出会った英雄と僕 〜眠れる獅子が目覚めたら〜

和泉茉樹

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第二章 地下探索喧騒編

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 博物館に行くのは、久しぶりだった。
 かなり前に一度、参加したユニットの仲間で、連れ立って行ったことがある。確かその時は、武具の展示だったはずだ。そういうのが好きな男がいた。
 その時のことは覚えていないけど、今日と同じくらいの人出だったはずだ。
 受付で入場券を買い、中に入る。僕とシリュウの二人である。
 展示を眺めるのは、目的のための偽装。実際の目的の一つは、学芸員に地下空間があるか、尋ねることになる。実に簡単な目的である。
 どう考えても、博物館の地下に全く無関係の僕たちが入り込めるわけがない。
 そうなると、方法は限られてくる。最も有力なのは、忍び込むこと。そのための偵察が、目的のもう一つになる。
 しかし忍び込むという点は、見たところ、厳重な警戒と監視といってよかった。建物を新しくしたこともあるんだろうけど、魔法と魔術を組み合わせた装置が、展示物を守っているのがわかった。地下空間も同じように警戒されているはず。
 僕はもう諦め始めていた。たとえ地下空間があったとしても、どうやって入れるというのか。
 二人で展示を見て進むうちに、学芸員がいた。シリュウが僕をけしかけるように肘を押す。どうも会話は僕の仕事になりつつある。
 声をかけると、学芸員の女性が笑顔を向けてくる。
「この博物館に、地下があると聞いたのですが、見せていただけますか?」
「警備会社の方ですか?」
 予想外の返事だった。というか、僕は剣を腰に下げているだけで、平服だ。
「そう見えますか?」
「違うのですか、私服の警備員も多いので」
 学芸員がすぐに立ち直った。
「一般の方には、公開されておりません」
 礼を言って、シリュウの元へ戻り、並んで歩いた。さすがに博物館の中は静かなので、シリュウも無言だ。そのままお土産売り場で買い物をして、博物館を出た。
「何がわかった?」
 お土産のポストカードを眺めつつ、シリュウが尋ねてきた。
「忍び込むのは難しい。ただ、手段はある」
「どういう手段だ?」
「警備員に化ける」
 シリュウは無言で、ポストカードをしまうと、博物館の方へ戻り出す。予定外だったので、僕も慌てて後を追った。
「建物の周りを確認しよう」
 そう言って、黙ってシリュウは歩き続ける。二人で博物館の周りを一周、歩く。博物館の周りには塀がないため、おおよそ建物に沿って歩くことができた。
 玄関に戻ってきてもシリュウは何も言わず、今度こそ、離れていく。
「出入り口は二箇所だ」
 またポストカードを眺めつつ、シリュウが低い声で言う。
「玄関と、裏手の職員の入り口。しかし裏手の方には警備員の詰所がある」
 そういうことを確認したかったらしい。
「どちらが楽だと思う?」
「それは、当然、裏手だ。たぶん、職員だけが入れる場所に、地下への入り口がある。そして裏手は、警備員をやり過ごせば、入り口がある可能性の高い区域に素早く入れる」
「……こうなると、泥棒をしなくちゃいけない、ってこと?」
 さすがに躊躇いを感じる僕とは違い、シリュウはあっけらかんと言う。
「本来の持ち主のものになるんだ、少しもおかしくあるまい」
 実に豪胆である。
 その日はシリュウと議論を重ねた。翌日も、また議論。その次も議論。
 こうして情報収集と作戦立案は密になり、いよいよ計画がはっきりしてきた。
 そして新月の夜、僕たちはこっそりと出かけて行った。
 博物館に近い場所で、黒装束に着替える。そして博物館の裏手へ近づいていった。警備員の詰所を伺い、警備員が雑誌をめくっているのを確認。これも事前に調べた通り、警備員の緊張はゆるゆるに緩んでいる。
