24 / 93
二章 地下格闘技復讐編
6.規律を守れない者には、退学のペナルティね!
しおりを挟む
悩んでいる。
僕は今、非常に悩んでいる。
悩んでいるというのは、昨日の浦和くんの件だ。停学中の外出に、東城さんを殴った事を先生に告げるべきか、否か。
いや、告げるべきだろう。何しろ停学で自宅謹慎を破り、あまつさえ痴情のもつれから女の子を殴ったのだ。然るべき裁きを、うけるべきではないか?
だが……僕がそれを密告したら、浦和くんは恐らく『退学』させられるだろう。自宅謹慎中外出した、ならば厳重注意なり、追加課題なり、期間延長くらいにはなるかもしれない。
だが、暴力を振るったのだ、彼は……いや自分も殴って蹴ってはしてないが、格闘技の技術を使って浦和くんと前池くんを屈服させたけど……。
僕は、授業を受けている東城さんを見た。
相変わらず爆乳だ、制服の上からでも目を引く。比嘉出さんは『全身がでかい』バランスタイプに対し東城さんは『胸と尻がでかい』という、アンバランス。
あの胸……競泳水着に押し込まれて苦しくならないのかと下世話な事を考えてしまい、話が逸れたと僕は方向修正して考えた。
東城さんは……望んでいるのか?浦和くんが退学までするのを。もう別れたのか、浦和くんからは別れてない判定だろうが、あんな事があった以上、僕たちがその証拠も握っている。
それを先生に出して、告発すべきなのか?
けど、これは所謂『私刑』であり『密告』にならないか?そこまでは……東城さんは望んでないのでは、余計なお世話なのでは?
「みんな写したかァ?ほな消すデェ」
「あ、やば」
なんて事だ、考え込んでいたら先生に板書を消されてしまった。仕方がない、休み時間にでも山城くんに頼ろう。いや本当、こう言った事も頼れる相手が居ると違うなと、僕はとりあえず写せるだけ板書を写したのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そうして授業が終わり、僕は決心した。
聞こう、直接、東城さんに。
言うべきか言わざるべきか。
その返答が何だろうと、傷つくのは僕だ。それでもし、頼むと言われたら本田くんの動画を僕が持っていって、僕が告発してやればいい。
何余計な事してんの、調子乗んな陰キャクソ野郎と言われたら、僕たちももう見なかった事にしようと、僕は立ちあがろうとした。
そして、恐怖が体を重くした。
いや、何でって……。
この久島秀忠、女の子に自分から話しかけた機会はほぼ、いや多分全く無いから。
ジムのダイエットに来ている主婦から声をかけられたりして相槌は打ったりするけど、クラスメイトと話す時は相手からだから!
だが、やらねばならぬ久島秀忠!日本一のキックボクサーと死闘を演じた男が、女子一人に話しかけられないで何が、もう一度日本一と戦いたいだ!
立て、よし立てた!歩け!東城さんの席までーーとなったところで。
「東じーー」
「久島くん、ちょっといいかな……」
「あうっ!?」
変な声出た。比嘉出さんが、声をかけてきたのだ。いや本当、先月まであった吊り目に巨大な肉体から滲む覇気が全く無い彼女は、快活バレー女子から、スランプに悩め物憂げガールになっていた。
「な、な、何か……用?」
「うん、それと……伊佐美……くん」
「うぉお!?くん付けだぁ!?気持ち悪ぃ!マジで何考えてやがる比嘉出ぇ!」
呼び捨てにされていた慣れがあった伊佐美くんが、ガチに驚き飛び跳ねるくらいの衝撃と、何かされんの俺!?と警戒心を一気に高める。
「話があって……あと、本田くんに、山城くんにも……ちょっと話しておかないと」
体育館裏の謝罪から、また何か言いたい事があるのかと考えた僕だが……また違う雰囲気を察したらしい伊佐美くんが、真剣に話を聞かなければならないと見て、立ち上がった。
