【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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幼少時代。

ミザーリ。

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 あたいはミザーリ。年は…内緒だ。
 あたいはコリント王国の火の民サラマンダー自治領の出身の軽戦士にして斥候。薬師としての修行も積んでいる。
火の民サラマンダーは炎の精霊の力を備えた種族と言われ、長命で戦闘に長けた能力を持つものがほとんどだ。種族の特徴として暗闇でも戦える『赤外線視覚インフラビジョン』を持ち、『爬虫類の尻尾』を備えている。ちなみに女性の尻尾を見せるのは配偶者だけだ。気をつけてくれ。
 あたいが十歳になった時、おふくろが私に話があると言って二人きりで話をした。火の民サラマンダーは女系家族だから家を継いでくれという話かと思ったが違った。あたいには使命があると言う。生まれた時に神託があり、いずれ尊い方の従者になるという話だった。話半分で聞いてたら怒られた。目が真剣だった。
 「信じるかは信じないかはあなた次第よ」と言われたのだが、あたいは信じる事にした。次の日から槍の達人であるおふくろと斥候である親父に教えを乞い、修行を始めた。そんな生活を10年送った後、おふくろと親父に合格点をもらいあたいは自治領を出て傭兵をしながら国を放浪した。あちこちの隊商に雇われて護衛任務をしたり、またどこかの紛争に参加したりと面白おかしく傭兵稼業を続ける日々。でもどこかで虚しさを感じていた。自分の居場所はここではないと思ってしまうし、いつも自分の主人となる方がどこかそこら辺の路地裏にでもいるんじゃないかと探してしまうんだ。あたいはそんな自分に呆れ果て、疲れてしまっていた。ここで酒の一杯でも呑めればよかったのだがあいにくあたいたち火の民サラマンダーは酒に弱い種族的特徴があるのさ。
 だから王国内をぐるり一周回った後、自治領の自分の里に戻りあたいは数年間そこにひき籠った。だが心はここにあらずって感じだった。おふくろと親父は健在で、里のみんなは変わらずそこに居る。だけども自分の居場所はここではない、と強く感じていた。
 そんなある日、傭兵時代のお得意様である商会から手紙が届いた。もう傭兵ではないのに、なんて思って封を切り手紙を読むとあたいを商会で雇いたいという内容だった。給金は悪くない。だが何故私なのか意味がわからなかった。
 手紙を燃やして忘れてしまおうと思った。だけども気になって捨てられない。あたいの心が踊っている。そこに行け、と叫んでいる。
 思い余っておふくろに相談したら、火の民サラマンダー祈祷師シャーマンの所に連れてかれた。祈祷師シャーマンはそれは天啓だと言った。それで心が決まった。あたいはあたいの装備を久しぶりに引っ張り出し、旅装を整え里を出た。心があたいを駆り立て、急げと言っていた。
 最初の街についてすぐあたいは傭兵時代の蓄えで走竜ランドラゴンを買った。夜通し走り、仮眠をとりながら500キロを走破し、あたいはルステインに辿り着いた。
 ルステインに着いてすぐ、走竜ランドラゴンは売っぱらった。あたいにはもう必要ないと思ったからね。そして依頼主の元に向かった。
 依頼人の商会長に会ってもピンと来なかったが天啓を信じ、あたいは商会員になった。商会の建物に入ると懐かしい雰囲気がする。ここがあたいの居場所って感じがするのだ。
 同僚になるであろう男に色々と案内されている時、幼子がとことこと近寄ってきた。あたいは自分の紹介をする。その瞳を見た瞬間、あたいの心に電流が走った。ああ、このお方か。これがあたいの愛すべき主か。

 あたいは惚れっぽくはない。けどその瞬間あたいはその方に惚れた。

 その後雇い主からその方に起こった事を聞き、息子を守ってくれ、と頼まれた。否が応もない。あたいは二つ返事で了承した。
 横にいる為に必要な礼儀作法も必死に覚えた。これくらい主のためにはなんて事はない、と思った。

 そして専属護衛として任命された。

 最終試験はエルフの女との試合だった。高名な魔術師と聞かされていたが剣士としても一流だった。あたいはあたいと互角に戦えるやつに久しぶりに会えて嬉しかった。鍔迫り合いとなった時彼女の目を見た。彼女はあたいの目を見ながら小声で聞いた。

「あなたも?」

 そうか。このエルフはあたいと同じようにあの方に惚れ抜いているのだ、とわかりニヤリとする。

「お前もか」

 とあたいは答える。まるで頼りになる相棒を得たかのような気分だった。
 試合が終わった後、肩を組みながら二人で話す。

「いい、抜けがけはダメよ。彼を立派な男に成長させましょう」
「ああ、あたいもそのつもりでいる。あんたとは仲良くやれそうだ」
「ふふふ。私もそう思うわ」
「よろしく頼む。ミザーリだ」
「エメイラよ、よろしく」

 こうしてあたいはかけがえのない主とかけがえのない相棒を手に入れた。


 


 そんな幸せを壊そうとする輩が現れた。先程あたいはひと働きしてもう一つの戦場に急いでいる。
 ひょいと塀を飛び越え中庭に出ると一人の賊が家の方へ近づいているのが見える。

「行かせないよ」
「くそっ。お前らのせいで。せめてお前だけでも葬ってやる」

 と賊は槍を構える。あたいの槍より拵えが良い上等な槍だ。

「ふん。腰抜けの割に良い槍つかってるね」
「小賢しい。挑発にはのらんわ」

 賊と間合いを取り合う。この勝負、先に動いたら負けるな、と肌で感じる。じりじりとした時間が過ぎる。
耐えきれなくなったのだろう、賊が先に仕掛ける。予期していたあたいの槍が賊の槍を外から中に弧を描くように絡めとり、そのまま突き刺す。右腕、左腕、右脚、左脚を刺し貫く連続攻撃で戦闘不能にする。そしてそのまま自死できないように口に布を突っ込む。

「お前は主に喧嘩を売った。簡単には死なせないよ」

 


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