キツネの女王

わんころ餅

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たくさん貰ったのじゃ

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「うう……寒いのじゃ……」

 結局お風呂を作るのに【水】と【火】の魔道具が必要であり、その二つを作るには時間がかかるため、お風呂を諦めることになった。
 目も覚めるような冷たさの水を浴びて、身体の汚れを落とすことにしたふく。
 もちろん寒波の影響で氷点下に近い冷水である為、予め焚き火を準備して水を浴びる。
 七本になった尾は束ねれば一つの尾にすることもでき、見た目を野狐のままにすることが出来たという特技を身につける。
 勿論そんな事はする必要がないのだが、体毛についた水分が飛ぶまでは何もすることがなく、尻尾遊びに勤しんでいたのだった。
 相変わらず、天日干しされた布団のようなニオイをするヴォルフがそばにやって来て、その差にショックを受けそっぽ向く。
 ヴォルフは獣人の姿になって焚き火の火を維持するために木材を投入していく。
 火が安定したところでヴォルフはふくの隣に座り、狼の姿になって体と尻尾をふくに巻きつけて温める。

「……お前の毛は暖かいの……」

「いいでしょ?オレの身体はふくのものだから好きに暖まって良いんだよ?」

「……そうじゃの。……ぼるふ。国に帰ったのじゃ。早うわしを抱いてくれぬか?」

「……うん。」

 再び獣人の姿となり、ヴォルフはふくを押し倒す。
 口を合わせ、お互い舌を絡ませていく。
 抱きしめ、絡みつき、身体を貪る。
 ふくの大きな胸はとても柔らかく、思わず噛みついてしまう。
 甘噛みの強さなので傷をつける事は無いのだが、ふくの顔が痛みで歪む。
 大きな膨らみをベロンと下から上へと舐め上げる。

「あ……ぅ……」

 良い所に触れたのか、身体をビクッと跳ねさせる。
 何度も続けていくと、ふくの呼吸が乱れ始め、目がトロンとなり、恍惚そうな表情となる。
 完全に覆い被さり、そのまま二人は一つとなったのである。
 そして、お互いの魔力はだんだんと溶け合い、混ざり、新しい色へと変わっていく。
 しかし、それは今の二人が気づく事は無いのであった。


 夜も更け、焚き火の火もなくなり、周囲は闇に包まれる。
 その中、二人の獣人はお互いを抱きしめ合い眠りに就いていた。
 仰向けに倒れているヴォルフの上にふくがうつ伏せで乗っていた。
 致したまま眠ったのであろう、二人は繋がったままであり、眠るというより気絶に近いものであるのだろう。
 風こそ吹いていないが、冷気を感じ、ふくは目を覚ます。
 ブルっと身震いし、起き上がると下腹部に違和感を感じ、よく目を凝らしてみると繋がっていることがわかる。
 そして、余程肌を重ねたのであろうか、下腹が少し膨らんで見えた。
 恥ずかしくなって、抜こうとするがどうにも引っかかって抜けなくなっていた。
 無理やり抜こうとすると、痛みが伴い、力が抜ける。
 どうにもならず頭を抱えていると、異変を察知したヴォルフが目を覚ます。

「ふく……?どうしたの……?」

「お、お前のが……わしから……ぬ、抜けぬのじゃ……」

「え……?」

 ヴォルフが身体を起こし、上に乗っているふくを落とさないように抱きしめる。
 そして、状況を察した。
 ヴォルフは申し訳なさそうな顔をしてふくに現状を突きつける。

「ごめん……まだ、出切っていないみたいだ……。もう少ししてもいい?」

「ま、ま、まだするのかの……?見るのじゃ。わしの腹はぼるふでいっぱいなのじゃ……。あ……!う、動くでない……っ!」

 結局、抜けるようになるまで再開し、朝になってしまったのである。

 
 息を切らし、明るくなった空を見上げるふく。
 無事に抜け、栓となっていたものが無くなり、下腹部の膨らみは解消される。
 苦しくなくなったのではあるが、ふくは少し寂しそうな表情を浮かべていた。
 狼の姿に戻ったヴォルフに、乗っていたふくは眠っているヴォルフの身体を撫でる。

「わしは何度、気をやれば気が済んだのじゃ……?……しかし、良かったのじゃ……。……身体の変化はどうじゃろうかの?」

 ふくは先ず尻尾を確認する。
 なぜ尻尾を確認するかというと、書庫で出会ったキツネは九本の尾を持っていた。
 そして、前回の時に尾が増えていたということを覚えていたから。
 ふくは指を指して尾の本数を数えていく。

「ひ……ふ……み……よ……い……む……な……や……九つ……。わしも……尾が九本になって神に近付いてしまったのかの……」

 魔法になった書庫の狐を思い出し、ふくは目を瞑る。
 再び狐に出会うことを願って……。

 §

 目を開けると書庫の前に立っていたふく。
 そして、会いたかった狐と出会う。

「お主は……!……お前様のおかげで危機を乗り切ることができたのじゃ……。礼を言う」

「【梓弓】を尾が七本の時に扱えるとは思わなんだ。ここは知っての通り其方の頭の中にある魔法の空間だ。大抵の事は何でもできる場所だ。ここでなら【梓弓】が扱えても、現実ではそう甘くはないと思うのだが……どうしてできたと思う?」

「……少なくともわし一人の力ではないの」

 狐は想定外の回答だったのか目をまん丸にしていた。

「……驚いた。お前なら自分の力だと誇示すると思っていたが……。どう言う心境なのか?」

「……わしがそんなに傲慢な者に見えるのかの?」

「そうだな。淑やかでは無いとは思っている」

「失礼なヤツじゃ。お前こそ、自身が魔法になって思い上がっておるのではないのかの?しっかり魔物から侵入を防がねば護りの魔法なんぞ役に立たぬであろう?」

「……」

 狐は図星だったのか言葉を詰まらせて黙り込む。
 ふくは勝ち誇ったような表情を浮かべていると、狐が睨みつけながら口を開く。

「まだ、全てが終わったわけではないのだぞ?むしろ、これからだ」
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