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相容れぬものなのかの
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ヴォルフとふくは倒れている【それ】の元に行く。
身体がひび割れていき、もうすぐ消滅するのがわかる。
「……なん……のようだよ……」
「お主は……何故わしらの世界を……襲ったのじゃ……?」
「ははは……今更そんな事聞きたいのかよ……」
ふくは頷くと【それ】はふくの本気度を感じ取り、大きく息を吐く。
「簡単だよ……地上の世界で失敗したやつは大穴に落とされる……。地上で実験に成功した【新人類】はこの大穴に生き残っている奴がいると知っている。だから、【命令】を与えて処分ついでに抹殺をさせるんだよ。失敗作も不適合者も同じようにね……」
「……敵対せねば、わしらはお前たちを受け入れたはずじゃ。わしらは見ての通りケモノの形をしておる。多少形が悪くても、それはそれと受け入れるのじゃ……」
「無理だね……」
諦めたように【それ】はそっぽ向く。
足が崩れ始め、胴体までチリとなって消えていく。
魔障石が原動力となっているのは間違いなく、それを失えば死ぬ。
たとえ、心臓が残っていたとしても魔力で体を維持していたということがわかる。
「【命令】は強い呪文の力で、誰も逆らえない……。逆らえてもその場で処刑されたり、記憶を消されるからどうにもならないんだよ……」
「……そうか。しょうがないのじゃな……」
「敵なのにそんな顔するなよ……」
ふくは綱彦の【命令】の魔法を知っていたのもあり、地上のニンゲンの辛さを共感していた。
「お前は話をしてくれたのじゃ。これ以上敵対しても仕方がないであろう?……そうじゃ、お主の名は何という?」
「……失敗作だから名前はない」
そう言うと全身がチリとなって消えていった。
ふくは吹き飛んでいく【それ】を見つめ、涙を流す。
「お前は最期までよく戦った……。わしら神を相手にして一歩も引かぬ実力者じゃ……。安らかに眠るが良い……」
ふくは手を合わせて【それ】を弔った。
ヴォルフもふくに倣い、頭を下げて目を閉じて弔う。
ふくは顔を上げると急に力を失ったのかヴォルフから滑り落ちる。
地面に転がる前にヴォルフは獣人の姿になりふくを抱き抱える。
「【梓弓】は凄い魔力を食うようじゃ……。すまぬが【みすりる】とやらを採ってきてくれぬだろうか?」
「うん。任せて?」
ヴォルフはふくを背負い、【ミスリル】を採掘するため最下層へ降りていく。
水色のような緑色のような角度によって見える色が変わる不思議な金属の塊を爪で岩を削り取り採取する。
狼の姿になった時と同じくらいの重さの【ミスリル】を採取し、ふくを背負い、坑道を歩いていく。
地上に出ると洞窟の陰鬱とした空気から解放され、新鮮な空気だが、凍土の冷気を一緒に吸い込み、懐かしさを覚える。
「……冷気が心地よいのじゃ」
「目を覚ました……!大丈夫?」
「うむ……少し寝たおかげで魔力が戻ってきておるようじゃ……」
「軽く走って帰るから捕まれる?」
「嫌じゃ」
ふくはヴォルフの首にあるモフモフな毛並みに顔を埋める。
立ち止まっていてはしょうがないのでゆっくりと歩いて帰ることにする。
「帰ったら、わしを抱いておくれ」
「……うん。もちろんだよ」
ふくはそのまま再び眠りについたのであった。
ヴォルフは尻尾を嬉しそうに振り、ゆっくりと歩いて国に向かうのであった。
§
セイラとポチお、ガルドは魔道具を製作していた。
【太陽】の力を増幅させるための魔道具だが、前代未聞の事であり、作業は難航していた。
遠隔で力を増幅させるというところが誰にも想像できず、魔法を送ろうにも指示が出せずに困る。
「ヴォルフ様のために頑張ってますが……流石にわからないことが多すぎて……どうすればいいですか?」
「……【太陽】はヴォルフ様の心臓であるのは間違いないのだろうが、どうやってアレは光っているのだろうか……」
「こっちの【太陽】とオイラたちの太陽と一緒か分からないけど、地上世界の太陽は、何だっけ……?水素が爆発してる的な奴じゃなかったかな……?」
「違うよ?水素の原子が強い重力の力で核融合して莫大なエネルギーを放出しているんだよ?」
ポチおの雑な説明をにゃんが正しい説明に直す。
ライラはにゃんの説明に目をまん丸にしながら首を傾げる。
「スイソ?ゲンシ?カクユウゴウ??」
地底世界組には地上世界の科学というものが分からなかった。
厳密には言葉の壁で伝わらなかったのであるが、にゃんはどのように説明しようか悩む。
「水素っていう目に見えない小さい玉っコロが空気の中にいっぱいあってな、それをなんかいい感じにがっちゃんこさせると別の物体に変わるんだ。その時に出てくるエネルギーがすごい量で大爆発を起こしているのが太陽ってわけ。それをこの世界の【太陽】で再現しているなら何かをぶつけてるはずなんだけど……よく分からないんだよね……」
「……雑だけど、大体合ってるよ」
「なんか、地上って凄いことしてるのね……」
「してないよ?自然に起こっている偶然の産物だよ。むしろこの世界で同じようなものを再現させてる方が凄いと思うよ?」
ライラはポチおとにゃんに世界のことを褒められて嬉しい気分になる。
セイラは二人の地上の太陽の説明を聞き、一つの仮説に辿り着く。
「空気中に存在する魔力の残滓【魔素】を利用している可能性があるかもしれないわね……」
