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四章 体育祭編
9.恒例、大玉合戦!上
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自分から、敵を助ける為に降りるとは、言い訳もできないなと僕は溜息を吐いて、結局落ちてしまった事を悔いた。
「えっと……」
「あ……」
そういえば助けて抱えたままだったなと、僕は抱えた彼女をゆっくり立たせて……顔を見て気付いた。
「あ」
「さ、さっきぶりだねぇ、ありがとう助けてくれて」
さっき、売店でぶつかって尻餅つけてしまった、ホスト髪ヤンキーの彼女らしき、赤みかかった茶髪の白ギャルが力なく笑った。
「いや、頭ぶつけなくてよかった……首やる角度だったし」
僕が吐いた言葉は事実だった……しかし欲を言えば、いい匂いしたし柔らかかったなぁと煩悩が湧き立つが、それを抑えて彼女から離れた。
それと同時に、試合終了のピストルが鳴り響く。騎馬戦は結局……紅組が最後の1組生き残り勝利したのである。
「前哨戦は俺の勝ちだ、久島」
近場にいた松原から、そう吐かれた僕はイラッとなって松原に首を向けた。あくまでチームの勝利で僕に倒されていただろうがと、クラスメイトか先輩か知らないが、一人大怪我しかけて出る言葉がそれかよと、僕は呆れた。
とは言え……せめて勝つ姿はクラスに示すべきだったかと、何も松原くんには語らず僕は、騎馬として頑張ってくれた伊佐美くん達と退場した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……申し訳無い」
負けたし、勝ちを放棄した行動を取った。いかに自分がリスペクトをと言ったが、これは責任取って罵倒の一つは受ける気だった。頭を下げた僕に、声をまずかけて来たのは前池だった。
「いや、いいよ、よくやったよ久島……最後のはそりゃ、やるよな?勝ちよりも大切なものあるよ……」
最後に落ちた瞬間、競う相手でも助けた事を、咎めず同情してくれた。
「俺らもライナーとかデッドボールとか、危ない行為は頭下げるし、怪我させたら気分良くないしな、うん、よくやったよ」
小山くんにも、スポーツや競い合う中でも、そのあたりは超えたらダメな、見過ごしたらダメな事はあると擁護の言葉を貰った。何だか言ってもらって助かった自分も居る……対して『いいカッコしたかったんだろ?』『女だから助けたんだろ?』とか、その辺りは全く言ってこなかった事が、自身もだいぶ捻くれた人間だから、そう考えてしまうのやもしれないと、左右に頭を振った。
いがみあったり、否定したりするけど……やはり彼らもスポーツマン、その辺りは真摯に見てくれているのかと、僕は安堵した。
「そういや……これで得点どうなったんや?結構端々の勝率はあった思うけど」
さて、これで最後の競技まで来たが得点はどうなったんだと伊佐美くんが、本部席のボードを見た……今の騎馬戦で紅組にポイントが入る、その数字を見た瞬間、放送も行われた。
『えー、みなさん……お疲れ様です、今年の体育祭、色々試行的なことをやってみましたが、皆様の熱意も伝わって来ました、今騎馬戦のポイントを紅組に加算したところ……5年ぶりの同点で、最後の競技となった模様です!!』
岩水生徒会長の放送で、まさかの同点が告げられた。5年ぶりらしいこの展開、つまりは『最後の競技』によって、今年の紅白戦の勝敗が決まるという事になった。
『それでは、紅白男子揃って全員!入場口に集合してもらいましょうか、波浜高校体育祭!最後の競技にして恒例のプログラム!!男子全員による全面対決!!大玉合戦を始めよう!!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
波浜高校には、いつからかこの競技が体育祭最後の競技として根付き、恒例種目となり、今に至るまで廃止をされた事は無かった。
最終演目『大玉合戦』
これは、波浜高校1年から3年の全学年男子のみが参加する種目!
ルールは簡単。
グラウンドのトラック中心の線に置かれた三つの大玉、それを敵陣目掛け押し込んでいくという競技。また、禁止された行為もあり、以下は禁止されている,
・相手チームへの暴行(発見次第即時失格)
・相手チームへの肉体接触による妨害行為(例として、服を引っ張る、相手を押す、足を引っ掛ける等)
・故意な人壁による進行ルート妨害(大玉を押す行為を妨げてはならない、必ず大玉を押し合う形にならねばならない)
基本ルールは得点制として、まだ逆転のチャンスを与え消化試合や諦めを防止したりするが……今年のように同点となった場合は『競技ルールが変わる』という特別ルールが存在する!
特別ルールは単純!より相手陣地に多く玉を押し込めば勝利!そしてこの場合、過去の体育祭を振り返ると『同じ展開』が起こるという。
それが……最後の1玉の攻防!互いに確実に1つを入れあった結果、紅白の総力戦力比べになるという展開!
今年は勝てば割引券という商品がある以上、互いの組の男子達にその命運は掛かっている!!
入場口からゾロゾロと、品行方正とはまるで無縁と、危険なオーラを放ちながら続々とグラウンドに入場……金鉱を掘り当てた"ゴールドラッシュ"ならぬ"割引券"に群がる"割引券ラッシュ"
泣いて詫びても許さぬと、相手チームに対して冷酷非道に大玉を叩き込む精神が"強さ“だと信じている野蛮人達となった、波浜高校の男子達の姿がそこにはあった!
