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三章 クラス派閥闘争編
1.ちょっと飲み物買って来て(飛行機で)
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「あんの秋山のアホンダラ、死んだと思ったらくだらん置き土産残しよってからに……」
梅雨特有の湿り気ある香りが鼻をくすぐる放課後、中途半端に小雨が降りそうな曇り空を、僕たちは帰りながら、伊佐美くんは秋山の置き土産であるペイントボール銃撃戦に文句を言っていた。
「死んでないから、まだ生きてるから……生きてるよね?」
「死んだようなものだろ……可哀想だから久島、今から病院行ってトドメ刺してやれ」
「本田くんは僕をガチの人殺しにしたいの?」
最早秋山を、亡き者として扱う伊佐美くんに、まだ死んでないからと諭すが、本当に死んでないか、被害者でありながら心配する山城くん。そして、もう死んだも同然だからとどめを刺してやれと、冗談に聞こえないトーンで僕をけしかけようとする本田くんに、僕はなぜ手を汚さねばならぬと苦笑した。
別にぶちのめしてやりたかったけど、殺すまでは考えてない。まぁ、土足でこちらの領分に入って来てリスペクトも無しに、その契約の重大さも知らずにサインを書いてリングに上がって来たから、リングで死んでもらっても構わない気持ちはあったのは事実だがと、それは僕も流石に口には出さなかった。
「けど……面白そうではあるよね、ピリついたうちの体育祭で、レジャーながらスポーツな楽しい競技って……」
「……否定し辛ぇのがまた腹立つな、あのエンターテイナー気取りが考えた、文化系でも参加しやすい競技ってか?」
だが、これを全て否定できるかと言われたら違う。今の今までこの体育祭は、体育会系のみが楽しみ活躍し、文化部系が割を喰らい盛り上がらない、さらには休む生徒も問題にはなっていた。
そこに、新たなスポーツかつ、文化部系でも体育会系と競い合えるエンタメスポーツを提案し、通した手腕は認めざるを得ないと、伊佐美も悩み顔になった。
「その当の本人は、久島に顔面砕かれて長期入院で参加できないのが酷だな」
「そうだね、悪いことしたよ……」
前池くんも、提案した本人は入院で参加できないのが残念だと言う。それはそうだと、僕は悪い事したなと自省した……。
………あれ?誰か増えてない?
気付いた瞬間、僕よりも早く気付いた伊佐美くんと本田くんが、既に前池くんをコンクリの地面に蹴り倒しており、ストンピングの嵐を落としていた。
「テメェコラ!タココラ!前池コラァ!何をテメェは前から俺たち側のメンバーですって面で話に入って来とんじゃあ!このっド腐れチン◯スがぁ!」
「このニセ丸坊主の量産型高校球児が!久島にだけ行かせて高みの見物決め込んだ卑怯者の玉無しがぁ!バスケ部か野球部かはっきりしろお前はぁ!」
「痛い痛い痛い!?ちょ!すんません、勘弁してください!!バ、バスケ部です!土下座して再入部して一年の靴磨いてます!?」
「ちょちょちょ!?2人ともやりすぎだってば!!てか今、キミ靴磨きしてんの!?」
二人からのストンピングに待ったをかけるが収まらず、山城くんが止めに入るがストンピングは止まらない。まぁ僕もしばらく見ていいかなとなるくらいには、前池くんが大嫌いなので、その様を観覧していた。
「本田ぁ!そこのゴミ置き場の一升瓶持ってこい!こいつのケ◯穴に瓶底側から突き入れてやろうや!!」
「おーいいな!それはおしゃれだな!!」
「死ぬって!?それまじ死ぬから!!」
ガチか冗談か、伊佐美くんが本田くんにゴミ置き場に置かれた酒瓶を指差し、本田くんが本当にゴミ置き場に向かったのを見て流石に前池くんはやめてくれと願った。
「伊佐美くん、本田くん、その辺にしなよ、今度はキミらが停学になるからさ」
