龍は暁に啼く

高嶺 蒼

文字の大きさ
201 / 248
第二部 旅のはじまり~小さな娼婦編~

小さな娼婦編 第五十八話

しおりを挟む
 お風呂は、色々な意味でめくるめく感じだった。
 なんともいえない気だるさを感じながら、ベッドに倒れ込む。疲れているが心地よく、雷砂は満足げな吐息を漏らして目を閉じた。

 そんな雷砂を追うように、誰かがその横に潜り込んでくる。
 いう事を聞かない瞼を何とかこじ開けて片目を開けて見れば、銀色の髪の美しい歌姫の顔が間近に見えた。
 微笑むリインが雷砂の頬を撫で、髪を撫でる。
 そんな優しい愛撫に目を細め、雷砂も口元に笑みを刻んだ。
 近付いてきた唇を目を閉じて受け止め、そのままうとうとと眠りかけてしまう。

 だがすぐに、きしりとベッドが沈んで雷砂の意識を覚醒させた。
 ふわりと香るのはセイラの匂い。
 唇にそっと触れた柔らかな感触に、目を開けようと思うのだが、思うようにいかない。
 手を伸ばすと、セイラが手をつないでくれた。それに対抗するように、もう片方の手もぎゅっと握られる。
 ただそれだけのことで、心が温かくなるから不思議だ。
 雷砂はふにゃりと口元を緩め、少しずつ眠りの淵へと降りていく。

 そんな雷砂を、そっくりな顔の、だが雰囲気はまるで違う双子の姉妹が優しく見守る。三人で眠るにはいささか狭いベッドで、寄り添いあいながら。
 大好きな人に挟まれて眠りながら、雷砂は夢を見る。
 それはずっと昔に忘れてしまった過去の夢。懐かしくて愛おしく、だけど少しだけ切ないーそんな夢だった。






 明るい光に意識が覚醒して目を開ける。自分は誰かの腕に抱かれている様だった。
 セイラかな?そう思って見上げれば、上から見下ろすのはどこかで見たことのあるような、そんな顔の女性。
 黒い髪は肩の辺りで切りそろえられ、ちょっと勝ち気そうな瞳の美しい人。
 なんだかとても懐かしくて、気がつけば涙をこぼしていた。

 彼女は驚いたような顔をして、少し焦ったように雷砂の体を優しく揺らす。
 それでも泣きやまない雷砂を前に、困った顔をする彼女の瞳の色が、黒でないことに気づく。
 見ようによっては黒にも見える、深い深い青。夜の闇を凝縮したようなその瞳の色には、見覚えがあった。


 (……オレの目と、同じ色だ)


 そう思った瞬間、場面が切り替わった。


 気がつけば、雷砂は壁に捕まるようにして立っていた。
 妙に体がぐらぐらして安定せず、雷砂は必死に壁にしがみつく。
 そんな雷砂を、遠くから見守る人がいる。さっきの女性だ。

 彼女は離れた場所から雷砂を呼ぶ。こっちよ、いらっしゃい、と。
 雷砂はどうしても、彼女の傍に行きたかった。
 だから、必死になって歩き始める。
 壁から手を離すのは怖かったが、それよりも彼女の傍に行きたい気持ちの方がずっと強かったから。

 一生懸命にバランスをとりながら歩く。
 一歩、また一歩と足を踏み出して。少しずつ近づく彼女の姿をすがるように見つめながら。

 近付いてくる雷砂に向かって、彼女は微笑み手を伸ばす。
 その手に少しでも早く触れようと手を伸ばしてバランスを崩した雷砂を、彼女は掬うようにして抱き上げた。よく頑張ったわね、雷砂、とそんな優しい言葉と共に。
 こみ上げる幸福感に胸が詰まる。
 セイラを想う気持ちとも、リインを想う気持ちとも少し違う。
 あえて言うなら、シンファへ抱く気持ちが一番近いのかもしれない。そう思った瞬間、はっとした。

 自分と同じ瞳を持つ人。この人はー。

 そこまで考えた瞬間、再び場面が切り替わった。


 照りつける太陽に青い空。どこまでも続く砂浜に打ち寄せる波。
 雷砂は、見覚えのない光景を前に、それが海と言うものだと、なぜか知っている。

 歩くのがだいぶ達者になった雷砂は何の躊躇もなく砂浜に足を踏み出し、素足の裏を焼く熱さに泣き声をあげてその人にすがる。
 その人は笑いながら雷砂を抱き上げ、涙で濡れた頬を優しく手の平でぬぐってくれた。
 自分と同じ色の瞳をじっと見ながら思う。この人の傍にいれば安心だ、と。
 何の根拠もなく、だが心からそう信じていた。


 「おかあたん?」


 舌足らずな言葉で問えば、


 「なぁに?」


 と優しい声を返してくれる。
 自分の母親はこんな顔をしていたのか、そんな事を思いながら、また泣きたくなって母の胸にすがる。

 この人と自分はどうして別れなくてはならなかったのだろう。
 この人の傍に、もっとずっといたかったのに、と思いながら。
 自分はこんなにも母が大好きで、自分には母しかいなかったのに。

