ひさめんとこ

番外～ひさめんとこのちょっとした小話～

その出会いは運命的とは言いがたく

「はぁ…」
ため息をはく。
『国に帰りたい』
心の中はそれで一杯だった。炊きたてのご飯が恋しい。毎日パン食なのはもう飽きた。 
そんなことを考えながら心ここに有らずで歩いていたため目の前から来ていた人物には気がつかなかった。
ドンッ
「痛っ」
「oh！」
目の前の少女を見る。年齢はよくわからないがなかなか若い。いや外国人は実年齢より老けて見えることもあるから実際はもっと若いのかもしれない。
「sorry,Are there any injuries ?（悪かった。怪我はないか？）」
「It is calm , Are not you hurt ?（大丈夫でデス、あなたは怪我してないデスカ？）」
「no problem（問題ない）」
「Well it was good（それならよかったデス）」
「Really. So goodbye（そうか、それじゃあさよなら）」
「Waiting ！ I dropped the wallet…？（まって！財布を落としましたよ…？）」
財布をまじまじと見ている。
「Me return it（それを返してくれ）」
「…にほんじん…？」
「は？」
「アナタ日本人デスカ！？すごいデス！本物を初めて見たデス！」
突然日本語で喋り出す。
「は、はぁ…」
「本物はテレビで見るよりカッコいいですね！刀は持ってないデスカ？」
「持ってない…ていうか持ってても持ち歩かない…ていうか日本語うまいね」
「ハイ！いっぱいお勉強したデス！」
「そうか、それじゃあ俺はコレで…」
「あ！待ってくだサイ！」
「…なに？」
「ワタシはメグって言うデス！アナタは何ですか？」
「…タクミ」
「それじゃあタクミさん！メアド教えてデス！日本人の友達デス！」
「あぁ、はいはい」
数分後…
「それではー！また会いマショー！！」
「はいはい…」

「って言うのが出会いだナ。わかったか？和馬」
「…何て言うか…地味だな」
「おい！地味ってなんダ！？」
「いや…病院行って偶然出会ったとかそういうさ…色々あるだろ…街角でぶつかるとか」
「うるさいな！過去は変えられないんだヨ！」