流石にそれをしたら前池くんや獄中の浦和くんの二の舞になりかねない為、僕2人に止めるよう声をかける。しかし、何故また僕らにツルミに来たのかと、呆れて溜め息を吐き僕は尋ねた。
「それで、何で居るのさ?できれば二度と顔も見たくないくらい大嫌いだから手短にお願いできる?」
「そ、そう言うなよ久島ぁ……改めてお礼言いたくてさ、本当に助かった」
「あっそ、帰ろうかみんな」
「ま、待ってくれよ!?」
礼とかいいし、顔も見たくないからさっさと3人引き連れて帰ろうとしたら、呼び止められた。いや本当、僕は彼も、浦和も、秋山も大嫌いだから面も見たくないのだ。視界に入れたくないのだ、呼び止められて自分でも顔が歪む感覚を自覚する程に。
「何かまだ用があるの?」
「い、いや……その……じ、実はだな」
「なんや、ハッキリもの言わんかい前池ぇ、いちびっとった時みたいによぉ?」
本当に人は変わるんだなぁと、弱々しくなっているデクの棒へ変わり果てた前池に、伊佐美くんがさっさと言えと煽った。
「……その……あれだ……く、クラスであんな事あったし……部活も再入部してから……立場なくてよ……」
「…………はい?」
「ここまで……その、針のむしろになるとは……思っていなくて……」
「だったら何なんだよ?」
何が言いたいんだと僕も伊佐美くんも、苛立ちを抑えながらしどろもどろはっきりしない前池くんに、さっさと本題を言えと急かした。
「た、頼む!俺もお前のグループに!入れてーーー」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「テメェコラ!自分とこのグループが壊れて久島を虐めようとして、しかも彼女攫われてから久島に頼った挙句それかコラ!風見鶏かテメェはあーーーーっ!?」
「舐めてんじゃねぇぞこのハゲ!しかもお前!よく見たら坊主に模様入れてんじゃねぇか!おしゃれにしてささやかに坊主回避しやがって反省してねぇなこのタコっ!!」
「顔避けるな!顔こっち向けろお前!!秋山同様に顔面粉砕してピカソの絵みたいに整形してやる!少しは苛立つ顔もマシになるだろ!!」
「ま!待ってくれえぇえい!た、助けてくれえぇぇーーい!!」
「ストップ!ストーップ!!久島くんも止まってぇ!!て言うか隻◯の梟!?もしかしてまだ余裕あったりする前池くん!?」
吉本新喜劇じみた天丼で、僕もストンピングに参加した。いや本当こいつ全く反省してないな!?しかも本田くんが言った通り見てみたら坊主が模様入ってるし!それ反省どころかイメチェンに回避してるだろと、僕達は山城くんに止められてようやくストンピングをやめた。
「わ、分かりましたから……じ、自分バスケやってますから……も、もう蹴らないでください」
手を出して泣きながら詫びる前池、伊佐美くんと本田くんはぜぇぜぇ息を切らし、伊佐美くんが僕に尋ねた。
「で、どうするこの哀れにも立場追われて孤立した元リア充……」
「いやだよ、僕大嫌いだし話したくもない」
「そ、そんなぁ!」
これがあれか、権力や財を失い追放された貴族とやらなのかもしれない。学校のカースト頂点から最下層へ叩き落とされた悲哀を……感じないな自業自得だと僕は吐き捨てた。
「そこまでにしてあげなよ3人とも、嫌いは嫌いでもさ、クラスメイトなんだし……まぁ上手くやるくらいいいじゃん……」
「や、山城ぉ……」
対して、山城くん……キミは優しいなと僕は、止めに入る彼に僕は驚いた。なにしろキミが、屋上ブレイキングケイジの被害者だろうに、寧ろ殺しても許されないかと思った。
「優しいやっちゃなあ、被害者だろお前はよ……」
伊佐美くんも同じことを思っていたらしい。別にグループに入れるとか、組みましょうとなって僕たちはグループになったわけでは無いが、嫌いは嫌いでも互いに見ないくらいはできるよなと、僕も山城くんの言葉には頷くしかなかった。