「ちょう待っとれや比嘉出、山城と本田呼んでくるわ……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
山城くんも、本田くんも呼ばれ……何だこの独特な構成はと僕は思った。
元陽キャグループバレー部女子を囲む、陰キャ窓際族に、ファッションヤンキー、オタク、挫折野球少年。
失礼ながらここはカーストの最下層をさらに掘り進めた吹き溜まりではなかろうか、と感じてしまった。
「で、話って……」
僕は、自ずと比嘉出さんにどうしたのか切り出した。そして彼女は、ゆっくりと僕たちに語り始めた。
「昨日、謹慎中の翔太からメッセージ来てて……久島くん達が、狙われてるって」
「えっ」
「何だそりゃ?」
翔太、つまりは比嘉出さんの彼氏で現在停学謹慎中の前池翔太くんだ。僕が関節キメて頭をスイカみたいに踏み潰しかけ、失禁した……ああやだ、彼の瞳の中で、笑っている自分を思い出して僕は口元を右手で覆う。
「それで、翔太が言うには……浦和くんが、久島くん達にやり返す気満々で、浦和くんが三鬼って人?に声かけたらしいの」
三鬼?誰だ?知らない人だなとポカンとするなか、この話題で目を見開いたのは伊佐美くんだった。
「比嘉出……お前それ、マジで言っとんか?てか、あいつ三鬼奏多と関わりがあるんか?」
「そ、そんなに怖い人なの?翔太がね、私つてに久島くん達に伝えてって送ってきたから……」
どうやら比嘉出さんも知らないらしいが、余程前池くんが切羽詰まって、比嘉出さん経由で停学の原因の僕に連絡を入れるほどには危ない人に、浦和くんは呼んだらしい。
僕へ復讐する為に……。
「伊佐美くん、その、三鬼奏多って誰なの?」
一体誰なんだとなった僕に、そして知らないこの場の皆に伊佐美くんは語り出した。
「半グレだよ、この近くの繁華街……浜縁のクラブを中心に活動してる"血雨(ブラッディレイン)“ってチームのリーダーで……俺もまぁファッションヤンキーながら話聞いた事あるんだけど、ガチの反社のワルだ……同じチーム名の地下格闘技団体もやってたり、少年院行ったとか……人殺して埋めとるとか……兎に角、同じヤンキーでも関わるなって言われてるやべー地元のギャングだよ」
「そんな人と、浦和くんが?」
「おいおいマジかよ……洒落にならんぞ」
僕もその話には流石に冷や汗が身体から湧き出た。高校生がバックに怖い先輩従えるって、それはヤンキー物の漫画とかの話じゃないのかと……しかし、僕は伊佐美くんの話から気になる話題が出てきて彼に尋ねた。
「地下格闘団体の主催なの?その三鬼さんって……チームと同じ団体名、血雨(ブラッディレイン)なんて団体って、聞いた事無いな……」
「あー、そっち行ったか久島……」
「相変わらずだな久島ぁ……」
そう『地下格闘技団体』と言うワードだ。僕から吐き出された興味に、伊佐美くんと本田くんが苦笑した。
地下格闘技というのは、通常の格闘技興業とは違うものの『定義』という物は曖昧である。
所謂不良、ヤンキー、ギャング、反社会勢力に類する者達が『喧嘩』の延長線として開かれる、通常の格闘技イベントよりルールが緩やかかつ、エンタメ性に特化した物が、そうだというべきか。ブレイキングケイジも『地下格闘技』要素が強い団体と言えるだろう。
過激なルールや独自ルールによる喧嘩じみた試合や、団体戦をしたり、勢力同士の上下を決めるなど様々な理由で運営される。
フィクションならば、ルール無用で頭突き金的目潰しまで有効とし、実は企業やヤクザ同士がプロを雇って戦わせたりだとか、表の実力者を寄せ付けない、凄まじい達人が試合ならぬ『死合』求めてその為に運営したり……そんな幻想的な物を想像させられたりする。
