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ひのま

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全員集合 その3

2年B組の仲間たち

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 こんにちは、私は鮎川菜々子です。
 最近色々あってコンタクトに変えました。

「あれ、菜々子ちゃんコンタクトにしたんだ!」
「そうなんだよね」

 この子は近藤瑠那ちゃん。隣のクラスには双子の妹、恵那ちゃんがいます。

「その節は、悪かった」

 この声は、大河原くんのお友達、佐久間謙信くん。
 どうやら水泳部らしいです。
 大河原くんと付き合うまで、縁もゆかりもなく、全く興味を持っていませんでした。

「あれ、菜々子ちゃんコンタクトにしたんだあ!」
「え、恵那ちゃん」
「今同じこと私も聞いたから!」
「うっそだあー!」
「嘘じゃないよ」

 この人は榎本和樹くん。えーっと、たしか瑠那ちゃんの彼氏さんだった気がします。和樹くんも双子で、隣のクラスに弟の和也くんがいます。さっきもこんな説明をした気が・・・

「おい!和樹!何してんだよ!いくら恵那が瑠那チャンに似てるからってよ」
「何もしてねーよ!」

 ああ、なんだか騒がしくなってきた・・・

「謙信くん!」
「先輩!なんでわざわざきたんすか!」

 このお方は・・・桜庭美雨、先輩でしたっけ?謙信の先輩にあたる人です。美人です。

「芳川さん・・・来てる?」
「今日はまだっすね」

 芳川さん・・・芳川円さん。
 ここ1週間ほど学校に来ていない。
 明るい人というイメージがあったので、不登校ではないだろう、ただの体調不良だろうと勝手に思っていました。

「そっか・・・あの、謙信くん」
「なんすか?芳川の見舞いだったら心配いらねっすよ」
「え?」
「芳川!」

 芳川さんが桜庭先輩がいる扉ではなく、もう1つの扉から入ってきた。
 顔色が悪く、少し痩せたような気がする。

「芳川さんっ!!」
「せ、先輩」
「ごめんね、ごめんね、辛かったよね」
「どうして謝るんですか?私、先輩のおかげで、助かったんです」
「でも、芳川さんが私の身代わりになったせいで・・・」
「先輩!私、実は、モグモグハンバーガーの副店長になったんですよ?」
「へっ?」
「すごくないですか?高校2年生でですよ?
 本当に辛くて、壊れてしまいそうだったけど、先輩はもっと辛い思いを長い間していたんだなと思うと、私は何も言えませんし、先輩は悪くないです!
 それに、あの店長は警察行きになりました!
 副店長として、もっといい店にしてみせますから!
 だから、また、来てくださいね!」

 よくわからないけど、絆が深まりあったようです。
 でも、お願いです。私の席の周りで騒がないでほしいです。ここから離れたいけど、私の席の周りは人がいっぱいで、抜け出せない。

「鮎川!」
「お、大河原くん!」

 この人が、私の・・・か、彼氏の、大河原充くん。
 この人のおかげでコンタクトに変えられたんです。

「今日も可愛いよ!」

 そんな破廉恥な発言したら、もっと騒がしくなってしまうじゃないですか!
 案の定、周りの人たちは私のことを見ています。
 
「ば、ばかなんですかっ?」
「バカだけど、本気!」
「う、うるさいです!」
「顔真っ赤だけど?」
「そんなことありません!」
「鮎川、可愛いよ?」
「し、知りません!!!」




 おしまい
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