「いいよもう、じゃあ禊として……エナジードリンク買って来てくれない?それで許す、牛の絵柄の」
「お、おお!お安いご用だ!レッド◯ルだよな!!」
ならパシリ1回で禊としよう、そうしたら僕もキミのイジメを許すと、僕は財布を取り出し札を一枚渡した。それだけで許すのか?伊佐美くんと本田くんの視線を受け入れながら、僕は彼の反応を待つ。
「……く、久島……?」
「何?前池くん」
「これ……どこの国の金だ?」
「50バーツ紙幣だけど、タイ王国のお金」
「え?」
「だから……クラティンデーン買って来て、タイにあるレッ◯ブルの大元の栄養ドリンク、10バーツくらいだから」
誰がレッドブ◯なんてわざわざ買いに行かせるだろうか?僕が頼んだのは……タイ王国の一般的な栄養ドリンク『クラティンデーン』であった。レ◯ドブルはその栄養ドリンクを、オーストリアの実業家が欧米人向けに配合したエナジードリンクである。だから赤い牛のマークが同じだったりする。
「は……話が見えないんだが」
「あ?分からない?つまり……今からバンコク行き航空券取って、関空からバンコクまで行って栄養ドリンク買って来て、そしたら許してあげる」
「……え?」
理解ができないらしいので、僕は前池くんの襟首引っ掴んで睨みつけて言い放った。
「行けよ、許して欲しいんだろ?それくらいやれよ、それか二度と話かけるな……選べ!」
「ひ、ひぃいいいいいーーーーー!!」
前池くんは即座に僕から離れ、走り去って行った。これぐらいしたら二度と話しかけてこないかなと、路地を曲がって消えた背中を見て、僕は呟いた。
「……買ってくるかな、クラティンデーン……」
「いや、流石にそこまでしないだろ?」
「マジで買って来やがったら見直したるわ」
彼が栄養ドリンクをマジでタイまで買いに行くか、もう話しかけてこないか……できれば後者であって欲しいなと僕は願うのであった。
梅雨特有の湿り気ある香りが鼻をくすぐる放課後、中途半端に小雨が降りそうな曇り空を、僕たちは帰りながら、伊佐美くんは秋山の置き土産であるペイントボール銃撃戦に文句を言っていた。
「死んでないから、まだ生きてるから……生きてるよね?」
「死んだようなものだろ……可哀想だから久島、今から病院行ってトドメ刺してやれ」
「本田くんは僕をガチの人殺しにしたいの?」
最早秋山を、亡き者として扱う伊佐美くんに、まだ死んでないからと諭すが、本当に死んでないか、被害者でありながら心配する山城くん。そして、もう死んだも同然だからとどめを刺してやれと、冗談に聞こえないトーンで僕をけしかけようとする本田くんに、僕はなぜ手を汚さねばならぬと苦笑した。
別にぶちのめしてやりたかったけど、殺すまでは考えてない。まぁ、土足でこちらの領分に入って来てリスペクトも無しに、その契約の重大さも知らずにサインを書いてリングに上がって来たから、リングで死んでもらっても構わない気持ちはあったのは事実だがと、それは僕も流石に口には出さなかった。
「けど……面白そうではあるよね、ピリついたうちの体育祭で、レジャーながらスポーツな楽しい競技って……」
「……否定し辛ぇのがまた腹立つな、あのエンターテイナー気取りが考えた、文化系でも参加しやすい競技ってか?」
だが、これを全て否定できるかと言われたら違う。今の今までこの体育祭は、体育会系のみが楽しみ活躍し、文化部系が割を喰らい盛り上がらない、さらには休む生徒も問題にはなっていた。
そこに、新たなスポーツかつ、文化部系でも体育会系と競い合えるエンタメスポーツを提案し、通した手腕は認めざるを得ないと、伊佐美も悩み顔になった。
「その当の本人は、久島に顔面砕かれて長期入院で参加できないのが酷だな」
「そうだね、悪いことしたよ……」
前池くんも、提案した本人は入院で参加できないのが残念だと言う。それはそうだと、僕は悪い事したなと自省した……。
………あれ?誰か増えてない?
