ひさめんとこ

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9章 ~ひさめんとこと京都からの使者、スパイ(ry~

その6

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「…で、滞在すると決めたはいいけど…どうしよう…」
「止まる場所もなにもないっすからねー」
「姉さん泊めて」
「ダメっす」
「…チッ、じゃあそっちの人たちは?」
矛先がこっちに向いた。
「私の家では泊めることはできません…」
「うちも無理だよ。部屋がないもん」
「…」「…」「…」「…」
「皆してこっち見るのやめて」
「だって最後の一人だし」 
「まぁ聞いてみるけど」
「本当に?ありがとう!姉さんの友人1号!」
「…泊めるの止めようかな」
「え!?なんで!?」
   
「えー…家デカっ…」
「ただいま」
「お帰り紫園。…随分と団体だな」
「…え?」
「あ、バレた」
「あ…すみません…押し負けました…」
「やっほー!」
「…なんでいるの?」
「気にしちゃいけないっすよ!」
「…まぁいいや」
「まぁとりあえず上がれよ。…紅茶足りるかな…」
小声でなにか呟きながら台所へ向かった。 
「それじゃお邪魔しまーっす」
「姉さん…本当に変わったね…」
「…失礼します」
「邪魔しますっと」
「…皆テンション高い…」
「あら?みんなそろってどうしたの?」
「綾香さんこんちゃっす!」
「はい。こんにちは」
「じつは今日はここに泊まろうと思って、ダメっすか?」
「え、なにそれ聞いてない」
「え?」
「止めるっていったのは土筆くんだけだよ?」
「固いこと言うな!」
「そうねぇ…あまりに突然だから…布団足りるかしら…」
「あ、こいつ床で寝ます」
「ちょ!姉さん無茶ぶりしないで!」
「あら、あなた素敵な人形持ってるのね、ちょっと見せて」
「え、は、はい」
当然手放せないので必然的に顔が近づく状況になる。
「これ手作りね、すごい上手だわ。縫い目がすごくしっかりしてる…でもちょっと古くなってるわね…」
「あはは…もう5年ですから…」
「あら、とても大事にしてるのね」
「はい。そりゃあもう」
というよりないとマズイ。
「とりあえずわかったわ。夜ご飯も用意しないとね」
「有り難うございまっす!」
鼻唄を歌いながら台所へ。
「賑やかな家だね…」
「しおちんの家はいつもこうっすよ」
「…そんな仲良さげにあだ名で呼んで…」
「…頼みますから寝てる最中に暴走とかはやめてくださいね…」
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