だけど……今は朝原光流が『ブレイキングケイジ』を設立したため、ファイトマネーから知名度の獲得というのもあり、地下格闘技の者達がブレイキングケイジに流出したりしている。
それ以前にもメジャー団体やマイナー団体が話題性の為にオファーを送ったりと……表の格闘技と地下の格闘技の境目は、曖昧となりつつあるのが現状だった。
「今はすぐ調べられるな、あった……」
今の時代は何でもスマホで調べられるからいい、僕は早速YouTubeで血雨、地下格闘技と検索したら、チャンネルまで開設されていた。
それを再生して、僕はその試合を見てみた。まぁ、うん……ありがちだ、殴り合う為に寝技無し、ダウン制無し、金網の中で殴り合い罵倒し、乱闘もあり……だ。特筆すべき物はないなと、目を細めながら見ていると。
「こ、こんな事してるの……怖い」
比嘉出さんはその試合の映像に恐怖した、まぁこれが普通の女の子の反応かと僕は、あのキツイ目の覇気があった比嘉出さんが、女性らしく怖がる様に、少しだけゾクリとしたのは気持ち悪がられるので、顔に出てないかと自らを心配した。
「……つまんねーよ」
思わず溢れてしまった言葉がそれだった。よくある、技術も何もない低レベルな、ヤンキー同士が気合でメンツの為に殴り合うだけの、そんな『格闘技ごっこ』だった。
けど、そんな奴らが徒党を組み襲いかかって来るらしい。まさか浦和くんがそこまでするとは、僕も流石にドン引きだった。
「慈悲をかけるのは間違いだったね……それに、ここまでしてきたらもう犯罪だよ」
すくりと立ち上がり、僕は普段なら女子と語らっていたが、今は一人机と向き合う東城さんに、声を上げた。
「東城さん!」
僕が大きな声で呼べば、ビクリと身体を震わせて、嫌々ながらこちらを向いた。
「な、何よ……」
「ちょっと昨日の浦和くんの事、先生に話そうと思ってるんだけど、今から一緒に来てくれる?」
たとえ余計なお世話だろうと、否定されようと、浦和はラインを超えた。ならこちらも慈悲をかける必要は無い、今後浦和くんが停学を空けてから東城さんへ逆恨みによって何かされてもいけない、だから僕は、先手を打つ事にした。
そしてーー東城さんの証言に、本田くんの動画を提示した事により……。
浦和礼斗は、本日を持って波浜高校を退学処分させられたのであった。
僕は今、非常に悩んでいる。
悩んでいるというのは、昨日の浦和くんの件だ。停学中の外出に、東城さんを殴った事を先生に告げるべきか、否か。
いや、告げるべきだろう。何しろ停学で自宅謹慎を破り、あまつさえ痴情のもつれから女の子を殴ったのだ。然るべき裁きを、うけるべきではないか?
だが……僕がそれを密告したら、浦和くんは恐らく『退学』させられるだろう。自宅謹慎中外出した、ならば厳重注意なり、追加課題なり、期間延長くらいにはなるかもしれない。
だが、暴力を振るったのだ、彼は……いや自分も殴って蹴ってはしてないが、格闘技の技術を使って浦和くんと前池くんを屈服させたけど……。
僕は、授業を受けている東城さんを見た。
相変わらず爆乳だ、制服の上からでも目を引く。比嘉出さんは『全身がでかい』バランスタイプに対し東城さんは『胸と尻がでかい』という、アンバランス。
あの胸……競泳水着に押し込まれて苦しくならないのかと下世話な事を考えてしまい、話が逸れたと僕は方向修正して考えた。
東城さんは……望んでいるのか?浦和くんが退学までするのを。もう別れたのか、浦和くんからは別れてない判定だろうが、あんな事があった以上、僕たちがその証拠も握っている。
それを先生に出して、告発すべきなのか?
けど、これは所謂『私刑』であり『密告』にならないか?そこまでは……東城さんは望んでないのでは、余計なお世話なのでは?
