【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

文字の大きさ
33 / 688
幼少時代。

負けは似合わない。

しおりを挟む
 お母さんに抱かれ、僕がうとうとしてるとドルトが入ってきた。警戒していたお父さんは剣に手をかけていたけど、ドルトだとわかったので手を離した。

「旦那様、全て終わりました。損害はゼロ。負傷者なし。賊側は戦闘不能者10名、死亡17名。完勝です」

「「「「わー!」」」」

 と商会員やお兄さん達やアニナやエスナが声をあげている。
 お母さんは僕を抱き抱えながらミシェ姉さんと抱き合っていた。よし。リーリシアさん、神様ありがとうございます。
 ひとしきり騒いだあとでお父さんが皆を見渡しながら喋り出した。

「ドルト、ご苦労だった。皆もよく耐えてくれた。残念ながら商会員かぞくから裏切り者が出てしまったが、これを教訓にして良い店を作っていこう」
「「「はい」」」
「ドルト、片付けは必要か?」
「ええ。騎士団の兵士さん達が今やっておりますが、手が足りないようです。ですが…」
「ん、何か問題が?ああ、死体や血が飛び散っているのか」
「はい。ですからしばらくは無理かと」

 僕は手を上げる。

「リョウなんだ?」
「ボク手伝う。お店開く、違う?」
「いや、こうなったらしばらくはお店は開けない。みな疲れている。明日は休養だ」
「めー!商人、お客様、時間買う、違う?」
「そうだな」
「毎日、お客様、来る、違う?」
「その通りだが仕方ないんだ」
「僕、明日店、出る」
「何を言ってるんだ。危ないだろ」
「お客様、待ってる。お客様待たせる商人、負ける」
「そうだな……」
「旦那様、私は下を手伝ってきます」

 ドルトが立ち上がり言う。

「待て。私も行くよ」
「俺も」

 ロイック兄さんとストラ兄さんがドルトに言い立ち上がる。

「私も行きます」
「私も」
「俺も」
「ボクも」

 次々に声が上がり皆立ち上がる。ほとんどの人間が賛同してくれた。

「商会長、明日も店を開きましょう。坊ちゃんの言う通りです。我々スサン商会に負けという二文字は似合いません。我々は勝ちに行きましょう」

 モムノフさんがそう言った。

「お前達……良いんだな?」
「「「「はい」」」」
「よし。行こう!女性陣は掃除から、男性陣は片付けの手伝いからはじめてくれ」
「「「「はい」」」」
「リョウ、お前も掃除だ。良いな」
「うん!」

 みんなで階下から店に出る。そしてみなあちこちの片付けや掃除をはじめる。兵士さん達の片付けに男性陣が加わったがみな顔色が悪かった。

 僕は店先の拭き掃除をする。だってここが僕の職場だからね。血がついてても気にしない。丁寧に拭いていく。

 それを兵士さん達や戦った傭兵さんが呆気にとられて見ている。お爺様が走ってきた。

「お前達、何をやっている。兵士達に任せて休め」
「お言葉ですが、ナフェル騎士爵。ここは我らの戦場です。戦場の場を整えるのが私たちの仕事ですよ」

 モムノフさんが言う。

「お前達…」

 お爺様は泣いている。そして兵士さん達に檄を飛ばす。

「兵士達よ。戦場の片付けも我らの仕事だ。商人ごときに遅れをとってはならぬぞ!」
「「「「はい」」」」

 兵士さん達はきびきびと動きはじめた。商会員や丁稚達と一緒に黙々と働いている。お父さんもお爺様も一緒になって働いてくれた。

 ミザーリは僕を守るんだと言って後ろに立っている。カダスと師匠と傭兵二人は商会員の警備をしている。フレドと傭兵一人はお父さんとお兄さん達の警備だ。エメイラはあちこちでウォーターの魔法をかけていろんなものを洗い流している。みんな疲れてるのに悪いなあ、と思う。だからその分丁寧に丁寧に拭き上げる。

 店がピカピカになり、お父さんとお爺様が顔を見合わせて頷く。

「もう良いだろう。みなお疲れ様」
「兵士達よ、ご苦労だった」

 深夜のセス大通りに歓声が広がる。兵士さん達と男性陣の商会員や丁稚が握手をしていたり、拳を合わせたりしている。

「よし。我らは帰るが何かあったらすぐに言ってくるようにな」

 と言ってお爺様達は帰っていった。

 


 翌日、沢山の見物人や野次馬が店の前に立っていた。店の皆は気合が入っている。今日は良く売れるといいな。
 開店時間となって商会員が観音開きの戸を開けた。お父さんが出ていく。

 セス大通りに大きな、大きな拍手が鳴り響く。お父さんが口を開く。

「皆様、昨晩は大変ご迷惑をおかけしました。ただいまより、スサン商会開店いたします。よろしければぜひ立ち寄っていただきたく思います。今後ともスサン商会をご贔屓に」

 またセス大通りに大きな拍手が巻き起こる。さあ、僕と丁稚達の出番だ。

「「「いらっしゃいませー!スサン商会です!いらっしゃいませ!いらっしゃいませー!」」」

 と元気いっぱいの声が鳴り響く。
見ると泣いている人が多い。特に商会に勤めているような人達は大泣きしていた。

 泣きながら、走り寄って僕にチップを渡してくれる。

「勉強になります。ありがとうございます」

 と言う人がいれば、

「坊主達を見習って俺も商売頑張るぜ」
「私も色々見てきたけどあなた達は商人の鑑よ」
「ねえねえ、みんなうちに来ないかしら?」

 と言う人達もいる。お店、開いて良かったなあと思う。

 カダスさんがまた悪ノリして交通整理し始める。ミザーリと苦笑いする。列が長い。丁稚と一人一人に丁寧に元気よく挨拶をする。今日は1時間経っても2時間経ってもお客様がやってきていた。

 そろそろお客様が少なくなってきて僕の仕事も終わりかな?と思っていた時、豪華な馬車が店の前に止まった。
 何があったのだろうか?
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜

naturalsoft
ファンタジー
アヴァロン王国は現国王が病に倒れて、第一王子が摂政に就いてから変わってしまった。度重なる重税と徴収に国民は我慢の限界にきていた。国を守るはずの騎士達が民衆から略奪するような徴収に、とある街の若者が立ち上がった。さらに森で捨てられた悪役令嬢を拾ったことで物語は進展する。 ※一部有料のイラスト素材を利用しています。【無断転載禁止】です。 素材利用 ・森の奥の隠里様 ・みにくる様

極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――

銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」 世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。 魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。 彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。 一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。 構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。 彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。 「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」 暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。 管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。 これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。 ※アルファポリスで先行で公開されます。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

処理中です...