつは、もう兵器だ”と。
そして俺は、
最弱冒険者 →
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という、よくわからない進化ルートに入った。
ダンボールのままで。
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