 こみ上げる思いのまま、涙をこぼす。
 そんな雷砂を、母は優しく見守っていた。

 そしてまた場面は移り変わる。


 気がつけば、雷砂は家の中に一人で座っていた。
 いや、一人じゃない。傍らに誰かいる。
 そっと見上げると、黒い髪の15歳くらいの女の子が、雷砂に寄り添うように座っていた。
 彼女は泣きそうな顔ですぐ目の前の閉じられたままのふすまを睨んでいた。
 そんな彼女の顔を見上げながら、少しだけお母さんに似ている、と雷砂は思う。
 親族、なのだろうか。自分の姉というには、少し年が離れている気がするのだ。

 そんな事を思っていると、不意にふすまが開いた。
 出てきたのは老人と言ってもいいくらい年齢の白衣を着た男。
 少女ははじかれたように立ち上がり、その男に向かってなにか問いかけている。
 彼は柔和そうな顔を曇らせたまま首を左右に振り、ちらりと雷砂を見た。とてもいたましいものを見るように。

 少女が雷砂を振り返る。
 悲しそうな瞳が雷砂を見つめ、彼女は小さな背中をそっと押した。ふすまの向こうへ行くよう、促すように。
 促されるまま、薄暗い、部屋の中へ入る。

 そこに、お母さんがいた。

 布団にくるまり、目を閉じたまま動かない母の姿に、心臓が締め付けられた。
 駆け寄り、枕元へペタンと座る。
 震える手を伸ばして少しやせてしまった頬に触れると、暖かな体温が伝わってきて泣きたいくらいにほっとした。
 彼女が生きている、そのことが嬉しくて。
 だが、動かない。目を開けてくれない。


 「おかあ、さん?」


 母を、呼ぶ。
 すると、すぅっと彼女の目が開いて、その目が枕元の雷砂を認めて優しく細められた。


 「雷砂」


 かすれた声で、雷砂の名前を紡ぐ。
 彼女は微笑み、雷砂の頬を撫でた。


 「愛してるわ、雷砂」


 彼女の言葉に頷く。
 こぼれそうな涙を、必死にこらえて。泣けば母が悲しむと、そのことを痛いくらいに分かっていたから。


 「あなたが生まれてきてくれて、私は幸せだった。そのことだけは、忘れないで……」


 頬に当てられた母の手を両手で必死に掴む。彼女がいってしまわないように。
 だけど、別れの時は唐突に訪れた。

 彼女の瞳がふっと虚空を見つめ、光を失う。そしてその手から力が抜け落ちた。
 支えきれず、落ちていく彼女の手を目で追う。

 雷砂の頬を涙が伝い落ち、母の手の行方を見届けるのと同時に、意識が覚醒した。
 その瞬間、アレサとその母親を、何であんなに助けてあげたいと思ったのか、その理由が分かった気がした。





 朝日の中、目を開けると目の前にはセイラの顔。
 驚いたように見上げれば、彼女は心配そうに雷砂を見つめ返す。

 その手が優しく雷砂の頬を撫でる。雷砂の頬を伝う涙を拭うように。
 夢の中の母親と、同じ様な仕草で。
 雷砂は彼女の手を頬に押し当てて、目を閉じた。

 そして覚醒の瞬間に、頭に浮かんだ事を反芻する。
 自分がなぜ、あれ程までにアレサとその母親の事に関わったのか、という事。
 もちろん、一度関わったものを途中で見捨てられないという思いもあっただろう。
 だが、それより何より、きっと雷砂は見たかったのだ。
 病気の母親の病が治り、アレサと母親が幸せに暮らす、その姿を。
 自分が得られなかった幸せを、見てみたいと思った。無意識の内に。


 「悲しい、夢をみたの?」


 その問いかけに、雷砂は微笑み首を振る。悲しいだけの夢じゃなかった。むしろー


 「幸せな、夢だったよ。泣きたくなるくらい、幸せな」

 「そう」


 セイラは微笑み、雷砂の頬を両手で包み込む。
 愛しくて仕方がないと、その手の平から伝わる彼女の想いに、雷砂は目の眩むような幸せを感じた。
 そんな雷砂を見つめ、


 「なら、良かったわ」


 言いながら、雷砂の唇に優しいキス。
 そしてそのまま雷砂を抱きしめた。


 「まだ、起きるには早いわ。もう少しだけ、眠りましょう?」


 彼女の言葉に促され、目を、閉じる。
 彼女の体温は暖かで、その胸の鼓動は穏やかだ。
 セイラの命の音に耳をすませながら、徐々に眠りに落ちていく。
 眠りに落ちる瞬間、背中にぴとりとくっついてきた柔らかな感触に雷砂は唇を柔らかくカーブさせた。

 前と後ろから伝わる、大切な人のぬくもり。
 それを感じながら眠りにつく、それはとても幸せで得難い時間だった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!! 2巻2月9日電子版解禁です!! 紙は9日に配送開始、12日ごろに発売となります。 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...