 詰所を無事にやり過ごし、博物館の裏口の鍵を開ける段階になる。
 これは僕にはできないけど、シリュウが、やってみせる、と胸を張ったので、任せるしかない。今日までに二回、実演させたけど、器用に錠を開けていた。
 裏口の扉の鍵穴に、シリュウが何かを差し込み、いじり始める。
 開かない。
 ……まだ開かない。
 ……それでも開かない。
 さすがに僕が声をあげそうになった時、かすかに音がした。
「開いた?」
「道具が折れた」
 ……最悪だな。
「出直そう」
「いや、行ける。十秒、待ってくれ」
 僕は判断に迷い、返事を待たずにシリュウが手を動かし始めたので、僕は十秒、待つことにした。頭の中で数字を数えるが、視線は警備員の詰所の明かりを凝視してしまい、そこに気を取られてカウントできなかった。
 ただ、カチンという澄んだ音はちゃんと聞こえた。
「開いた。行くぞ」
 シリュウがそっとドアを開け、中に滑り込む。僕も後について行った。
 中は薄暗い。用意していた眼鏡をかける。魔術を組み込んで作られた、暗視眼鏡。ぼんやりと周囲の輪郭が見える。
 入ってすぐ、事務室がある。そこに二人で入り、壁にある配電盤をシリュウがいじる。
「今度は失敗しないでよ」
「わかっている」
 スイッチが四つほど、次々と切られた。警備と監視装置を解除する操作だ。
 僕は反射的に背後を確認した。事務所の窓の向こうに、警備員の詰所が見える。動きはない。本当にヒヤヒヤする。
「行こう。時間はないぞ」
 肩を叩かれて、振り向くと、シリュウは事務所の壁の館内図を指差している。薄暗いが、暗視眼鏡のお陰で、どうにか見えた。
「ここだと思う。ついでに都合がいいことに、この図もある」
 シリュウが指差すところを確認すると、階段がある。そこを指した指が、横に滑ると、館内図の横に、地下空間の図があるのだ。
 心が躍りそうになるが、あまりの緊張で、うやむやになる。
 シリュウがじっと動きを止めてから、行くぞ、と移動し始めた。二人で通路に出る。
 全く迷いを見せずに、むしろ堂々とシリュウが進み、階段はすぐに見つかった。やはり躊躇わずにシリュウはそれを下りた。徐々に空気がひんやりしてくる。
 地下に降りた。
「明かりは点けないでね」
 なんとなく釘を刺したけど、返事はない。
 博物館の地下は教会の地下とはまるで違う。近代的で、明かりをつければ昼間と同じ明るさになるように光源が配置されている。建物を立て直す時、その点は相当、手を入れたんだろう。
 僕は暗い中に浮かび上がる輪郭で周囲を確認するのに手一杯なのに、シリュウは迷わずに進む。そして一つのドアを開けると、手振りでそこを示す。覗きこむと、さらに地下への階段があった。この階段はさっき降りてきた階段と違い、古い石組みである。
 事前の調査で、この地下がそれほど重要ではないとわかっていた。
 唯一にして最大の要点は、地下にあるさらに地下への通路である。
 少しだけ、慎重にシリュウが歩き出した。
 今回は、携帯光源を持ってきていない。その代わりの暗視眼鏡だけど、あまりに暗いと、何も見えなくなる。
 二人で階段を降りていくと闇がいや増してくる。
 ちょっと恐怖を感じる。
 階段は緩く螺旋を描き、どんどん下へ続いていく。上の空間の気温が管理されていたことが、わかった。空気が冷えている。
 階段が終わった時、シリュウが周囲を伺って、じりじりと前に出る、その背中の向こうに、僕にも地下空間の全体が見えてきた。
 まるで神殿だった。シリュウの封印されていた空間に似ているが、規模が違う。
 壁に巨大な石像が並んで立ち、天井を支える柱も、複雑な彫刻が施されている。
 神秘的であり、威圧的でもある。
 僕はあまりシリュウから離れないようにして、先へ進む。
 何かが僕の足に触れた。視線を向けると、棒のようだ。棒?