「みんな写したかァ?ほな消すデェ」
「あ、やば」
なんて事だ、考え込んでいたら先生に板書を消されてしまった。仕方がない、休み時間にでも山城くんに頼ろう。いや本当、こう言った事も頼れる相手が居ると違うなと、僕はとりあえず写せるだけ板書を写したのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そうして授業が終わり、僕は決心した。
聞こう、直接、東城さんに。
言うべきか言わざるべきか。
その返答が何だろうと、傷つくのは僕だ。それでもし、頼むと言われたら本田くんの動画を僕が持っていって、僕が告発してやればいい。
何余計な事してんの、調子乗んな陰キャクソ野郎と言われたら、僕たちももう見なかった事にしようと、僕は立ちあがろうとした。
そして、恐怖が体を重くした。
いや、何でって……。
この久島秀忠、女の子に自分から話しかけた機会はほぼ、いや多分全く無いから。
ジムのダイエットに来ている主婦から声をかけられたりして相槌は打ったりするけど、クラスメイトと話す時は相手からだから!
だが、やらねばならぬ久島秀忠!日本一のキックボクサーと死闘を演じた男が、女子一人に話しかけられないで何が、もう一度日本一と戦いたいだ!
立て、よし立てた!歩け!東城さんの席までーーとなったところで。
「東じーー」
「久島くん、ちょっといいかな……」
「あうっ!?」
変な声出た。比嘉出さんが、声をかけてきたのだ。いや本当、先月まであった吊り目に巨大な肉体から滲む覇気が全く無い彼女は、快活バレー女子から、スランプに悩め物憂げガールになっていた。
「な、な、何か……用?」
「うん、それと……伊佐美……くん」
「うぉお!?くん付けだぁ!?気持ち悪ぃ!マジで何考えてやがる比嘉出ぇ!」
呼び捨てにされていた慣れがあった伊佐美くんが、ガチに驚き飛び跳ねるくらいの衝撃と、何かされんの俺!?と警戒心を一気に高める。
「話があって……あと、本田くんに、山城くんにも……ちょっと話しておかないと」
体育館裏の謝罪から、また何か言いたい事があるのかと考えた僕だが……また違う雰囲気を察したらしい伊佐美くんが、真剣に話を聞かなければならないと見て、立ち上がった。
「ちょう待っとれや比嘉出、山城と本田呼んでくるわ……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
山城くんも、本田くんも呼ばれ……何だこの独特な構成はと僕は思った。
元陽キャグループバレー部女子を囲む、陰キャ窓際族に、ファッションヤンキー、オタク、挫折野球少年。
失礼ながらここはカーストの最下層をさらに掘り進めた吹き溜まりではなかろうか、と感じてしまった。
「で、話って……」
僕は、自ずと比嘉出さんにどうしたのか切り出した。そして彼女は、ゆっくりと僕たちに語り始めた。
「昨日、謹慎中の翔太からメッセージ来てて……久島くん達が、狙われてるって」
「えっ」
「何だそりゃ?」
翔太、つまりは比嘉出さんの彼氏で現在停学謹慎中の前池翔太くんだ。僕が関節キメて頭をスイカみたいに踏み潰しかけ、失禁した……ああやだ、彼の瞳の中で、笑っている自分を思い出して僕は口元を右手で覆う。
「それで、翔太が言うには……浦和くんが、久島くん達にやり返す気満々で、浦和くんが三鬼って人?に声かけたらしいの」
三鬼?誰だ?知らない人だなとポカンとするなか、この話題で目を見開いたのは伊佐美くんだった。
「比嘉出……お前それ、マジで言っとんか?てか、あいつ三鬼奏多と関わりがあるんか?」
「そ、そんなに怖い人なの?翔太がね、私つてに久島くん達に伝えてって送ってきたから……」
どうやら比嘉出さんも知らないらしいが、余程前池くんが切羽詰まって、比嘉出さん経由で停学の原因の僕に連絡を入れるほどには危ない人に、浦和くんは呼んだらしい。
僕へ復讐する為に……。
「伊佐美くん、その、三鬼奏多って誰なの?」
一体誰なんだとなった僕に、そして知らないこの場の皆に伊佐美くんは語り出した。