ぼそっと呟いたつもりだが、その場にいた全員に聴こえており、全員がセイラに向けて指を指し、セイラは慌てるのであった。
身体がひび割れていき、もうすぐ消滅するのがわかる。
「……なん……のようだよ……」
「お主は……何故わしらの世界を……襲ったのじゃ……?」
「ははは……今更そんな事聞きたいのかよ……」
ふくは頷くと【それ】はふくの本気度を感じ取り、大きく息を吐く。
「簡単だよ……地上の世界で失敗したやつは大穴に落とされる……。地上で実験に成功した【新人類】はこの大穴に生き残っている奴がいると知っている。だから、【命令】を与えて処分ついでに抹殺をさせるんだよ。失敗作も不適合者も同じようにね……」
「……敵対せねば、わしらはお前たちを受け入れたはずじゃ。わしらは見ての通りケモノの形をしておる。多少形が悪くても、それはそれと受け入れるのじゃ……」
「無理だね……」
諦めたように【それ】はそっぽ向く。
足が崩れ始め、胴体までチリとなって消えていく。
魔障石が原動力となっているのは間違いなく、それを失えば死ぬ。
たとえ、心臓が残っていたとしても魔力で体を維持していたということがわかる。
「【命令】は強い呪文の力で、誰も逆らえない……。逆らえてもその場で処刑されたり、記憶を消されるからどうにもならないんだよ……」
「……そうか。しょうがないのじゃな……」
「敵なのにそんな顔するなよ……」
ふくは綱彦の【命令】の魔法を知っていたのもあり、地上のニンゲンの辛さを共感していた。
「お前は話をしてくれたのじゃ。これ以上敵対しても仕方がないであろう?……そうじゃ、お主の名は何という?」
「……失敗作だから名前はない」
そう言うと全身がチリとなって消えていった。
ふくは吹き飛んでいく【それ】を見つめ、涙を流す。
「お前は最期までよく戦った……。わしら神を相手にして一歩も引かぬ実力者じゃ……。安らかに眠るが良い……」
ふくは手を合わせて【それ】を弔った。
ヴォルフもふくに倣い、頭を下げて目を閉じて弔う。
ふくは顔を上げると急に力を失ったのかヴォルフから滑り落ちる。
地面に転がる前にヴォルフは獣人の姿になりふくを抱き抱える。
「【梓弓】は凄い魔力を食うようじゃ……。すまぬが【みすりる】とやらを採ってきてくれぬだろうか?」
「うん。任せて?」
ヴォルフはふくを背負い、【ミスリル】を採掘するため最下層へ降りていく。
水色のような緑色のような角度によって見える色が変わる不思議な金属の塊を爪で岩を削り取り採取する。
狼の姿になった時と同じくらいの重さの【ミスリル】を採取し、ふくを背負い、坑道を歩いていく。
地上に出ると洞窟の陰鬱とした空気から解放され、新鮮な空気だが、凍土の冷気を一緒に吸い込み、懐かしさを覚える。
「……冷気が心地よいのじゃ」
「目を覚ました……!大丈夫?」
「うむ……少し寝たおかげで魔力が戻ってきておるようじゃ……」
「軽く走って帰るから捕まれる?」
「嫌じゃ」
ふくはヴォルフの首にあるモフモフな毛並みに顔を埋める。
立ち止まっていてはしょうがないのでゆっくりと歩いて帰ることにする。
「帰ったら、わしを抱いておくれ」
「……うん。もちろんだよ」
ふくはそのまま再び眠りについたのであった。
ヴォルフは尻尾を嬉しそうに振り、ゆっくりと歩いて国に向かうのであった。
§
セイラとポチお、ガルドは魔道具を製作していた。
【太陽】の力を増幅させるための魔道具だが、前代未聞の事であり、作業は難航していた。
遠隔で力を増幅させるというところが誰にも想像できず、魔法を送ろうにも指示が出せずに困る。
「ヴォルフ様のために頑張ってますが……流石にわからないことが多すぎて……どうすればいいですか?」
「……【太陽】はヴォルフ様の心臓であるのは間違いないのだろうが、どうやってアレは光っているのだろうか……」
「こっちの【太陽】とオイラたちの太陽と一緒か分からないけど、地上世界の太陽は、何だっけ……?水素が爆発してる的な奴じゃなかったかな……?」
「違うよ?水素の原子が強い重力の力で核融合して莫大なエネルギーを放出しているんだよ?」
ポチおの雑な説明をにゃんが正しい説明に直す。
ライラはにゃんの説明に目をまん丸にしながら首を傾げる。
「スイソ?ゲンシ?カクユウゴウ??」
地底世界組には地上世界の科学というものが分からなかった。
厳密には言葉の壁で伝わらなかったのであるが、にゃんはどのように説明しようか悩む。
「水素っていう目に見えない小さい玉っコロが空気の中にいっぱいあってな、それをなんかいい感じにがっちゃんこさせると別の物体に変わるんだ。その時に出てくるエネルギーがすごい量で大爆発を起こしているのが太陽ってわけ。それをこの世界の【太陽】で再現しているなら何かをぶつけてるはずなんだけど……よく分からないんだよね……」
「……雑だけど、大体合ってるよ」
「なんか、地上って凄いことしてるのね……」
「してないよ?自然に起こっている偶然の産物だよ。むしろこの世界で同じようなものを再現させてる方が凄いと思うよ?」
ライラはポチおとにゃんに世界のことを褒められて嬉しい気分になる。
セイラは二人の地上の太陽の説明を聞き、一つの仮説に辿り着く。
「空気中に存在する魔力の残滓【魔素】を利用している可能性があるかもしれないわね……」
ぼそっと呟いたつもりだが、その場にいた全員に聴こえており、全員がセイラに向けて指を指し、セイラは慌てるのであった。
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