 拾い上げている。ザラザラした感触、軽くて、脆そうだ。
 どこか、生臭い。
 瞬間、それが何か気づいた。放り出すこともできず、手にしたままシリュウに声をかけていた。
「シリュウ」
「ん?」
「骨が落ちている。人骨」
 聞こえなかったように、周囲を見ているシリュウ。
「やばい気がするけど」
「俺もそう思っているし、実際に、そういう事態になったようだ」
 シリュウが僕を突き飛ばす。突然のことに、僕は床に転がった。何かを押しつぶす感触。乾いている何かに僕は突っ込んだようだ。
 吐き気を催す匂いが僕を包んだことで、自分が倒れこんだのが何か、わからなくもない。でも、知らないふりをしよう。
 シリュウを怒鳴りつけたかったけど、そのシリュウの姿が消えている。
 何かが走る音がする。
 シリュウの足音。
 そして、もう一つ!
「アルス! 明かりをどうにかしろ! やりづらい!」
 立ち上がりながら、懐からマッチを取り出す。擦って火をつけ、たった今まで自分が倒れこんでいたところへ放り投げた。
 最初は小さな火だったものが大きくなっていく。
 明かりの中で、やっぱり僕が突っ込んだのがミイラだとわかった。燃えろ、燃えろ。
 火が大きくなり、空間の全体がうっすらと見通せるようになった。
 シリュウが何かと組み合っている。最初、体格のいい人間に見えた。
 でも実際は人間じゃない。石と砂で構成されている、人のようなものだ。
 魔法によって作られた、魔法生物だった。
 今、シリュウは剣を持っていない。ここに忍び込むのに邪魔になる、というので持ってこなかったのだ。
 ただ、そんな心配も無駄だったらしい。
 シリュウが魔法生物に強引な足払い、これは回避される。
 直後、鮮やかな投げで背中から魔法生物は床に叩きつけられていた。足技は牽制だったのだ。
 倒れた魔法生物に襲いかかったシリュウが、その首を無理矢理に捻りとる。
 立ち上がったシリュウが、こちらに向いた。
「シリュウ!」
 僕の悲鳴は、やや遅かった。
 跳ねるように立ち上がった首のない魔法生物がその手刀をシリュウに突き出している。
 僕の見ている前で、血が飛んだ。
 一瞬で振り返ったシリュウの肩を魔法生物の一撃がかすめ、代わりにシリュウの強烈な打撃がその胸を破壊している。あまりの強さにもんどり打って倒れた魔法生物を組み敷いて、シリュウはその内部の部品をあらかた引っ張り出した。
 さすがにこれでは、魔法生物も活動できない。
 今度こそ敵を倒したシリュウが歩み寄ってくる。僕も周囲を確認して、近づく。
 二人でもう一度、周りを見回した。明かりの中に、無数の人骨やミイラが倒れているのがわかった。
「どういう人の死体だろう?」
「盗賊だろう」
 二人でゆっくり、近くに倒れているミイラに歩み寄る。軽く確認すると、もうボロ切れと化しているが、まさに僕たちが着ているような、黒い服だ。そういうのはいつの時代も変わらないらしい。
「時期的に一年は過ぎているな」
 一年、というシリュウの見立てに、僕は首を捻った。
「盗賊の間では、何かがここにある、と認識されているんだろうよ」シリュウがミイラから離れて、空間の奥へ向かう。「連中が博物館からここに忍び込んだわけがない。どこかに通路がある」
 シリュウはそういう言いながら、まだ奥へ向かう。僕は唾を飲みつつ、後を追うしかない。
 徐々に空気が悪くなってきた気がする。炎はまだ盛大に燃えていて、明るいものの、異臭が凄い。
 空間の奥に、祭壇のようなものが作られていた。一段高いところにあるそれは、石がいくつも積み立てられていて、石像の魔獣が四体、囲んでいる。
「む」
 ピタリ、とシリュウが足を止める。ぎょっとして僕も動きを止める。
「あそこに」シリュウが指差す。「剣がある」
 僕は目をこらす。確かに、祭壇の前に、剣が置かれている。ただはっきりとは見えない。
 それに、祭壇を囲んでいる装飾は、いかにも罠だ。
「どうするつもり?」
 シリュウは返事をする前に祭壇を囲む一段高い場所へ、踏み出した。
「無視できまい」
 何も起こらない、わけがない。
 四体の石像が、軋むような音ともに動いた。動いたと言っても、ただ首をひねったくらいだ。
 最初、ただのそういうお遊びかと思った。
 シリュウが突然に跳ねたので、それに気づいた。石像はその場を動かないが、視線を巡らせ、その視線が熱線になっている。シリュウが回避するが、わずかに遅れ、服からかすかに煙が上がった。
 四体の石像が連携して、八本の熱線が複雑に飛び交い、シリュウを祭壇へ近づけないようにする。
 僕は簒奪者の力で盾を引用できる。それで防げるはずだ。
 援護しようとすると、シリュウが「待て!」と一喝した。思わず、足を止める。
「離れていろ!」
 シリュウの真剣な声に、僕は歯噛みする。
 手伝えるはずだ。
 ただ、シリュウの邪魔になることも理解できる。
 今、シリュウは熱線の網をかいくぐるようにして、祭壇へ少しずつ近づいている。
 でも僕には見えるんだ。石像の配置と、祭壇の位置、そして剣の位置。
 剣を手に取る瞬間、どうしても熱線を回避できないように、作られている。
 シリュウの体のそこここを熱線が掠める。服が焼ける匂いがやけに強く感じた。
 僕は願うしかない。
 果たして、シリュウは熱線をついに回避し続け、剣に触れられる位置になった。
 ただ、剣に手を伸ばせない。祭壇の前で、シリュウは命がけの舞踏を続けている。
 なんで、剣を掴まないんだ?
 僕の中の疑問は、そのうち、じれったさに変わってきた。
 シリュウの手が一瞬、動いた、と思った時にはその手に剣が握られていた。
 そして僕の最初の見立てとそっくり同じ事態になった。
 石像の首が同時に動き、シリュウを照準、熱線が疾る。
 瞬間、強烈な閃光。そして破砕音。光が強烈すぎて、僕は視力が麻痺していた。
 目を擦り、どうにか自体を確認しようとする。
「やれやれ」
 すぐ目の前で、シリュウの声がした。どこか疲れたような声。
 視界がぼんやりと回復してくる。
 シリュウがそこに立っていた。手には剣を握っている。
「どうやって……」
 僕は祭壇の方を見る。石像は全部、粉砕されている。
「どうやって、最後の熱線を回避したの? まさか、予測していた?」
「途中で気づいた。一本ずつを回避しているうちにな」
「予測できてもかわせないように攻撃したはずだけど?」
 シリュウが持っていた剣をこちらに見せる。その刀身に黒い煤のようなものがついている。
「剣で弾き返した。こいつもなかなか、悪くない」
 僕はもう一度、シリュウの剣を見た。
「毀れの剣、ではないよね?」
「違うな。中級か、上級の悪魔が使う魔剣だろう。頑丈だな。そして軽い」
 なんだ、ハズレか。
 二人で祭壇を離れる。
「祭壇の意味って、なんだったんだろう?」
「たぶん、この剣が崇める対象なんだろうな。ただ、別の意味もあるかもしれない」
 別の意味?