「半グレだよ、この近くの繁華街……浜縁のクラブを中心に活動してる"血雨(ブラッディレイン)“ってチームのリーダーで……俺もまぁファッションヤンキーながら話聞いた事あるんだけど、ガチの反社のワルだ……同じチーム名の地下格闘技団体もやってたり、少年院行ったとか……人殺して埋めとるとか……兎に角、同じヤンキーでも関わるなって言われてるやべー地元のギャングだよ」
「そんな人と、浦和くんが?」
「おいおいマジかよ……洒落にならんぞ」
僕もその話には流石に冷や汗が身体から湧き出た。高校生がバックに怖い先輩従えるって、それはヤンキー物の漫画とかの話じゃないのかと……しかし、僕は伊佐美くんの話から気になる話題が出てきて彼に尋ねた。
「地下格闘団体の主催なの?その三鬼さんって……チームと同じ団体名、血雨(ブラッディレイン)なんて団体って、聞いた事無いな……」
「あー、そっち行ったか久島……」
「相変わらずだな久島ぁ……」
そう『地下格闘技団体』と言うワードだ。僕から吐き出された興味に、伊佐美くんと本田くんが苦笑した。
地下格闘技というのは、通常の格闘技興業とは違うものの『定義』という物は曖昧である。
所謂不良、ヤンキー、ギャング、反社会勢力に類する者達が『喧嘩』の延長線として開かれる、通常の格闘技イベントよりルールが緩やかかつ、エンタメ性に特化した物が、そうだというべきか。ブレイキングケイジも『地下格闘技』要素が強い団体と言えるだろう。
過激なルールや独自ルールによる喧嘩じみた試合や、団体戦をしたり、勢力同士の上下を決めるなど様々な理由で運営される。
フィクションならば、ルール無用で頭突き金的目潰しまで有効とし、実は企業やヤクザ同士がプロを雇って戦わせたりだとか、表の実力者を寄せ付けない、凄まじい達人が試合ならぬ『死合』求めてその為に運営したり……そんな幻想的な物を想像させられたりする。
だけど……今は朝原光流が『ブレイキングケイジ』を設立したため、ファイトマネーから知名度の獲得というのもあり、地下格闘技の者達がブレイキングケイジに流出したりしている。
それ以前にもメジャー団体やマイナー団体が話題性の為にオファーを送ったりと……表の格闘技と地下の格闘技の境目は、曖昧となりつつあるのが現状だった。
「今はすぐ調べられるな、あった……」
今の時代は何でもスマホで調べられるからいい、僕は早速YouTubeで血雨、地下格闘技と検索したら、チャンネルまで開設されていた。
それを再生して、僕はその試合を見てみた。まぁ、うん……ありがちだ、殴り合う為に寝技無し、ダウン制無し、金網の中で殴り合い罵倒し、乱闘もあり……だ。特筆すべき物はないなと、目を細めながら見ていると。
「こ、こんな事してるの……怖い」
比嘉出さんはその試合の映像に恐怖した、まぁこれが普通の女の子の反応かと僕は、あのキツイ目の覇気があった比嘉出さんが、女性らしく怖がる様に、少しだけゾクリとしたのは気持ち悪がられるので、顔に出てないかと自らを心配した。
「……つまんねーよ」
思わず溢れてしまった言葉がそれだった。よくある、技術も何もない低レベルな、ヤンキー同士が気合でメンツの為に殴り合うだけの、そんな『格闘技ごっこ』だった。
けど、そんな奴らが徒党を組み襲いかかって来るらしい。まさか浦和くんがそこまでするとは、僕も流石にドン引きだった。
「慈悲をかけるのは間違いだったね……それに、ここまでしてきたらもう犯罪だよ」
すくりと立ち上がり、僕は普段なら女子と語らっていたが、今は一人机と向き合う東城さんに、声を上げた。
「東城さん!」
僕が大きな声で呼べば、ビクリと身体を震わせて、嫌々ながらこちらを向いた。
「な、何よ……」
「ちょっと昨日の浦和くんの事、先生に話そうと思ってるんだけど、今から一緒に来てくれる?」
たとえ余計なお世話だろうと、否定されようと、浦和はラインを超えた。ならこちらも慈悲をかける必要は無い、今後浦和くんが停学を空けてから東城さんへ逆恨みによって何かされてもいけない、だから僕は、先手を打つ事にした。
そしてーー東城さんの証言に、本田くんの動画を提示した事により……。
浦和礼斗は、本日を持って波浜高校を退学処分させられたのであった。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる