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幼少時代。
泣き虫のご領主様。
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僕は初めて豪華な馬車を見た。ガラス細工がふんだんに使われ、彫刻が全体に施され素晴らしいものだった。
お付きの人だろうか。御者台からザ・紳士ていう感じのナイスミドルが降りてきてドアを開ける。僕はそれをボーッと見ていた。
中からお父さんと同世代だろうか、比較的がっしりとした体型の、金髪で碧眼の男性が降りてきた。見るからに高価な服に身を包んでいる。
降りてきたので僕は
「いらっしゃいませー!スサン商会ですー!いらっしゃいませー!」
といつものように元気よく声をかけた。横を見ると丁稚があわあわしている。ミザーリはなんか緊張していた。
男性は僕の目線にしゃがむと僕に問いかけた。
「元気だな。スサン商会の三男坊とはそなたの事が?」
「リョウエスト・スサン。よろしく?」
僕は小首を傾げながら言った。敬語がまだよくわからないからなんとか誤魔化せるか?
「おお。そなたが。そなたの事は街の顔役や商会主から良く聞いているぞ。なるほど、働き者の三歳児がいると聞いたが、こんなに可愛い幼児が…」
男性は涙をこぼしている。
「今回の事件は怖くなかったか?」
「お父さんやお母さん、エメイラやミザーリやフレドや師匠やカダスやお兄さんやお姉さんがいたから怖くないよ?」
「よくぞ。よくぞ生き残ってくれた。そなたはこの街の人々に活気をあたえておる。これからも良き働きを頼む」
どう答えたら良いだろうか。この人、すごく泣いてるし。とりあえず返事しておけば良いか。
「うん!」
「元気でよろしい。そなたの元気に私も救われた気がするぞ」
「んふー?」
横にいたナイスミドルが呆れて言う。
「ご主人様、もう少しわかりやすい言葉にした方が良いかと。ナミリア様と話すようにしたら良いと私は思います」
「そうか。なかなか喋り辛いものだな。この子を見てると立派な人間に見えてくるから不思議だ」
「私もそんな印象を受けました」
この人達何しに来たんだろ。聞いて良いのかな?仕方ない。聞いてみよう。
「ごようはなんですか?」
「うん、君のお父さんに会わせて欲しい。それと店の様子も見たいのだが」
「あんない、する」
「よろしく頼む」
男性を店内に案内するとドルトや店の商会員やモムノフさんが一斉に立ち上がりお辞儀をする。
「ようこそいらっしゃいました。ご領主様。商会員一同歓迎いたします。本日は何がご入用でありますか?」
ドルトが恭しくお辞儀してご領主様?に聞いた。
「お主達、お主達は本当に働いておったのだな。なんて素晴らしい領民なのだ。私は其方達のような領民を持って幸せだ。そして私の父や私の祖父の目に狂いはなかった事を誇りに思う。スサン商会はやはり我が領にとって必要な存在だ。今後とも我が領を盛り立てていってくれ」
とご領主様は泣きながら言った。
「ドルト、ごりょうしゅさま?お父さん会うの」
「わかりましたリョウエストさん、案内ありがとうございます。ご領主様、ただいま主人を呼んで参ります。お手数ですが応接室でお待ち頂けますでしょうか」
おお、仕事モードのドルトもかっこいいぞ。
「あいわかった。ゆっくりで良いとハッセルエンに伝えてくれ。リョウエスト、応接室に案内してくれ」
「わかった!ごりょーしゅさま、こちら」
「うむ。お主は本当に利発な子よな」
応接室に案内する。でもどっちに座らせたら良いかわからない。どうしよう。
「ごりょーしゅさま、どっち、座る、わからない。ごめんね」
「何?レイよ、この子は席次の事を聞いているぞ!凄いなこの子は」
「はい。驚いています」
「ごめんね」
「良いぞ。君のお父さんに君の事をうんと褒めてあげよう」
「ありがと」
ご領主様はナイスミドルを伴って席に座った。しばらくご領主様と話しているとお父さんがノックして入ってきた。
「お待たせしました」
「おう。ハッセルエン、よくぞ生き残ってくれた。話を聞いてすぐにでも駆けつけようと思っていたが、あいにく公務があってな。許せよ」
「いえいえ。こうしてお見舞いに来ていただけるとは光栄の至りです。本当にありがとうございます」
「先ほどそなたの息子には良くしてもらった。褒めてあげてくれ」
「そうですか。何か失礼な事はなかったでしょうか?」
「とんでもない。席次がわからないから許してくれと言われた時は本当に驚いたぞ。なあレイ」
「良い息子さんを育てましたね。感心しました」
「ありがとうございます」
「リョウエストよ、ここに座れ」
とご領主様の隣の席を勧められる。お父さんにアイコンタクトをするとお父さんが頷いたので座った。ノックの音がしてお母さんがお茶を持って入ってきた。
お母さんにご領主様が声をかける。
「おお、ハノン。久しぶりだな」
「お久しぶりでございます」
「昨夜は怖くなかったか?」
「いえ。ご領主様の兵が守って下さいましたので、ちっとも怖くありませんでしたわ」
「そうか。そうか」
「本当にありがとうございました」
「うむ。ハノンも座れ」
「かしこまりました」
お母さんはお父さんの横に座った。
「ハッセルエン、ハノン、昨夜の顛末は騎士爵や兵から聞いておる。そなたらは後片付けを戦場を整えるといって我が兵と一緒に行ったようだな」
「はい。失礼ながら騎士爵様にそうお答えさせて頂きました」
「そして店を今朝から開いたと聞いた。これに相違ないか」
「はい、確かに店を開きましたが、何か不都合でもございましたでしょうか?」
ご領主様はまた泣いている。
「何と素晴らしい事か。まさに其方達は商人の鑑。昨日の片付けにはこの三歳の子まで率先して働いたというではないか」
僕はご領主様に頭をなでなでされている。
「親の背中を見て子は育つと言う。良き父であり、良き子だ。御用商会という肩書き以上のものは其方たちに与えられないが何かあった時には其方達を頼ろう」
「「ありがとうございます」」
「レイよ」
「はっ」
ナイスミドルは懐から袋を取り出し机に置く。この人も収納持ちなんだね。
「些少だがこれは見舞金だ。受け取ってくれ」
「「ありがとうございます」」
それからお父さん、お母さん、ご領主様は領内の様々なことについて話をする。その間僕は頭をなでなでされていた。
帰り際ご領主様は僕の目線に合わせて屈み、僕に話しかけた。
「リョウエストよ。私は君が気に入った。いつでも遊びに来い」
んー。これって社交辞令なの?
お付きの人だろうか。御者台からザ・紳士ていう感じのナイスミドルが降りてきてドアを開ける。僕はそれをボーッと見ていた。
中からお父さんと同世代だろうか、比較的がっしりとした体型の、金髪で碧眼の男性が降りてきた。見るからに高価な服に身を包んでいる。
降りてきたので僕は
「いらっしゃいませー!スサン商会ですー!いらっしゃいませー!」
といつものように元気よく声をかけた。横を見ると丁稚があわあわしている。ミザーリはなんか緊張していた。
男性は僕の目線にしゃがむと僕に問いかけた。
「元気だな。スサン商会の三男坊とはそなたの事が?」
「リョウエスト・スサン。よろしく?」
僕は小首を傾げながら言った。敬語がまだよくわからないからなんとか誤魔化せるか?
「おお。そなたが。そなたの事は街の顔役や商会主から良く聞いているぞ。なるほど、働き者の三歳児がいると聞いたが、こんなに可愛い幼児が…」
男性は涙をこぼしている。
「今回の事件は怖くなかったか?」
「お父さんやお母さん、エメイラやミザーリやフレドや師匠やカダスやお兄さんやお姉さんがいたから怖くないよ?」
「よくぞ。よくぞ生き残ってくれた。そなたはこの街の人々に活気をあたえておる。これからも良き働きを頼む」
どう答えたら良いだろうか。この人、すごく泣いてるし。とりあえず返事しておけば良いか。
「うん!」
「元気でよろしい。そなたの元気に私も救われた気がするぞ」
「んふー?」
横にいたナイスミドルが呆れて言う。
「ご主人様、もう少しわかりやすい言葉にした方が良いかと。ナミリア様と話すようにしたら良いと私は思います」
「そうか。なかなか喋り辛いものだな。この子を見てると立派な人間に見えてくるから不思議だ」
「私もそんな印象を受けました」
この人達何しに来たんだろ。聞いて良いのかな?仕方ない。聞いてみよう。
「ごようはなんですか?」
「うん、君のお父さんに会わせて欲しい。それと店の様子も見たいのだが」
「あんない、する」
「よろしく頼む」
男性を店内に案内するとドルトや店の商会員やモムノフさんが一斉に立ち上がりお辞儀をする。
「ようこそいらっしゃいました。ご領主様。商会員一同歓迎いたします。本日は何がご入用でありますか?」
ドルトが恭しくお辞儀してご領主様?に聞いた。
「お主達、お主達は本当に働いておったのだな。なんて素晴らしい領民なのだ。私は其方達のような領民を持って幸せだ。そして私の父や私の祖父の目に狂いはなかった事を誇りに思う。スサン商会はやはり我が領にとって必要な存在だ。今後とも我が領を盛り立てていってくれ」
とご領主様は泣きながら言った。
「ドルト、ごりょうしゅさま?お父さん会うの」
「わかりましたリョウエストさん、案内ありがとうございます。ご領主様、ただいま主人を呼んで参ります。お手数ですが応接室でお待ち頂けますでしょうか」
おお、仕事モードのドルトもかっこいいぞ。
「あいわかった。ゆっくりで良いとハッセルエンに伝えてくれ。リョウエスト、応接室に案内してくれ」
「わかった!ごりょーしゅさま、こちら」
「うむ。お主は本当に利発な子よな」
応接室に案内する。でもどっちに座らせたら良いかわからない。どうしよう。
「ごりょーしゅさま、どっち、座る、わからない。ごめんね」
「何?レイよ、この子は席次の事を聞いているぞ!凄いなこの子は」
「はい。驚いています」
「ごめんね」
「良いぞ。君のお父さんに君の事をうんと褒めてあげよう」
「ありがと」
ご領主様はナイスミドルを伴って席に座った。しばらくご領主様と話しているとお父さんがノックして入ってきた。
「お待たせしました」
「おう。ハッセルエン、よくぞ生き残ってくれた。話を聞いてすぐにでも駆けつけようと思っていたが、あいにく公務があってな。許せよ」
「いえいえ。こうしてお見舞いに来ていただけるとは光栄の至りです。本当にありがとうございます」
「先ほどそなたの息子には良くしてもらった。褒めてあげてくれ」
「そうですか。何か失礼な事はなかったでしょうか?」
「とんでもない。席次がわからないから許してくれと言われた時は本当に驚いたぞ。なあレイ」
「良い息子さんを育てましたね。感心しました」
「ありがとうございます」
「リョウエストよ、ここに座れ」
とご領主様の隣の席を勧められる。お父さんにアイコンタクトをするとお父さんが頷いたので座った。ノックの音がしてお母さんがお茶を持って入ってきた。
お母さんにご領主様が声をかける。
「おお、ハノン。久しぶりだな」
「お久しぶりでございます」
「昨夜は怖くなかったか?」
「いえ。ご領主様の兵が守って下さいましたので、ちっとも怖くありませんでしたわ」
「そうか。そうか」
「本当にありがとうございました」
「うむ。ハノンも座れ」
「かしこまりました」
お母さんはお父さんの横に座った。
「ハッセルエン、ハノン、昨夜の顛末は騎士爵や兵から聞いておる。そなたらは後片付けを戦場を整えるといって我が兵と一緒に行ったようだな」
「はい。失礼ながら騎士爵様にそうお答えさせて頂きました」
「そして店を今朝から開いたと聞いた。これに相違ないか」
「はい、確かに店を開きましたが、何か不都合でもございましたでしょうか?」
ご領主様はまた泣いている。
「何と素晴らしい事か。まさに其方達は商人の鑑。昨日の片付けにはこの三歳の子まで率先して働いたというではないか」
僕はご領主様に頭をなでなでされている。
「親の背中を見て子は育つと言う。良き父であり、良き子だ。御用商会という肩書き以上のものは其方たちに与えられないが何かあった時には其方達を頼ろう」
「「ありがとうございます」」
「レイよ」
「はっ」
ナイスミドルは懐から袋を取り出し机に置く。この人も収納持ちなんだね。
「些少だがこれは見舞金だ。受け取ってくれ」
「「ありがとうございます」」
それからお父さん、お母さん、ご領主様は領内の様々なことについて話をする。その間僕は頭をなでなでされていた。
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