「誰かを招き寄せるため、かな。盗賊は元より、俺たちみたいな」
「まだ何かあるってこと?」
 どうかな、とシリュウが呟く。
 僕たちは警戒しながら、周囲をきっちりと確認した。
 その結果、通路が三本、あるとわかった。シリュウは空間の真ん中に立って、その三本をそれぞれに眺めた。僕は地図を頭に浮かべることに必死だ。一番の難点は、ここに降りる階段が螺旋状だったことで、それで方向感覚が信用できなかったこと。
 ミイラはおおよそ燃え尽きたが、空気は格段に悪くなった。匂いは耐えられても、息苦しさは問題。
 シリュウにどこを選ぶか、決めてもらうことにした。
「こっちだ」
 シリュウはすぐに応じた。何か、考えがあるのか。
「直感だよ」
 何も考えはないようだった……。
 二人で一本の通路を先へ進む。綺麗な石畳である。埃が積もっているが、乱れている様子はない。僕は暗視眼鏡越しにそれを見ていた。
 通路は徐々に細くなり、人が一人通れる程度になった。シリュウはわかずかに頭を下げていた。もし何かに襲われたら、窮屈だけど、逆に見れば、相手も逃げ場がない。
 そういうことを想定しているのか、どうなのか。
 果てしなく続くように伸びていく。先が見えない。分岐点もないし、光景に変化もない。
 もちろん、終わりがないわけではない。たどり着いた通路の終点は階段だった。降りてきた時と同じような螺旋階段。
 歩いた距離が長かったから、この階段の上は博物館ではない。
「変なところに出ないといいけど……」
 思わず呟く僕に、シリュウが「地上に戻れるか心配しろよ」と応じた。確かに、それもある。
 このまま地下で迷子になるとは、ゾッとしない。
 階段を上り始める。この階段も人が歩いた様子はない。螺旋状の階段を上るうちにまた方向感覚がずれる。やれやれ。
 シリュウが立ち止まったので、僕も立ち止まった。前を伺おうとする。
 階段の上は、壁だった。石積みの壁である。
「もしかして、行き止まり? そんなこと、ある?」
「あるわけない」
 答えながら、シリュウが壁の左右を手探りしている。
 ピンときた。同じような場面があった。
「他の石より小さい石だ。それを押し込む」
 教会の地下で、あの縦穴に落ちた時の教訓と言えた。
「一つじゃないと思う。たぶん、二つ」
 壁を確認したシリュウが、「これか」とつぶやき、まず一つ、石を押し込み、もう一つ、押し込んだ。
 何かが回転する音がして、目の前の石の壁が横にずれた。
「経験者には敵わんな」
 そう言いながら、シリュウが外に出た。僕も続く。
 また地下空間だ。
「あれ?」
 どこか、見覚えがある。ここは……。
「教会の地下の地下?」
 もう一度、確認んするけど、間違いない。
 そこはシリュウが封印されていた場所だった。シリュウも何度か自分で確認しているので、そうとわかっただろう。
「これで地上に帰れるな」シリュウがどこか安堵したように言う。「リッカに叱られそうだが」
 僕は背後を振り返り、今、開いたばかりのドアを閉めた。壁からはみ出していた石を押し込んだら、普通に閉まった。
「開けっ放しでもいいだろう?」
「ゾンビを焼いた匂いが嫌なんだ」
「そんな匂い、俺たちに十分、染み付いているさ」
 二人でその部屋を出て、例の縦穴に戻った。そこから上に上がり、更に階段で地上に出た。地上と言っても、教会の中である。
 もう朝日が周囲を照らしていて、二人で暗視眼鏡を外して、太陽の光に目を細めた。ものすごく長い時間、地下にいたような気がする。
「な!」
 声の方を見ると、尼僧服を着たアリが立っていた。唖然として、こちらを見ている。
「どうも、おはようございます」
 シリュウが声をかける。
 挨拶する方が、よほど恐ろしかっただろう。
 何せ、二人の男が突然、教会の中にいて、しかも黒装束、片方は抜き身の剣を提げていて、さらにいれば二人も悪臭を放っている。
 恐ろしくないわけがない。
「えっと、シスター・リッカは----」
「お呼びします!」
 アリが小走りで逃げるように離れていった。
 というか、逃げた。
 ちょっと、悲しい。






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