間違いだらけの久島くん

魔根喪部荼毘座右衛門

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四章 体育祭編

エピローグ 夏が来る前

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 終わりよければ何とやら、とでも言うのだろうか。僕たち白組、つまり2組は今年の体育祭で最後の戦いを制して勝利した。

 2年2組からしたら最後にゴールを決めたのが山城雄一かよ!空気読めよ、お呼びじゃねえよ、とはならず……山城くんが決めたことを皆が喜び、胴上げまで始めた。

 そこにはやれ序列だの、カーストだのは、消えたまでとは言えないが、薄らいでいたと思える。勝てば嬉しい、立役者には偶然だろうが賛辞をと、なかなか重たいはずの山城くんの身体が宙を舞った。

 さて……閉会式となり、優勝旗の授与が行われたりして、個人賞が発表された。独断と偏見で決まるこの賞、最優秀賞に選ばれたのは……ペイントボールで活躍し、1人で全員を殲滅した紅組1年生だった。見ていたが、こいつだけやってた様な動きをしていた。

 次いで珍プレー賞は……なんとまた紅組、障害物競走のビーンズロシアンルーレットで、5回ハズレを引いた3年生は、二度とやりたくありませんとコメントを残した。

 好プレー賞は複数人ピックアップされ、ここでようやく白組からも呼ばれた、しかも……呼ばれたのは、山城くんと僕だった。

 大玉合戦のフィニッシャーとして、山城くん。そして僕は、騎馬戦の時に相手を助けた事が評価されたのだった。

 白組の勝利者賞の割引券とは別に、個人賞として贈呈されたのは……お高いシャーペンと芯、消しゴムに大学ノート……文房具セットだった。

 なんだろう、微妙に助かるから喜んでいいかわからなかった。

 こうして、波瀾万丈となった体育祭は終わりを告げた。

 秋山千才の息がかかり、参加への意欲は上がったが、進行に難あり、怪我人も出たため全てよしとまで言えない。

 けど…々結局不参加を考えていた僕や、伊佐美くん、山城くん、本田くん……そして文化部派閥も、誰もが必死に頑張って参加していたあたり、楽しかったと言わざるを得ない。

 完璧でなくとも、彼なりに考えて提案して盛り上げようとしていたのだなと、僕は参加できなかっと秋山に、ほんの少しだけだが悪い声をしたなと罪悪感を抱くのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「で、添木になったのか……大丈夫中村くん?」
「正直怪我の功名だわ、試合が無くなったから気楽だよ、長い時間かけて療養できるから」

 後日、リレーで転倒して救護部へ移送した中村くんは……右足に包帯と添木により固定を施し、松葉杖を突いて登校してきて教室はざわついた。

「驚いたのがさ、添木するって言われて、木のイメージしてたのが……なんか今、水を入れたら固まるグラスファイバーってやつで自由な形に固められるんだなって、医療の進歩すげぇな」
「あ、僕もそれだった、アニメならギブスって石膏だからイメージ引っ張られてたんだよね、じゃあ巻き直しとかしてお風呂も入れる程度なんだね」

 まさかの最近のギブス事情で、互いに話の花が咲くとは思わなかった。中村くんは靭帯が炎症している為、大事を取り数週間は固定して生活、部活への参加もそれからとなった。

 浦和くんの件もあり、夏の大会が無い為、療養に専念できるのは怪我の功名……とは流石に僕が言ったら詰められる為、言わない様に僕は気を付けた。

 さて、体育祭も終わった。6月も半ば……これから待っているのは高校2年の夏シーズンだ、進路の為に動き出す者は1年から動いているけど、大半はこの夏から動き、将来を見据える大切な時間でもある。

 僕に取っても、重要な日が迫りつつある。

 今年の『BOFユースファイナル8』そのトーナメント抽選会は7月だ。

 今年は優勝して、契約権を取り、久瀬くんに追いついて必ずまた戦うと決めた。

 そんな夏が迫る中で……僕も、伊佐美くんも、山城くんも、本田くんも……様々な決断や、選択をする事になるのであった。
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