間違いだらけの久島くん

魔根喪部荼毘座右衛門

文字の大きさ
34 / 93
三章 クラス派閥闘争編

2.久島の母親は淫売のクソ女、だったらしい

しおりを挟む
「そう言えば……久島ん家って行った事ねぇな……」

 唐突であった、前池くんをバンコクまでパシリに使った後の別れ道、伊佐美くんからそんな事が呟かれた。俺、お前の家に行った事ないなと。

「待て、そもそも俺たち全員がそれぞれを招いた事が無いだろ、この集まり」
「そ、そうだよね?そもそも僕らが集まったのが、秋山くんの騒動でハブられたからだし……」

 本田が語る、そもそも話。元々この4人は秋山の『屋上ブレイキングケイジ事件』で、教室で開かれた勝敗投票により、久島に投票してクラスからハブられた3人だから集まったのだと。

 互いに、標的は秋山という目的があったために集まったのが始まりで……そこからいつの間にか仲良くなっているのが現状……唯一繋がりがあるのは僕と伊佐美くんだけだろうか?

 いや、違う。屋上ブレイキングケイジの時に、伊佐美くんが本田くんに尋ねていた時気軽だったから、そっちのが長いかと整理して……そこに僕と伊佐美くんで助けた山城くんが加わったメンバーとなるわけだ。

「確かに……じゃあせっかくだから、久島の家今から行ってもいいか?迷惑じゃあなけりゃよ」
「唐突だなお前……」

 互いに家へ招いてないなら、折角だからお邪魔していいかと尋ねられ、本田は唐突だろと、迷惑考えろと嗜めた。僕は、この時間なら父親も帰ってないし少しならいいかなと、初めてかもしれない、友達を家に招く事にした。

「いいよ、父さん多分居ないし」
「っしゃ、じゃあ久島ん家に行くかぁ!」
「いいの、本当に?」
「まぁ多分大丈夫」

 別に大丈夫だよな、まだ遅くないし、今日はキックボクシングの練習もオフだし。遅くなるだろうからと、僕は友達を引き連れて自宅へ向かった。

「父さんが居ないって、まるで母親が居ないみたいなーー」
「おまっ!?」
「ちょっ!!」

 本田くんが、何やら聞こうとして来て、伊佐美くんと山城くんが止めた。何で止めたんだろう?僕は本田くんが聞こうとした話を、別に気にしてもいないから答える事にした。

「うん、母さん居ないよ?6歳の時にかな、浮気して離婚して出て行ったんだ」
「「「え?」」」
「何か、スーツ着た男連れて来て、あなたの母さん辞めるからって言って……それから音信不通なんだよね」

 それを聞いた3人は固まってしまった。

 何を驚いているのだろうか……別に、浮気で両親が別れる事例なんて、世界でも珍しくない事だと思うけど。

「お、えっと……あの、ごめん……久島」
「えっ?いや……別に気にしてはないーー」

 本田くんが、何だか申し訳なさそうにしてるけど……別に気にしていないからと、僕はそう答えた。

 その時だった。

「秀くん?今帰りかぁ?」

 いつも聞いている声を聞いて、僕は振り返った。そこに居たのは、安全帯を身につけ、ヘルムを傍らに携えて……それなりに着古した白色に落ち辛い汚れが刻まれた作業着を着た、髭を生やした男が居た。

「父さん、ただいま」

 そう、その髭面の男が、僕の父親である……『久島忠道(くしまただみち)』であった。
 
「……なんやぁ、秀くんその子ら、友達け?」
「あ、うん……一緒に帰ってたんだ」

 父さんの人相は中々に怖い、それは血気盛んで危険な仕事の『鍛冶鳶』という業界に揉まれて続けて来たからかもしれない、髭を剃ったら少しはマシなのだけど、それはそれで童顔になって職場の同僚達に揶揄われるため、あまり剃らないのだ。

 そんな父さんの眼光に射られたか、3人は後退し……父さんは口を開いた。

「言いよ!?えっ!?秀くん友達できたん!?おま、家に菓子とかジュースとか今無いで!?用意しとらんど!?」

 父は、僕に友達ができていた事を知らず……それを知って慌ててなぜ言わなかったのかと詰めて来た。

「いや、その……父さん大切な仕事でしばらく遅かったし……言う機会が」
「ああ、せやったな……ワシも悪いわ…….はぁー……そうか、秀くんに友達がなぁ……」

 そんな父は、面食らった伊佐美くん達を見て笑って、言い放った。

「ごめんなぁ、家に何も今呼べる準備しとらんけぇ……ちょう今から夕飯どや?焼肉奢ったるで?」

 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

妹の仇 兄の復讐

MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。 僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。 その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...