ひさめんとこ

zausu

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1章~ひさめんとこは大家族~

その5

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うーん、僕…僕かぁ…
えっと、名前は前に言った通り氷雨紫園です。13歳で、閑柯お姉ちゃんと同じ中学校に通っています。えっと、えっと、特徴…長所……うーん、無いや。……どうしよ

「え?紫園君の特徴?」
「うん。自分では思い付かなくて」
「うーん、そうねぇ…」
考えています。
「あ、にらめっこが強いって言うのは?」
「いくらなんでも地味すぎない?」

「紫園の特徴?いきなりどうしたんだ?」
「ちょっとね」
「?まぁいいか。特徴…特徴か…」
考えています。
「ポーカーとかは強そうだよな」
「二人揃って」

どうやら二人が言いたかったのは感情があまり無い。と言うことらしいです。そう考えてみると…

事例その① クラスメイトからのくすぐり攻撃
「食らえー!」
「…」←無表情
「…あれ?」
「何?」←無表情
「え、あ、いや。なんでもない…」

事例その② ホラー映画鑑賞中
“ジョン起きろ!ゾンビだ!ゾンビが来たぞ!”
「……」←無表情
“そんな!目を覚ましてくれよジョン!”
「……」←無表情
“ジョン!ジョン!ジョォォォン!!”
「……」←無表情
“ああ!ジョンがゾンビになってしまった!”
「……」←無表情
“何てこった!ジョンが…いや、ジョンだったゾンビが俺の喉に鋭い牙を突き立てて食いついている!”  
「……」←無表情
“俺が薄れ行く意識の中で見たものは…死神だ!虎視眈々と俺の魂を狙っている!白い歯をちらつかせながら…”
「……」←無表情
“死神は俺の魂を抜き取るとニヤリと笑った。そして空へ向かって、ホップ ステップ ジャンプ…カールイス!と空へ飛び立った。俺の意識はそこで途絶えた……”
「……」←無表情
“ざんねん!わたしのぼうけんはここでおわってしまった!”
「……」←無表情
「お、見終わったのか。どうだった?」
「すごく面白かった」←無表情「特にジョンが死んだところは泣きそうになったよ」←無表情

事例その③ 突然窓が割れた
パリーン!
「…」←無表情
「だ、大丈夫か!?」
「刺さった」←無表情
「うわ、以外と重症!」

確かに少しだけ感情が少ないかもしれません。

バーン!
玄関から大きな音がしました。

たっだいまー!! 
ただいま… 
お、二人ともお帰り。手、ちゃんと洗えよ。
はーい!
う、うん…

どうやら遊びに行っていた弟と妹が帰ってきたみたいです。
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