気付いた瞬間、僕よりも早く気付いた伊佐美くんと本田くんが、既に前池くんをコンクリの地面に蹴り倒しており、ストンピングの嵐を落としていた。
「テメェコラ!タココラ!前池コラァ!何をテメェは前から俺たち側のメンバーですって面で話に入って来とんじゃあ!このっド腐れチン◯スがぁ!」
「このニセ丸坊主の量産型高校球児が!久島にだけ行かせて高みの見物決め込んだ卑怯者の玉無しがぁ!バスケ部か野球部かはっきりしろお前はぁ!」
「痛い痛い痛い!?ちょ!すんません、勘弁してください!!バ、バスケ部です!土下座して再入部して一年の靴磨いてます!?」
「ちょちょちょ!?2人ともやりすぎだってば!!てか今、キミ靴磨きしてんの!?」
二人からのストンピングに待ったをかけるが収まらず、山城くんが止めに入るがストンピングは止まらない。まぁ僕もしばらく見ていいかなとなるくらいには、前池くんが大嫌いなので、その様を観覧していた。
「本田ぁ!そこのゴミ置き場の一升瓶持ってこい!こいつのケ◯穴に瓶底側から突き入れてやろうや!!」
「おーいいな!それはおしゃれだな!!」
「死ぬって!?それまじ死ぬから!!」
ガチか冗談か、伊佐美くんが本田くんにゴミ置き場に置かれた酒瓶を指差し、本田くんが本当にゴミ置き場に向かったのを見て流石に前池くんはやめてくれと願った。
「伊佐美くん、本田くん、その辺にしなよ、今度はキミらが停学になるからさ」
流石にそれをしたら前池くんや獄中の浦和くんの二の舞になりかねない為、僕2人に止めるよう声をかける。しかし、何故また僕らにツルミに来たのかと、呆れて溜め息を吐き僕は尋ねた。
「それで、何で居るのさ?できれば二度と顔も見たくないくらい大嫌いだから手短にお願いできる?」
「そ、そう言うなよ久島ぁ……改めてお礼言いたくてさ、本当に助かった」
「あっそ、帰ろうかみんな」
「ま、待ってくれよ!?」
礼とかいいし、顔も見たくないからさっさと3人引き連れて帰ろうとしたら、呼び止められた。いや本当、僕は彼も、浦和も、秋山も大嫌いだから面も見たくないのだ。視界に入れたくないのだ、呼び止められて自分でも顔が歪む感覚を自覚する程に。
「何かまだ用があるの?」
「い、いや……その……じ、実はだな」
「なんや、ハッキリもの言わんかい前池ぇ、いちびっとった時みたいによぉ?」
本当に人は変わるんだなぁと、弱々しくなっているデクの棒へ変わり果てた前池に、伊佐美くんがさっさと言えと煽った。
「……その……あれだ……く、クラスであんな事あったし……部活も再入部してから……立場なくてよ……」
「…………はい?」
「ここまで……その、針のむしろになるとは……思っていなくて……」
「だったら何なんだよ?」
何が言いたいんだと僕も伊佐美くんも、苛立ちを抑えながらしどろもどろはっきりしない前池くんに、さっさと本題を言えと急かした。
「た、頼む!俺もお前のグループに!入れてーーー」
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「テメェコラ!自分とこのグループが壊れて久島を虐めようとして、しかも彼女攫われてから久島に頼った挙句それかコラ!風見鶏かテメェはあーーーーっ!?」
「舐めてんじゃねぇぞこのハゲ!しかもお前!よく見たら坊主に模様入れてんじゃねぇか!おしゃれにしてささやかに坊主回避しやがって反省してねぇなこのタコっ!!」
「顔避けるな!顔こっち向けろお前!!秋山同様に顔面粉砕してピカソの絵みたいに整形してやる!少しは苛立つ顔もマシになるだろ!!」
