ひさめんとこ

zausu

文字の大きさ
上 下
58 / 131
7章 ~ひさめんとこと外国人さん~

その6

しおりを挟む
prrrr…prrrr…
「はい」
『お、和真、お前ら何処にいるんダ?』
「なんだ、拓実か。家にいるけど、バイトは?」
『何とか終わったゾ。わかった。家にいるんだナ?迎えに行く』
「ん、おっけ」
電話を切って携帯を置く。
「ふぁ…眠…」
ガチャ
「カズマ!見てくだサイ!」
メグが勢いよく入ってきた。
「おー?メグちゃん髪切った?」
「ハイ!アヤカさん、凄くお上手デスヨ!」
「そうだね。ところでなんでメイド服?」
「アヤカさんがコレの方がかわいいって言ってくれマシタ!…変デスカ?」
「いや…似合ってるよ」
「ホントデスカ!?嬉しいデス!」
そう言ってメグは歩いて和馬の目の前まで来た。
「どうしたの?」
「…エイッ!」
膝の上に座ってきた。
「…何?」
「…ダメデスカ?」
「ダメだよ…友達のお嫁さんにオーバーにスキンシップ出来るほど度胸がなくてねぇ…」
「…似てるんデス」
メグが顔を伏せる。
「え?」
「…カズマさんはパパに似てるんデス…」
「…パパは…今は?」
「私が小さいときに死んでしまいマシタ…」
「…」
和馬は一つため息をついて、
「わかったよ…少しだけね」
「…」
悲しそうな顔から一気に嬉しそうな顔になる。
「ありがとうございマス!」
膝の上から上目使いで満面の笑みを向けてくる。
「う、うん…」
「あの、一つ頼んでも良いデスカ?」
「何?」
「えっと…パパって呼んで良いですか?」
「…まぁ別にいいけど」
「ホントデスカ!?ありがとうパパ!」
「…ちょっとごめん」
和馬はメグの腕をいきなり掴んだ。
「え、な、何デスカ?」
「…あのバカ…」
「え…?」
ガチャ
「おー、遅れたナー!メグを迎えに…」
膝の上に座っているメグ。そしてメグの腕を掴んでいる和馬。
「ちょっと話をしようか?」
「…誤解だ」
「タクミ!バイトお疲れデス!」
膝の上を飛び降りて拓実に向かっていく。
「あぁ。ありがとうナ」
その頭を撫でる。
「~♪」
「拓実」
「なんダ?」
「少し…話をしたい」
「…何のダ」
「その子の事」
「…わかった」
「メグちゃん。悪いけど、少し話をしたいから、何処かに行って待っててくれるかな」
「は、ハイ…」
しおりを挟む

処理中です...