『さて、このまま開始と行きたいが、作戦時間を設けようじゃないか、5分後にカウントダウンを開始しよう、これで全てが決まる!各陣営しっかり作戦を立てて最後の戦いに挑んでくれ!』
盛り上げ方は分かっているらしい、岩水生徒会長の言葉によって、紅白両組の男子達が集まり、作戦会議は開かれた。
「えっと……」
「あ……」
そういえば助けて抱えたままだったなと、僕は抱えた彼女をゆっくり立たせて……顔を見て気付いた。
「あ」
「さ、さっきぶりだねぇ、ありがとう助けてくれて」
さっき、売店でぶつかって尻餅つけてしまった、ホスト髪ヤンキーの彼女らしき、赤みかかった茶髪の白ギャルが力なく笑った。
「いや、頭ぶつけなくてよかった……首やる角度だったし」
僕が吐いた言葉は事実だった……しかし欲を言えば、いい匂いしたし柔らかかったなぁと煩悩が湧き立つが、それを抑えて彼女から離れた。
それと同時に、試合終了のピストルが鳴り響く。騎馬戦は結局……紅組が最後の1組生き残り勝利したのである。
「前哨戦は俺の勝ちだ、久島」
近場にいた松原から、そう吐かれた僕はイラッとなって松原に首を向けた。あくまでチームの勝利で僕に倒されていただろうがと、クラスメイトか先輩か知らないが、一人大怪我しかけて出る言葉がそれかよと、僕は呆れた。
とは言え……せめて勝つ姿はクラスに示すべきだったかと、何も松原くんには語らず僕は、騎馬として頑張ってくれた伊佐美くん達と退場した。
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「……申し訳無い」
負けたし、勝ちを放棄した行動を取った。いかに自分がリスペクトをと言ったが、これは責任取って罵倒の一つは受ける気だった。頭を下げた僕に、声をまずかけて来たのは前池だった。
「いや、いいよ、よくやったよ久島……最後のはそりゃ、やるよな?勝ちよりも大切なものあるよ……」
最後に落ちた瞬間、競う相手でも助けた事を、咎めず同情してくれた。
「俺らもライナーとかデッドボールとか、危ない行為は頭下げるし、怪我させたら気分良くないしな、うん、よくやったよ」
小山くんにも、スポーツや競い合う中でも、そのあたりは超えたらダメな、見過ごしたらダメな事はあると擁護の言葉を貰った。何だか言ってもらって助かった自分も居る……対して『いいカッコしたかったんだろ?』『女だから助けたんだろ?』とか、その辺りは全く言ってこなかった事が、自身もだいぶ捻くれた人間だから、そう考えてしまうのやもしれないと、左右に頭を振った。
いがみあったり、否定したりするけど……やはり彼らもスポーツマン、その辺りは真摯に見てくれているのかと、僕は安堵した。
「そういや……これで得点どうなったんや?結構端々の勝率はあった思うけど」
さて、これで最後の競技まで来たが得点はどうなったんだと伊佐美くんが、本部席のボードを見た……今の騎馬戦で紅組にポイントが入る、その数字を見た瞬間、放送も行われた。
『えー、みなさん……お疲れ様です、今年の体育祭、色々試行的なことをやってみましたが、皆様の熱意も伝わって来ました、今騎馬戦のポイントを紅組に加算したところ……5年ぶりの同点で、最後の競技となった模様です!!』
岩水生徒会長の放送で、まさかの同点が告げられた。5年ぶりらしいこの展開、つまりは『最後の競技』によって、今年の紅白戦の勝敗が決まるという事になった。
『それでは、紅白男子揃って全員!入場口に集合してもらいましょうか、波浜高校体育祭!最後の競技にして恒例のプログラム!!男子全員による全面対決!!大玉合戦を始めよう!!』
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波浜高校には、いつからかこの競技が体育祭最後の競技として根付き、恒例種目となり、今に至るまで廃止をされた事は無かった。
最終演目『大玉合戦』
これは、波浜高校1年から3年の全学年男子のみが参加する種目!
ルールは簡単。
グラウンドのトラック中心の線に置かれた三つの大玉、それを敵陣目掛け押し込んでいくという競技。また、禁止された行為もあり、以下は禁止されている,
・相手チームへの暴行(発見次第即時失格)
・相手チームへの肉体接触による妨害行為(例として、服を引っ張る、相手を押す、足を引っ掛ける等)
・故意な人壁による進行ルート妨害(大玉を押す行為を妨げてはならない、必ず大玉を押し合う形にならねばならない)
基本ルールは得点制として、まだ逆転のチャンスを与え消化試合や諦めを防止したりするが……今年のように同点となった場合は『競技ルールが変わる』という特別ルールが存在する!
特別ルールは単純!より相手陣地に多く玉を押し込めば勝利!そしてこの場合、過去の体育祭を振り返ると『同じ展開』が起こるという。
それが……最後の1玉の攻防!互いに確実に1つを入れあった結果、紅白の総力戦力比べになるという展開!
今年は勝てば割引券という商品がある以上、互いの組の男子達にその命運は掛かっている!!
入場口からゾロゾロと、品行方正とはまるで無縁と、危険なオーラを放ちながら続々とグラウンドに入場……金鉱を掘り当てた"ゴールドラッシュ"ならぬ"割引券"に群がる"割引券ラッシュ"
泣いて詫びても許さぬと、相手チームに対して冷酷非道に大玉を叩き込む精神が"強さ“だと信じている野蛮人達となった、波浜高校の男子達の姿がそこにはあった!
『さて、このまま開始と行きたいが、作戦時間を設けようじゃないか、5分後にカウントダウンを開始しよう、これで全てが決まる!各陣営しっかり作戦を立てて最後の戦いに挑んでくれ!』
盛り上げ方は分かっているらしい、岩水生徒会長の言葉によって、紅白両組の男子達が集まり、作戦会議は開かれた。
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