「ま!待ってくれえぇえい!た、助けてくれえぇぇーーい!!」
「ストップ!ストーップ!!久島くんも止まってぇ!!て言うか隻◯の梟!?もしかしてまだ余裕あったりする前池くん!?」
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「わ、分かりましたから……じ、自分バスケやってますから……も、もう蹴らないでください」
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「で、どうするこの哀れにも立場追われて孤立した元リア充……」
「いやだよ、僕大嫌いだし話したくもない」
「そ、そんなぁ!」
これがあれか、権力や財を失い追放された貴族とやらなのかもしれない。学校のカースト頂点から最下層へ叩き落とされた悲哀を……感じないな自業自得だと僕は吐き捨てた。
「そこまでにしてあげなよ3人とも、嫌いは嫌いでもさ、クラスメイトなんだし……まぁ上手くやるくらいいいじゃん……」
「や、山城ぉ……」
対して、山城くん……キミは優しいなと僕は、止めに入る彼に僕は驚いた。なにしろキミが、屋上ブレイキングケイジの被害者だろうに、寧ろ殺しても許されないかと思った。
「優しいやっちゃなあ、被害者だろお前はよ……」
伊佐美くんも同じことを思っていたらしい。別にグループに入れるとか、組みましょうとなって僕たちはグループになったわけでは無いが、嫌いは嫌いでも互いに見ないくらいはできるよなと、僕も山城くんの言葉には頷くしかなかった。
「いいよもう、じゃあ禊として……エナジードリンク買って来てくれない?それで許す、牛の絵柄の」
「お、おお!お安いご用だ!レッド◯ルだよな!!」
ならパシリ1回で禊としよう、そうしたら僕もキミのイジメを許すと、僕は財布を取り出し札を一枚渡した。それだけで許すのか?伊佐美くんと本田くんの視線を受け入れながら、僕は彼の反応を待つ。
「……く、久島……?」
「何?前池くん」
「これ……どこの国の金だ?」
「50バーツ紙幣だけど、タイ王国のお金」
「え?」
「だから……クラティンデーン買って来て、タイにあるレッ◯ブルの大元の栄養ドリンク、10バーツくらいだから」
誰がレッドブ◯なんてわざわざ買いに行かせるだろうか?僕が頼んだのは……タイ王国の一般的な栄養ドリンク『クラティンデーン』であった。レ◯ドブルはその栄養ドリンクを、オーストリアの実業家が欧米人向けに配合したエナジードリンクである。だから赤い牛のマークが同じだったりする。
「は……話が見えないんだが」
「あ?分からない?つまり……今からバンコク行き航空券取って、関空からバンコクまで行って栄養ドリンク買って来て、そしたら許してあげる」
「……え?」
理解ができないらしいので、僕は前池くんの襟首引っ掴んで睨みつけて言い放った。
「行けよ、許して欲しいんだろ?それくらいやれよ、それか二度と話かけるな……選べ!」
「ひ、ひぃいいいいいーーーーー!!」
前池くんは即座に僕から離れ、走り去って行った。これぐらいしたら二度と話しかけてこないかなと、路地を曲がって消えた背中を見て、僕は呟いた。
「……買ってくるかな、クラティンデーン……」
「いや、流石にそこまでしないだろ?」
「マジで買って来やがったら見直したるわ」
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