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ひのま

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木下 ちひろ Kinoshita Chihiro 引きこもり隊一号

第6話

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「お、お母さん。ちょっと丁寧に説明お願いします」
「私がヤマトくんを雇ったの。
 ズボラなあんたなら絶対にあのチラシを見て頼むだろうと思って、事前にお願いしていたのよ」
「そ、そうなんだ・・・」
「ネットで調べたときに、あんたの好きなゲームのキャラクターに似てる人がいると思ってね」
「は、はあ???」
「あんたよく、電源消さないで寝るでしょう?電気代バカなんないからこっそり消しに行ってたの」
「最悪!!!!!」
「でもおかげでヤマトくんに会えたじゃない」
「~~っ、そうだけど」

 なんかムカつく。色々ムカつく。しかもスバルはキャラクターじゃなくてプレイヤーだし!

「というわけで失礼します」
「ありがとうね、ヤマトくん」

 そういってお母さんは家へと入る。
 あたしは事態がまだ読み込めなくて突っ立ったままだ。

「チヒロ」
「な、なに?」

 手をぐいっと引っ張られ、キスされる。

「な、なあーーーっ!」
「もう、仕事終わったから俺の好きなようにしていいよね?」
「す、スバル?」
「俺は大和だから」
「もう、ややこしいなあ!!!」
「ほら、行くよ!」

 どこに行くのーーーっ?
 だるだるの部屋着のまま、手を引っ張られどこかへと連れて行かれる。

「入って?」

 歩いて15分くらい、あるアパートに着く。
 その一室、苗字のところには浦岡の文字。
 ここ大和んちかい!!!
 おそるおそる中に入る。大和は素早くパソコンを開く。

「えっ?」

 その画面にはこれからレベル100特典が始まる様子が映し出されていた。

『ヤマト待ってたよ』

 ヘッドホンをつけていないので本体から声が響く。
 あたしの声より高くて、あたしよりも可愛い。
 あたしからできた分身のはずなのになあ。

「さあ、俺たちも始めよう」
「へっ?」
「何でもこい屋は代金の代わりにお願いを1つ聞いてもらうんだよ?」
「そんなの、聞いてないっ!!」
「じゃあ、やめる?」
「やめます!」
「じゃあ見ててよ?」

 そういうと大和は特典を楽しみ始めた。
 ズボンを脱いで、自分のものを出して、自ら扱き出した。

『ヤマト早くしてよ、あたし待てないんだけど!』
「わかったよ、今、準備してるから」

 このやりとりを見て、あたしもなんかおかしくなってきた。
 画面の中のあたしにそっくりな人が、裸で、大和とやりとりをしている。大和を求めている。

「チヒロ、感じてる?」
「へっ?」

 あたしが呼ばれたのかと思って思わず反応してしまった。
 ヤマトの目線には画面の中のあたししか見えていないみたい。
 なんか、ムカつく。

「まず先っぽだけ、挿れるよ?」
『いいよ、きてっ、ヤマト』
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